こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)』とは、秋本治による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』において1976年から2016年まで連載され、その後実写やアニメ、ゲームなどに展開されている。「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されている。東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する警察官の両津勘吉を主人公とし、その周辺の人物が繰り広げるギャグ漫画。連載期間40年間で、一度も休載することなく連載され、2016年6月時点で累計発行部数は1億5650万部を記録している。

亀有公園前派出所は実在しない

亀有公園は葛飾区に実在する。新葛飾警察署や公園前派出所は創作のものである(実際の日本警察が1994年に「派出所」の名称を廃止して正式名を「交番」へ統一したので、現在は特別な施設をのぞき派出所は存在しない)。
89巻にて実際の制度改正に倣って派出所の看板が「亀有公園前交番」になったり新制服へ服装を変更した様子が描写されている(しかし両津だけ後に旧式制服へと戻っている)。
両津の警察署は連載の開始当初では「亀有警察署」という名称だったが、同名の警察署が存在したので、1990年代に「葛飾警察署」へ改名した(既刊の単行本も全部て修正)。

だが平成14年(2002年)に本田(ほんでん)警察署が(本田を冠する町名の消失から37年経過し住民の要望によって)「葛飾警察署」へ改名したことにより再度名称が同一になってしまう。結果として「新葛飾警察署」になった。アニメ版では「かつしか警察署」となっている。ちなみに神田寿司も実際の店舗があるので超神田寿司になっている。

秋本はモデルではないと言っているが、亀有駅北口に存在する亀有駅北口交番は亀有公園前派出所に類似した外形をしている(とはいえ当時の派出所はこち亀のような外見が基本的だった)。

長い連載期間中、絵柄が変化していった

連載初期は、人物から背景など細かい部分まで、原作者の秋本が1人で執筆しており、絵柄は劇画チックであった。連載が進行して人気が出だすと、アシスタントを採用しながら、建物、背景や乗り物といった人物以外の部分は、徐々にアシスタントに任せる割合が増えていった。また連載40年という長期作品であるため、そも絵柄や画風は経年とともに変化していき、原作者の秋本自身も、昔の画風を再現する事が難しくなっており、その絵柄を再現するために、昔の原稿をトレースしたり、初期のコミックス単行本を真似しながら描いていたようである。さらには連載初期に登場したキャラクターが、後日再登場する際に、再現する事ができなかったために、そのキャラクターの性格や見た目など、全くの別人のような設定にして登場させることもあった。

登場キャラクターの性格や設定がかなり変わっており、連載初期は単に粗暴で短気だった両津だが、連載を重ねる毎に秋本の画風の変化で丸みを帯び、性格も人情的になった。中川と麗子も同様で初期は過激な面があり、その後落ち着いたキャラクターになったが、時には中川が一発ギャグを披露したり態度が粗暴になったりとキャラが崩壊することもある。また、40年の間にキャラクターの入れ替わりがあり、次第に登場しなくなり消えてしまったキャラクターが多数存在する。

登場キャラクターの年齢は不明である

本作に登場するキャラクターたちの年齢について、連載当初は経年と並行して年をとっていったが、連載の長期化に伴い、作品の都合によって頻繁に年齢設定の変更が行われるようになり、次第に正式な年齢に言及されることはなくなった。原作者の秋本による「漫画の世界は時空をこえた時の流れがある」とのコメントもあり、キャラクターの年齢は全員不明で加齢も一切しないという設定になっている。

連載当初のペンネームには山上たつひこからクレームが来た

原作者の秋本治は、連載開始時は、当時人気漫画家であった「山上たつひこ」の名前を拝借して「山止たつひこ(やまどめ たつひこ)」というペンネームを使っていた。しかし山上サイドから、「まぎらわしいので使用しないで欲しい」というクレームを受けることになってしまい、連載100回をきっかけとして、本名の「秋本治」に改名した。後に秋本は、「ペンネームの件は反省している」と述べている。ちなみにその際、「秋本」という名前に馴染んで貰うために、麗子の苗字を「秋本」とした。

亀有近辺にはこち亀銅像が多く建っている

亀有や浅草の名を全国区にした功績を讃え、この近辺には多くの両津やキャラクターたちの銅像が存在する。まず浅草神社には、コミックス単行本総発行部数1億3000万冊突破の記念石碑が建てられている。また、JR亀有駅北口には地元の商店街により、制服姿の両さん像が建てられ、2006年に原作者の秋本治と実写ドラマ版主演のラサール石井が除幕式に出席。同じくJR亀有駅南口にも法被姿の両さんの銅像が建てられた。同年には、亀有にあるショッピングセンター「アリオ亀有」内に本作をテーマとしたアミューズメントパーク「こち亀ゲームぱ〜く」がオープン。さらに2008年には、「少年両さん像」の除幕式が行われ、当時の麻生太郎内閣総理大臣も出席している。次いで2010年には「敬礼両さん像」、「サンバ両さん像」、「ダブルピース両さん像」、「少年よ、あの星を目指せ!両さん像」、「ワハハ両さん像」と5種類の両さん像のほか、「中川像」、「麗子像」、「本田像」と3体のキャラクターを合わせた計8体の銅像が建てられた。その後、2011年には映画の公開と連載35周年を記念して、「ベンチに座った両津像」が公開されている。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主題歌・挿入歌

こちら葛飾区亀有公園前派出所 (アニメ)

OP(オープニング):女王様『夏が来た!(Diamond Head)〜渚の女王様』(第1話〜第12話)

夏が来た!~渚の女王様

女王様『夏が来た!(Diamond Head)〜渚の女王様』

OP(オープニング):TOKIO『Everybody Can Do!』(第13話〜第35話、SP1)

TOKIO - Everybody Can Do!

TOKIO『Everybody Can Do!』

OP(オープニング):堂島孝平『葛飾ラプソディー』(第36話〜第135話、SP4、SP23、SP24、SP27)

堂島孝平『葛飾ラプソディー』

OP(オープニング):山田修とハローナイツ『こちら亀座の女』(第136話〜第144話)

山田修とハローナイツ『こちら亀座の女』

OP(オープニング):両津勘吉とこち亀うぃ〜ん合唱団『おいでよ亀有』(第145話〜第191話)

うぃ~ん合唱団 おいでよ亀有

両津勘吉とこち亀うぃ〜ん合唱団『おいでよ亀有』

OP(オープニング):天童よしみ『だまって俺についてこい』(第192話〜 第299話、SP13〜SP15)

こちら葛飾区亀有公園前派出所OP『だまって俺についてこい(Full)』

天童よしみ『だまって俺についてこい』

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