電影少女(ビデオガール)のネタバレ解説・考察まとめ
『電影少女(ビデオガール)』とは、1989年から4年にわたり週刊少年ジャンプに掲載された桂正和の恋愛漫画である。男子高校生を主人公に、同級生や後輩の少女、不思議なビデオテープから現れたビデオガールの少女との恋愛模様を描いている。
リアルな筆致と心理描写、SF要素が特徴。桂正和の連載作品としては4作目となるが、それまでの作風を一転させ、写実的な絵柄で本格的な恋愛漫画を描くスタイルは、『電影少女』が始まりとなっている。
なお、『ビデオガール』は『電影少女』の元となった読み切り作品のタイトル。
松井直人(まつい なおと)
演:岡田義徳
原作漫画に登場した直人と同一人物。25年の時を経て、高校教師となっている。
高校生の時にまいに陶酔し衰弱死しかけたことを恨んでおり、新たに出現したマイを監禁し、自分のビデオガールとする。
自分とマイだけの世界を作るためにマイの存在を知る生徒たちなどを抹殺しようとするが、健斗や洋太たちにより阻止された。
『電影少女(ビデオガール)』の用語
レンタルビデオショップGOKURAKU(ゴクラク)
純粋(ピュア)な心を持つものの前にしか現れないレンタルビデオショップ。会員証を得ると、願えばいつでも訪れることができる。
日本支店の店長を務めるじィさんは、GOKURAKUの活動趣旨を「ピュアな心の持ち主をGOKURAKUのビデオで救い、人を愛するという気持ちを守ること」だと考えていたが、上層部のバルディックやローレックは愛を非合理的なものとして軽んじている。GOKURAKU関係者の多くは人工人間であり、愛を失ってしまっている人物が多い。
レンタルビデオショップNEO GOKURAKU(ネオ ゴクラク)
『恋編』で登場する、元GOKURAKU日本支店店主のじィさんが新たに開いたお店。GOKURAKUの理念に反し、心をもったビデオガールを取り扱うことで、人間に愛の大切さを感じてもらうことを目的としていいる。
向かいにはGOKURAKUのレンタルビデオショップが建っている。
ビデオガール
ビデオテープを依り代にした少女。純粋な心を持つ男性の前に具現化し、望みを叶えることを使命にしている。
再生主の男性が望むことならばなんでも受け入れ、場合によっては体を許すこともあるが、個人的恋愛感情は持たない。再生期限が現実世界での寿命となっており、時がくれば再びビデオテープの中に戻り、GOKURAKUに返却される。
依り代のビデオテープとは魂がつながっているので、ビデオテープに不調があったり、早送りや巻き戻しをすると実体化しているビデオガールにも影響が出る。また、再生を止めてしまうと消滅してしまう。だが、GOKURAKUのじィさんなど技術力のある人物が行えば、新しいビデオテープにビデオガールをダビングしたり、はたまた人間にすることも可能。
『電影少女』および『ビデオガール』に登場したビデオガールは、天野あい・神尾まい・桃乃恋・はるのの4人。
磁力(じりょく)
ビデオガールの体の中を流れる電磁波。人間の血液型のようにいくつかのタイプがあり、異なるタイプの磁力を体内に流されると死に至ることがある。
当初は神尾まいにしかうまく扱えない力だったが、まいとの戦いを通してあいも磁力をコントロールすることが出来るようになった。磁力を放つと、体から放電するような描写になる。
『電影少女(ビデオガール)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
伸子と初めて一夜を共にする洋太(『あい編』CHAPTER 31)
あいの出現に危機感を持った伸子は、初夜を覚悟し洋太の家に泊まった。理性を動員し冷静に努めようとする洋太と覚悟を決めた伸子の駆け引きもじっくり描かれている。そしてついにベッドを共にした後は、止められない洋太の愛欲がモノローグで赤裸々に綴られる。
表現規制のある中、洋太の心情を細かく綴ることにより、洋太と伸子の間に流れる時間の重さや、心の揺れ動きがありありと表現され、非常にリアルなベッドシーンとなっている。
なお、少年誌の規制により、際どいシーンはあるものの、基本的にキス止まりである。
年を取らないあいの誕生日を祝うエピソード(『あい編』CHAPTER105)
ある時あいは、「おまえ(洋太)がジジィになってもオレは永遠に16歳のままなんてなんかさみしいな」「もっとも…そんなに長く再生してねーか」といい、ビデオガールとして生きる寂しさを垣間見せていた。洋太はそんなあいに同情し、あいと初めて出会った冬休み最後の日をあいの誕生日にして、サプライズで17歳の誕生日を祝った。あいは自分をひとりの女の子として大切に想ってくれる洋太の優しさに涙する。
もうひとつのサプライズとして、洋太が初めてあいにプレゼントした服も久しぶりに登場するなど、洋太とあいが積み重ねてきた日々を思い出させる感動的なエピソードとなっている。
桃乃恋「恋はね…戦いだよ」(『恋編』CHAPTER11)
恋はあゆみの傷を癒すためにはもう一度元彼の克也とヨリを戻したらどうかと提案し、あゆみと克也は復縁する。それを見て、広夢は「俺の味方じゃなかったの?」と恋を責める。恋は広夢に強くなって欲しくて、あえて「恋はね…戦いだよ」「なさけない人の面倒をいつまでも見てるほどボク ヒマじゃないの」と広夢を突き放した。
現実と向き合いつらさも乗り越えた本当の恋愛を教えようとする恋の、厳しくも優しい性格が現れているシーンであり、奥手な広夢が意識を変えていくきっかけにもなっている。
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目次 - Contents
- 『電影少女(ビデオガール)』の概要
- 『電影少女(ビデオガール)』のあらすじ・ストーリー
- 『あい編』
- ビデオガール天野あいとの出会い
- 洋太に恋心を抱いたあい
- 伸子とのあたらしい恋
- 新たなビデオガール神尾まいの出現
- まいとの戦い
- 洋太の告白
- 絵本制作を通じて絆を強める洋太とあい
- 夏美の死
- ローレックとの決着
- 人間になったあい
- 『恋編』
- 『VIDEO GIRL(ビデオガール)』
- 宗洋と浩子は実は最初から両思い
- はるのは不具合ではなく自然に宗洋に恋愛感情を抱いてしまう
- ラストシーンでは社会人になった宗洋がはるのに再会する
- カセットブック/CD ブック 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』
- 映画 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』
- OVA 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』
- テレビドラマシリーズ
- 『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』
- 『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』
- 小説 『電影少女 =VIDEO GIRL AI-』
- ゲーム 『電影少女 -Virtual Girl Lun-』
- 『電影少女(ビデオガール)』の登場人物・キャラクター
- 『あい編』
- 弄内洋太(もてうち ようた)
- 天野あい(あまの あい)
- 早川もえみ(はやかわ もえみ)
- 仁崎伸子(にさき のぶこ)
- 山口夏美(やまぐち なつみ)
- 新舞貴志(にいまい たかし)
- 神尾まい(かみお まい)
- じィさん
- ローレック
- バルテック
- 松井直人(まつい なおと)
- 清水浩司(しみず こうじ)
- 空山高夫(そらやま たかお)
- 美加(みか)
- ひろこ
- 友子(ともこ)
- 『恋編』
- 田口広夢(たぐち ひろむ)
- 桃乃恋(ももの れん)
- 白川あゆみ(しらかわ あゆみ)
- 刈川俊騎(かるかわ としき)
- 小沢梢子(おざわ しょうこ)
- 島田礼子(しまだ れいこ)
- 克也(かつや)
- 里子(さとこ)
- 弄内洋太(もてうち ようた)
- 『ビデオガール』
- 山川宗洋(やまかわ むねひろ)
- 浩子(ひろこ)
- はるの
- 誠(まこと)
- テレビドラマ版 『電影少女 -VIDEO GIRL AI2018-』
- 弄内洋太(もてうち ようた)
- 天野アイ(あまの あい)
- 弄内翔(もてうち しょう)
- 柴原奈々美(しばはら ななみ)
- 古矢智章(ふるや ともあき)
- 大宮リカ(大宮リカ)
- 清水浩司(しみず こうじ)
- 小関カオル
- 夏美(なつみ)
- テレビドラマ版 『電影少女 -VIDEO GIRL MAI2019-』
- 叶野健斗(かのう たけと)
- 神尾マイ(かみお まい)
- 朝川由那(あさかわ ゆな)
- 松井直人(まつい なおと)
- 『電影少女(ビデオガール)』の用語
- レンタルビデオショップGOKURAKU(ゴクラク)
- レンタルビデオショップNEO GOKURAKU(ネオ ゴクラク)
- ビデオガール
- 磁力(じりょく)
- 『電影少女(ビデオガール)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 伸子と初めて一夜を共にする洋太(『あい編』CHAPTER 31)
- 年を取らないあいの誕生日を祝うエピソード(『あい編』CHAPTER105)
- 桃乃恋「恋はね…戦いだよ」(『恋編』CHAPTER11)
- 『電影少女(ビデオガール)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- コミックス版での裸体表現に対する修正
- 物語の舞台は実在する場所
- 劇中で洋太が見ている映画は、当時放映されていた『バットマン』のパロディ
- 『恋編』は打ち切りだった可能性
- 多数のメディアミックス展開