
Tame Impala(テーム・インパラ)とは、2007年にオーストラリアで活動を開始したサイケデリック・ロックのプロジェクト。オーストラリアのミュージシャンであるケヴィン・パーカーのソロプロジェクトの一環として立ち上げられ、2010年にリリースしたデビューアルバム『Innerspeaker』がゴールドディスクを受賞する。1960年代後半のサイケデリック・ロックにシンセサイザーを強く入れ、現代のテイストに昇華させたサウンドで世界各地のファンの心を掴んでいる。
Tame Impala(テーム・インパラ)の概要
Tame Impala(テーム・インパラ)とは、2007年にオーストラリアのパースで活動を開始したサイケデリック・ロックプロジェクト。オーストラリアのバンド、The Dee Dee Dumsの活動で知られるミュージシャン、ケヴィン・パーカーのソロプロジェクトとして立ち上げられ、作詞作曲、ライブ以外での楽器の演奏は、ほぼすべてをケヴィン自身がこなしている。また、ライブメンバーも楽器を複数のパートを担当し、ライブ会場にはシンセサイザーを常に2台以上置いてあることでも有名である。2010年にデビューアルバム『Innnerspeaker』をリリース。同作はオーストラリアのゴールドディスクを受賞して話題となった。
1960年代後半のサイケデリック・ロックに、自身のルーツとして挙げているポップスを感じさせるテイストを落とし込み、ギターよりもシンセサイザーを前面に出して現代のテイストに昇華させた音楽性と、どこかジョン・レノンを彷彿とさせるケヴィンの歌声が世界各地で音楽ファンの心を掴み、2012年にリリースした2ndアルバム『Lonerism』はグラミー賞でオルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門にノミネートされた。
2015年リリースの3rdアルバム『Currents』はブリット・アワードのBest International Groupを受賞し、グラミー賞では2作続けてノミネートされる快挙を成し遂げている。
Tame Impala(テーム・インパラ)の活動経歴
プロジェクトの立ち上げ

プロジェクトを立ち上げたケヴィン・パーカー。自ら複数の楽器を演奏して楽曲を制作する。
オーストラリアのバンド「The Dee Dee Dums」のメンバーとしても知られるケヴィン・パーカーがソロプロジェクトの一環として、2007年にTame Impalaの活動をスタート。MySpaceにアップロードしていた音源がレコードレーベルに注目されていたこともあり、立ち上げ後すぐにレーベルと契約を結ぶことになる。
活動開始翌年の2008年、リリースしたEPがインディーチャートで1位を獲得するなど注目を集め始め、The Black Keysなどの有名バンドのツアーに帯同してのサポートや、様々なロックフェスティバルへの出演を経験する。
2009年には初のシングルとなる「Sundown Syndrome」を発表し、同曲が2010年の映画『キッズ・オールライト』のサウンドトラックにも使用されるなど、順調に活動の幅を広げていく。
1stアルバム『Innerspeaker』リリースとワールドツアー
2010年にデビューアルバムとなる『Innerspeaker』をリリース。このアルバムはオーストラリアのみではなく米英の各音楽メディアからも高く評価され、特にアメリカの音楽メディアである『ピッチフォーク・メディア』はBest New Musicとして同作を推薦している。
この『Innerspeaker』を引っ提げ、2010年にアメリカの人気バンド、MGMTのツアーのオープニングアクトとして帯同する形でワールドツアーをスタート。一度オーストラリアに戻りSplendour in the Grassフェスティバルに出演した後、同年7月から大型ロックフェスティバルも含むヨーロッパツアーを執り行った。10月には祖国のオーストラリアでもツアーを敢行し、11月には再びイギリスとヨーロッパに戻って大規模なヘッドラインツアーを開催。その後、全12公演の北米ツアーも成功を収めたTame Impalaは、この年ARIAミュージック・アワードで「Album of the Year」「Best Rock Album」「Best Group」「Breakthrough Artist」の4つの部門でノミネートされている。
世界各地の音楽業界で絶賛された意欲作『Lonerism』
2012年にリリースした2ndアルバム『Lonerism』は世界各地の批評家たちからの絶賛を集め、メタクリティックでは100点満点中88点を獲得する。このほかにも、世界の主要な音楽メディアの年間ベストアルバムランキングで上位に選出され、第56回グラミー賞の最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門にノミネートされるなど、「オーストラリア発のサイケデリック・ロック」の旗手として、世界的な評価を確立していった。
この成功で弾みがついたTame Impalaはワールドツアーを開催し、アメリカのコーチェラ・フェスティバルや、日本のFUJI ROCK FESTIVALといった世界各国の大型ロックフェスティバルにも出演を果たす。
2015年には3rdアルバム『Currents』をリリース。アルバムからは「Let It Happen」「Cause I'm a Man」「Eventually」の3曲が先行シングルとしてリリースされ、こちらもヒットを記録している。『Currents』は第56回グラミー賞にノミネートされるに至った。
自国であるオーストラリアや欧州のみではなく、Tame Impalaはこの時期から日本の音楽ファンの心も着実に掴み、2016年には単独来日ツアーを行い、2018年にはSummer Sonicに出演するなど、日本でのライブ活動も頻繁に行うようになる。
また、同2018年にはトラヴィス・スコットやZHUといった他アーティストの作品にプロデューサーやプレイヤーとしても参加し、活動をさらに幅広いものとしていった。
世界各地の音楽フェスイベントのヘッドライナーとして活躍
2019年、アメリカで開催される音楽フェスイベント、コーチェラ・フェスティバルのメインステージで、Tame Impalaがヘッドライナーを務めることが発表された。ロックバンドがコーチェラのヘッドライナーを務めるのは2年ぶりのこととして、多くの音楽ファンたちから喜びの声が上がった。また、スペインのバルセロナで開催される音楽フェスイベント、プリマヴェーラ・サウンドにおいてもヘッドライナーで出演することが発表され、夏には4枚目となるニューアルバム『The Slow Rush』をリリースし、精力的な活動を続ける。
2019年3月からスタートしたツアーでは、アメリカやスペイン、日本を含む多くの大型フェスティバルにヘッドライナーで出演し、音楽フェスイベントには欠かせない存在となっていった。
Tame Impala(テーム・インパラ)のメンバー
スタジオメンバー
Kevin Parker(ケヴィン・パーカー)

自身のソロプロジェクトの一環としてTame Impalaを立ち上げた立役者。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボードなど、レコーディング現場では歌と楽器、作詞と作曲のすべてを担当。ライブでもボーカルとギター、アフリカ発祥の楽器であるカズーの演奏などを担当している。ブリトニー・スピアーズやマイケル・ジャクソンなどのポップスを自身のルーツとして挙げており、古典派サイケデリックに落とし込んで自らのサウンドに昇華する、独特の音楽性で人気を博している。
現ライブメンバー
Jay Watson(ジェイ・ワトソン)
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2012年からはシンセサイザーとコーラス、ギターを担当し、2007年から2012年にかけてはドラムとコーラスを担当していた。
Dominic Simper(ドミニク・シンパー)

2007年から2013年までベースを担当し、2009年からはシンセサイザーとギターで参加している。
目次 - Contents
- Tame Impala(テーム・インパラ)の概要
- Tame Impala(テーム・インパラ)の活動経歴
- プロジェクトの立ち上げ
- 1stアルバム『Innerspeaker』リリースとワールドツアー
- 世界各地の音楽業界で絶賛された意欲作『Lonerism』
- 世界各地の音楽フェスイベントのヘッドライナーとして活躍
- Tame Impala(テーム・インパラ)のメンバー
- スタジオメンバー
- Kevin Parker(ケヴィン・パーカー)
- 現ライブメンバー
- Jay Watson(ジェイ・ワトソン)
- Dominic Simper(ドミニク・シンパー)
- Julien Barbagallo(ジュリアン・バルバッガロ)
- Cam Avery(キャム・エイブリー)
- 旧ライブメンバー
- Nick Allbrook(ニック・アルブルック)
- Tame Impala(テーム・インパラ)のディスコグラフィー
- スタジオアルバム
- Innerspeaker
- Lonerism
- Currents
- The Slow Rush
- Tame Impala(テーム・インパラ)の代表曲とミュージックビデオ
- The Less I Know the Better
- Feels Like We Only Go Backwards
- Let It Happen
- Tame Impala(テーム・インパラ)の名言・発言
- ケヴィン・パーカー「僕にとって、音楽活動はくしゃみをするのと同じくらいナチュラルなことなんだ。」
- Tame Impala(テーム・インパラ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- サイケデリックなサウンドの源はケヴィン・パーカーの「共感覚」体験