偽夏油／加茂憲倫／羂索（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

偽夏油／加茂憲倫／羂索のプロフィール・人物像

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CV：櫻井孝宏

偽夏油（にせげとう）／加茂憲倫（かも のりとし）／羂索（けんじゃく）とは、『呪術廻戦』の登場人物で、脳だけの存在となって他人の肉体を移り渡りながら千年以上の時を生きる怪人。
現在は「百鬼夜行」事件の中で死亡した夏油傑（げとう すぐる）の肉体を利用しており、奪い取った彼の才能と立場を思うままに振るう。額には横に走る大きな傷跡があり、これが脳を入れ替えた痕跡となっている。

呪術の可能性を見極める（＝呪術という技術がどこまで発展しうるのか、その究極の到達点を知る）ことを目的とする。そのためなら手段を選ばず、いかなる悪行であろうと断行し、様々な悪しき計画を進め、障害となりうる者を粛々と排除する。
作中には人間の呪詛が集まって実体を得た呪霊と呼ばれる存在が登場し、その中でも別格の実力者である特級呪霊の一味に加担。「人類の廃絶」を目論む彼らに様々なアドバイスを送る。自身の障害となることが明白ながら強過ぎて手を出せない“現代最強の術師”五条悟（ごじょう さとる）を排除するために利用する形ではあったが、特級呪霊一味もまた羂索を利用するつもりで接しており、互いに割り切った協力関係を築いた。
特級呪霊一味をうまく利用して五条を封印した後、いよいよ己の目的のために動き出す。自分の発想だけでは「呪術の可能性の追及」に限界があると考え、“全ての者が呪術を備え、行使する”世界を目指し、東京中に呪霊を放つ。これにより首都機能は壊滅、日本は国家存亡の危機に陥った。

加茂憲倫というのは、明治の初期に使っていた肉体の本来の持ち主の名前である。当時も様々な悪事を繰り返し、“史上最悪の術師”として呪術界に名を残している。
呪霊の子を孕む特殊体質の女性を利用し、人体実験の末に造り出した「呪胎九相図」はその頃の作品。その際に自分の血も使用しているため、彼らからは“父”と認識されてはいる。しかし呪胎九相図を生み出す母体となった女性（＝呪胎九相図たちからは“母”と認識されている人物）を凄惨な実験を繰り返したあげく死なせているため、親子の情は皆無で骨の髄まで憎まれており、不倶戴天の存在として敵視されている。

肉体を奪う対象は男性だけとは限らず、時期によっては女性の肉体も利用している。『呪術廻戦』主人公の虎杖悠仁の母親の額にも大きな傷跡があり、彼と対峙した時に「さすがというべきか」とその出生に自身が関わったかの言動をしていることから、なんらかの目的で女性の肉体を利用していた加茂憲倫が出産したのが虎杖だと思われる。

その正体は千年以上前の術師・羂索。自身が目的のために、天地と同化した術師・天元を利用しようとしている。しかしその都度運命に導かれたがごとく「六眼」という特殊な才能を持つ術師によって計画を阻まれており、現代の六眼の術師である五条を封印せんとしたのもこれが理由である。

偽夏油／加茂憲倫／羂索の呪術・能力

呪術

肉体を乗っ取る呪術

正式名称不明。自身の脳を他人のそれと入れ替えることで、対象の肉体を乗っ取る術。相手の術式なども我が物とすることが可能で、夏油の体を狙ったのも彼の持つ「呪霊操術」に魅力を感じたからというのが大きな理由の一つである。
羂索はこの術を用いて、千年以上前から肉体を転々として生き続けている。
男だけでなく女の体を利用することもあり、オリジナルな肉体が脳しか残っていない本人にとって“性別”という概念は希薄になっている。
そのため口調も男性とも女性とも取れる独特なものになっており、かつての夏油のそれと異なる点については正体が明らかとなる以前からファンに指摘されていた。

呪霊操術（じゅれいそうじゅつ）

屈服させた呪霊を体内に取り込み、意のままに呼び出して使役する術式。等級に換算して二級以上格下の呪霊であれば、屈服させる必要すらなく従属させられる。
呪霊を取り込む際は口から摂取する必要があり、夏油曰く「吐瀉物を処理した雑巾」のような味がするらしい。羂索には味覚が無いのか、特に嫌がる素振りも無くビリヤード球ほどまで圧縮した呪霊を飲み込んでいた。

極ノ番「うずまき」

呪霊操術の奥の手。体内に取り込んだ呪霊を純粋な呪力に変換し、これを使い捨てる形で一気に放出する。
かつて夏油は低級呪霊を使い潰す形でこれを使用していたが、準一級以上の呪霊を用いて「うずまき」を使用した場合、“術式の抽出”という現象が発生する。これは呪霊の持つ特殊な術式を我が物にできるというもので、作中では特級呪霊一味のリーダーである真人を使ってこれを行っていた。

うずまきで使用する呪霊は自由に選択可能で、作中では弱小の呪霊を用いた極小のうずまきを放つ姿も見せている。

無為転変（むいてんぺん）

手で触れたものの魂を意のままに変形させる術式。魂が変形すると肉体もそれに従って変形し、その度合いにもよるが生命維持がほぼ不可能となる。呪術師であっても魂を防御することは難しく、事実上の一触必殺の術式である。
もともとは特級呪霊一味の真人の持つ術式だったが、これを取り込んだ上で「うずまき」で彼を呪力の塊に変換して撃ち出した結果、羂索の物となった。

領域展開「胎蔵遍野」（りょういきてんかい たいぞうへんや）

羂索の切り札の1つ。呪術の奥義ともいわれる高度な術式で、術者の内面を表した結界の内部に自身と相手を閉じ込め、圧倒的優位を押し付けるという代物。
結界内部の形状やその特性は個々の術者により異なっており、羂索のものがどのような特性を持つのかは不明。“呪いの王”と称される宿儺の領域展開と同じく、内部と外部の境目が無いタイプの領域展開で、通常空間がそのまま羂索の支配地域となる。

呪具

獄門疆（ごくもんきょう）

源信という人物の成れの果てだとされる、極めて強力な封印用呪具。呪術の世界では広く知られた名品であるらしく、特級呪霊一味の一員である漏瑚は目の色を変えて欲しがっていた。
特級呪霊たちを一人で圧倒するほどの力を持つ五条すら封じることが可能だが、実際に封印するには「対象を4メートル以内の場所に脳内時間で1分間留め続ける」必要がある。中に封じることができるのは一人までで、あらゆる能力を無効化する。内部は一切の時間経過が無いため、見方を変えれば人間を百年でも千年でも保存できるタイムカプセルだということもできる。