ベルサイユのばら(ベルばら)のネタバレ解説・考察まとめ

『ベルサイユのばら』とは、池田理代子原作の漫画作品である。通称「ベルばら」。1972年から1973年にかけて、『週刊マーガレット』(集英社)で連載された。フランス王妃マリー・アントワネット、男装の麗人オスカル、スウェーデンの貴族フェルゼンの三人を中心に、ルイ15世末期からアントワネット処刑の頃までを描いている。1974年に宝塚歌劇団でミュージカル版が上映されると、続々とテレビアニメ化・劇場版アニメ化され、爆発的な人気となった。発行部数2,000万部を突破するなど、愛され続ける作品である。

ロザリーの育ての母ラ・モリエールを馬車で轢き殺した際、憎悪の目を向けるロザリーに対してポリニャック伯爵夫人が放った言葉。マリー・アントワネットに気に入られ、ベルサイユでの権力を確立しつつあったポリニャック伯爵夫人の傲慢さが垣間見える。のちにロザリーが自分の娘であることがわかると、恩人を轢き殺してしまったと後悔するのだった。

オスカル「わたしの春風……!!」

オスカルがロザリーのことを思い返す時に呟いた言葉。
あたたかな春風のようにオスカルの心を和ませたロザリーのことをよく表した言葉で、オスカルのロザリーに対する深い情が伺える。
この言葉を、どことなくロザリーの面影があるディアンヌに対しても呟いていた。

アンドレ「そのショコラが熱くなかったのをさいわいに思え!!」

オスカルの婚約者としてジャルジェ家に出入りするジェローデルに「妻を慕う召使を妻のそばにつけてやるくらいの心の広さはある」と言われ、カッとなったアンドレが運んできたショコラを投げつける。ずっと好きだった女性を横取りされてしまうのに、平民の身分ではどうすることもできないアンドレの葛藤が滲んだセリフ。

オスカル「フ…ランス……ばんざ…い…!」

バスティーユ牢獄襲撃事件で弾丸に倒れたオスカルが、息絶える間際に口にした言葉。貴族として華やかな人生を選ぶこともできたオスカルが爵位を捨てて民衆とともに立ち上がることを決め、民衆たちの初めての勝利を祝福するセリフでもある。

『ベルサイユのばら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

男性社会への反発から生まれたオスカルというキャラクター

作者の男性社会への反発から生まれたというオスカル

作者である池田理代子は中高生時代から、女子校でもないのに女子生徒からラブレターをもらうほど男性的だったという。オスカルは、そんな自分を投影したキャラクターでもあった。連載当時、まだまだ女性の社会的地位が高くなかった時代。オスカルというキャラクターを描いた背景には、「男性社会に対するアンチテーゼのような気持ちがあった」とも話している。実際、読者からは「勇気を与えてもらった」というようなファンレターも届き、当時の女性読者を勇気づける存在にもなった(池田理代子プロダクション『永遠のベルサイユのばら』より「池田理代子インタビュー」)。

オスカルの死後は10話で終わらせなければならなかった

敵からの銃撃にやられたオスカル

当時の女性から絶大な人気を誇っていたオスカルだが、作品の途中で死んでしまう。これについて作者の池田理代子は次のように話している。

「7月14日に死ぬというのはずっと前から決めてましたから。ストーリーの持って行き方で万が一やばくなったら病気で殺そうと。二本立てで行ってました」(集英社『ベルサイユのばら大事典』より「池田理代子インタビュー」)

オスカルが死んでからは読まないという読者も多く、編集部からは「オスカルが死んだら10話でやめてくださいね」と言われていた。そのため、オスカルの死後からマリー・アントワネットの処刑までを急ぎ足で描き上げたが、池田理代子本人はロベスピエールやサン・ジュスト、フェルゼンやマリー・テレーズのその後など、もっと詳しく描きたかったという。

連載中に絵の勉強

池田理代子のインタビュー記事が載っている冊子『永遠のベルサイユのばら』の表紙

連載当時、自分の絵に納得がいかなかったという池田理代子。「もっと自分がイメージするように描きたい」と、忙しい執筆活動の合間を縫って絵を習い始める。武蔵野美術大学の学生に自宅まで来てもらい、原稿を描きながら石膏デザインや油絵を勉強する毎日。ハードな日々を乗り越えて、「格段に絵が描きやすくなって楽になった」と話す。特に顔面には力を入れ、オスカルの金髪には苦労した(池田理代子プロダクション『永遠のベルサイユのばら』より「池田理代子インタビュー」)。

『ルパン三世』とのコラボレーション

(ルパン(左)とオスカル(右))

1979年9月17日に放映された『ルパン三世』101話「ベルサイユは愛に燃えた」にてオスカルが登場。ルパン三世100話記念にてシナリオ公募された作品の一作である。舞台は放映当時の20世紀のフランスであった。
原作と同じく男装の麗人として登場するが、斬鉄剣で服を切り裂かれたことによってルパンたちに女性とバレてしまう。なお、18世紀に生きていたオスカルが20世紀に登場すること、アントワネットの怒りを買い石化の秘薬でアンドレが石像化されていることなどからパラレルワールド的物語の要素が強い。

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