Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の徹底解説まとめ
アース・ウインド&ファイアーとは、創設者のモーリス・ホワイトによって1969年にシカゴで結成された黒人R&B、ファンク、ディスコ、アフロポップグループである。「シャイニング・スター」「宇宙のファンタジー」「セプテンバー」「ブギー・ワンダーランド」「レッツ・グルーヴ」などヒット曲多数。2016年にモーリス・ホワイトは他界したが、フィリップ・ベイリーが継承し、50年以上経った今も活動するウルトラバンドである。グラミー賞6度受賞、全世界で約9千万枚のセールスを記録している。
Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
アース・ウインド&ファイアー「セプテンバー」の日
2019年9月1日、日本記念日協会は、アース・ウインド&ファイアーの結成50周年を記念して9月21日を「アース・ウインド&ファイアー“September”の日」と正式認定した。
9月21日が記念日となったのは、「September」の冒頭の一節「Do You Remember, the 21st night of September/Love was changing the minds of pretenders(9月21日の夜のことを覚えてるかい?/あの夜、僕らは本当の愛を知った)」と、ある男性が9月21日に一夜を過ごした女性のことを思い出すストーリーにちなんでいる。
「September 」誕生秘話
アースの数ある名曲の中でも、最も広く知れ渡っている曲が「September」である。実際、ラジオのオンエアでも未だにリクエストが絶えない、まさに世代を超えた名曲である。そんな「September」だが、キャッチーなメロディラインだけでなく、不思議なくらい気持ちが「アガる曲」だとメンバー全員が口を揃えている。
アースと言うバンドの凄いところは、総師モーリス・ホワイトが集めたメンバーがみんな曲が書けると言うことである。常に4.5人程のメンバーが曲作りに参加している。
「September」の作曲はモーリス自身とギターのアルマッケイ、そしてそこに新人の女性が参加している。彼女こそがこの曲に「アガる力」を与えた。彼女の名は「アリー・ウィリス」。当時、モーリスが彼女に曲作りを依頼した時、ロサンゼルスの本屋を紹介し、「私と同じレベルに達するために本を読め」と命じ、占星術からエジプト、神話の本等を紹介し、そして「これだけは絶対読め」と薦めたのが、『Greatest Salesman in the world』と言うビジネス本で、売れるという事は何かということを勉強させた。結果、彼女の参加により「September」の楽しい雰囲気が出来上がった。
そしてもう一つのアゲアゲの代表曲「Boogie Wonderland」にも彼女は作曲として加わることになる。その後彼女は作曲家、プロデューサー等、マルチタレントとなり、1987年、全英、全米で2位を記録したペットショップボーイズの「What Have I Done to Deserve This?"」を作曲したり、映画『ビバリーヒルズコップ』や『カラーパープル』ではグラミー賞を獲得。また日本でもヒットした海外ドラマ「フレンズ」のテーマ曲「I'll Be There for You」を作曲しエミー賞にノミネートされた。残念ながら彼女は2018年に亡くなるが、生涯に携わったアルバムの売り上げは6000万枚にも及んだ。
「After the Love has gone」誕生秘話
アースが今までライブで最も演奏してきた曲は「After the Love has gone」である。
数々の名曲を作曲してきたモーリス・ホワイトだが、この曲は実はモーリスの手が加わってない。
当時、まだ若かったデイヴィッド・フォスターがモータウンの新人をプロデュースしている時に、いいコード進行のアイデアが浮かんだ。デイヴィッドはそれを友人のジェイ・グレイドンの家に持ち込み、彼の家でメロディーを完成させる。ちょうどその頃、ビル・チャンプリンが曲を欲しがってたので、「この曲は彼にあげて歌詞を書いてもらおう」ということになり、ビル・チャンプリンが歌詞を付けて遂に曲は完成した。
ちょうどその頃モーリスと仕事をしていたデイヴィッドは「いい曲が出来た」と言って聞かせてしまった。そうしたところ、モーリスが気に入ってしまい「是非我々にやらせてくれ」と言う事になった。
一旦はビル・チャンプリンにあげてしまったものの、日の出の勢いだったアースの要望に断ることが出来ず、困ったデイヴィッドはジェイ・グレイドンに電話して、ビル・チャンプリンに断りの電話を入れてもった。ビルは大人の対応で承諾してくれたが、結果これがアースを代表する名曲となった。
後日談がある。
その後、ビル・チャンプリンはシカゴのヴォーカリストとして新加入することになるが、当時のシカゴはヒット作もなく瀕死の状態だった。ビルは「若い凄いプロデューサーで、デイヴィッド・フォスターと言う男を知ってるから紹介するよ」と言い、紹介されたデイヴィッドはシカゴをプロデュース、1982年「Hard to say i’m sorry (素直になれなくて)」を作曲し、全米No.1を獲得、シカゴは見事に復活するのである。
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目次 - Contents
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の概要
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の活動経歴
- 1969-1970 創成期
- 1970-1974 黎明期
- 1975-1980 全盛期
- 1981-1986 エレクトリックサウンド
- 1987-1994 再始動
- 1996年-現在 ネオ・ピリオド
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)のメンバー
- Philip Bailey(フィリップ・ベイリー/vo)
- Verdine White(ヴァーダイン・ホワイト/b)
- Ralph Johnson(ラルフ・ジョンソン/dr)
- Myron McKinley(マイロン・マッキンリー /key)
- Philip Bailey, Jr(フィリップ・ベイリー・ジュニア/background vo)
- B. David Whitworth(B デビッド・ホイットワース/vo/perc)
- Morris O’Connor(モリス・オコナー/g)
- John Paris(ジョン・パリス/dr/vo)
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の旧メンバー
- Maurice White(モーリス・ホワイト/vo)
- Fred White(フレッド・ホワイト/dr)
- Al McKay(アル・マッケイ/g)
- Larry Dunn(ラリー・ダン/key)
- Greg Moore(グレッグ・ムーア/g)
- GARY BIAS(ゲイリー・バイアス/sax)
- Johnny Graham(ジョニー・グラハム/g)
- Jessica Cleaves(ジェシカ・クリーブス/vo)
- Roland Bautista(ローランド・バウティスタ/g)
- Robert Brookins(ロバート・ブルキンズ/key)
- Sonny Emory(ソニー・エモリー/dr)
- Freddie Ravel(フレッド・レイヴェル/key)
- Ronnie Laws(ロニー・ロウズ/sax)
- Sheldon Reynolds(シェルドン・レイノルズ/g)
- Andrew Woolfolk(アンドリュー・ウールフォーク/sax)
- Wade Flemons(ウェイド・フレモンズ/vo)
- Bernard Beloyd Taylor(ベロイド・テイラー/per)
- Yackov Ben Israel(ヤコフ・ベン・イスラエル/per)
- Leslie Drayton(レスリー・ドレイトン/tr/vo )
- Sherry Scott(シェリー・スコット/vo)
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)のディスコグラフィー
- Earth, Wind & Fire
- The Need of Love(愛の伝道師)
- Last Days and Time(地球最後の日)
- Head to the Sky
- Open Our Eyes (太陽の化身)
- Another Time
- That's the Way of the World (暗黒への挑戦)
- Gratitude (灼熱の狂宴)
- Spirit (魂)
- All 'N All (太陽神)
- The Best of Earth, Wind & Fire Vol.1
- I Am (黙示録)
- Faces (フェイセス)
- Raise! (天空の女神)
- Powerlight (創世記)
- Electric Universe (エレクトリック・ユニヴァース)
- Touch the World (タッチ・ザ・ワールド)
- Heritage (ヘリテージ)
- Millennium (千年伝説)
- In the Name of Love (イン・ザ・ネイム・オブ・ラブ)
- The Promise
- Illumination
- Now, Then & Forever
- Holiday
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の代表曲
- SHINING STAR
- THAT'S THE WAY OF THE WORLD
- SING A SONG
- GETAWAY
- SATURDAY NITE
- FANTASY
- JUPITER
- BRAZILIAN RHYME
- SEPTEMBER
- AFTER THE LOVE HAS GONE
- BOOGIE WONDERLAND
- LET'S GROOVE
- FALL IN LOVE WITH ME
- MAGNATIC
- SYSTEM OF SURVIVAL
- THINKING OF YOU
- HERITAGE
- WANNA BE THE MAN
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の名言・発言
- モーリス・ホワイト「私もジョン・コルトレーンやFunkadelicやKool&the Gangからいろいろ盗んでる。そこにオリジナリティを足して次の世代に受け渡すのがお前たちの仕事だ」
- フィリップ・ベイリー「僕がアース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーになってから、20年になるけど、バンドとして決断が必要な時には、いつもモーリスが尊重するだろうと思うことを念頭に入れている。そのことが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのDNAの一部ということだけでなく、アース・ウィンド・アンド・ファイアーとしてやっていくための方法だということをみんなわかっているんだ」
- Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アース・ウインド&ファイアー「セプテンバー」の日
- 「September 」誕生秘話
- 「After the Love has gone」誕生秘話