アオラレ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アオラレ』(Unhinged)とは2020年にアメリカで公開されたサイコスリラー映画。あおり運転をされた母子が巻き込まれる恐怖が描かれている作品。監督はデリック・ボルテ。オスカー俳優ラッセル・クロウがあおり運転をする男トムを演じる。狂気の男にあおられるのは『移動都市/モータル・エンジン』のカレン・ピストリアが演じる母レイチェル。日本でも社会問題にもなり、時折ニュースにもなるあおり運転が引き起こす事件が想像を上回る恐怖として描かれた作品。

解雇や薬物問題、離婚など社会的立場から追いやられたと絶望しているトム。不運だったとはいえ、放火殺人を犯して逃亡する残忍な一面を持つ。あおり運転に至ったのも、クラクションを鳴らしたレイチェルが反論をしてきたためだが、逸脱した行動には狂気を感じる。大きな体で迫って来る姿は迫力があり、激情型で執拗な性格。どんどん追い詰めていく際も冷静で、残虐な行為も躊躇なく行う男。

主演のラッセル・クロウは1964年生まれニュージーランドの出身。映画俳優としてのデビューは1990年公開の『ザ・クロッシング』。1999年には『インサイダー』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ活躍の場を広げる。2000年公開の『グラディエーター』では剣闘士を演じ主演男優賞を受賞。以降も『ビューティフル・マインド』で、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞するなどの実力派男優。名声の通り狂気に満ちた男を演じた本作では、鬼気迫る演技をみせている。

レイチェル・フリン(演:カレン・ピストリア)

離婚裁判中の美容師のレイチェルは、夫との離婚問題や母の介護問題に頭を悩ませている。一人息子のカイルを育てるため、一生懸命に仕事をしているが、うまくいかない。事件の朝も焦る余り、乱暴な運転をしてしまう短気な面が災いし、あおり運転に巻き込まれてしまう。追い詰められ恐怖に怯えるものの、息子カイルに危険が及ぶと一変。自分より体の大きなトムにも果敢に立ち向かい、後に引こうとしない強い一面をみせる母性の強い女性。

本作で、あおり運転の被害にあうシングルマザーを演じたカレン・ピストリアスは、1990年生まれの南アフリカ・ラステンバーグ出身。ニュージランドに12歳の時に移住。『スロウ・ウェスト』『否定と肯定』『カーゴ』『移動都市/モータル・エンジン』『グロリア 永遠の青春』などの作品に出演している。『アオラレ』で子どもを守る強い母親を演じ、好評を得た。ハリウッド映画初主演作。

カイル・フリン(演:ガブリエル・ベイトマン)

ゲームばかりしている15歳の少年。両親が離婚裁判中だが、父親との外出を楽しみにしていたり、乱暴な運転をする母親を心配したりする優しくてしっかりした性格。あおり運転で追いかけられている最中も、連絡手段としてタブレットがあることを思い出すなど冷静な一面も持つ。突然の恐ろしい状況に怯えるが、母レイチェルがトムに立ち向かう姿を信じ乗り越える。

離婚する両親の元でゆれる子どもの姿を演じたガブリエル・ベイトマンは、2004年アメリカ生まれ。小さな頃から子役として活躍。映画だけでなく、TVやCMなどにも出演していきた経歴の持ち主。
2014年『アナベル 死霊館の人形』、2016年『ライト/オフ』に続き2019年には『チャイルド・プレイ』にも出演。ヒット作への出演が続く、これから期待される俳優。

レイチェルの家族

フレッド・フリン(演:オースティン・P・マッケンジー)

レイチェルの弟。離婚裁判でもめている姉レイチェルと息子カイルの家に恋人メアリーと一緒に居候している。自宅前に停まった車がニュースで見た車ではないかと不審に思い、何者かからメアリーを守ろうと包丁を手にする恋人思いの男性。トムによってメアリーを殺害させられたばかりか、拘束されたまま火を点けられるが警察に助けられ一命を取り留める。

レイチェルの弟を演じたオースティン・P・マッケンジーは1993年生まれ。アメリカアリゾナ州出身。2015年にブロードウェイ『春の目覚め』で舞台に立つ。TVドラマ『101』などに出演。また俳優としてだけではなく、歌手としても活動。主演したドラマ『私たちが立ち上がるとき』のサウンドトラックには「あなたのことを思っています」が収録されている。

メアリー(演:ジュリエンヌ・ジョイナー)

フレッドの恋人。レイチェルの家に侵入してきたトムに捕まり、血まみれの姿でフレッドの前に引きずり出される。フレッドが護身用に持っていた包丁で殺されてしまう。

その他の人物

アンディ(演:ジミ・シンプソン)

画面左側がアンディ

レイチェルの友人でもある離婚問題を請け負う弁護士。トムにレイチェルの浮気相手と勘違いされ、離婚相談のために待ち合わせた店でトムに弁護士だと知られ殺されてしまう。トムに会った時には危険を察して、すぐにトムから逃げようとする判断の早い面を持つ。

アンディを演じたジミ・シンプソンは1972年生まれ。アメリカニュージャージ出身。大学では演劇を学び、卒業後は働きながら演劇活動をする。2000年『恋は負けないで』で映画初出演。TVドラマ『24 -TWENTY FOUR-』『ローズレッド』にも出演。舞台にTVドラマ、映画と活躍の場を広げている。

レイ(演:スティーヴン・ルイス・グラッシュ)

画面一番右側の人物がレイ

トムから逃れ、弁護士のアンディとのランチに向かう途中で立ち寄ったガソリンスタンドの売店にいた客。男に追われている女性を車まで送る紳士。トムを追い払おうとすると、怒ったトムに車で轢かれてしまう。

レイを演じたスティーヴン・ルイス・グラッシュは2014年『チェーン』、2015年『リベンジ・トラップ/美しすぎる罠』に出演。TVドラマ『NCIS:ニューオーリンズ』、『シカゴP.D.』にはゲスト出演をしている。

デボラ・ハスケル(演:アン・レイトン)

レイチェルのクライアント。離婚問題で大変なレイチェルを優遇して仕事を依頼していたが、度重なる遅刻など勤務態度の悪さを理由にレイチェルを解雇する。トムが盗んだ携帯電話に通話履歴が残っていたため、ターゲットにされそうになるが免れる。

デボラを演じたアン・レイトンは2018年『ボーイフレンド・シークレット』に出演。TVドラマ『NCIS~ネイビー犯罪捜査犯』・『LUCIFER/ルシファー』・『CSI:サイバー』・『HAWAII FIVE-0』などにゲスト出演。

ホーマー(演:マイケル・パパジョン)

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@6yhazuki_cartney

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