素山恋雪（鬼滅の刃）とは【徹底解説・考察まとめ】

毒を飲まされて死亡する

この頃、かつて不可侵を約束した剣術道場の道場主が他界。新たな道場主となったかつての跡取り息子は、懸想する恋雪が狛治と婚約したことを聞き及んで嫉妬と焦燥にその身を焦がす。ついには道場仲間の侍たちの甘言に乗り、素山一家の家の井戸に毒を投げ入れるという凶行に走る。これを飲んだ恋雪は呆気なく命を落とし、自身も毒に苦しみながら娘を抱えて医者に駆け込んだ慶蔵も数時間後に息を引き取る。

結婚の報告のために父の墓参りをしていた狛治は一人難を逃れるものの、彼が帰った時には素山親子はすでに死亡していた。怒りと絶望に狂乱した狛治は、たった一人で剣術道場に殴り込み、毒を投げ入れた侍たちを残らず殴殺。素手で相手の頭蓋骨を砕き、人体を損壊させるという壮絶な力を見せつける。
道場生六十七名全員が惨殺されるも、あまりに荒唐無稽なこの事件は、三十年後に「作り話の可能性が高い」として資料が破棄されている。

鬼と化した狛治を見守る

剣術道場の侍たちを皆殺しにした狛治に、人食いの怪物・鬼の頭領である鬼舞辻無惨が接触。その力に興味を持った無惨に血を流し込まれ、本人の意志とは無関係に鬼にされてしまう。人間だった頃の記憶を無くし、“猗窩座”と名前を変え、人食いの怪物として暴れ回るようになる。自分亡き後の狛治の運命がよほど心残りだったか、霊魂として現世に留まり、なんとか彼を止めようと呼びかけ続けるも、無惨にむりやり流し込まれた血の力は圧倒的に強大でその声は長らく届かなかった。
しかし百年以上の時を経た大正時代、鬼を狩るための組織・鬼殺隊に所属する竈門炭治郎（かまど たんじろう）と冨岡義勇（とみおか ぎゆう）により、ついに猗窩座は追い詰められて致命傷を負う。ここに至ってようやく恋雪の声は猗窩座の中に眠っていた狛治の魂に届き、人間だった頃の記憶と想いを取り戻した彼は、なお戦わんとする鬼としての本能に抗って死を受け入れる。

鬼となって以降の所業を、恋雪や慶蔵を守れなかったことを悔いるあまりに泣きじゃくる狛治の魂を抱き締め、自分や慶蔵のことを思い出してくれたことを、元の彼に戻ってくれたことに感謝の言葉を伝える。

その後狛治の魂は、鬼だった頃の罪がために地獄へと落とされる。恋雪はこれに同行し、夫と共に罪を贖う道を選んだ。

素山恋雪の関連人物・キャラクター

狛治（はくじ）／猗窩座（あかざ）

二つ年上の婚約者。江戸の出身で、生まれつき人並外れて心身共に頑健な少年だった。病弱な父の薬代を稼ぐために幼い頃から盗みを繰り返し、十一歳にして百叩きの刑罰を耐え抜き、“鬼子”と呼ばれるようになる。しかし「息子にこれ以上罪を重ねさせてまで生き永らえたくない」との想いから父は自殺し、自身も江戸払いされることとなる。何よりも大切にしていた父を失ったことで自暴自棄になり、数年の放浪生活の中でケンカに明け暮れていたが、ある時慶蔵に叩きのめされて彼の道場に連れてこられた。

本来は善良な人柄の少年であることを見抜かれ、恋雪の看病を任されると、病に伏せっていた父親（＝病人）の面影を彼女の中に感じ取り、献身的にこれを支える。素山一家の誰もが諦めていた恋雪の未来を当たり前のように信じ続け、次第に想いを通わせていった。
これを見て取った慶蔵から「恋雪と結婚して道場を継いでほしい」との申し出を受け、“自分が誰かに好かれる”ことに困惑しながら承諾。二人で花火見物に出掛けた夜、恋雪から改めて想いを告白され、自身も彼女を愛していることをようやく明確に意識して「誰よりも強くなって恋雪を一生守る」ことを誓う。

しかし素流道場の土地を狙う侍たちによって恋雪と慶蔵は毒殺され、その怒りと絶望に狂乱して犯人を一人残らず殴殺。その後鬼の頭領である鬼舞辻無惨によってむりやり鬼にされてしまい、人間だった頃の記憶を失って無数の人々の命を奪い続けた。最終的に竈門炭治郎と冨岡義勇に討ち取られるも、死を受け入れる最後の決め手となったのは、霊魂となってまで彼を見守り続けた恋雪の「（人を傷つけるのは）もうやめて」という懇願だった。
彼の使う技の多くは、その名称や見た目が花火と雪をモチーフとしており、これは恋雪との思い出が強く影響している。

上弦の参・猗窩座 / 狛治（鬼滅の刃）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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猗窩座（狛治）とは、『鬼滅の刃』に登場する鬼である。
鬼舞辻無惨直属の十二人の鬼『十二鬼月』の一体で、上弦の参に位している。
徒手空拳を武器に戦う鬼であり、強大な力を持っている。作中で最初に登場した上弦の鬼であり、炭治郎と深く関わっていく。

素山慶蔵（そやま けいぞう）

実父。少々大雑把なところはあるが懐深く器の大きい、絵に描いたような豪放磊落で明朗快活な人物。侍の家系ではないらしく、『鬼滅の刃』の本編中に名字を名乗る場面は出てこない。素流という徒手空拳の武術の達人で、その技で山賊から助けた老人から広大な道場を譲られている。作中での描写を見る限り、素流は空手に近い技術体系の武術のようである。
隣接する剣術道場に土地屋敷を狙われており、様々な嫌がらせを受けている。このため門下生は後に狛治が入門するまで一人もおらず、雑多な仕事を請け負っては家族の生活費を稼いでいた。

娘の恋雪のことを父として愛している一方、その体の弱さから長くは生きられないだろうことを内心では感じている。このことは恋雪にも見抜かれているが、両者ともそれを表には出していない。看病疲れに加えて娘の将来を悲観した妻が入水自殺して以降、仕事と看病をギリギリで両立させる忙しい日々を送っていた。
大人相手にケンカを繰り広げていた狛治を叩きのめし、彼が本質的には善性の人物であることを見抜き、道場に連れ帰って恋雪の看病を任せる。やがて一番弟子としても成長した狛治が恋雪と相思相愛の関係であることに気付くと、彼に「恋雪と結婚して道場を継いでほしい」と申し出た。

結婚の報告のために狛治が父の墓参りに出掛けた際、剣術道場の侍たちが毒を投げ入れた井戸の水を飲んでしまい、恋雪と共に死亡する。狛治に負けず劣らず頑健だった彼は、あっさりと息を引き取った恋雪の体を抱えて血を吐きながら医者に駆け込み、数時間もかけて苦しみながら死んでいった。

素山慶蔵（鬼滅の刃）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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素山慶蔵（そやま けいぞう）とは、大正時代を舞台にした吾峠呼世晴の漫画作品『鬼滅の刃』の登場人物で、人食いの怪物・鬼である猗窩座が、狛治という名の人間だった頃の武術の師である。
素流という格闘術の達人で、性格は豪放磊落にして明朗快活。一人娘の恋雪を深く愛する一方、その病弱さから「長くは生きられないだろう」と感じてもいた。父を失い自暴自棄になっていた狛治をむりやり弟子にし、彼に恋雪の看病を任せる。やがて恋雪と狛治が恋仲になるとこれを祝福するも、自身の道場の土地屋敷を狙う侍たちによって毒殺された。

剣術道場の跡取り息子

慶蔵の素流道場の隣に位置し、その土地屋敷を手に入れようとしていた剣術道場の跡取り息子。本編には登場しないが、単行本のおまけページでラフ画が公開されている。
乱暴かつ横柄な性格で、同年代の恋雪に密かに想いを寄せていたが、その体調を慮ることはなく、ある時慶蔵や狛治がいない隙を狙ってむりやり彼女を連れ出す。無理が祟って喘息の発作を起こした恋雪を見て怖くなり、放置したまま立ち去る。この時は狛治が恋雪を見つけて危ういところで事無きを得るものの、激怒した慶蔵が剣術道場に物申し、これまでの因縁の清算を兼ねて他流試合が組まれる。この時まだ十六歳だった狛治に九人抜きを達成され、逆上して真剣で襲い掛かるもあっさり返り討ちに遭ったあげく、二度と恋雪と素流道場に手を出さないことを約束させられる。

後に恋雪と狛治が婚約したことを聞き及んで平静を失い、剣術道場の仲間に唆されて慶蔵一家の屋敷の井戸に毒を投げ入れる。この水を飲んだことにより恋雪と慶蔵は死亡するも、墓参りのために出掛けていたため一人難を逃れた狛治を狂乱させることとなり、剣術道場に乗り込んできた彼に仲間ともども惨殺された。