ひぐらしのなく頃に業(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ひぐらしのなく頃に業』とは、竜騎士07原作のアニメ作品。2006年から断続的にアニメ化されてきた同シリーズ7年ぶりの新作である。序盤の展開は過去作と同じものだが、リメイクではなくリブートだと公式から発表されている。
雛見沢村に引っ越してきた少年前原圭一は、同じ学校に通う部活仲間の竜宮レナや園崎魅音らと共に平和に暮らしていた。しかしある時フリーカメラマンの富竹ジロウという人物から、過去に村で起きた殺人事件の話を聞く。事件のことを調べ始めた圭一に、レナら村人たちは不穏な一面をさらけ出していく。

CV:中原麻衣
圭一の同級生で部活仲間の一人。圭一と特に仲の良い少女で、彼に好意を抱いていることがうかがえる描写も多い。料理上手で、圭一に手料理を褒められた際は終始照れていた。魅音が圭一に好意を抱いていることにも気付いているが、何も言わない代わりに遠慮するつもりもないようである。
自身の心の琴線に触れる“かぁいいもの”を愛でるのが趣味で、そのためならすさまじい力と情熱を発揮する。どういったものが“かぁいいもの”かは完全にレナの独断であり、沙都子や梨花といった他人にも分かりやすいものからファーストフード店の等身大人形まで多種多様。特に後者については熱心に集めており、本人曰く「宝探し」のため雛見沢村にある不法投棄場へとよく赴いている。
優しくて意志の強い人物で、行動しながらそれ以上の勢いで考え続ける圭一とは異なり、しっかり考えてから動くタイプ。だからこそ大切な人を傷つけられることには猛然と怒りを示し、必要だと判断すれば思い切った行動を取る。一見ほんわかした少女だが、内面はかなりのリアリストであり、その意味でも圭一とはいいコンビである。
圭一からかつて雛見沢村で起きたバラバラ殺人事件について聞かれた際は、「一年前に引っ越してきたばかりだから何も知らない」と答えるも、事件のことを調べ始めた圭一を時折り不穏な眼差しで見詰めるようになる。一方で綿流し祭りで圭一に手をつながれた時は年相応の少女らしく頬を赤らめており、その真意がどこにあるのかは不明である。
本名は「礼奈(れいな)」だが、幼い頃に両親が離婚しており、それ以来「“イ”ヤなことを忘れよう」と自分の名前から“い”を取って「レナ」と名乗るようになった。

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園崎魅音(そのざき みおん)

CV:ゆきのさつき
圭一の一学年上の受験生で、部活仲間の一人。園崎家は雛見沢村で大きな権力を持つ家であり、魅音はその跡取りになる予定。学校ではクラス委員長を務める。
「部活」と称して圭一たち五人にカードゲームや鬼ごっこを吹っかけ、些細なことでも全力で楽しむガキ大将気質。これには「村に不慣れな圭一が孤立しないように」といった彼女なりの心遣いもあるようで、圭一たちも特に不平も無く付き合っている。
気配り上手な一方で、あまり考えずに言葉を発する癖があり、彼女が不用意なことを口走ったために事件が起きるという展開も従来のシリーズではたびたび描かれた。テンションによって力量が大きく上下する気分屋で、周囲の人間関係を意識し過ぎて動くべき時に動けず状況を悪化させたこともある。
圭一に対しては好意を抱いているが、それを知られるのは恥ずかしいらしく、言葉や態度にすることは稀。一方の圭一は、“女性として”という点ではあるいはレナ以上に魅音を意識している節があり、表向きには互いに友達として認識しながら想いが擦れ違っている状態である。
かつて雛見沢村で起こったダム反対運動では、園崎家が中心となって戦っていたこともあり、当時の事も詳しい。しかしバラバラ殺人のことについて圭一に尋ねられた際には強い口調で「(そんなことは)無かった」と即座に断言し、何も聞かれなかった風を装うようにその場を立ち去っている。

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園崎詩音(そのざき しおん)

CV:ゆきのさつき
魅音と瓜二つの容姿を持つ、彼女の双子の妹。外見上の違いらしい違いは髪型だけであり、これを入れ替えるだけで家族でもどちらがどちらか見抜けなくなる。
全寮制のお嬢様校に通っており、魅音も特に言及していなかったため圭一たちとは物語の中で出会うまで面識が無かった。口調も服装も女性らしいものだが内面はかなりしたたかで、どのような事態を想定していたのかダム闘争の際にはアメリカで銃器の扱いを学んできたこともある。頭の回転も早く突発的なトラブルにもうまく立ち回る一方、雛見沢症候群の影響もあるのか激しやすい性格で、短絡的な行動に走ることもしばしば。
園崎家のしきたりで家を出され、現在は興宮で両親と暮らしている。沙都子の兄である悟史に想いを寄せており、彼が行方不明になった今もその身を案じ続けている。
実は現在の詩音は“本物の魅音”であり、次期当主の証である入れ墨を彫り込む日に、そうとは知らずちょっとしたイタズラで“本物の詩音”と入れ替わり、以来そのままになっている。本来自分が歩むはずだった日の当たる人生を歩み、同時に園崎家の闇をも背負わせることになった“本物の詩音(=現在の魅音)”には、愛憎交じり合った複雑な想いを抱く。

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北条沙都子(ほうじょう さとこ)

CV:かないみか
圭一の部活仲間の一人。圭一たちより年下で、アニメ及びコミックでは小学校の高学年程度、実写版では中学生という設定である。
「~ですわ」といった、いわゆるお嬢様言葉で話す少女。しかしいまいち正しい使い方になっておらず、かえってバカにするような言い回しになることも少なくない。イタズラ好きで、あちこちに様々なトラップを仕掛け、それを用いて人を驚かせるのが趣味。主な被害者は圭一だが、才能があるのかトラップの技術自体は非常に高く、状況によっては訓練した兵士でも引っ掛かるほど。
ダム問題の際、北条家はダム賛成派として活動。そのため村八分にされた上に両親は事故死、自身は兄の悟史と共に叔父夫婦に引き取られる。そこで叔父から虐待を受け、頼りにしていた悟史も失踪。自分が甘え過ぎたせいで兄は出て行ったのだと思い込み、虐待に耐えながら健気に悟史の帰りを待ち続けている。
悟史と同年代で似た雰囲気のある圭一に対しては、甘えたい欲求もある一方で、悟史への義理や虐待の恐怖から生じた男性への警戒心などで素直に接することができずにいる。圭一を特に狙ってトラップを仕掛けているのも、構ってほしい気持ちの裏返しである。

かつて梨花が繰り返される惨劇を完全に回避した先の世界で、彼女に誘われて一緒に聖ルチーア学園へと入学。しかし生来の勉強嫌いが災いして落ちこぼれ、退学も許されないまま特別教室に移される。ひたすら勉強漬けの日々を送る中、次第に「自分を見捨てた」と梨花を恨むようになる。
そんな折にエウアと出会い、彼女によってかつての梨花と同様に自らの死を発動条件として時間を繰り返す力を得る。梨花の事情を全て知った上で、彼女の悲願であった「聖ルチーア学園を目指す」という夢を挫くために新たに惨劇を巻き起こすことを決意。入江診療所に忍び込み、意図的に雛見沢症候群を発症させる薬品を盗み出し、これを使って梨花の周囲で惨劇を巻き起こしては過去に戻ることを幾度となく重ねていく。

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古手梨花(ふるで りか)

CV:田村ゆかり
圭一の部活仲間の一人。沙都子とは同学年で非常に仲が良く、一緒に行動することが多い。実家は神社で、両親はすでに死去しているため、古手家最後の人間。その境遇もあって村人からは手厚く見守られ、大いに愛され、特に高齢者からは非常に大切にされている。綿流し祭りでは神具である鍬を手に奉納の舞を納めた。
朗らかで愛らしい僕っ子で、「にぱー☆」や「みぃ」など口癖多数。さらにですます口調の“です”だけを用い、そのおっとりした雰囲気でいつも周囲を和ませている。一見天真爛漫に見えるが中身はかなり狡猾で大人びており、自分の見た目の良さを理解し、それを武器にするしたたかな一面を持つ。
古手神社の祭神であるオヤシロ様こと羽入を認識し、会話することができる唯一の存在。羽入とは気軽に話せる友人のような関係で、普段の口調は彼女のそれを真似たもの。さらに五感などの感覚を共有しており、辛いものが嫌いな羽入をからかう、あるいはお仕置きするため激辛キムチを冷蔵庫に常備している。
疑心暗鬼を著しく助長する、シリーズの惨劇の多くの引き金となった雛見沢村特有の風土病「雛見沢症候群」の親株である“女王感染者”。女王感染者は自身が疑心暗鬼に囚われることはなく、その周囲にいるだけで「雛見沢症候群」の進行を抑制することができる。村の高齢者からかわいがられているのは、彼らが無意識下でそのことを理解しているからである。
『ひぐらしのなく頃に』シリーズは、いわゆるパラレルワールド的な手法で昭和58年6月に起きる様々な惨劇を描いているが、梨花はそのほぼ全てで6月中に死亡し、「記憶を持ったまま羽入によって復活し、別の惨劇が起こる昭和58年6月に送り込まれる」という極めて特殊な立場にある。時折り露わになる異様に大人びた言動は、繰り返される惨劇のループの中で百年分の時を生き、懸命に抗いながらも“どうやっても自分の死を回避できない”という絶望と諦観に磨り潰されかけている彼女の素顔である。そのため、村の外部からやってきた圭一が新たな何かを起こしてくれるのではないかと期待していた。
二話冒頭で成長した姿(=死の運命を打ち破り、“昭和58年7月以降も幸せに生き続ける未来”を手にした証拠である)で羽入と再会し、再び昭和58年6月の世界へ送り込まれる。どういった経緯で再び時間のループに囚われたのかは不明だが、「今の自分はただ幸運にすがっていた頃とは違う」と力強く言い切り、再び過酷な運命に挑むことを決意する。

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雛見沢村の人々

鷹野三四(たかの みよ)

CV:伊藤美紀
村の診療所で働く看護婦。とはいえ診療所で働く姿はあまり見られず、私服で出歩く方がよく見られる。雛見沢村の古い伝承や過去の事件を調べるのが趣味で、それをたびたび村の子供に話して聞かせている。特に圭一は分かりやすく怖がってくれるのでお気に入りらしい。
年に一度の綿流し祭の前後にだけ村を訪れるフリーカメラマンの富竹と交際しており、基本的には尻に敷いている。上述の調査のために聖域である祭具殿に忍び込むのを手伝わせるなど、富竹をいいように使ってはいるが、鷹野は鷹野で彼にそれなりに好意を抱いている。
しかしそれらは仮初の姿であり、実態は雛見沢症候群を研究するための組織「入江機関」の実質的最高責任者。
両親を失い、児童養護施設で虐待を受けて育ち、そこから救い出してくれた高野一二三を養父として敬愛している。その高野は雛見沢症候群の研究に人生を捧げていたが、雛見沢症候群を軍事利用していた事実を抹消したい国家の思惑もあり、学会はそれを封殺。高野は失意のまま死亡する。恩人の人生を無意味なものにさせないため、なんとしても雛見沢症候群の名を文献に残すことを悲願としている。
しかし後援者を失い、入江機関の三年以内の解体が決定。手段が選べなくなった鷹野は、入江機関直属の特殊部隊「山狗」と共に雛見沢村の住人を皆殺しにし、その事実をもって雛見沢症候群の名を世に残す恐るべき計画を企てる。後に「雛見沢大災害」と呼ばれるようになるこの事件こそ、梨花がループを繰り返した最大の原因でもあった。
富竹は彼女の監視のために派遣されてきた自衛隊の人間で、お互いそれを承知で接している。恋人のふりをしているのは、村人からそう勘違いされたのをそのまま演じているだけだが、実のところ鷹野の方は富竹に本気で入れ込んでいた。彼への思慕と、亡き父への誓いとの間で苦しむも、後者の想いが強過ぎて止まることができずにいる。とあるループの中では、計画の遂行のために死なせるしかなかった富竹のことを想い、涙するシーンも見られた。

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