黒鋼/鷹王(ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-)の徹底解説・考察まとめ

黒鋼とはCLAMPの漫画『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主要登場人物である。
日本国の忍者であり、スピードとパワーを兼ね備えている剣の達人。
大切なものを守るために他の命を奪う黒鋼へ「本当の強さ」を知って成長を望む知世姫が異世界へ飛ばす。黒鋼は「日本国に再び戻る」願いを叶える為に次元を超えた世界に散ったサクラ姫の「記憶の羽」を集める小狼たちに同行し、次元を渡る旅に同行する。感情を表に出すのが苦手なタイプだが観察力は鋭く、仲間の命を狙う者や敵対者には容赦しない。

知世姫に飛ばされた先で黒鋼が出会った人物「次元の魔女」と呼ばれる女性「侑子」は強い魔力を持っており人の運命すらも変えさせてしまう程で、どんな願い事もそれに見合った対価を支払えば叶えてくれる。
「日本国に戻りたい」黒鋼と、「記憶の羽を集めたい」小狼、そして「1つの世界に留まりたくない」セレス国の魔術師ファイの゛次元を超える事が必要な願い゛を持つ3人に対し侑子は提案と制約をかける。「次元を超える願いは叶えてあげる、しかし3人一緒に行動する事と3人それぞれが1番大切な物を対価として私に支払って頂戴」と告げる。それ以外の方法は受け付けないと言う侑子に黒鋼は不本意ながらも3人一緒に旅をする事を承諾し、対価を支払う。黒鋼が対価として差し出したのは破魔刀「銀竜」だった。

銀竜は諏訪国に代々伝わる秘宝で、幼少期に黒鋼の目の前で亡くなった両親の亡骸と共に埋められていた破魔刀。成長した黒鋼に知世姫から授けられた刀だった分思い入れも大変強かったが、「日本国に戻る」と言う願いを何としても叶えたい黒鋼は渋々差し出す。次元を超える旅が終わりを告げ、日本国の知世姫の元へ帰還出来た黒鋼へ知世姫は隠し持っていた本物の「銀竜」を黒鋼に渡す。

自ら餌となり仲間の命を救う

東京編にて、これまで旅をしてきた小狼は、飛王が捕らえた本物の小狼を元に作り出した写身(ウツシミ)という存在だったことが判明する。
小狼たちを利用しようとしていた飛王は、自身の計画の遂行には不要と考え、その心を取り除こうとしたが、心を抜き取ると写身の小狼の体が消滅してしまうため断念しそのまま旅に出していた。
自身の計画の為ならば阻む存在は何であれ排除する執念深さが飛王から垣間見える。
その後、捕らわれている本物の小狼が目覚めたことにより、写身の小狼の心が本来のものへと戻り、抑えられていた冷酷な面が浮き彫りになる。
記憶の羽の回収のために必要なものならばとファイの魔力の源である両目を狙い、黒鋼が駆けつけた時にはファイは左目を食われて瀕死の重傷だった。
瀕死のファイを救うため、侑子が「吸血鬼・神威の血と、黒鋼自身の血を与えて、ファイを吸血鬼化させる」事を提案。
ファイはやめるように黒鋼に告げるが、「そんなに死にたいなら俺が殺してやる。それまでは生きてろ」と言い、ファイの命を救うために自ら餌となった。
これによりファイは゛黒鋼の血しか飲めない゛吸血鬼となる。

次元を超える旅で見つけた答え

旅で見つけた答えを知世姫に伝える黒鋼

ファイの出身国である「セレス国」にて、彼が次元を超える旅に出るきっかけとなった事件と過去に触れた小狼たち一行。その後に訪れた世界は黒鋼が帰ることを目的としていた「日本国」だった。
白鷺城内で目を覚ました黒鋼は知世姫からこれまでの旅で「真の強さ」について答えを見つけられたか問われる。
両親を目の前で亡くし、自分にとって大事なものを誰にも奪われないように守るための力を求め続けた黒鋼だっだが、「強い力は大事なものを守るどころか災いを呼び寄せてしまう」事、「力だけ持ち合わせても守れないものがある」事を旅の中で知ったと伝える。その答えに知世姫は「真の強さ」を分かってくれたと安堵した。
黒鋼はセレス国でファイを救うためにアシュラ王を殺め、ファイの呪いが発動してセレス国が閉じようとした際に自身の左腕と蒼氷とモコナの耳飾りの魔法具を使いファイを救出している。
白鷺城内で東京編で出会った貴重なモノを追いかけて異世界を渡る狩人「封真」と再会、侑子に依頼された左腕の義手を黒鋼に届けられた。

再び次元を超える旅に出る

切り取られた時間の玖楼国の遺跡内に潜み、記憶の羽を集める旅の行く末を監視し干渉していた飛王を死闘の末に黒鋼の一撃で討ち取る。
存在が消滅する間際に飛王が残した呪いを破るために、「1つの場所に留まらない」事を対価として差し出した小狼は次元を超える旅を続けることになった。
「日本国に帰る」という願いはすでに叶えた黒鋼は本来ならば旅に同行する事を選ばない選択もできたが、知世姫には城を留守にすることを伝えている。
飛王との死闘の際に消えてしまった“もうひとりの小狼とサクラ姫“を「一発ぶん殴る」ために2人を追いかけることを決めて、小狼たちと共に旅立った。

黒鋼/鷹王の関連人物・キャラクター

小狼(シャオラン)

考古学者の「藤孝(ふじたか)」と共に各地を巡っていて、遺跡調査の為に玖楼国に滞在していた。サクラとは幼馴染で彼女に好意を抱いている。
相手に対してどんな人物でも敬語で話す真面目なタイプで、自身で決めた事は必ず成し遂げようとする。
遺跡でサクラの記憶の羽が飛び散る瞬間に居合わせて、彼女を救うために異世界を渡る旅にでる。
侑子に旅に出る対価として差し出した「サクラとの関係性」の影響で目覚めたサクラの記憶からは小狼の存在は消えていた。
東京編にて、旅を始めたこれまでの小狼は、飛王が捕らえた゛本物の小狼゛を元に作り出した゛写身(ウツシミ)゛という存在だったことが判明する。
初めてのサクラ姫との出会いは、同じ遺跡内で飛王がサクラ姫にかけた死の呪いが発動する間際に居合わせた。
サクラ姫を救うために「次元の魔女・侑子」に「もう一度サクラ姫と出会う時までやり直したい」という願いを対価を差し出して叶えられた事により、世界は一度巻き戻されている。
遺跡内でサクラ姫の記憶の羽が飛び散る場面に居合わせたのは2週目の出来事である。

サクラ姫

玖楼国のお姫様で王位第一の継承者、小狼とは幼馴染である。
強い霊感能力や夢見の力等の特殊能力を持っているが、その中でも「多次元の記憶を躰に刻む能力」を「飛王(フェイワン)」が目を付けた。
次元の記憶を躰に刻ませる為に、サクラの記憶を羽に変えて異世界に飛び散らせる。
「人はいずれ死んでしまう」事や「過去・現在・未来」と続く正しい時の流れなどの理に干渉して変えようにも“世界自体の修復力“によって干渉されたこと自体が「無かった事」にされるが、多次元の記憶を躰に刻む能力があれば世界が修復されようとも「無かった事」にはされずに躰に刻まれた記憶の出来事を証明し続けることになり、世界の理がバランスを失くして崩壊する。
それにより“死んだ人が生き返る“という本来ありえない事が叶えられると飛王が目論んだ。
記憶の羽を失くした影響で昏睡状態に陥り命を落とす危険性が生まれるが、ファイが自身の国で見つけて持参していた「記憶の羽」を戻したことによって昏睡から目覚めて窮地を脱した。
ファイもまた飛王に仕組まれた過去により、飛王の手駒として最初から全てを知っており、写身の小狼のことを飛王から聞いていた。
小狼が払った対価により、幼馴染としての記憶が無くなって目覚めたばかりの時は小狼に「どちら様?」と全く覚えていなかった。

モコナ=ソエル=モドキ

次元を渡る旅に出る小狼達に侑子が授けた真っ白な生命体で、異世界を渡る力を持っている。
本来なら出身国が違い、使っている言葉も違う「小狼」「ファイ」「黒鋼」達が普通に会話を出来ているのはモコナの翻訳機能のおかげで、
「阪神共和国(はんしんきょうわこく)」ではモコナが近くにいなくなった時には言葉が通じなくなりパニックになったりもしている。
108の秘密技があり、サクラの記憶の羽が近くにあると閉じてる目が開いて小狼達に知らせる。

飛王・リード(フェイワン・リード)

「魔術師クロウ・リード」の血縁者であり、一族の中では彼に次ぐ強い魔力を有しているといわれる。
サクラ姫の「多次元の記憶を躰に刻む」能力を狙って、サクラの記憶を羽に変えて異世界にばら撒いた張本人。小狼達の旅を魔法を使って干渉したり監視をしている。
その目的は“世界の理を崩壊させる”ことにあり、それによって不可能とされている「死者(壱原侑子)の復活」を成し遂げて、自身が「魔術師クロウ・リード」よりも優れた魔術師だと証明することにある。
しかしその正体は人ではなく、ファイの考えでは人の願いが具現化した存在ではないかと推測されている。
「次元の魔女・侑子」による追跡の末に、正しい時間の流れから切り取られて時が停止した玖楼国の遺跡に潜んでいてると突き止められる。
遺跡へ駆けつけた小狼たちとの戦闘の末に、黒鋼の一撃により存在が消滅する。

壱原侑子(いちはらゆうこ)

「願い」に似あった対価を払うことで叶えてくれる「店(ミセ)」の女店主で小狼たちから対価を貰い、次元を超える旅に送り出した。
旅の道中でもモコナを使い連絡を取って旅の行く末を見守っており、彼女の事を知る人の間では「次元の魔女」と呼ばれる。
実際には既に亡くなっている人物だが、死の間際にクロウ・リードの「もう一度だけ目を開けてほしい」という願いによって現世に存在を留められている。
役目を終えた後には、彼女の存在は消滅している。

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