Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の徹底解説まとめ
アース・ウインド&ファイアーとは、創設者のモーリス・ホワイトによって1969年にシカゴで結成された黒人R&B、ファンク、ディスコ、アフロポップグループである。「シャイニング・スター」「宇宙のファンタジー」「セプテンバー」「ブギー・ワンダーランド」「レッツ・グルーヴ」などヒット曲多数。2016年にモーリス・ホワイトは他界したが、フィリップ・ベイリーが継承し、50年以上経った今も活動するウルトラバンドである。グラミー賞6度受賞、全世界で約9千万枚のセールスを記録している。
1976年のヒット曲「ゲッタウェイ」を共同執筆した元パーカッショ二ストで、EWFの最も重要な貢献者の一人。もともとCleveland, OH band S.O.U.Lでギタリストとしてのキャリアを始めたテイラーは、1976年にソングライターとしてアース、ウィンド&ファイアーと協力し始め、アルバム『スピリット』のヒットに貢献した。5年後の1981年『レイズ!』で再びバンドと活動した。アルバム、トラック「Lady Sun」「You Are a Winner」そして「Changing Times」を作曲、1981年から1982年のツアーではボーカルとパーカッションとして参加した。その他のトラックでは「Spread Your Love」「Freedom of Choice」「Heart to Heart」などを作曲している。2014年没。
Yackov Ben Israel(ヤコフ・ベン・イスラエル/per)
ソルティ・ペパー時代から在籍したEWF最初期のメンバー。EWFのバックを務めたフェニックスホーンズの前身である「ファラオズ」のメンバーで、モーリスとの出会いはファラオズまで遡る。EWFでは1970年のファーストアルバム、1971年のセカンドアルバムに参加した。
Leslie Drayton(レスリー・ドレイトン/tr/vo )
(在籍期間1969年〜1971年)ジェラルドウィルソンオーケストラ のトランペット奏者を経て、初期のアース、ウィンド&ファイアーに参加した。デビュー作「Earth, Wind and Fire」(1971)、セカンド・アルバム「The Need of Love」(1972)に参加している。また、レスリーは、マーヴィン・ゲイの音楽監督をしたり、自身のオーケストラを率いたり、ディスコバンド 「シルヴェスター」等を育てたりと長いキャリアを持つベテランで、リーダーとして10作品以上のアルバムをリリースしている。
Sherry Scott(シェリー・スコット/vo)
(在籍期間1969年〜1971年)シカゴ出身のシンガーソングライター。アース・ウインド&ファイアーの創設メンバー
Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)のディスコグラフィー
Earth, Wind & Fire
01. Help Somebody
02. Moment of Truth
03. Love Is Life
04. Fan the Fire
05. C'mon Children
06. This World Today
07. Bad Tune
1971年2月リリースのアース・ウィンド・アンド・ファイアーのデビュー・アルバム。
ビルボード、アルバム・チャートで最高172位、R&Bチャート24位。「ラブ・イズ・ライフ」はビルボード・ホット・ソウル・ソングス・チャートで43位。リーダーのモーリス・ホワイトと弟のヴァーダインを中心に10人編成で発表したデビュー作はジャズファンクの要素が強く、演奏も荒削りではあるが、このファンクネスが魅力でもある。まだグループの個性が確立しておらず、時代の流行りを取り入れながらスタイルを模索していたことがサウンドからもうかがえる。ラストの「Bad tune」は後のアースの特徴とも言えるカリンバ(サム・ピアノ)も登場する。リーダーのモーリス・ホワイトは「ジャズ、ソウル、ロックの融合を試みた」と語っている。
The Need of Love(愛の伝道師)
01. Energy
02. Beauty
03. I Can Feel It in My Bones
04. I Think About Lovin' You
05. Everything is Everything
1971年11月、ワーナーブラザーズレコードによってリリース。EWFによる2枚目のスタジオアルバム。ビルボード・トップ・ソウル・アルバム・チャートで35位に入った。オープニングよりスピリチャルな演奏と女性による語りが2分以上続き、前作同様フリージャズ的な様相を呈している。スピリチャルや愛の言葉といった手法も、ジョン・コルトレーンの「Om」やフランク・フォスターの「Loud minority」等に見られる当時の流行りのパターンでもある。ラストの「Everything is Everything」はダニー・ハサウェイのカバーで、ヘヴィーなジャズファンクである。「I Think About Lovin' You」がビルボード・ホット・ソウル・シングルズ・チャートで44位に入るが、注目を集めることは出来ず、このアルバムを出した後の1972年にバンドは解散。リーダーのモーリス・ホワイトと弟のヴァーダインを中心にバンドを再編成し、コロムビア・レコードへと移籍する。アートワークは、ローランド・チャールズによる。
Last Days and Time(地球最後の日)
01. Time Is On Your Side
02. Interlude
03. They Don't See
04. Interlude
05. Make It With You
06. Power
07. Remember The Children
08. Interlude
09. Where Have All The Flowers Gone
10. I'd Rather Have You
11. Mom
1972年11月発表の3作目。ワーナーでの2作の後、コロンビアに移籍しての第一弾。モーリスとヴァーディンの兄弟以外のメンバーを入れ替えて8人編成になった。フィリップ・ベイリー、ラリー・ダン、ラルフ・ジョンソン、アル・マッケイと、この後EW&Fの核となるメンバー達がこのアルバムから参加している。アルのギターカッティングが強調された楽曲が多く、この作品だけのメンバーであったロニー・ロウズのサックスソロが入るジャズ・ロック・インストルメンタルもある。マイルス・デイビス『ビッチェズ・ブリュー』と同じ画家によるジャケットも関係してか、ジャズ・ファンク~ブラス・ロック系の楽曲も多い。また。ブレッドの「Make It With You~二人の架け橋」やピート・シーガーの「Where Have All The Flowers Gone~花はどこへいったの」を取り上げ、ウエストコーストロックやポップス的アプローチも試みている。アース・サウンドの象徴的楽器カリンバも大きくクローズアップされている。ビルボードR&Bチャート2位、ポップチャート27位。
Head to the Sky
01. Evil
02. Keep Your Head To The Sky
03. Build Your Nest
04. The World's A Masquerade
05. Clover
06. Zanzibar
1973年発表の4作目、コロンビアでの2作目。J・ウィザートがデビュー作から本作までプロデュースを担当している。オープニングナンバーは初期の代表作となる「evil」。この曲を筆頭にボーカル曲を強化。エレキ・シタールが悩ましく響くメロウ・ソウル「Keep Your Head To The Sky~宇宙を見よ」ではフィリップ・ベイリーもいよいよ本領発揮する。ラストはブラジルのボサノバ作曲家、エドゥ・ロボ作の、10分を超える大作「zanzibar」。長めのジャズロック・インスト物やボーカル曲、スピリチュアルな曲等を混在させながら自身のグループとしてのスタイルを確立していった。前作で加入した女性シンガーのジェシカ・クリーヴスは本作を最後に脱退。全米ポップチャート27位・R&Bチャート2位。
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目次 - Contents
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の概要
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の活動経歴
- 1969-1970 創成期
- 1970-1974 黎明期
- 1975-1980 全盛期
- 1981-1986 エレクトリックサウンド
- 1987-1994 再始動
- 1996年-現在 ネオ・ピリオド
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)のメンバー
- Philip Bailey(フィリップ・ベイリー/vo)
- Verdine White(ヴァーダイン・ホワイト/b)
- Ralph Johnson(ラルフ・ジョンソン/dr)
- Myron McKinley(マイロン・マッキンリー /key)
- Philip Bailey, Jr(フィリップ・ベイリー・ジュニア/background vo)
- B. David Whitworth(B デビッド・ホイットワース/vo/perc)
- Morris O’Connor(モリス・オコナー/g)
- John Paris(ジョン・パリス/dr/vo)
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の旧メンバー
- Maurice White(モーリス・ホワイト/vo)
- Fred White(フレッド・ホワイト/dr)
- Al McKay(アル・マッケイ/g)
- Larry Dunn(ラリー・ダン/key)
- Greg Moore(グレッグ・ムーア/g)
- GARY BIAS(ゲイリー・バイアス/sax)
- Johnny Graham(ジョニー・グラハム/g)
- Jessica Cleaves(ジェシカ・クリーブス/vo)
- Roland Bautista(ローランド・バウティスタ/g)
- Robert Brookins(ロバート・ブルキンズ/key)
- Sonny Emory(ソニー・エモリー/dr)
- Freddie Ravel(フレッド・レイヴェル/key)
- Ronnie Laws(ロニー・ロウズ/sax)
- Sheldon Reynolds(シェルドン・レイノルズ/g)
- Andrew Woolfolk(アンドリュー・ウールフォーク/sax)
- Wade Flemons(ウェイド・フレモンズ/vo)
- Bernard Beloyd Taylor(ベロイド・テイラー/per)
- Yackov Ben Israel(ヤコフ・ベン・イスラエル/per)
- Leslie Drayton(レスリー・ドレイトン/tr/vo )
- Sherry Scott(シェリー・スコット/vo)
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)のディスコグラフィー
- Earth, Wind & Fire
- The Need of Love(愛の伝道師)
- Last Days and Time(地球最後の日)
- Head to the Sky
- Open Our Eyes (太陽の化身)
- Another Time
- That's the Way of the World (暗黒への挑戦)
- Gratitude (灼熱の狂宴)
- Spirit (魂)
- All 'N All (太陽神)
- The Best of Earth, Wind & Fire Vol.1
- I Am (黙示録)
- Faces (フェイセス)
- Raise! (天空の女神)
- Powerlight (創世記)
- Electric Universe (エレクトリック・ユニヴァース)
- Touch the World (タッチ・ザ・ワールド)
- Heritage (ヘリテージ)
- Millennium (千年伝説)
- In the Name of Love (イン・ザ・ネイム・オブ・ラブ)
- The Promise
- Illumination
- Now, Then & Forever
- Holiday
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の代表曲
- SHINING STAR
- THAT'S THE WAY OF THE WORLD
- SING A SONG
- GETAWAY
- SATURDAY NITE
- FANTASY
- JUPITER
- BRAZILIAN RHYME
- SEPTEMBER
- AFTER THE LOVE HAS GONE
- BOOGIE WONDERLAND
- LET'S GROOVE
- FALL IN LOVE WITH ME
- MAGNATIC
- SYSTEM OF SURVIVAL
- THINKING OF YOU
- HERITAGE
- WANNA BE THE MAN
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の名言・発言
- モーリス・ホワイト「私もジョン・コルトレーンやFunkadelicやKool&the Gangからいろいろ盗んでる。そこにオリジナリティを足して次の世代に受け渡すのがお前たちの仕事だ」
- フィリップ・ベイリー「僕がアース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーになってから、20年になるけど、バンドとして決断が必要な時には、いつもモーリスが尊重するだろうと思うことを念頭に入れている。そのことが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのDNAの一部ということだけでなく、アース・ウィンド・アンド・ファイアーとしてやっていくための方法だということをみんなわかっているんだ」
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アース・ウインド&ファイアー「セプテンバー」の日
- 「September 」誕生秘話
- 「After the Love has gone」誕生秘話