バタフライ・エフェクト3/最後の選択(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』とは2009年に公開されたサスペンス・スリラー映画。
2004年に公開された『バタフライ・エフェクト』3部作シリーズの最終章。
主人公サムにはタイムトリップ能力があり、殺された恋人を救うため過去を変えてしまったことで、連続殺人鬼を生み出してしまう。今度はその連続殺人鬼を止めるために過去に戻る度に、サムの周囲の人々が次々と不幸に巻き込まれることに。そしてサムはついに連続殺人鬼の正体にたどり着く。衝撃の真実を前にサムはある究極の選択をするのだった。

愛するレベッカを救うことができず、頼りになるゴールドバーグ教授も行方不明。しかも現代に連続殺人鬼を生み出してしまったサムは混乱し、ジェナに相談する。
タイムトリップする度に誰かが死んだり、悪いことが起こることを心配したジェナは、兄にこれ以上過去に戻らぬよう涙ながらに懇願した。
兄を思って涙を流すジェナにサムは一旦は「分かった」と返事をしながら、二人は指切りげんまんをする。
兄妹の絆を感じさせる温かいシーンだが、まさかジェナが連続殺人鬼であるとは、この時のサムは思いもしなかった。

ジェナ「救出された時から兄さん一筋の人生よ」

サム(左)に愛の告白をするジェナ(右)

イースタン廃車場で血みどろのゴールドバーグ教授を発見した後、サムは狩猟用の罠に足を取られてしまう。
そこにチェーンソーを持って現れたジェナ。彼女が連続殺人鬼であることを悟り、恐怖に襲われるサム。
そんなサムにむかってジェナがこともあろうに「救出された時から兄さん一筋の人生よ」と愛を告白する。
ジェナは火事から救ってくれた兄を肉親としてではなく、1人の男性として愛してしまったのだ。
サムの恐怖と後悔、ジェナの狂気と愛憎が入り交じる、背筋が寒くなるシーンだ。

サム「兄としてお前を愛し続ける。こうするしかない」

火事の中、ジェナの部屋のドアノブを押さえる15歳のサム

ジェナが自分への愛のために狂い、人を殺してしまったことを知ったサムは、実家の火事が起こった過去に戻る。
そしてジェナがいる部屋のドアノブを押さえて逃げられないようにしてしまう。
必死にドアを押さえながらサムは「兄としてお前を愛し続ける。こうするしかない」とジェナに向かって泣きながら叫ぶ。
愛してるが故に殺さなければならないというサムの苦しみがひしひしと伝わってくる切ないシーンである。

『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

切断された指とポテトフライ

婚約指輪をはめたビッキーの指

バラバラに切り刻まれ、焼死体で発見されたビッキー。
しかし辛うじて、婚約指輪をはめた薬指だけが見つかった。
それを眺めながら、ニコラス刑事は平気でポテトフライに血のようなケチャップを付けて頬張る。
デトロイトがいかに危険な地域か思い知らされるシーン。

Welcome Home

イースタン廃車場の壁に血で書かれた「Welcome Home」

凄惨な殺人の現場となったイースタン廃車場の壁に、血で書かれていた言葉。
サムがこの文字を発見した時はまだ犯人が分かってなかったため、意味不明な不気味な言葉として受け取った。
「おかえり」という意味だが、家や家族を思い出される言葉のため、ジェナが犯人だというメッセージが暗に示されている。

グレン刑事と奥さんとのなれそめ

パーティでの若い頃のグレン刑事(左)と奥さん(右)とそれを見守る幼少期のサム(中央)

連続殺人鬼の容疑者として警察に捕まり、絶対絶命のサムがタイムトリップの能力を信じてもらうためにグレン刑事に奥さんとのなれそめを伝える。
グレン刑事に「タコスが振舞われバンドが生演奏。ダンスを誘ったのは奥さんから」と奥さんと初めて出会ったパーティーの事細かい状況をサムは話して聞かせた。
そして奥さんの最初の言葉は「あなたMCハマー?」というような誰も知りえない状況さえも知っていたサムには、過去に戻る能力があるとグレン刑事は確信する。
今は恰幅のいいグレン刑事だが、昔は有名タレントのようにスマートな青年だった。

『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』の主題歌・挿入歌

サウンドトラック:アダム・バラージュ他『The Butterfly Effect 3: Revelations』

music.apple.com

映画音楽を担当したアダム・バラージュによる劇中曲『First Jump』や『What Happened in the Fire?』の他に、ケリー・バーンズが歌う『Rewind』、エンディング曲であるアスタルの『Street Life』等、計25曲が収められている。

主題歌:ケリー・バーンズ「Rewind」

2009年にアメリカで発売された曲。
ピアノの情緒的な演奏が映画の世界観を感じさせる名曲。
ケリー・バーンズは英国国籍のロック歌手。

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