Chic(シック)の徹底解説まとめ
Chic(シック)とは、1977年にデビューしたアメリカのディスコ・ファンクバンドである。中心メンバーはナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズ。『おしゃれフリーク」』や『グッド・タイムス」』等のビルボードNo.1を発表し、1970年代後半のディスコ・ブームを牽引した。80年代はナイルとバーナードはプロデューサーとして活躍。マドンナやデヴィッド・ボウイ、ダイアナ・ロスなどのアーティストを大ヒットさせた。現在もナイル・ロジャースを中心に活動するダンスミュージック界のレジェンドである。
Everybody Dance
The Big Apple Band時代の1976年、録音スタジオで働く友人の協力によりレコーディングされた。その12インチ・シングルを、当時ニューヨークの先鋭的なディスコだった「ナイト・アウル」のDJが気に入り勝手に皿を回したところ、ナイルとバーナードの知らない間にクラブ内で大人気となっていた。同じ頃、ウォルター・マーフィが、ビッグ・アップル・バンド名義で映画『サタデイ・ナイト・フィーバー』の『運命 '76』をヒットさせた為、バンドは改名を余儀なくされた。
こうしてThe Big Apple Bandの「エヴリバディ・ダンス」はメジャー・レコード・デビューの機会を失ったが、77年のファーストアルバム『Chic』に収録され、「ダンス・ダンス・ダンス」に次ぐセカンドシングルとしてリリースされ全米12位まで食い込んだ。
Le Freak/おしゃれフリーク
言わずと知れたシックの代表曲。邦題『おしゃれフリーク』1978年のセカンドアルバムアルバム『エレガンス・シック』からのファーストシングル。1978年12月2日に「ビルボード」のR&Bシングル・チャートでバンド初の1位を獲得し、12月9日にはBillboard Hot 100でも初の1位獲得を果たした。最終的には合計6週にわたって全米1位を獲得した。アメリカ国内で400万枚以上を売り上げ、当時としてはアトランティック・レコード史上最大のヒット・シングルとなった。
I Want Your Love
1978年の2枚目のアルバム『C'est Chic』からの大ヒット「おしゃれフリーク」に続く2ndシングル。ビルボードダンスクラブソングチャートで1位になり、ビルボードHot 100でも7位に輝き、19週間にわたりチャートインした。
Alfa Andersonによるソロリードボーカルをフィーチャーしたこの曲は、もともとシスター・スレッジに提供される予定だったが、代わりにシックが録音する予定だった「He's the Greatest Dancer」がシスター・スレッジに提供された。『I Want Your Love』にはシスター・スレッジのバックグラウンドボーカルだけは残されている。
Good Times/グッド・タイムス
1979年の3rdアルバム『Risque』に収録され『おしゃれフリーク』と同様、全米1位を獲得した。
元々はシスター・スレッジのために買いた曲だったが、代わりに『グレイテスト・ダンサー』をシスター・スレッジに提供し、『グッド・タイムス』をシックが演奏することになった。
同年、シュガーヒル・ギャングによるラップ初の世界的ヒット『ラッパーズ・ディライト』には、この曲のバックトラックが使われ訴訟問題にもなったが、同時に『グッド・タイムス』はヒップホップ文化を代表するラップの幕開けの曲ともなった。
My Forbidden Lover
1979年のサードアルバム『Risqué』からのセカンドシングルで、ソフィスティケイトされたシックサウンドが最高潮に達した一曲。バーナードのうねるベースグルーヴに、トンプソンのタイトなドラム、ナイルのギターは控えめにリズムを刻み、代わりに煌びやかなストリングスが全編に流れる、シックが最もエレガントだったころを代表する曲である。
Chic(シック)が関わった代表曲、ミュージックビデオ(MV / PV)
We Are Family/Sister Sledge
1979年、アトランテッィク・レコードではディスコ・ブームのなか、シックが『Le Freak』で大当たりしたため、ご褒美にシックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズ"の二人に気に入ったアーチストがいたらプロデュースして構わないと言った。そこで白羽の矢が立ったのが、シスター・スレッジだった。
結果この『We Are Family』はビルボードで1979年6月16日に最高位2位を獲得。
1位までもう一歩のところまで行ったが、阻んだのは同じディスコ系のスーパーヒット、ドナ・サマーの『Hot Stuff』だった。そしてアニタ・ワードのディスコヒット『Ring my bell』がトップに立った頃は5位にランクダウンと、この時代はディスコソングが熾烈なトップ争いを繰り広げていた。
Thinking Of You/Sister Sledge
『We Are Family』収録のメロウクラシック。
ファンの間で人気が高く、イントロから始まる泣きのカットギターはナイル・ロジャースの最高傑作との呼び声も高い。
Upside Down/Diana Ross
目次 - Contents
- Chic(シック)の概要
- Chic(シック)の活動履歴
- ビッグ・アップル・バンド時代
- 1970年代後半〜シック・デビュー
- 世界的なディスコブーム〜シスター・スレッジ
- 1980年〜ダイアナ・ロス
- デヴィッド・ボウイからのオファー
- マドンナをスターダムに押し上げる
- パワー・ステーションとロバート・パーマー
- 1990年代〜CHIC 再結成
- バーナード・エドワーズ、トニー・トンプソンの死
- 2010年代〜ダフト・パンク
- シック、25年ぶりのニューアルバム
- Chic(シック)のメンバー
- Nile Rodgers (ナイル・ロジャース /g)
- Chic(シック)の旧メンバー
- Bernard Edwards(バーナード・エドワーズ/b)
- Tony Thompson(トニー・トンプソン/dr)
- Norma Jean WRIGHT(ノーマ・ジーン・ライト/vo)
- Luci Martin(ルーシー・マーティン/vo)
- Alfa Anderson(アルファ・アンダーソン/vo)
- Robin Clark(ロビン・クラーク/vo )
- Diva Gray(ディーバ・グレイ/vo )
- Fonzi Thornton(フォンジー・ソーントン/vo)
- Luther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス/vo)
- Chic(シック)のディスコグラフィー
- スタジオアルバム
- CHIC(ダンス・ダンス・ダンス)
- C'est CHIC(エレガント・シック)
- Risque(危険な関係)
- Real People(リアル・ピープル)
- Take It Off
- Tongue in Chic
- Believer
- Chic-ism
- It's About Time
- ライブ・アルバム
- Live at the Budokan
- A Night in Amsterdam
- コンピレーション・アルバム
- Les Plus Grands Succès De Chic: Chic's Greatest Hits
- Freak Out: The Greatest Hits of Chic and Sister Sledge
- Megachic: Best of Chic
- Dance, Dance, Dance: The Best of Chic
- The Best of Chic, Volume 2
- Everybody Dance
- Chic Freak and More Treats
- The Very Best Of Chic
- Dance, Dance, Dance & Other Hits
- The Very Best of Chic & Sister Sledge
- The Very Best of Chic (2000年、Rhino/Warner)
- Good Times: The Very Best of the Hits & the Remixes (Chic & Sister Sledge)
- The Definitive Groove Collection
- NILE RODGERS PRESENTS THE CHIC ORGANIZATION BOXSET VOL.1 「SAVOIR FAIRE」
- Original Album Series: Chic + C'est Chic + Risqué + Real People + Take It Off (2011年、Rhino/Atlantic)
- Magnifique: The Very Best of Chic
- Nile Rodgers presents The Chic Organization: Up All Night
- サウンドトラックアルバム
- Soup for One(スープ・フォー・ワン)
- シングル
- I'll Be There
- Chic(シック)の代表曲とミュージックビデオ(MV / PV)
- Dance, Dance, Dance(Yowsah, Yowsah, Yowsah)
- Everybody Dance
- Le Freak/おしゃれフリーク
- I Want Your Love
- Good Times/グッド・タイムス
- My Forbidden Lover
- Chic(シック)が関わった代表曲、ミュージックビデオ(MV / PV)
- We Are Family/Sister Sledge
- Thinking Of You/Sister Sledge
- Upside Down/Diana Ross
- Let's Dance/David Bowie
- The Reflex/Duran Duran
- Original Sin/INXS
- Like A Virgin/Madonna
- Some Like It Hot/The Power Station
- Addicted To Love/Robert Palmer
- Get Lucky/Daft Punk
- Pressure Off/Duran Duran
- Boomerang/Emin
- One More/SG Lewis Nile Rodgers
- Who's Hurting Who/Jack Savoretti
- Agua/Daddy Yankee
- Chic(シック)の名言・発言
- ナイル・ロジャース「俺ももう60歳だけど、また波にのったという手応えがあるんだよ」
- ナイル・ロジャース「エレべーターの中でいきなりマドンナから、『ねえ、どうしてわたしとやろうとしないの?』って訊かれちゃってね」
- Chic(シック)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『おしゃれフリーク』誕生秘話
- 『グッド・タイムス』がその後に与えた影響
- 『アップサイド・ダウン』のシック・バージョンをモータウンが却下