THE BACK HORN(ザ・バックホーン)の徹底解説まとめ
THE BACK HORNとは1998年に結成されたロックバンドである。
1999年にアルバム『何処へ行く』でインディーズデビューし、2001年にシングル『サニー』でメジャーデビューを果たす。
デビュー以降、毎年のように作品のリリース、それに伴うツアー、全国各地のロックフェスへの出演など精力的に活動している。2018年にバンド結成20周年を迎え、それを記念した全国ツアーの最終日には日本武道館公演を行う。日本屈指のライブバンドととしてロックシーンには欠かせない存在となっている。
THE BACK HORNの概要
THE BACK HORNとは1998年に東京で結成されたオルタナティヴ・ロックバンドである。
音楽系の専門学校の同級生同士で結成され、1999年にアルバム『何処へ行く』でインディーズデビューし、2001年にシングル『サニー』でメジャーデビューを果たす。
デビュー以降、毎年のように作品のリリース、それに伴うツアー、全国各地のロックフェスへの出演など精力的に活動している。2018年にはバンド結成20周年を迎え、それを記念する企画〈20th Anniversary「ALL TIME BESTワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~〉を開催し、最終公演ではTHE BACK HORNにとって3度目の日本武道館公演を敢行。
THE BACK HORNの魅力として挙げられるのは"バラエティに富んだ楽曲"と"生命力溢れるエネルギッシュなライブ"だ。
THE BACK HORNはメンバー全員がソングライターである。
一般的にロックバンドはフロントマンが作詞・作曲を手掛けるパターンが多い。ソングライターがバンド内に2人いる場合も珍しくはないがTHE BACK HORNのようにメンバー全員が作詞・作曲を担当するというのは非常に稀である。初期の頃は主に(Gt)菅波栄純が主に作詞・作曲をしていたが5thアルバム『太陽の中の生活』以降はメンバー全員が作詞・作曲を手掛けるようになる。ソングライター4人のオリジナルティ溢れる楽曲と詞の世界観を同じアーティストで楽しめてしまうのがこのバンドの魅力である。
THE BACK HORNのライブは観た人の心を突き動かす力強さがある。かなり激しいライブのため終わる頃にはTシャツが汗でビショビショになる。だが、心はフッと軽くなった気がするのだ。それは彼等の音楽活動のテーマである「心をふるわせる音楽を届けていく」ということと「何がなんでも生きろ」というメッセージを楽曲を通して全身全霊でオーディエンスにぶつけているからだ。日本のロックバンドの中でも間違いなくトップレベルのライブバンドだと断言できる。
THE BACK HORNの活動経歴
THE BACK HORN結成までの流れ
同じ音楽系の専門学校で出会った(Vo)山田将司(Gt)菅波栄純(Dr)松田晋二と元メンバーのベーシスト平林直己らで1998年に結成。
入学したその日からバンドをやりたいと思っていた菅波がボーカル課の中で格段に存在感を放っていた山田にバンドをやろうと声をかける。それに対して山田が「良いけど他のメンバーは?」と尋ねた所、喫煙所でタバコを吸っている松田を指差して「あいつがドラマーだ」と菅波が言ったことで松田が加入。それに元メンバーの平林が加わり、THE BACK HORNが誕生する。
インディーズ時代
1998年に結成以降、下北沢のライブハウスを中心に活動していた彼等は、1999年の9月に初音源作品『何処へ行く』をリリースし、同年7月30日にはFUJI ROCK FESTIVAL'99にも出演。
2000年にも2ndアルバム『甦る陽』シングル『風船』などコンスタントに作品をリリースし、同年5月には全国21ヶ所・21公演の全国ツアーを開催する等、順調に音楽活動を続けていく。しかし、2001年にベーシストの平林直己が、「バンド活動に自分のすべての時間を使うことは無理」との理由により、2001年2月23日に脱退。それからしばらくは3人での活動を余儀なくされる。
2001年〜2004年 現在の体制になる
2001年4月25日にシングル『サニー』でメジャーデビューを果たす。2002年12月には元メンバー平林直己の代わりに約2年間サポートとして活動していた岡峰が正式メンバーとして加入し現在の体制になる。
メジャーデビュー以降、毎年のようにアルバムをリリースしてそれに伴うツアー、夏フェス出演等で徐々に人気を獲得していき、2004年には日比谷野外音楽堂で野外ワンマンライブを成功させる。
2005年〜2008年 結成10周年を記念して初の日本武道館開催
2005年3月に4thアルバム『ヘッドフォンチルドレン』のリリース後、バンドの知名度は一気に広がっていく。
同年12月には、今では毎年恒例になったメンバー自らで企画・演出を手掛けるスペシャルイベント「マニアックヘブンVol.0」を東京・恵比寿リキッドルームで開催。このイベントは、普段ライブで演奏されない"レア曲"のみのライブやメンバーがこれまで手掛けた絵画やTシャツなどを展示する"ギャラリーコーナー"、メンバー考案の"オリジナルドリンク"などTHE BACK HORNの"マニアック"なものを詰め込んだものになっている。
2007年頃より、「聴く人の心を振るわせる音楽を届ける」ことを音楽活動のテーマに"KYO-MEI"を掲げ、ツアータイトルには必ず"KYO-MEI"のタイトルが付くようになる。
2008年1月には、バンド結成10周年を記念してバンド初のベストアルバム『BEST THE BACK HORN』をリリース。それに伴い、同年2月〜6月にかけて「KYO-MEIワンマンツアー〜裸足の軌跡〜」を開催し、最終日には初の日本武道館公演を行う。
2009年~2013年 東日本大震災の復興に尽力
2009年10月17日に(Gt)菅波栄純と(Dr)松田晋二の地元・福島県でロックフェス「207万人の天才。風とロックFES福島」が開催され、THE BACK HORNも出演。
初出演以降、「風とロックFES」とTHE BACK HORNは主催者と演者以上の深い関係性を築くようになる。松田晋二においては同フェスの副実行委員長を務め、プロモーション活動なども行うようになる。
2010年7月にはホールライブ「メビウス戦線異状アリ」を開催。
このライブの1曲目にバンド史上最長(約8分)の楽曲「コオロギのバイオリン」を持ってくるという強気なセットリストに観客らは度規模を抜かれる。
2011年3月11日の東日本大震災により、メンバーの故郷やライブで頻繁に訪れていた地域が被害に見舞われる。同年3月30日に復興支援のチャリティーソング『世界中の花束を』を配信リリース、4月~6月にかけては、被災地である北関東、東北地方でライブを行う等、音楽活動を通して復興のために尽力していく
2012年6月に9thアルバム『リヴスコール』をリリース、それに伴い〈「KYO-MEIツアー」~リヴスコール~〉を開催。このツアーで2度目となる日本武道館公演を敢行。
同公演の(Vo)山田のMC「俺たちはずっと、バックホーンはずっと、ステージの上に絶対いつでもいるから。いいことばっかじゃないけど「うわぁー!」ってまたやりに来てくれよ」という言葉に観客の多くが勇気づけられた。
2013年9月にバンド結成15周年を記念して今までのカップリング曲とコンピレーションアルバムのみに収録された楽曲を集めたB面集『B-SIDE THE BACK HORN』を発売。
2014年~2018年 結成20周年を記念して3度目の日本武道館公演を開催
2014年4月に開催初年度から出演している音楽フェス「ARABSKI ROCK FEST.2014」の大トリを務める。同ライブはゲストとのスペシャルセッションとなっており、鬼束ちひろや宮本浩次(エレファントカシマシ)などの一流ミュージシャンが参加し、ライブは大盛況に終わる。
2015年から2017年の間もコンスタントに作品を発表し、全国各地のライブハウス、音楽フェスにも多数出演する等、精力的に活動し続ける彼等は2018年、遂にバンド結成20周年を迎える。
バンド結成20周年である2018年は「THE BACK HORN 20th Anniversary」と題して、同年3月にインディーズ以来となるミニ・アルバム『情景泥棒』、同8月にはインディーズ時代に発表した全楽曲を再レコーディングした作品『ALL INDIES THE BACK HORN』をそれぞれリリース。2018年10月~2019年2月にかけては全20公演の全国ツアー〈20th Anniversary「ALL TIME BESTワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~〉を開催し、最終日には3度目の日本武道館公演を行う。このツアーは、より深くお客さんとバンド結成20周年をお祝いできるようにするためにセットリストの大半を公演毎に変更してライブに臨んだ。
2019年〜2020年 新型コロナウイルスの影響でバンド活動に変化
2019年10月に12thアルバム『カルペ・ディエム』をリリースし、それに伴うツアーが開催されたが、ツアー途中(Vo)山田が声帯ポリープの診断を受けたことによりツアーが延期となる。2020年5月より振替公演を予定していたが新型コロナウイルスの影響で振替公演も延期となってしまう。代替え案として予定していた13公演の公演日に今まで発表しているライブ映像作品13作品をYouTubeにて配信する「KYO-MEI MOVIE TOUR-2004〜2019-」を開催した。
2020年9月に小説家、住野よるとの共同プロジェクト作品『この気持ちもいつか忘れる』を発売。今作は住野よるとTHE BACK HORNが構想段階から打ち合わせを重ねて制作された小説×音楽のコラボ作品である。「THE BACK HORNの楽曲を聴きながら作品世界に浸ってほしい」という住野よるの想いから、THE BACK HORNが小説の世界観を基に制作した楽曲のCDが付く『この気持ちもいつか忘れるCD付・先行限定版』も発売された。
THE BACK HORNのメンバー
メンバー
山田将司(やまだまさし)
ボーカル担当。
生年月日 1979年10月8日
茨城県出身。
通称「将司」
基本的にパートはボーカルのみだが、ギターやピアノ、ベース、ドラムなど様々な楽器を演奏することができる。楽曲「ヘッドフォンチルドレン」ではピアニカも披露した。
2016年3月よりIBS茨城放送にて放送中のラジオ番組「よかっぺらじお」のパーソナリティをライブハウスである水戸ライトハウスの店長、稲葉茂と共に務めている。
菅波栄純(すがなみえいじゅん)
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目次 - Contents
- THE BACK HORNの概要
- THE BACK HORNの活動経歴
- THE BACK HORN結成までの流れ
- インディーズ時代
- 2001年〜2004年 現在の体制になる
- 2005年〜2008年 結成10周年を記念して初の日本武道館開催
- 2009年~2013年 東日本大震災の復興に尽力
- 2014年~2018年 結成20周年を記念して3度目の日本武道館公演を開催
- 2019年〜2020年 新型コロナウイルスの影響でバンド活動に変化
- THE BACK HORNのメンバー
- メンバー
- 山田将司(やまだまさし)
- 菅波栄純(すがなみえいじゅん)
- 岡峰光舟(おかみねこうしゅう)
- 松田晋二(まつだしんじ)
- 元メンバー
- 平林直己(ひらばやしなおき)
- THE BACK HORNのディスコグラフィー
- インディーズシングル
- 1st『風船』
- インディーズアルバム
- 1st『何処へ行く』
- 2nd『甦る陽』
- メジャーシングル
- 1st『サニー』
- 2nd『空、星、海の夜』
- 3rd『世界樹の下で』
- 4th『涙がこぼれたら』
- 5th『未来』
- 6th『光の結晶』
- 7th『生命線』
- 8th『夢の花』
- 9th『コバルトブルー』
- 10th『キズナソング』
- 11th『ブラックホールバースデイ』
- 12th『初めての呼吸で』
- 13th『カオスダイバー』
- 14th『声』
- 15th『美しい名前』
- 16th『罠』
- 17th『覚醒』
- 18th『戦う君よ』
- 19th『閉ざされた世界』
- 20th『シリウス』
- 21st『バトルイマ』
- 22nd『シンメトリー/コワレモノ』
- 23rd『悪人/その先へ』
- 24th『With You』
- 25th『あなたが待ってる』
- 26th『孤独を繋いで』
- デジタルシングル『世界中に花束を』
- メジャーアルバム
- 1st『人間プログラム』
- 2nd『心臓オーケストラ』
- 3rd『イキルサイノウ』
- 4th『ヘッドフォンチルドレン』
- 5th『太陽の中の生活』
- 6th『THE BACK HORN』
- 7th『パルス』
- 8th『アサイラム』
- 9th『リヴスコール』
- 10th『暁のファンファーレ』
- 11th『運命開花』
- 12th『カルぺ・ディエム』
- 1stミニアルバム『情景泥棒』
- THE BACK HORNの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- 初めての呼吸で
- あなたが待ってる
- 瑠璃色のキャンバス
- 世界の果てで
- 冬のミルク
- コバルトブルー
- ハナレバナレ
- 心臓が止まるまでは
- 罠
- THE BACK HORNの名言・発言
- (Dr)松田晋二「このアルバム聴いたから、よし!明日も歩いて行こうかな」っていう。本当にそんぐらいのことなんですよね。「告白しろ」とか「会社辞めるって言え」とか(笑)そういうことじゃなくて。自分たちもそうなんですよ。「雨降っててじめじめしてっから、カラッとした音楽聴こうかな」とか「真冬に真夏の曲聴くと、意外に良い」とか。それしかできないと思うし、でもそれが最大にできることだと思う。
- (Dr)松田晋二「音楽っていろんな形があると思うんですけど、1曲だけ聴くよりはやっぱりアルバム聴いてほしいと思うし、アルバム1枚だけ聴くよりそのアーティストを聴いてほしいなと思うし。バンドだったらバンドのヒストリーも気になっちゃうぐらいの聴き方が楽しいと思うんですよね。その1曲の向こう側にはもっと素晴らしい世界が待っているので、1曲が好きになったらせめてアルバムまでは聴いて「こんな世界が待ってた」って驚いてほしいなって。」
- (Vo)山田将司「俺たちはずっと、バックホーンはずっと、ステージの上に絶対いつでもいるから。いいことばっかじゃないけど「うわぁー!」ってまたやりに来てくれよ」
- (Gt)菅波「音楽ではお腹が膨れる訳でもねぇ。人の命を蘇生させられる訳でもねぇ。でも音楽をやるっていうのは、そういう意味でのしなやかな戦い方のひとつではあると思うんですよ。」
- THE BACK HORNの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 栄純の恩返し
- 結成当初のバンド名は「GYORAI」