こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』とは、秋本治による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』において1976年から2016年まで連載され、その後実写やアニメ、ゲームなどに展開されている。「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されている。東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉を主人公とし、その周辺の人物が繰り広げるギャグ漫画。連載期間40年間で、一度も休載することなく連載され、2016年6月時点で累計発行部数は1億5650万部を記録している。

両津は派出所の同僚たちに対して、「住民票なんて紙も必要ない」と指摘し、「データで送りゃいいんです。免許証のナンバーをIDにしてパスワードを決めて」と話す。さらに「オンライン処理にしないわけは人員カットが怖いからですよ」「思い切った改革が必要です」「だいたい役人の数が多すぎますよ、何十万人も」と政府の痛いところを力説する。しかし「まっ先にお前が必要ない。クビになるな」「そうよ報告書も書かないんだから」「地方公務員も多いですからね」と大原部長、麗子、中川に痛いところを付かれて焦る。両津は「やっぱしオンラインは止めましょう。窓口を10箇所くらいにして、書類を20枚くらい書かして、ハンコを5種類以上押させたほうが良いですね」と、オンライン管理案を取り下げる。

これも現代が抱える役所の問題点を指摘している。現在ではマイナンバーは免許証のナンバーとはリンクしていないが、政府はマイナンバーと免許証一体化を推進しており、オンラインで住民情報を管理するアイデアはマイナンバーと同じといえる。両さんはこの原型ともいえる構想を1998年に語っていたのだ。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の登場人物・キャラクター

亀有公園前派出所所属の登場人物・キャラクター

両津 勘吉(りょうつ かんきち)

CV:ラサール石井、演:せんだみつお (映画版)/ 香取慎吾(テレビドラマ版)
本作の主人公であり、台東区浅草生まれで左右つながった太眉と、常時腕まくりにサンダル履きが特徴。人間の常識を遥かに超えた体力と生命力の持ち主。金儲けが大好きで、金が絡むと我を忘れて大暴走をすることが多い。アルコールにめっぽう強く手先が器用な無類の遊び人且つ趣味人で人脈も豊富。警察官らしからぬ問題行動を頻繁に起こしては大原部長に叱責されるが、反省の色は全くない。その一方で義理人情に厚く、いざという時にはとても頼りになる存在で、周りからの人望は厚い。通称は「両さん」もしくは「両ちゃん」。上司である巡査部長の大原大次郎には唯一頭が上がらないが、実際は「喧嘩するほど仲が良い」関係であり、完璧主義の大原を尊敬している。趣味は、ギャンブルで、競馬、競輪、競艇、パチンコ、麻雀、totoくじなど。他にはプラモデルにゲームやスポーツ全般、将棋、アダルトビデオ鑑賞などと非常に多趣味である。

中川 圭一(なかがわ けいいち)

CV:宮本充
演:草川祐馬(映画版)/ 速水もこみち(テレビドラマ版・2011年実写映画版)/ ユージ(2016年舞台版)
世界トップレベルの大企業「中川コンツェルン」の御曹司で、階級は巡査。美形で長身、多才で物腰穏やかで落ち着いた男性だが射撃と逮捕術は天才的な腕を持つ。連載開始時より、両津の相棒という立ち位置である。冷静な態度を常に崩さないが、パニックを起こすと言葉遣いが乱暴になったりする。実は両津とは身内関係であり、彼の行動に巻き込まれて悲惨な目に合うこともあるが、先輩として慕っている。

秋本・カトリーヌ・麗子(あきもと・かとりーぬ・れいこ)

CV:森尾由美
演:香里奈(テレビドラマ版・2011年実写映画版)/ 原幹恵(2016年舞台版)
世界有数の巨大企業「秋本貿易」の社長令嬢で、パリ生まれの帰国子女。母はフランス人なのでハーフ。長身でスタイル抜群の美女。階級は巡査。容姿端麗でありながらも男勝りの強さを持つほか、料理やピアノ、射撃など多彩な才能を持っている。中川と同様、両津を慕っており、両津の部下でありながら「両ちゃん」と呼び、対等に接する。

大原 大次郎(おおはら だいじろう)

CV:菱谷紘二 / 佐山陽規(16話以降)
演:龍虎勢朋(2011年実写映画版) / 伊武雅刀(テレビドラマ版)
葛飾区亀有公園前派出所勤務で、班長を務めている。階級は巡査部長。生真面目で自分にも他人にも厳しい性格。特に問題児の両津に対しては厳しく対立することも多く、両津が最も苦手としている人物だが、根は優しく両津や中川をはじめとする部下を親身になって心配しており、彼らからも尊敬されている。流行に疎く、両津らに最新機器やゲームなどの使い方を教わるが、調子に乗って使用して痛手を被ることもしばしばある。

寺井 洋一(てらい よういち)→丸井 ヤング館(まるい やんぐかん)

CV:茶風林(第1 - 92話)→林家こぶ平(第98話 - )
演:荒井注(1977年実写映画版)
葛飾区亀有公園前派出所に勤務。階級は巡査。個性的な派出所メンバーの中では最も平凡で大人しい警官。長年にわたり「寺井洋一」という名であったが、後に運気を上昇させるという理由で、両津によって無理矢理「丸井ヤング館」に改名させられた。その結果運気が上昇し、宝くじで3000万円が当たり、家の土地が大企業に高額で買収され港区の一戸建てを買った。子供の名前は「ケンジ」と「コウジ」。

戸塚 金次(とつか きんじ)

CV:竹本英史 、 演:浜田光夫(1977年実写映画版)
亀有公園前派出所勤務。埼玉県草加市出身で、坊主頭で顔面に刀で斬られたような傷、背中に入れ墨があり、ヤクザも怖がらせる風貌をしている。階級は巡査。警官になる前は10年間トラック運転手をしており、その腕前は中川と張り合えるほど。それ以外の経歴は不詳。腕っ節も強く、両津とルール無用の喧嘩をした時は、ほぼ互角の勝負を展開し、最終的には両津によって派出所の外へ投げ飛ばされ、場外乱闘で敗北してしまうが、両津自身も相当ダメージを受けていた。連載初期の頃は両津の最初の相棒とも言えるほど良いコンビであったが、段々と出番が少なくなり、末期には両津とは違う時間帯の班に所属しているためほぼ出番がなくなった。

麻里 愛(あさと あい)

CV:麻生かほ里
通称マリア。見かけは黒髪の美女であるが、元キックボクサーの男性で両津以上の膂力を持つ。キックボクサー時代のコーチである岩鉄岩男の言葉をきっかけに女性として生きる決意をする。岩鉄と容姿のよく似た両津に一目惚れし、婦警になって近づいた。しばらくはニューハーフであったが、後に身体的にも女性になる。

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