最高に素晴らしいこと(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『最高に素晴らしいこと』とは、2020年2月28日にNetflixオリジナル作品として配信されたアメリカ合衆国の青春恋愛映画。
姉を交通事故で亡くし心に深い傷をおったバイオレット。同級生であり精神面に問題を抱えたセオドアと出会い徐々に笑顔を取り戻していくが、セオドアの心の闇が現れてしまう。若者達が自死とどう向き合うべきなのかを問う作品。
今作は自殺の兆候を描かずに自殺は突発的に起こりうるものであるという非常にセンシティブなテーマを扱ってる作品である。

セオドアと出会い共に日々を過ごした事で姉の事故でふさぎ込む前の以前の自分を取り戻したバイオレット。戻る場所さえあればどんな状況でも乗り越えられる、とセオドアから教わった事をラストシーンの課題発表でクラスメイトに伝えた言葉。

バイオレット「もっと早くいくべきだった」

セオドアを救えずに悲しむバイオレットのセリフ。もう少し早く行けばセオドアを救えたかもしれないと自分を責めるバイオレット。自分が思い悩んでいた時に救い出してくれたセオドアを次は自分が救いたかったが叶わなかった。事の大きさは起こってからじゃないと分からないものである。

『最高に素晴らしいこと』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

気分を紛らわす為のランニング

本作ではセオドアのランニングシーンが4度も流れる。セオドアは心の病に侵されており「時々自分が分からなくなる」と彼が参加するサポートグループの集会で告白している。セオドアにとって、走ることは迫りくる喪失に追いつかれないようにする手段であり、走ることで気分を紛らわしている。

『13の理由』の汚名返上

Netflixオリジナルドラマで『13の理由』が自殺を助長していると批判を受けた事件があった。この作品ではティーンたちの苦悩を描き、とあるキャラが自殺するシーンがあるが、若者視聴者の人気も高いせいか、かなり注目されドラマ公開後に自殺数の増加が確認される事件が起こった。この事件を踏まえ、Netflix側は「自殺」というものに真剣に向き合って描写するよう創作し、気づく事が難しい「心の病」にスポットをあて汚名返上を果たした。

エンドロールで支援団体の紹介

エンドロールでこの映画を観ている迷える人々に対して、帰り道を示す導線が描かれている。「精神的な問題を抱える皆に捧げる。自殺的な苦しみや悲しみを抱えているならこちらまで」という文章と共に支援団体のHPが紹介されている。
今作は、ただの恋愛映画ではなく心の病に重点を置いて制作された作品である。

クィア(同性愛者)である事を公言しているセオドア役のジャスティス・スミス

2020年6月5日、インスタグラムで「みんなが『Black Queer Lives Matter(黒人のクィアの命は大切)』『All Black Lives Matter(あらゆる黒人の命が大切)』と祈りを捧げていた。でも、Black Lives Matterは言うけど、そこにトランスとかクィアがくっつくと口をつぐんでしまう人たちがいることにがっかりしたんだ、黒人のクィア男性として」と自分がクィアである事を公言した。

『最高に素晴らしいこと』の主題歌・挿入歌

挿入歌:Claire George『Where Do You Go?(Yumi Zouma Remix)』

挿入歌:Many Voices Speak『Tank Town』

挿入歌:NONONO『Pumpin Blood(Taken by Trees x Belief Remix)』

挿入歌:Sonny & The Sunsets『Too Young To Burn』

挿入歌:Starship『Nothing's Gonna Stop Us Now』

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