ブラッド・イン ブラッド・アウト(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブラッド・イン ブラッド・アウト』とは、1993年に公開されたアメリカ合衆国の映画。タイトルの意味は、「血により入り血により出る」。監督は『愛と青春の旅立ち』で知られるテイラー・ハックフォード、音楽は『ロッキー』シリーズを手がけたビル・コンティが担当した。舞台は、イーストロサンゼルスのメキシコ系アメリカ人居住区。ミクロ、パコ、クルスの3人の青年が織りなす兄弟愛を描いている。

チカーノ

もともとはメキシコ系アメリカ人やその2世を表す言葉で、メキシコにアイデンティティを持つ人物としても使われる。彼らはチカーノラップ、チカーノファッションなど独自の文化を持つ。

プントス

スパイダーをリーダーとするストリートギャング。「ヴァトス」と縄張り争いをする。夜中に「ヴァトス」の縄張りに落書きをしたり、勝負がついた後帰り際を襲うなど卑怯な集団として描かれている。

ラ・オンダ

サンクエンティン州立刑務所内のメキシカングループ。「血によって入り血によって出る」鉄の掟がある。幹部の命令は絶対で、抑圧されてきたメキシコ人が団結して他の人種に立ち向かう。

『ブラッド・イン ブラッド・アウト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ミクロ「問題は肌の色じゃなくて生き方さ」

刑務所でミクロが襲われている所を助けたモンタナ。ミクロは彼が率いる「ラ・オンダ」の一員になるべくモンタナを説得する。「ラ・オンダ」はメキシコ人の組である。ミクロは見た目が白人だが母がメキシコ系であると言うも「白は敵、白は体制。お前は中間だ」と取り合おうとせず、ミクロの罪状でメキシコ人同士での争いである「スパイダー殺し」も浅はかだと非難する。しかしミクロは今までも同じように白人として扱われてきたことの憤り、そして「問題は肌の色じゃなくて生き方さ」と自分のアイデンティはメキシコにあるのだと熱弁する。チカーノの仲間や家族を大切にする考えのもと、仲間のためなら死ねると主張した。その熱意に押されたモンタナは、血によって入り血によって出る「ブラッド・イン ブラッド・アウト」を証明してみろとミクロにチャンスを与えるのだった。タイトルでもある「ブラッド・イン ブラッド・アウト」が初めて登場する場面でもあり、物語のテーマである仲間の絆を大切にするメキシコ人の生き様がはっきりと描かれている。

「ラ・オンダ」幹部の分散

所内でアーリア軍団、黒ゲリラ隊の幹部を殺した「ラ・オンダ」。彼らは警察から危険視され幹部をそれぞれの出身地の刑務所へ移送することとなった。今回の一件もあり、一人前のリーダーとして認められたミクロ。「ラ・オンダ」の分散は支部を作るためのチャンスだと励まし、「遠くにいようが俺たちは家族だ」と結束をさらに固める。ミクロと同じ雑居房にいたマジック・マイクは彼と共にサンクエンティン州立刑務所に留まるのだとミクロに告げられる。そしてミクロの「お前は俺の目、なくした足、そして心の半分」という言葉を信頼したマジックは、ミクロから身を守るために取っておいた殺しの証拠となる石鹸をミクロに壊させる。二人は今度こそ「命を預ける仲間」として絆を固めるのであった。

『ブラッド・イン ブラッド・アウト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ダミアン・チャパは本作がデビュー作

主人公ミクロを演じたダミアン・チャパは本作でデビューした。

エキストラに本物の囚人を起用

物語の舞台であるサンクエンティン州立刑務所のシーンは、メインの俳優8人を除き、エキストラは350人の本物の囚人を起用している。

映画『ゲットハード』の主人公が劇中で本作に言及

2015年公開のアメリカ映画『ゲットハード』の劇中に『ブラッド・イン ブラッド・アウト』のエピソードが登場する。刑務所内で無事に生き残る方法を知りたい大金持ちをカモにするため、刑務所に入っていたと偽る主人公が自分のエピソードとして映画のあらすじを語る。

『ブラッド・イン ブラッド・アウト』の主題歌・挿入歌

主題歌:Los Guitarrones「Blood In... Blood Out (Main Theme)」

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents