魔法使い・ポップ（ダイの大冒険）の徹底解説・考察まとめ

ポップのプロフィール・人物像

年齢：15歳
出身：ランカークス村
職業：魔法使い／大魔導士
家族：父／ジャンク、母／スティーヌ
武器：マジカルブースター、マジカルステッキ、輝きの杖、パプニカの杖、ブラックロッド、シャハルの鏡

CV：難波圭一（1991年版）、豊永利行（2020年版）

ポップとは、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』に登場する主人公ダイの仲間である。
勇者アバンに教えを受けた「アバンの使徒」の魔法使いで、ダイからすると直近の兄弟子に当たる。

故郷のランカークス村で武器屋の息子として平凡に暮らしていたが、偶然村にやってきたアバンの強さに感激し、家出同然に飛び出して押しかけ弟子となる。アバンに憧れていただけで自身の修行には興味がなく、あまり真面目にやっていなかった。
アバンと共にデルムリン島を訪れ、「特別（スペシャル）ハードコース」に臨むダイを見守る。ハドラーが急襲してきた際に、アバンが本物の勇者であることを初めて知り、「とんでもない人のところに弟子入りしてしまった」と驚愕。そのアバンは自己犠牲呪文を発動させて散り、ダメージを受けたハドラーにダイが痛撃を与えて撃退するも自身は何もできず、ただ憧れていた師が目の前で死んだことに涙した。
その後アバンの志を継いで真の勇者となるためにデルムリン島を出立するダイに同道する形で旅立つも、当初は「あんな島にのんびりしていたくなかっただけ」と公言し、実際に魔王軍との戦いも逃げ回ってばかりいた。ダイを見捨てて逃げたことも二度ほどあるが、多くの人に諭され、励まされ、時に厳しく導かれ、正義と友情のため恐怖に震えながらも踏みとどまり、想像を絶する苦難や強敵に挑むようになっていく。

性格は見栄っ張りで臆病。ノリの軽いお調子者で、勢い任せの言動で失敗することが多い。かなりのスケベで、特に思いを寄せているマァムのことは何かにつけて眺めており、ある時は「いつもよりケツがデカい」ことから服の中にゴメちゃんが潜んでいるのを見破っていた。
ダイとは冒険の中で無二の親友となっていき、大魔王バーンとの決戦においても最後まで彼と共に戦場に立った。ポップを成長させたのがダイの勇気であれば、ダイが心折れんとした時にそれを立ち直らせたのはポップの闘志である。互いに良いところも悪いところも理解した最良の相棒だと認識し、常に支え合いながら戦い抜いた。
同じアバンの使徒であるマァムには前述の通り密かに想いを寄せており、何かと意識する場面が描かれた。しかしふられることを恐れてなかなかその気持ちを伝えることができず、マァムも色恋沙汰には疎いためポップの恋心に気付かず、その関係はほとんど進展しなかった。
兄弟子のヒュンケルにはマァムを巡る恋敵としてのライバル心とアバンの使徒の長兄への敬意が入り交じり、、仲間として絶大な信頼を寄せるも素直に彼を認めるシーンは少ない。当のヒュンケルはポップのそんな心情を察し、不器用に配慮しながらも弟分かつ頼れる仲間として接し続けた。

かつてのアバンの仲間の一人である大魔導士マトリフは、ポップに「あんな弱そうな魔法使いは初めて見た」と散々な評価を下し、「このままだとコイツは死ぬし、魔法での支援を受けられなくなればダイ一行は全滅しかねない」との思いからスパルタ式に鍛え直す。
当初は反発していたが、マトリフが仲間のためにこそ魔法使いとしてあるべき姿勢を自分に叩き込もうとしているのだと理解してから態度を改め、第二の師としてその技術と魔法使いとしての在り方を学ぼうと努めた。
マトリフも次第にポップを認めていき、最終的には「自慢の弟子」と称する。師弟の絆は深く、物語終盤にはポップはマトリフをならって大魔導士を名乗るようになった。

敵方に与えた影響も計り知れず、中でもクロコダインはダイを救わんがため決死の覚悟で立ち向かってきたポップの姿に「こんな未熟な少年までもが友情のために命を張って戦っている」と強い衝撃を受け、敗れた後にも魔王軍を離反した後にも本人の前でその勇気を称賛している。
バラン、ハドラー、果てはバーンに至るまで、魔王軍の中でも指折りの実力者がことごとくポップの勇気と知略に様々な形で感銘を受けている。そんなポップのことをキルバーンは「成長率でいうならダイ以上」、「真っ先に始末しなければならない相手」と分析し、誰よりも警戒して隙あらば殺そうと狙い続けていた。

デルムリン島を訪れた段階で、高位の火炎呪文であるメラゾーマを使いこなしていたが、高速で空を飛ぶルーラなどの補助呪文はさっぱりという状態だった。アバンとはそれなりの期間を共に過ごしていたようなので、彼の教育方針というよりポップが本気で修行していなかったためと思われる。
ダイと共に冒険を始めた頃は高等呪文を一つ唱えるのが精いっぱいだったが、マトリフに鍛え直され、また幾多の戦いの中で人間的にも成長していったことで才能が開花。最終的には極大消滅呪文メドローアを含む強力な呪文を使いこなす、人類最強の“大魔導士”となった。臆病さは慎重さに、ノリの軽さは仲間を鼓舞する明るさに、そして見栄っ張りな性格は相手を挑発して思惑通りに動かす狡猾さへと変わっていき、ダイ一行の参謀役として必要不可欠な存在となる。
物語の最終盤で「やっぱり自分は天才だったのかも」と嘯くが、ダイはこれに「お前は昔から天才だよ」と返し、二人の強い絆と成長を感じさせた。

ポップの武器

マジカルブースター

ポップがアバンから授けられた杖。その名の通り、魔法の力を増幅する効果がある。
アバンの下で修行していた頃からポップが愛用していたが、クロコダインとの戦いで無謀にも打撃武器として使用した結果砕け散る。しかしこれはそうなることを理解した上での行動であり、ポップはマジカルブースターの破片を利用して五芒星を生成。高等呪文マホカトールを成功させ、ブラスを悪しき呪縛から解き放った。

魔法のステッキ

クロコダイン戦でマジカルブースターを失ったポップに、ロモス王が授けた新たな杖。
こちらにも魔法力を増幅する宝玉がついているが、マジカルブースターが初心者用だったのに比べるとしっかりした造りになっている。対ヒュンケルに備えてライデインの特訓をする中、その標的として酷使された。
その際のダメージで増幅機能が作用しなくなったのか、バルジ島に乗り込む前には廃棄されたようである。

輝きの杖

ポップが第二の師匠となったマトリフから譲り受けた杖。魔法力を込めると1.5倍ほどに伸びるギミックが施されている。
マトリフへの敬意か、あるいは単に使いやすかったためか、ポップが一番長期に渡って使用した武器である。

パプニカの杖

輝きの杖を失ったポップに、レオナが用意したパプニカ製の杖。
それなりに強力な武器ではあるのだが、手放していたところをヒムに回収され、高熱を帯びていた彼にそのまま握り締められて初戦にして溶かされるという短い出番となった。

ブラックロッド

伝説的な魔族の名工ロン・ベルクが、ポップのために作り出した杖。
持つ者の魔法力を打撃力に転用する効果があり、非力なポップでも親衛騎団のシグマを吹き飛ばすほどの威力を発揮した。さらに自在に伸縮し、先端に二股の槍を生やしたり、あるいは光の刃を帯びたり、様々な隠し機能を持つ。
最終決戦前に受け取り、シグマとの決闘から真・大魔王バーンとの戦いまで活躍。この頃のポップはダイ一行でも随一の切れ者として成長しており、その多種多様な機能をフルに活用して彼の大きな力となった。

シャハルの鏡

シグマがハドラーから拝領した伝説の盾。
単純な防御力もさることながら、大魔王バーンの必殺呪文カイザーフェニックスから極大消滅呪文メドローアまで、ありとあらゆる攻撃呪文を跳ね返す力を持つ。この盾の存在ゆえにポップは親衛騎団との戦いの中で迂闊にメドローアを撃つことができず、シグマも自分たちにとって最大の脅威であるメドローアとその使い手であるポップを警戒するなど、両者の間で様々な駆け引きが生み出された。
最終的にシグマを破った際、彼から「何かの役に立つだろう」と持っていくことを勧められて手に入れる。非力な魔法使いであるポップには重過ぎる品だったため、胸元に仕込む形で持ち歩いていた。
前述のブラックロッドと共に、真・大魔王バーン戦で用いられる。強烈な呪文を一度に受け止め過ぎたためか砕け散るも、バーンの奥義「天地魔闘」を破るための最後の切り札として活躍した。

ポップの使用した呪文

マホカトール