鬼滅の刃の回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『鬼滅の刃』の概要

『鬼滅の刃』とは、吾峠呼世晴による和風アクション漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品である。
時は大正時代。鬼によって家族を斬殺された炭焼きの少年・竈門炭治郎は、唯一生き残り鬼と化してしまった妹の禰豆子を人間に戻すため、鬼の首魁鬼舞辻無惨の討滅を決意する。アニメ化されると社会現象となるほどのブームを引き起こし、映画も歴代興行収入ランキング1位を記録した。
『週刊少年ジャンプ』における原作の連載は2020年5月、人気絶頂の内に幕を下ろす。いまだに残された謎や伏線が数多く存在したが、それらは読者の想像に任されることとなった。
この記事では現在までに判明している謎や伏線と、未回収の事柄についてまとめていく。

『鬼滅の刃』の回収済みの伏線・謎

ヒノカミ神楽と日の呼吸の関連性

元々水の呼吸を使っていた炭治郎だが、奈田蜘蛛山の戦いで窮地に陥った時、竈門家に伝わっている「ヒノカミ神楽」の動きを思い出して下弦の伍・累に勝利した。
炭治郎は最初ヒノカミ神楽を「火の呼吸」だと解釈して炎柱・煉獄杏寿郎に話を聞きに行くが、杏寿郎もヒノカミ神楽のことは知らなかった。
しかし煉獄家に伝わる歴代の炎柱が残した手記にはヒノカミ神楽と同一と思われる「日の呼吸」のことが書いてあった。先代炎柱である杏寿郎の父が手記をビリビリに破いたため最終決戦まで「日の呼吸」の詳細は不明だったが、杏寿郎の父の証言によると日の呼吸は一番初めに生まれたすべての呼吸の原点であり、日の呼吸の使い手は炭治郎と同じ耳飾りを付けていたとのことであった。
どうして「日の呼吸」が「ヒノカミ神楽」という形で後世に伝えられたのかは長らく不明のままだったが、最終決戦時炭治郎が先祖の記憶を見たことでその謎が明らかになる。

竈門家と継国縁壱の関係性

「呼吸」の創始者で日の呼吸の使い手であった継国縁壱。彼の付けていた耳飾りが炭治郎のものと同じだったことや、彼の髪色が炭治郎と同じく赤みがかっていたことから炭治郎が縁壱の子孫なのではないかと考えられていたが、炭治郎の見た先祖の記憶によってそれがミスリードであることが明らかになる。
炭治郎の先祖は炭吉という炭焼きで、鬼に襲われていたところをたまたま縁壱に助けられた縁で家族ぐるみの付き合いをするようになる。その時炭吉の妻のすやこは臨月で、縁壱は産婆を呼びに行くなど手助けをしたことから炭吉は縁壱に大きな恩義を感じていた。
そんなことがあった2年後、縁壱は再び炭吉の家を訪れる。自分の不覚で鬼舞辻無惨を取り逃してしまったことや、兄の厳勝が鬼狩りを裏切って鬼になったことに責任を感じ、心身ともに疲れ切っていた縁壱は、唯一信頼できる相手である炭吉に自分の胸の内を語った。
自分の辛い心情を吐露できたことや、2人の娘であるすみれが幸せそうに暮らしている様を見たことで、縁壱の心はほんの少しだけ救われたのだった。
滞在中、縁壱はすやこにせがまれるまま、日の呼吸の型を炭吉達に見せる。炭吉はその呼吸の型を目に焼き付け、縁壱から渡された耳飾りと共に日の呼吸を後世に伝えると約束した。
その後日の呼吸は火の神を祀るための「ヒノカミ神楽」として受け継がれていくこととなる。
縁壱の再来を恐れた無惨によって、日の呼吸を使える剣士は皆殺しにされてしまったため、ヒノカミ神楽だけが現代に日の呼吸の型を伝えることとなった。

日の呼吸の13番目の型

歴代炎柱の書には「日の呼吸には全部で13個の型がある」と記されていた。しかしヒノカミ神楽として伝えられていたのは12個目までだったため、炭治郎は困惑する。
その謎が明らかになったのは炭治郎が先祖の記憶を見た後。炭治郎は炭吉の目を通して縁壱が舞った12個の型を見た。そこで完全な日の呼吸を習得したことにより、13個目の型が「1から12までの全ての型を繰り返し円環させること」だと理解する。
第1の型「円舞」と第12の型「炎舞」が同じ読み方だったのはそういった理由だった。父から教わった「正しい呼吸ができればずっと舞える」という言葉も、12の型の円環を意味していたのである。
ちなみに『鬼滅の刃』のロゴの後ろに円が描かれている理由は、日の呼吸の円環を表しているからだと言われている。

痣の発現条件

上弦の陸・堕姫と妓夫太郎との戦いの最中、炭治郎は額に傷とは違う奇妙な痣を発現させる。しかしその痣は戦闘終了とともに消えたため詳細は不明だった。その後上弦の壱・黒死牟や炭治郎の夢に出てきた縁壱の顔にも痣があったため、読者の疑問はより一層高まった。
半天狗・玉壺との戦いにおいて霞柱である時透無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃が痣を発現したことで、痣の発現条件が明らかになる。それは心拍数が200を超え、体温39度以上になる事。
常人であればそのような高熱で動き続ければ死んでしまうが、死ななかった者は痣が出るようになる。

赫刀の発動条件

日の呼吸の使い手である縁壱が使っていたのが、戦いのときだけ刀身が赤くなる赫刀。最初に炭治郎の刀が赤くなったのは、禰豆子の血気術・爆血で刀身が燃えた際だった。これは爆ぜる血の熱によって赤くなったものと思われる。
その後も無一郎をはじめとした柱たちが上弦との死闘の中で赫刀を顕現させていった。
その方法は刀同士をぶつけた摩擦熱や、刀の柄を万力の握力で握りしめて刀身に熱を伝えることなど。これらの赫刀は縁壱ほどのものではないにせよ、無惨の再生を遅らせる効果があった。

縁壱零式の刀の持ち主

戦国時代に造られた修行用絡繰人形「縁壱零式」。6つの腕を持ち、縁壱の動きを再現した複雑な攻撃を繰り出す絡繰である。この人形の中には「滅」の一文字が刻まれた黒刀が隠されていた。
後の黒死牟の回想シーンで「滅」と刻まれた刀を縁壱が持っていることから、この刀は縁壱の者と考えていいだろう。縁壱が老衰で死んだ後、その亡骸を葬った何者かが刀を回収し、絡繰人形の中に封じ込めたものと考えられる。

鬼舞辻無惨の髪が白くなった理由

鬼舞辻無惨の髪が白くなった理由は、「老化の薬」の影響で9000年以上老化したためだった。
産屋敷邸を襲撃したものの、屋敷ごと爆破されて負傷した無惨。そこへ珠世が現れ、手に握りしめていた「人間に戻す薬」を吸収させられた。
そこへ駆け付けた柱や、各地に散っていた鬼殺隊員を無限城へと引きずり込んだ無惨は、部下の鬼たちに鬼殺隊の相手をさせて自分は薬の分解に集中する。
分解を終えて復活した際には黒髪ではなくて白髪のロングヘア姿になっていたが、実はただ変色したのではなく、老化によって起きた変化だった。
珠世に吸収させられた薬は1種類だけではなかったのだ。「老化の薬」の影響で1分で50年分老いるという事実に気付いた時、少なくとも珠世の拳を吸収してから3時間以上経過しており、無惨は9000年以上老化していた。
薬の種類が複数であることを悟られないよう、珠世は薬を吸収させるときにあえて「人間に戻る薬」であることを強調していた。この策略にはまり、無惨は髪色の変化を気に留めずに柱と戦闘する。老化していることに気付いた時には既に遅く、残りの2種類の薬の効果もあって、無惨は精神的に追い詰められていった。