伏黒恵(呪術廻戦)の徹底解説・考察まとめ
伏黒恵(ふしぐろ めぐみ)は、『呪術廻戦』の登場人物で、呪術の名門禪院家の血筋を引く麒麟児。東京都立呪術高等専門学校の一年生にして二級呪術師の資格を有し、主人公虎杖悠仁とはクラスメイト。
一見するとクールで真面目な優等生ながら、内には激しい情動を秘める。善人だった姉が呪いによって倒れたことが呪術師を目指す動機となっており、最強の呪術師五条悟に師事する。自身を救うために特級呪霊両面宿儺の宿主となった虎杖を庇い、彼の善性と呪術師としての潜在的な才能を信じて、宿儺の力を求めるあまたの敵と戦っていく。
伏黒甚爾(ふしぐろ とうじ)/禪院甚爾(ぜんいん とうじ)
実父。呪術の名門禪院家に生まれるも、一切の呪力を持たない特異体質の持ち主。代わりに人間離れした身体能力を誇り、これを利用して呪術師専門の殺し屋として名を馳せた。
呪力を持たないことから実家で冷遇され、これを出奔。裏稼業に手を染めながら様々な女性の下を転々とし、唯一婿に入るほどに惚れ込んだ女性との間に息子・伏黒を設けた。
伏黒は自分の“恵”という名前に「子供の性別も確かめずにつけた」と悪印象を抱いているが、甚爾自身はこの名に「自分のような不遇な人生を歩まないよう、多くの“恵み”があるように」との願いを託している。
自身のことには無頓着で、ともすれば自暴自棄な態度が見え隠れする一方、息子の行く末は無意識に案じており、死に際に残した言葉も伏黒により良き道を与えるためのものだった。後に降霊術によって疑似的な復活を果たし、伏黒と対面。彼が「自分を冷遇した禪院家」ではなく、「自分をも倒した最強の術師・五条」の下でその才能を磨いていることを知り、「良かったな」と言い残している。
伏黒甚爾/禪院甚爾(呪術廻戦)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
伏黒甚爾(ふしぐろ とうじ)/禪院甚爾(ぜんいん とうじ)は、『呪術廻戦』の登場人物で、生まれつき呪力を持たない代わりに超人的な身体能力を備えた"天与呪縛"という特殊体質の持ち主。
虎杖悠仁の級友である伏黒恵の実父で、呪術師の名門禪院家の出身だが、実家では日陰者扱いされていた。出奔して荒んだ生活を続け、術師殺しとして名を馳せ、最強の呪術師・五条をも倒すも、死の淵で才能を開花させて息を吹き返した彼の前に敗死。
物語開始時点で故人だが、様々な人物に深く関わり、印象的な悪役として高い人気を誇る。
伏黒恵の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「でも死なせたくありません」
宿儺の宿主となった虎杖が無力化され、「彼をどうするべきかな」と五条に尋ねられた際に、伏黒が返したセリフ。
呪術師のルールに照らし合わせれば、この時の虎杖は問答無用の処刑対象である。伏黒も一度は「祓う(ころす)」と宣言しているが、内心では虎杖を殺すことにかなりの躊躇いを見せていた。一時的にせよ宿儺の脅威が去った後、伏黒は改めて「虎杖を生かしてやりたい」という自分の本心を口にする。
これまでの短い交流の中で、伏黒は「虎杖は信頼に値する善性の持ち主だ」と感じるようになっていた。だからこそルールを破ることになっても死なせたくない、なんとかしてほしい。伏黒という少年の本質を垣間見せると同時に、どこか幼い言い回しや“五条ならなんとかしてくれる”という信頼を描くことで、伏黒と五条の関係性も描いている。
「俺は不平等に人を助ける」
伏黒の信念。
荒んだ中学時代を送っていた伏黒にとって、姉の津美紀だけが心のよりどころだった。しかし彼女は呪いによって寝たきりになってしまい、伏黒は“どのような善人であれ、理不尽な不幸は平等に訪れる”という現実を思い知らされる。
自分が呪術師になれば、姉のように理不尽な苦しみを味わう人間を一人でも減らせるかもしれない。伏黒はその一念で呪術師となることを決意し、呪術高専に入学した。
自分にできることは目の前の人を助けることだけで、それは世界全体でいえば“たまたま伏黒が近くにいた”という幸運によって救われたに過ぎない。いわゆる正義の味方が陥りがちなロジックに対し、それを「不平等」だと言い切った上でなお手を差し伸べ続けようとする、伏黒の強い想いが感じられる言葉である。
「まずは俺を助けろ、虎杖」
渋谷事変の中で宿儺の暴走を許し、無数の人々が命を落とすきっかけを作った虎杖。その罪悪感から自暴自棄になっていた彼に、“説得”ではなく“助けを求める”という形で伏黒は新たな道を提示する。
ここに至るまでの虎杖は、渋谷事変後ろくな治療も受けずに呪霊を狩り続けており、その様はただ贖罪のために命を散らさんとする殉教者のようでもあった。そんなあまりにも痛々しい虎杖の姿に、伏黒は狙いすましたかのように「こう言えば虎杖なら必ず動く、それが彼に取ってとりあえずの救いにもなる」だろう言葉をかける。果たして虎杖はただ過去を悔いて自虐的な戦いを続けることをいったん止めて、“伏黒を助ける”ために彼と協力することを選ぶ。
意図したものか偶然か、いずれにせよ伏黒と虎杖の強固な絆と互いへの信頼を示す名シーン。終始後手に回りやられっぱなしだった渋谷事変の痛手を共に背負った二人は、いよいよここから全てを裏で操っていた黒幕・羂索への反撃を開始する。
伏黒恵の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
術式「十種影法術」と「布瑠部由良由良」の元ネタは「先代旧事本紀」
伏黒の術式である禪院家相伝の術式「十種影法術」。そしてその中でも最強の式神「八握剣 異戒神将 魔虚羅」を呼び出すための「布瑠部由良由良」という祝詞。これらの元ネタは、「先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)」と呼ばれる日本の史書にあると考察されている。
「先代旧事本紀」は、神道における神典であり、「旧事紀(くじき)」、「旧事本紀(くじほんぎ)」と呼ばれることもあるそうだ。そしてこの「先代旧事本紀」の中に登場する「天璽瑞宝十種(あまつしるしみずたからとくさ)」、通称「十種神宝(とくさのかんだから)」が、「十種影法術」の元ネタだと言われている。
「十種神宝」は読んで字の如く、十種類の宝物を指している。これは物部氏の遠祖・饒速日命(にぎはやひのみこと)が、高天原(たかまがはら)より天降られる時、天津神(あまつかみ)から与えられた宝物だと言われており、「先代旧事本紀」の第3巻「天孫本紀」に登場する祭具でもある。鎮魂祭を実施するときに使用された祭具であるらしい。
この「十種神宝」がそれぞれ「十種影法術」で登場する式神に対応しているという説があり、その中でもわかりやすいのが「八握剣 異戒神将 魔虚羅」だ。
「十種神宝」の中には「八握剣(やつかのつるぎ)」という宝物がある。名前がそもそももう同じなのだが、その「八握剣」を絵で表している資料を見ると、「八握剣」の柄の部分と「八握剣 異戒神将 魔虚羅」が背中に背負っていた円形のシンボルがソックリなのだ。さらに「八握剣 異戒神将 魔虚羅」が持っている剣にも似ている。このことから他の式神もこの「十種神宝」の宝物をそれぞれモチーフにしているのではないかと考察する読者が多い。
また「八握剣 異戒神将 魔虚羅」を呼び出すための祝詞「布瑠部由良由良」も、「先代旧事本紀」に登場する言葉が元ネタになっていると考えられている。
先程「十種神宝」は鎮魂祭の際に用いられた祭具だと紹介したが、「先代旧事本紀」ではこの鎮魂祭のことを「布瑠部の祓(ふるべのはらえ)」と呼んだらしい。そしてこの「布瑠部の祓」の際に読み上げる祝詞は「布瑠の言(ふるのこと)」と呼ばれており、現在は「十種大祓(とくさのおおはらい)」という名称に変わっている。ここに既に伏黒の言った「布瑠部由良由良」の中の「布瑠部」が登場するのだが、それだけでなく「由良由良」のほうもこの「十種大祓」の中に登場する。上の画像で言うと二ブロック目の最後の行あたりだ。
また「布瑠の言」というのは、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天津神(あまつかみ)から「十種神宝」を授けられた時に一緒に伝えられた詞であるという説もある。詞の中に『一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやここのたり)と唱へつつ 、布瑠部由良由良止布瑠部(ふるべゆらゆらとふるべ)かく為しては死人も生反らむ』という部分があり、まさに伏黒が言った「布瑠部由良由良」と同じ言葉が含まれている。ちなみにこのあたりの詞をざっくりと訳すと「一二三四五六七八九十と数えながら、『十種神宝』を振りなさい。ゆらゆらと振りなさい。そうすれば死(まか)りし人も生き反(かえ)らん」というものになるようだ。ここでは「布瑠部由良由良止布瑠部」の部分が「ゆらゆらと振りなさい」と訳されているが、適当な訳し方なのかどうかは未だ議論が行われており、「布瑠部由良由良止布瑠部」は訳さず割愛している文献も多く見受けられる。
『呪術廻戦』のキャラクターや技などは実在する著名人や作品にインスピレーションを受けていたりする。呪術高専東京校の夜蛾正道学長のモデルが蝶野正洋だったり、特級呪霊・陀艮の元ネタは「クトゥルフ神話」ではないかと言われていたりとさまざまだ。そのためキャラクターや技の元ネタ探しが楽しみになっている読者も多く、まだまだ『呪術廻戦』の考察は広がりを見せそうだ。
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呪術廻戦名勝負「五条悟 vs. 漏瑚」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「五条悟 vs. 漏瑚」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。漏瑚の高い実力と、それを遥かに上回る五条の恐るべき強さが明らかになった戦いである。 人類殲滅を掲げる自然呪霊の1員たる漏瑚は、協力者である羂索の誘いに乗って“最強の術師”の異名を持つ五条悟を自ら討ち取ろうとする。五条はこれを迎え撃ち、そのすさまじい力を見た上で「弱い」と断言。わざわざ教え子の虎杖悠仁を連れ出して見学させつつ、漏瑚に圧倒的な実力の差を見せつける。
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呪術廻戦名勝負「五条悟 vs. ミゲル」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「五条悟 vs. ミゲル」とは、強大な呪霊と化した幼馴染に憑かれた少年の成長と活躍を描いた『呪術廻戦 0(東京都立呪術高等専門学校)』で繰り広げられた戦いの1つ。ぽっと出の外人キャラクターが“最強の術師”を相手にひたすら圧倒されて振り回されるという内容だが、五条の恐るべき実力が明らかになるに従い注目度が劇的に上がっていった。 「術師の楽園を作る」と語る夏油傑を気に入ったミゲルは、彼のために教え子たちの下へと急ぐ五条の足止めを買って出る。“最強の術師”を相手に、ミゲルの決死の奮闘が始まる。
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呪術廻戦名勝負「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。物語の序盤で主人公の虎杖たちが直面した絶体絶命の窮地であり、事前に「3人の内の1人が死亡」という説明があったことで緊迫感ある展開となった。 少年院に強力な呪霊が発生し、緊急事態として虎杖ら3人が生存者の避難誘導を命じられる。虎杖は「いざとなれば自分の内の宿儺の力を使おう」と安易に考えていたが、事態は連鎖的加速的に悪化していく。
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呪術廻戦の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『呪術廻戦』とは、若き呪術師たちの戦いと成長の日々を描いた、芥見下々による漫画作品。 最強最悪の呪霊両面宿儺をその身に宿してしまった高校生虎杖悠仁。両面宿儺の力を御するため、虎杖は呪術師を目指して呪術高等専門学校に通い始める。 作品の人気が高まるに従い、個々のキャラクターへの注目の度合いも上がっていき、彼らが発した心揺さぶるセリフに惹かれる読者も増えていった。呪いという人間の感情に直結するものを扱うため、時に生々しく、時に華々しく、時に人間の弱さを残酷に突きつける名言が数多く登場する。
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呪術廻戦の歴代OP・ED主題歌・挿入歌・サウンドトラックまとめ
『呪術廻戦』(じゅじゅつかいせん)とは、芥見下々によるダークファンタジーバトル漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。この記事では、『呪術廻戦』を彩るオープニング・エンディング主題歌、挿入歌、そして本作の前日譚である『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を原作とする劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌を紹介していく。
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目次 - Contents
- 伏黒恵のプロフィール・人物像
- 伏黒恵の呪術・能力
- 十種影法術(とくさのかげほうじゅつ)
- 玉犬「白」(ぎょくけん しろ)
- 玉犬「黒」(ぎょくけん くろ)
- 玉犬「渾」(ぎょくけん こん)
- 大蛇(おろち)
- 鵺(ぬえ)
- 蝦蟇(がま)
- 脱兎(だっと)
- 不知井底(せいていしらず)
- 満象(ばんしょう)
- 八握剣 異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)
- 領域展開「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」
- 黒い剣
- 伏黒恵の来歴・活躍
- 幼少期
- 小学校~中学校時代
- 東京都立呪術高等専門学校に入学
- 虎杖の死
- 交流会
- 領域展開を修得する
- 渋谷事変
- 五条封印編
- 五条奪還編
- 東京壊滅
- 死滅回游
- 秤への接触
- 総則追加
- いざ、結界の中へ
- 「天使」と「堕天」
- 津美紀の死
- 宿儺との戦い
- 伏黒恵の関連人物・キャラクター
- 虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)
- 五条悟(ごじょう さとる)
- 伏黒津美紀(ふしぐろ つみき)
- 伏黒甚爾(ふしぐろ とうじ)/禪院甚爾(ぜんいん とうじ)
- 伏黒恵の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「でも死なせたくありません」
- 「俺は不平等に人を助ける」
- 「まずは俺を助けろ、虎杖」
- 伏黒恵の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 術式「十種影法術」と「布瑠部由良由良」の元ネタは「先代旧事本紀」