ゆうれい小僧がやってきた！（ゆでたまご）のネタバレ解説・考察まとめ
『ゆうれい小僧がやってきた！』とは、ゆでたまごによる妖怪討伐がテーマの漫画作品。『週刊少年ジャンプ』に1987年から1988年にかけて全42話が連載された。単行本は全5巻。
舞台は江戸時代、恐山百太郎と琴太郎兄弟が合体して妖怪亜鎖亜童子に変身し、妖怪たちを退治していく。『キン肉マン』に続く期待の作品であったが、早期に打ち切りとなり、ここからゆでたまごの迷走期が始まっていく。本作でも『キン肉マン』同様、読者募集したキャラクターを登場させる企画を行った。
赤ん坊で、母親の体内にいた頃、母親の度重なる不運の影響によって一生泣けない状態になってしまった赤ん坊。全く感情がないため、両親はそんな毬理男を不憫に思い、善行妖怪達に怖がらせるよう依頼する。しかし、そこを西洋妖怪たちに青森県の恐山へとさらわれ、日本の妖怪たちを誘き出す人質に使われてしまう。その後、日本の妖怪と西洋の妖怪のどちらが怖いかを競うトーナメントが開催され、戦いの決着のため毬理男を泣かせた方が勝ちというルールとなっていた。
『ゆうれい小僧がやってきた！』の用語
妖怪退治霊具（ようかいたいじグッズ）
亜鎖亜童子が妖怪退治を行う際に使用するグッズで、呪文を唱えてそのグッズを使うことによって様々な効果を起こす。通常時は破邪羅（はじゃら）バッグの中にしまわれている。例えば、肉眼では見えない、姿を消している妖怪や幽霊の正体を見破る妖霊透視の眼鏡（ようれいとうしのめがね）、目に見えない残像を念写機能によってフィルムに浮かび上がらせる妖怪カメラ、蛇の描かれた呪符で、貼り付けた物が大蛇に変化して敵を襲う蛇変化の呪符（へびかわりのじゅふ）など多くの種類がある。
魔鬼雨山（まきうざん）
日本列島を取り囲む島々の中の伊山諸島最北部にある王島に存在する火山。1986年に大噴火を起こし、これによって亜鎖亜童子の石像が真っ二つに割れ、妖隠しに封じ込められていた108の妖怪が甦ってしまう。これにより、亜鎖亜童子は再び日本中に散らばる108の妖怪たちの退治をすることになった。
猫泣き岩（ねこなきいわ）
栃木県の日光に存在する石碑。かつて村人たちに化け猫と間違われて殺されてしまった百匹の猫が封じられている岩。1年前、賽の河原中学校の1年D組の乗るバスがこれを壊してしまったことにより、百猫妖怪が再び姿を現した。しかし最後は亜鎖亜童子によって再び封じられる。
魔封竹馬刺し（まふうたけうまざし）
亜鎖亜童子vsエルシリアの戦いにおいて使われた技。足を伸ばしてパワーアップしたエルシリアに対して、亜鎖亜童子は常に所持しているアイテム「妖葬霊縛の杖」を二つに裂き、竹馬にする事で対抗した。そして最後はその竹馬でエルシリアの体を串刺しにし勝利した。
『ゆうれい小僧がやってきた！』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
百太郎＆琴太郎「合体！亜鎖亜童子！」
兄の恐山百太郎と、弟の恐山琴太郎の2人が合体して、正義の善行妖怪亜鎖亜童子（アーサアどうじ）に変化するシーンが見どころの1つである本作。まず百太郎と琴太郎が「合体！亜鎖亜童子！」の掛け声と共にジャンプして重なると、2人の肉体と骨格、内臓器官が「ゴワゴワゴワ」と特徴的な音を立てて融合していく。その後、2人の精神と肉体が一体化して、まず幼い子供体型の童子に変身する。さらにその後、幼い体型から青年の姿に急成長して完全体の亜鎖亜童子となるという変身の過程を経る。亜鎖亜童子に変身した後も、百太郎と琴太郎の潜在意識は残っており、2人は会話をしている。また2人が喧嘩したり、信頼が失われた状態に陥ると変身が解けて元の姿に戻ってしまう。変身を解く場合は2人が「解けよ、合体！」という掛け声をあげると、亜鎖亜童子の身体が2つに分かれ、百太郎と琴太郎の姿に戻る。
百太郎「霊髪ブーメラン！」
百太郎の前髪は、妖怪に反応して逆立ち、危険を察知する役目を果たす。さらに、ブチッと前髪を力で引きちぎることにより、ブーメランのように相手に投げつけて攻撃する。鋭い刃のように変化するが、その後すぐに伸びる体質なのか、何事もなかったように元の髪型に戻っている。
百太郎＆琴太郎「ギャアアッ三角形だーっ！」
百太郎と琴太郎は、三角形が苦手という妙な弱点を持っており、三角形のおにぎりにさえ恐怖を感じる程である。これが物語のキーポイントとなっており、度々敵の妖怪から弱点を突かれて三角形の攻撃を受けることがある。これは、今から1500年前、いたずらで天馬に乗っていた幼い頃の亜鎖亜童子が善行妖怪の象徴、摩訶羅の塔の頂上部を壊してしまった事で、師匠の百目仙人から三角形の檻に閉じ込められ、3年3ヶ月もの間、塔の頂上でシンボルとして居るという罰を与えられた事によるものである。それ以来、三角形の物に触れると恐怖症からダメージを負ってしまい、動けなくなるようになってしまった。
『ゆうれい小僧がやってきた！』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
連載打ち切りによってメディアミックスも白紙になった
『キン肉マン』の2匹目のドジョウを狙って、本作もメディアミックスが企画されていた。まずバンダイがスポンサー、東映動画が製作でアニメ版が企画され、もしも実現していたら『キン肉マン』と同様、読売広告社代理店、日本テレビ系列の放送であったと思われる。またバンダイからは玩具の発売も企画されており、またキン消しのような消しゴム発売の企画もあったようであるが、連載の打ち切りによって全てが白紙になった。後日ゆでたまごは、もう少し連載を続けさせてもらえていれば、流れを変えられたかもしれないという後悔が残っていると語っている。
約1年間で連載終了となった
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目次 - Contents
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』の概要
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』のあらすじ・ストーリー
- 亜鎖亜童子の復活
- 百猫妖怪（ひゃくみょうようかい）の登場
- どろべらの登場
- 日本妖怪VS西洋妖怪
- 百太郎VSMr.ハロウィン
- 凶竜妖怪エルシリアとの戦い
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』の登場人物・キャラクター
- 善行妖怪
- 恐山百太郎（おそれやま ももたろう）
- 恐山琴太郎（おそれやま きんたろう）
- 亜鎖亜童子（アーサアどうじ）
- 百目仙人（ひゃくめせんにん）
- 悪行妖怪
- 陰陽入道（おんみょうにゅうどう）
- どろべら
- 蝦蟇あやし（がまあやし）
- 百猫妖怪（ひゃくみょうようかい）
- 摩亜照童子（マーテルどうじ）
- その他の日本の妖怪
- 麒麟男爵（きりんだんしゃく）
- 蛇喰入道（じゃばみにゅうどう）
- ヨロイ蜂（ヨロイばち）
- 西洋妖怪編の日本妖怪
- 朱雀鬼（すざくき）
- 三面地獄（さんめんじごく）
- 青銅魔（せいどうま）
- 捕血豈棲（ホッチキス）
- あやかしの尊（あやかしのみこと）
- 西洋妖怪
- 凶竜妖怪エルシリア（きょうりゅうようかいえるしりあ）
- 食屍首デオドーラ（しょくしくびでおどーら）
- ゴルゴダ・聖柩（ごるごだ・あーく）
- Mr.ハロウィン（ミスターハロウィン）
- トーテム・キッド
- コマンドー・ゾンビ
- 蟹男（かにおとこ）
- ドラキュラ
- フランケン
- 賽の河原中学校の人間
- 非影狼（ピエロ）
- 三途霊子（さんず れいこ）
- 呪井（のろい）
- 齷田悶露（あくた もんろ）
- 仁宅先生（にやけせんせい）
- 菜鼠介明（なぞ かいめい）
- 四谷巫子（よつや みこ）
- 井備利（いびり）
- その他
- 毬理男（マリオ）
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』の用語
- 妖怪退治霊具（ようかいたいじグッズ）
- 魔鬼雨山（まきうざん）
- 猫泣き岩（ねこなきいわ）
- 魔封竹馬刺し（まふうたけうまざし）
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 百太郎＆琴太郎「合体！亜鎖亜童子！」
- 百太郎「霊髪ブーメラン！」
- 百太郎＆琴太郎「ギャアアッ三角形だーっ！」
- 『ゆうれい小僧がやってきた！』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 連載打ち切りによってメディアミックスも白紙になった
- 約1年間で連載終了となった
- アシスタントによる作画が目立つ作品