傳ジロー／狂死郎（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

傳ジロー／狂死郎の概要

傳ジロー／狂死郎とは漫画『ONE PIECE』に登場するキャラクターであり、おでんに仕えた家臣集団「赤鞘の侍」の一人である。「都のみなし子」として大人を蔑みながらチンピラの錦えもんとつるんでいた幼少時代、光月おでんに出会い、彼の強さや人柄に惹かれて押しかけ家臣となる。
子供の頃から古文書を読むなど学問を嗜んでおり、主に財政関係のやりくりを行っていた。

外海に憧れていたおでんが出国している間は他の家臣と共に必死で国を護り、おでんの帰国後は「赤鞘の侍」の一員としてオロチ・カイドウの討ち入りに同行した。力及ばず釜茹での刑に処されることになるも、おでんの計らいによって生き延びる。しかし主君を守り切れず仲間が離散した無力さに絶望・憤怒し、形相が変わってしまうほどに一人閻魔堂に籠って叫び続ける。

やがてかつての面影がほとんどなくなってしまった状態を好機ととらえ、怒りを堪えてオロチに取り入り、復讐の機会を狙っていた。かつての仲間の討ち入りの情報を入手すると正体を明かし、「おでんの家臣」の立場に戻って討ち入りに参加する。ピンチに陥っていた日和の救助を行った。

傳ジロー／狂死郎のプロフィール・人物像

傳ジロー（デンジロー）
別名：狂死郎／居眠り狂死郎 「丑三つ小僧」としても活動
出身：偉大なる航路／ワノ国
身長：306センチメートル
好きなおでんの具：牛すじ
覇気：武装色・見聞色
CV：岸尾だいすけ

幼少期は青みがかた黒い長髪を一つに結んでおり、丸いサングラスをかけていた。赤鞘の侍離散後は髪の色が水色に変化しており、リーゼントのような髷をつけている。「鬼ヶ島」に上陸した際にはササキから「自慢のリーゼントはどうした？」と声を掛けられており、こだわりがあったことがうかがえる。
サングラスは閻魔堂に籠ってから出てきた際にはすでに紛失していたため掛けていない。

傳ジロー／狂死郎の能力

剣術

ゾロと互角

元白舞の大名・トの康（康イエ）を始末し逃走するオロチに対してゾロは斬りかかるが、傳ジロー／狂死郎はゾロの斬撃を受け止めてオロチを守る。斬り合いながらも息が上がっているゾロに対し、傳ジロー／狂死郎は余裕の表情で薄く笑みを浮かべていた。この事から傳ジロー／狂死郎の剣の腕前が相当高いものであることがうかがえる。

正確な剣捌き

将軍であるオロチを笑うという事態を引き起こしたトコを護るため、小紫（日和）はオロチを平手打ちしてしまう。オロチに斬られる覚悟をしていた小紫だったが、彼女を斬ったのは傳ジロー／狂死郎だった。しかし傳ジロー／狂死郎と小紫（日和）はお互いに正体を知っており、万一の時の為に毎日血糊を着物に仕込むことを事前に申し合わせていたのである。
傳ジロー／狂死郎は寸分の狂いなく小紫（日和）の懐に仕込んだ血糊だけを切っており、傳ジロー／狂死郎は正確な剣捌きをすることができるということがわかる。

おでん二刀流・桃源十拳（とうげんとつか）

正体を現し、赤鞘の侍の一人としてカイドウに立ち向かった傳ジロー／狂死郎は、かつてのおでんが得意とした剣技「おでん二刀流・桃源十拳」を仲間と共に叩きこむ。しかしおでんの強さには及ばず、返り討ちにされてしまった。

頭の良さ

傳ジロー／狂死郎はおでんと出会う前、「都のみなし子」だったころから古文書を読んでいて、年上であろう錦えもんよりも知識が豊富だった。また正式におでんの家来となった後には、傳ジロー／狂死郎が本を手に、他の家臣たちに勉強を教えているような描写がされている。

また悪知恵も働き、初登場の際には30銀で60銀の価値の大なべを手に入れるなど、口の上手さも相まって大人を騙していた。

その他にも傳ジロー／狂死郎の頭の良さや慎重さがうかがえるエピソードは多く、味方の中に潜り込んでいるであろうスパイに気取られないよう正体を隠したり、怒りを隠して「オロチ様の必要なものをすべて差し出す用意がある」と宣言して取り入るなどしていた。

傳ジロー／狂死郎の来歴・活躍

幼馴染の錦えもんと共におでんと出会う

「花の都のみなし子」だった傳ジローは、口八丁で道具屋から小判を誤魔化しながら商品を手に入れるなど悪知恵を働かせつつ、都のチンピラだった錦えもんとつるんでいた。

ある時金に目がくらんだ錦えもんは白猪の子供を捕まえて、大儲けしようとする。しかし古文書で白猪の事を読んでいた傳ジローは危険だと判断して、すぐ手放すよう錦えもんに忠告した。
二人が慌てているとそこに都をふらついていた光月おでんが現れ、白猪を取り上げて二人を庇い、子供を取り返すべく都に襲い掛かってきた母猪を退治したのだった。

おでんの強さと人柄に惚れた錦えもんと傳ジローは押しかけ家臣となり、将軍である父親から絶縁されたおでんに付き従う。当時荒れ果てていた久里の立て直しに貢献したおでんは絶縁を解かれて大名の地位を手に入れ、彼に惹かれて続々と増えていたほかの家臣共々侍として登用されて正式な部下となった。

主に金銭面での管理を任されていた傳ジローだったが、おでんを慕って人が増えることや金庫の金が減って財政難に陥っていることを、度々おでんに報告している。どうにもやりくりが大変になった家臣たちは白舞の康イエの元へ忍び込み、金を盗もうとした。
捕まってしまった家臣たちだったが、康イエから温情を掛けられ、さらに資金援助をしてもらって立派なおでんの家臣になるために努力を積み重ねていく。

数年後には誰もが認めるほど立派な侍として成長した、おでんの家臣たちの姿があった。

赤鞘の侍の離散後

立派な大名となったおでんだったが幼いころから抱いていた海外へのあこがれは捨てきれず、ある日島に偶然漂着した白ひげの船に乗って無理やり出国してしまう。おでんの行動を読んでいたイゾウ・ネコマムシ・イヌアラシも含めて海外へ出てしまい、残された家臣たちは苦労しながらも国を護っていた。

数年後ようやく「ラフテル」から戻ってきたおでんは、荒れ果てた国を将軍オロチ・海賊カイドウから取り戻すべく、殴り込みをかける。しかし国に恨みを持つオロチに脅され、おでんは5年間に渡って裸踊りを続ける「バカ殿」として蔑まれることとなってしまった。
古くからのおでんの協力者・友人たちや家臣、妻のトキや子供たちのモモの助・日和はおでんを信じていたものの、5年後騙されていたことに気付いたおでんは家臣を連れてオロチ・カイドウの討伐に出向く。

しかし家臣の中の裏切り者の内通によって待ち伏せを受け、更に卑怯な手によって油断したおでんは負けてしまい、家臣含め全員釜茹での刑に処されることになってしまう。
当日おでんの計らいによって刑場から逃がされた家臣たちだったが、イヌアラシ・ネコマムシと離散し、更に追手から仲間を逃がすためアシュラ童子と傳ジローは多勢に無勢の中立ち向かった。

傳ジローは何とか生き延びることに成功するものの、おでん城は焼け落ち、仲間達は散り散りになってしまう。怒りと無力さに憑りつかれた傳ジローは「閻魔堂」に籠って嘆き・叫び続け、堂から出る頃には全く風貌が変わり果ててしまっていた。

青くなってしまった髪と吊り上がった目では誰も傳ジローに気付かず、町をふらついていたところをチンピラに絡まれた傳ジローはあっという間にチンピラを叩きのめしてしまう。彼の強さに惹かれたチンピラから名を聞かれた傳ジローは、「狂死郎」と名乗り、以降ならず者を集めて大侠客へとのし上がったのだった。