シャドウハーツII(Shadow Hearts: Covenant)のネタバレ解説・考察まとめ

『シャドウハーツII(Shadow Hearts: Covenant)』とはノーチラス開発アルゼ発売のPlayStation 2専用ソフトのロールプレイングゲーム。『Shadow Hearts: Covenant』は北米または北欧で販売された時の別名称である。
舞台は第一次世界大戦只中、主人公ウルが本当の幸せを見つけていく物語を描く。一見暗そうだが明るく表情豊かなキャラクターが繰り広げるマジメかつギャグ満載の楽しい作品だ。史実通りではないものの、歴史上の実在の人物も多数登場している。

第十章 マンマリアーラ島

カルラはアドリア海に面してある小さな島、マンマリアーラ島。その島にある新月の夜にだけ咲く「虹木蓮(アドリア・マグノリア)」という花がある。その花を摘んで帰ってきてほしいと言う。タンを押したりすると人形や魔物があちこちに存在中。ここではまず、扉を開けるために石板を12枚集めてドアに順序良くはめていく。ルチアはどこにどれをはめたらいいのか覚えていないというなんだか違和感を持たざるをえない状況である。どこか怪しい。他にはなんと血液型がAB型の人しか開けられないという扉まで存在する。ルチアによると、ドアの奥には仕掛けがあり、一回でもAB型以外の人が奥の扉に触れるとすごくいいお宝がとれなくなるようだ。ハートの台が2つ、その真ん中に大きな扉。このハートの台に1人ずつ乗る。とランプが反応する。この鍵を握っているのは、ゼペットじいさん。AB型だ。彼が扉に触れるとドアが開く。ちなみにお宝はキャラクターのジャッジメントリングに石化の効果をつけるもの。石板を集めたら並べてはめる。3つのドアが開く。真ん中のドアを通ると、広場にたどり着く。みんなが植物に見とれているうちにルチアは近くにあるレバーをおろす。巨大な化け猫アンドレを呼びルチアは「ここがお前たちの墓場だあ。」と言う。一行は「ええー!?」と驚く。猫のアンドレは飼い主のことを忘れてルチアを食べようとする。助けたほうがいいのではと一同戦う。どうにか収まる。みんながサピエンテス・グラディオの追っ手かと勘違いしていた。カルラが仲間になるのを拒否したために恨まれて以前から何人か追っ手が来てそのたびにアンドレちゃんの餌に。カルラは悲しい秘密結社との関わった経緯を話してくれた。こうしてルチアも仲間に加わり、奴らのアジトへ旅はつづく。

第十一章 SG団伊太利亜支部(えすじーだんいたりあしぶ)

とうとうSG団、サピエンテス・グラディオのアジトを突き止めその屋敷の中へ潜入したのだった。時計の針を回して移動できる足場、肖像画の目と目を合わせると壁が動く仕掛け。パスワードで開く廊下など映画さながら凝った造りになっている建物。一体サピエンテス・グラディオの奴らはどこへ行ったのか。進んでいくとヨアヒムは「行き止まりだっち。」と言った。ゼペットも「他をあたるとするかの。」とみんなで戻ろうとすると、皆は「あ。」と大きな魔物アジトボスにいきなり出くわし、戦いになるも勝利する。ヨアヒムは「おかしいだっち、人っ子一人いないだら。」と言った。ウルも「本当だ。奴らじじいをどこに隠したんだ?」と言う。すると、奥の壁がいきなり木っ端みじんになって、ウルは「あれは!?」と驚く。見たのは飛空艇が外から砲弾を撃ち込んでいる。ニコルとレニが「しぶとさは相変わらずだな。」と乗っている。ニコルは「ほう。ヤドリギの呪いを受けて二か月になろうというのに、まだ普通でいられるとは。」と感心する。ウルは「効かないもんね、こんなクソまじない。」と言う。ロジャーはサント・マルグリット島という場所に幽閉してある。ニコルは「神殺し、エミグレ文書を持って来い。そうしたらベーコンは返してやる!」と言った。ウルとロジャーが2人でかつて隠したものだと知っているというのだ。やっぱりウルは知っていた。エミグレ文書はネアム地下遺跡にある。一行は再びウェールズへ。

第十二章 ネアム地下遺跡(ウェールズ)

ロジャー・ベーコンを助けるべくエミグレ文書を取りにをウェールズのネアム地下遺跡へウルたちは向かった。当時ロジャーとウルが文書をここの地下遺跡で安置していたころより今はモンスターがたくさん出るようになっている。立方体の足場に乗って移動する仕掛けが多数あるのだった。他にもスイッチを押して道を作る仕掛けも。進んでいるとカレンは故郷にいるおばあちゃんの声がすると言う。心が乱れるカレン。ウルはカレンに目を覚ますようビンタする。ウルは「落ち着け!怨霊たちの声に耳を貸すな。おまえの魂までもっていかれちまう。」と叱る。ゼペットは「ここの瘴気は人の心をゆさぶる。をうつし、不安をかきたてるんじゃ。」と言う。ウルはやさしく「何も心配するな。だいたいカレンのばあちゃんが、こんな所にいるわけねえだろ!」と言った。カレンは「そうよね。」と気を取り戻す。再び進んでいくとマジメルのお店の二人がここにまで店を構えている。先回りしたのだそうだ。安置した場所で番兵がいることを思い出すウル。グレイルゲイザとゲイザビットたちと戦闘に。勝利してエミクレ文書を持ち出そうとするとウルに強い頭痛が起こる。心の中に入る。怯えながらも文書を手に取ろうとするとアリスとの思い出がよみがえる。ウルは目を覚ますも仲間は心配するのだった。ウルが「わりぃ、ちょっと貧血」と言ってなんでもなさそうに振る舞う。みんなはフランスのカンヌへ向かう。

第十三章 カンヌ

サント・マルグリット島に向かう前のカンヌ。ここから島へ出入りできるのは荷運び役のネルソンだけだ。彼は週に一度、食料を積んで島へ行くらしい。目撃したフィリオは「この何年か囚人の出入りがなかった島に、新入りが一人連れていかれたんだ。」と言っている。そしてネルソンは続けて「しかも、よぼよぼの爺さんでよ。可哀そうに、今頃はもう拷問を受けて死んじまったんじゃないか!」と言う。どうやら連れていかれたのはロジャー・ベーコンで間違いない。酒場にいた荷運び役のネルソンにさっそくウルは島へ連れて行ってくれるよう頼む。秘密結社サピエンテス・グラディオの口封じではないことを知った彼は小舟が外につないであるからそれで島まで行けとのこと。地下水路の扉を開けるための鍵も貸してもらった。みんなは浜辺でネルソンの小舟を見つけてついにサント・マルグリット島へ。

第十四章 サント・マルグリット島

ウルたちは薄暗い真夜中にサント・マルグリット島へたどり着く。薄気味悪いところだと突っ立っていたら、どこからか狼がウルから鍵を盗まれてどこかへ行ってしまう。ウルは「鍵、取られちゃった。」と言った。狭い通路に入っていったので人間は入れない。ブランカなら入れるというのでブランカが力づくで狼から鍵を奪い取る。中はレニたちの部下である鉄の爪やパラディンたちが沢山警備しているのだった。道の途中で一人また一人とその場に全員倒れこむ。ジキタリスの麻痺する香水であった。それはベロニカが仕掛けたキツイくも単純な罠でまんまと一行はひっかっかってしまう。ブランカは一匹仲間から離れる。レニは「たかが犬一匹」と侮る。ベロニカは「あんたより利口よ。」と答える。ニコルにエミクレ文書もあっさりと持っていかれてしまう。香水から戻ると頑丈そうな織の中に一人ひと部屋入っている。ゼペットは「大丈夫じゃ、きっとブランカが来てくれる。」と言う。ウルは「でも、狼一匹だぜ?」と聞く。カレンは「あなたより利口よ。」と言うと仲間たちは大笑い。ベロニカが「気が付いたようね、このボンクラども。」とやってくる。ルチアはベロニカの姉妹弟子だった。カレンは「ちょっと、おばさん!」と言ってしまう。パン、とムチをウルめがけて盛大に一発。ウルは「痛っ!なんで俺なんだよ。」ともらす。ベロニカは「よく、聞こえなかったわ。」と聞く。外のほうでは何か怪しい魔物の声がした。ゼペットは「お姉さん、ワシらはどうなるのかの?」と尋ねると、ベロニカは「そうね、どうしようかしら。」と言う。怯えウルは目をそらした。そしてベロニカは「何かあそびに付き合ってもらおうかしら。」と言った。ヨアヒムは「あそび、ってなんだら?」と聞く。するとベロニカは「さあ、仲間の代表として可愛がってもらいたいのは誰?立候補すれば他の仲間は痛い思いをしなくて済むわよ。」と言ってきた。するとウルは「やっぱり、それかー!」と叫ぶ。なにか思い出がある。誰か一人選んでの拷問イベントが始まる。このゲームのプレイヤーがお気に入りのキャラを選べる(誰を選んでも特に関係ない)。

一方ブランカは島の森まで逃げていた。島のボスである狼フィリップと戦うことになる。ブランカは打ち勝ち、建物の中に入れる道を教えてもらう。ブランカはなんと二本足で立って壁の陰に隠れることができるのだった。うまく部下である敵を見計らってタンスから檻の鍵を探しどんどん仲間のもとへ助けに行こうとするも、その先で大きな魔物オスカルと対決。その奥には仲間たちが。ウルは「ね、早く助けて。ね。」と言った。カレンは「ブランカ!よかった、無事だったのね!?」と言い、ゼペットじいさんは「おお!さすが狼の中の狼!」とほめる。ヨアヒムは「ほ、本当に助けに来ただっち!!やるだらな、おい!!」と感心し、ルチアは「わぁー!助かったぁー!すごぉーい!」と喜んだ。みんなの檻をすべて開けると警報が鳴りだしてすぐ行くことに。途中のおりで手先が器用なロックに声をかけられ、ロジャーの檻の鍵は特別製でこじ開けることも無理だというので鍵を作ってくれる。倉庫にある万年筆と針金と接着剤でロックにささっと囚人お手製の鍵を作ってもらい、やっとロジャーのもとへ向かうのだった。

奥の席でマスクをしながらロジャーは椅子に座っていた。レニは「袋のねずみだな。」と言う。その隣にレニとベロニカの姿があった。ウルは「ニコルの姿が見えねぇな。」と聞く。ベロニカは「もう、ここには居ないわよ。」と言った。ウルは「どこだよ?」とまた聞く。ベロニカは「言えないわ。」と言う。ウルはさらに「しらないんだ。」とまた断定する。ベロニカは「知ってるわよ。」と答える。ウルが「どこ?」とまた聞くもベロニカは「言・わ・な・い。」と言う。ウルは「やっぱり知らないんだ。」としつこく言う。ベロニカは「知ってるって言ってるでしょ!!」とイラつく。ウルはまたさらに「ウソくせぇなあ。」言う。ベロニカは「そ。本当は知らないの。」と真実を答える。前と違う。ベロニカは「って、そんな馬鹿な罠にひっかっかるわけないでしょ!」と突っ込む。するとレニが唸る。ウル大笑い。レニは「てめ、殺す!!本当っブッ殺す!!」と怒り、レニの部下、鉄の爪アドミラルたちとの連戦。一行はみんなやっつけ、レニは「ついに鉄の爪もオレ一人か。」と答えるベロニカにレニは「おまえはマスターとニコルの所へ行け。こいつらはオレが始末する。」と言った。ベロニカは「わかったわ。先に行って待ってることにしましょ。」と姿を暗ます。レニの姿が変わり、ゴッドハンドとの戦いで決着をつけるつもりである。決着がつくとレニは外へ後ろから倒れ落ちてしまうのだった。ロジャー・ベーコンは拷問に耐えながらも無事だった。仲間たちから「へんないきもの」といじられまくる。ロジャーはウルに「あの本を渡しちゃったの?大変だ。」と取り乱すもこうしてサント・マルグリット島から脱出した。サピエンテス・グラディオは元は本当はとても素晴らしい組織だったが、ある男によってテロ結社となり替わったのだ。このまま放っておいたら大変なことになる。結社の目的はロジャーの身とエミグレ文書と、もう一つは見たほうが早いと言う。みんなでウェールズに戻る。ウェールズにあるロジャーのラボに隠された秘密の地下がある。そこには大きな飛空艇があるのだった。高度な科学技術でつくられているが、一行はよくわからない。とにかく、この飛空艇にのってサピエンテス・グラディオの首領がいる場所、ロシアのペトログラードへニコルの後を追う。

第十五章 ペトログラード

何を企てているのかわからないグレゴリー・ラスプーチン。

首領の名はグレゴリー・ラスプーチン。狙いは、帝政ロシアを手に入れることだ。ペトログラードの朝。ラスプーチンはベロニカと朝を共にしていた。彼は使いの者をドア越しから陛下の宴の出席が遅れることを告げる。ラスプーチンはロシアの皇帝陛下になにか企てようとしている。そしてベロニカに「神殺し(ウル)が現れるのも時間の問題であろう。警戒を怠るな。」そして「それから、ニコルからも目を離すな。」ニコルも日本の特使と密談を行っているとみているのである。

挙動不審の少女が「ふぅ、良く聞こえないわね。」と廊下でラスプーチン達2人の話を伺っていた。少女はベロニカが部屋から出ていくのを見る。少女は「危ない危ない。それにしても人ん家を我がもの顔でカッポしてくれちゃって。」と口にする。舞踏会に出ないことが怪しく感じている。そして、ラスプーチンの正体を見抜いている。何とかして証拠をつかみたいと考えたのだった。少女はイワンと言う者を探す。見つけたイワンからラスプーチンは街の教会に行くと聞いてますます怪しく感じる少女。このアクティブで明るい少女の名はアナスタシア皇女。食事のつまみ食いなど兵隊の者たちを困らせながら過ごしている。街にこっそり出かけてエドガーから「例の物」を受け取る。アナスタシアは夜になるまで眠ることにした。夜。外までの道を警備していた近兵たちはアナスタシアが眠ったことを聞いて持ち場に戻ろうとする。それを見たアナスタシアはさっそく屋敷から外に出る。たくさんの掛け時計たちの針が時刻を告げている時計屋さん。そこにエドガーはいる。アナスタシアは「ねえエドガー、まだー?」と聞く。エドガーは「もう少しだけです姫様。後は試運転だけですから。」と答えた。彼女から頼まれたものでお転婆しないか心配だった。アナスタシアがエドガーに頼んだものはカメラと不思議な機械の卵(武器)だった。決して悪戯に使わないようくぎをさされる。アナスタシアは「うん!もっちろん!」と答える。それとエドガーはユスポフ侯爵にはあまりかかわらないようにともいわれた。彼女が目を付けられていることを知っていた。アナスタシアが外に出ようとすると大きな男と向かい合わせになる。加藤だ。時計が故障してしまって直しに来たのだ。戦争はまだ続きそうだなと語り合う加藤とエドガー。

こうして外のパトロールを始めたアナスタシア。するとラスプーチンが教会の道とは別のほうへ向かっていることに気づく。ラスプーチンは「例の準備は、進んでおろうな?」と聞く。ビクトルは「はい。順調に。」と通路の陰で話している。ラスプーチンは「仕留めるチャンスは一度きりだ。決して気を抜くな。」と言い、ビクトルは「御意。」と答える。やはり何か企んでいた。アナスタシアはよく聞こえないから怪しい2人の話している様子を作ってもらったカメラに写すも、バレてしまう。アナスタシアは「あんた、凱旋祝賀会で何か企んでいるわね!?」と聞き、ラスプーチンは「ほう。聞かれてしまいましたか。」と答える。そしてアナスタシアに「すぐに、ご家族も後から参りますゆえ。」と言い放つ。アナスタシアは「な、なんですって!?」と驚く。ラスプーチンは「騒いでも無駄です。ここでは誰も助けに来ませんよ。」と言った。その場から逃げるアナスタシア。ラスプーチンは「殺せ。」と話していたビクトルに命じた。口笛を吹き彼女の後を部下は追う。街角まで逃げきったように思えたのだが、魔物に追い詰められた。アナスタシアは「キャーっ!!」と叫ぶ。ウルは「あそこだ!!」と見つけたペトログラードまで来ていたウルたちに悲鳴が聴こえ、少女を助けに行く。どうにか間に合った。無事帰ってきた皇女の身を案じるエドガー。アナスタシアは指輪をテーブルに置く。ウルは「なにこれ。」と聞く。アナスタシアは「お礼よ。取っておきなさい。」と答える。ウルは「はあ。」と言った。ゼペットは「どうも、先ほど倒した化け物は、ワシらが相手にしてきた怪物どもと似ておったんでな。」と彼女がどうして追われていたのか経緯を聞く。アナスタシアは「あなたたちも、ラスプーチンのように魔術を使う?」と聞いてきた。少女の言葉に「ラスプーチン!?」と一同騒然。アナスタシアは「あいつのために、お父様のまつりごとがおかしくなってるって、みんな言っているもの。」と言った。ゼペットじいさんは「あのー、お嬢ちゃんはもしかして。」と聞く。エドガーが代わりに「皇女アナスタシア様です。」と答える。アナスタシアが「うふっ。」と微笑む。みんなはこれに「はあ。」とがっくりため息。

ともかくアナスタシア皇女のボディーガードになったウルとその仲間たち。一方ニコルはなぜか大日本帝国の加藤にエミグレ文書を読ませていた。加藤は「確かに。本物のようですね。」と答えた。ニコルは「お望みのものでなにより。」と言い、つづけて「これで交渉は、成立と考えて良いのでしょうか?」と聞く。加藤は「はい。これからロシア国内で何が起ころうとも、日本は同盟国として、新皇帝への後見、協力を惜しまぬこと約束します。」と答える。ニコルは「口約束だけでは。」とさらに聞く。すると加藤は「心配ご無用。私は外務大臣、石村貫太郎の代理として、参っております。私の言葉は、帝都の意思と思っていただいて結構。」と物凄い自信で答える。成立したら多くの政治的報酬を施すことをニコルに約束するのだった。加藤は「政治の負担もすべて日本側に。」と言った。ニコルは「いいでしょう。」と答え、2人の交渉成立することになったのであった。

第十六章 エルミタージュ宮殿

アナスタシアのお母さんはとても厳しい人だった。ウルたちがアナスタシアを助けた事をエドガーが話してくれたものの、かなり疑っている様子。夜中に出かけたこともこっぴどくしかられる。アナスタシアの母にあたる皇后アレクサンドラは「素性も分からなぬ輩を、軽々しく城内へ留め置くわけにはいきません。」と反対する。アナスタシアは「どうして!?このひとたちは怪しい人ではないわ!」と聞くも皇后は「なぜそう言いきれるのですか!おまえはいつも、私の考えに反対ばかりね。」と猛反対する。アナスタシアは「だって」と落ち込む。ラスプーチンが「はっはっは。良いではないですか皇后陛下。」とやってくる。ラスプーチンの意見でアナスタシアはみんなを連れて下がるよう言う皇后。皇后がその場を去ったあと、ラスプーチンは「やはり、生きていましたか。」と聞く。ウルは聞く「あんたが、ラスプーチンか?」と言った。司教が「はい。噂はうかがってますよ、神殺しの。使い魔が倒されたときすぐにピンときました。」と答える。扉を開け、ベロニカまで出てくる。このまま宮殿の中で戦いになるのか?しかしラスプーチンは「よしましょう。」とする。そして、ラスプーチンが「私は北の獅子宮にいます。御用のある時はいつでもどうぞ。」と付け加えその場から去る。あまりの殺気に緊張したものの、とりあえず作戦会議のためアナスタシアの部屋へ向かうウルたち。日が落ちるころ、舞踏会の音が聴こえてくる。アナスタシアはその音が嫌だった。数年前、アナスタシアの弟アレクセイは病弱で皇后も困っていた時突然ラスプーチンは宮殿にやって来て、その病を治して見せたのだ。以来、司教は政治にも口出しするようになって民衆の怒りはその政策に爆発寸前。少女は「ロシアはもう、死病に取りつかれ、身動きのできない象と同じなのよ。」と嘆く。ウルは「俺のさ、母ちゃんの故郷なんだよ。ロシアは。」と話す。アナスタシアは「え?ほ、本当!?」と聞く。ウルは「お姫様に見限られちまったら、みんな悲しむぜ。父ちゃんが帰ってきたら、気が済むまで話をすりゃあいい。わかってくれるはずさ。大好きなんだろ?」と声かけ、アナスタシアは「うん。」と言った。

しばらくすると怪しい霧が宮殿内に立ち込めめてくる。ウルは「なんだ?様子が変だぞ!?」と気づく。皇后はふらふら「アレク!?アレク!?どこにいるの!?」とさまよう。アナスタシアは「お母さま!?」と問いかける。皇后は「アレクセイ!?」とアナスタシアは振り払われる。ルチアが「またベロニカの仕業だわぁ!この王宮全体に、強力な催眠をかけたのよぉ!」と察する。ウルは「解く方法は?」と聞く。ルチアは「結解を破るか本人の体力を奪うかの2つだけぇ!」と答えた。皇后が倒れこむとアナスタシアは近づこうとする。しかしゼペットが引き留める。その時、「ヒヒヒ、どうですか、私の余興は?くだらない舞踏会より、よほどワクワクするでしょう?」とのラスプーチンの声がした。弟アレクセイはラスプーチンのもとにいる。アナスタシアが「アレクに何かしたら許さないから!」と言う。ウルは「聞け、クソ司教!今からそっちに行ってやる!」と言うと、皇后にのり移ったラスプーチンは「それはおもしろい。お待ちしておりますよ、神殺しの。」と言わせた。エドガーは「大丈夫です、皇后様は気を失っているだけです。それよりも早く皇太子さまを。」と心配する。宮殿内を通っていると貴族たちはとてもいい気分だとフラフラに催眠にみんなかかっていた。

アレクセイのため、ラスプーチン司教のもとへ急ぐウルたちはその最中で以前アナスタシアを襲わせた司教の手下である暗殺者ビクトルと戦う。ビクトルが逃げると獅子宮の鍵を落としていったのだった。アレクセイは獅子宮のソファーで静かに眠っていた。ウルは「あんたの望みはなんだ?」と問う。ラスプーチンは「私はナポレオンに憧れましてね。」と答えた。カレンも「ヨーロッパを支配しようというの!?」と問う。ラスプーチンは「この国には世界の六分の一の富がある。それを使えば、不可能なことではない。」と言った。ラスプーチンはウルと一対一で戦うことになり、ウルが攻撃するもののまったくビクともしないのだった。ラスプーチンが「では、今度はこちらから参りますよ!」と告げると、ヤドリギの呪いの力を使って反撃してくる。ウルが苦しみ、倒れた。ラスプーチンはウルに「その呪いからは、何人たりとも逃れる術は無いのですよ。」と答える。ヨアヒム、ブランカが続くが跳ね返される。ラスプーチンは「無駄です。私のバリヤーを破ることはできません。」とビクともしない。カレンは「化け物」と称した。ラスプーチンは「その目、美しい表情だ。意志の強さも良い。カレン、最後に面白いことを教えてあげますよ。あなたの故郷は美しいところでした。今は、焼け落ちた廃墟となっておりますがね!」と言う。司教は仕上げにかかる。アナスタシアに催眠をかけベロニカはナイフを持たせた。そのままアレクセイにナイフを振りかざす。ゼペットじいさんは「アナスタシア!」と呼ぶ。カレンは「やめてっ!!」と叫ぶ。するとなんとラスプーチンはすべての催眠を解いてしまうのだった。皇后が目を覚まし驚く。アナスタシアもナイフを持ったまま驚く。しかしナイフが手から離れない。皇后アレクサンドラは「アナスタシア!」と怒るアナスタシアは「ち、ちがう。ちがうわ。」と答える。ラスプーチンは「やはり皇女は、この者たちの魔術で操られていたようです!者ども出あえ!取り押さえよ!皇太子を狙った暗殺者だ!」と叫ぶ。ウルたちは兵隊たちの攻撃をかわしながら、窓から跳んで逃げる。皇后は「逃がすでない!皇太子を狙った曲者じゃ!必ず殺すのです!」と命じた。

ウルたちみんなはエドガーの店に隠れ、ロジャーと合流。ゼペットは「まさか、ラスプーチンがあれほどの妖術師だったとはおもわんかった、不覚じゃ。」と驚いている。ヨアヒムは「あのバリヤーは一体何だ!?見えないカベがあるようだったっち。」と聞く。ルチアも「どおしよおぉ?私たちが皇女の誘拐犯にされちゃうぅ。」と困る。ロジャーは「ひとまずロシアを離れることにしましょう。ちょうど、皆さんをお連れしたい所があるんです。」と言うので、ウルが「どこだい、そこは?」と聞いた。ロジャーは「トルコは、アナトリアの山奥にある、ギョレメの谷です。」と結社を調べ、ある人を探していた。それで、やっと居場所を突き止めた。続けてロジャーは「サピエンテス・グラディオ創設の核心を握る人物です。」と答えた。元々サピエンテス・グラディオを立ち上げたのは東方正教会のヨウィスという修道士だった。サピエンテス・グラディオ原点であるギョレメの谷まで行き、じかに賢者ヨウィスに会って確かめるのだとロジャーが提案した。ということで、一行はギョレメの谷へ続く。

第十七章 ギョレメの谷

ギョレメの谷へ向かっていると、そこには銃口をウルたちに向けて構えている人々が何人も出てくる。一瞬敵とみんなは降伏するのだが、誰かが銃を解くよう合図する。ウルは「あんた。」と言った。
すると間髪を入れずにルチアが「ロレンスぅ!」と言いながらその人のもとへ。探検家のトーマスだった。「やあ、しばらくぶりだなあ!」と話し始めるトーマス。彼によるとここの人たちは神と言ってもいいヨウィス主教を殺しに来たと思っていた。ヨアヒムが「トーマスさんよ、どうも納得いかねえだら!」と聞いたゼペットじいさんも「そうじゃ。お前さん、一体何者なんじゃ?」と言うとトーマスは「私はエドワード・ロレンス。英国情報部の人間です。」と言った。アナスタシアは「スパイなの!?」と聞いた。ロレンスは「ええ、まあ。だます気はなかったんですが、仕事柄ね。」と答えた。カレンは「でもどうしてここに?」と聞くロジャーが調べていたらロレンスがヨウィス主教の居場所を教えてくれたのだった。ヨウィスは石窟住居の奥に礼拝堂があり、そこでいつも祈っているとのこと。マジメルの2人も先回り。住居の奥に入るとサピエンテス・グラディオの紋章が扉にある。ヨウィスは「おぬしたちか。私に会いに来たという異国人は?」と問う。カレンがサピエンテス・グラディオとラスプーチンについて教えてほしいと頼む。何も話すことはない。今は敵同士だと答える。ヨウィスは「つまらぬ国盗りの話か。」と言うと、アナスタシアが「つまらなくなんかないわ!」と嘆く。ヨウィスは「すまぬ言い方をした。許していただきたい。異国の姫君よ。」と言う。アナスタシアが「?見えないの?」と聞くとヨウィスは「うむ、わずかな光しか感じることができぬ。」と答えた。ヨウィスはヤドリギの呪いのことを知っていた。昔、ラスプーチンを弟子にし、自分の野心を実現するまでの力を手に入れた彼は本性を現す。奴は魔神アスモデウスと、魂の契約を結んでいるのだ。どうやらその魔神の力がバリヤーになっている。ラスプーチンはアスモデウスの力を従えたつもりだが、無意識のうちに、望んで悪魔に心を喰らわれているのである。アナスタシアがラスプーチンの倒す方法を聴く。アスモデウスに匹敵する力さえあればバリヤーを破れるという。ヨウィスはウルがカギを握っているというのだ。破壊神アモンの心はウルに宿っている。「それはなぜか。そなたが友を倒し、アモンを服従させたからに相違ない。」と言うとウルが「主教さんよ、その友だちっつうのは。」と聞く。ヨウィスは「アルバート・サイモン枢機卿。」と言った。力を復活させたいのなら、試練を乗り越えなければならない。ウルのどこかに埋もれたアモンを見つけ出すこと。ウルは「どうやって?」と聞いた。ヤドリギの呪いにはどんな人でも抗えない。もし耐えられなかったら、発狂し、精神は崩壊するとヨウィスが説明。ウルは「は、はは!脅かしちゃって、そんな。やだなー!」と疑う。主教が試練のために一緒に来てくれるようだ。もう一人仲間を連れて行っても良いとのこと。するとカレンが「主教!その役目、私に!私がこの人と一緒に行きます。」と答えるとヨウィスは「しくじれば命は無いのだぞ?」と聞いた。カレンは「かまいません。」と決断する。ヨウィスは「うむ、良かろう。では、来るがよい。」と言い、こうしてウルとカレンとヨウィスで試練に臨むのだった。

第十八章 鏡の城

久々に出会ったかつての敵であり、今は友のアルバート・サイモン枢機卿。

ヨウィスは祭壇で待っていた。ウルとカレンは手をつなぎながら祭壇で仰向けになっている。ヨウィスは「良いか、私は助言くらいしかできぬ。気をつけるのだぞ。」と言った。ウルは「カレン、まだ間に合う。やめとけっ!」と心配する。カレンは「なによ、今更」と答える。ウルは「俺の心の中なんてさ、見たって面白くねえから。」と言うとカレンは「恥ずかしいの?」と聞いた。ウルは「ばか。」と答えた。カレンはまた「それとも、おじいさんと手をつなぎたかった?」と聞くとウルは「ばーか。」と照れる。ヨウィスが呪文を唱える。光が2人を包む。カレンは「ここが?」と聞く。2人はグレイヴヤードにやって来た。ウルは「さあ、行こうぜ。」と言った。迷いの扉を開く。そこにはジャンヌがいたのだった。カレンは「あなたは!」と驚いた。ジャンヌは「この間、怪木から大きな地鳴りがしたの。ウルの心がきしむような、とても恐ろしい悲鳴が響き渡ったわ。」と言う。カレンは「もしかして、ラスプーチンが呪文を唱えたとき?」と聞く。ウルも「だな。へへ、どうしようもなくてさ。お手上げなの。」と答えた。ジャンヌは「これから、アモンを手に入れに行くんでしょ?」と聞くとウルは「ああ。」と言う。ジャンヌは「頑張ってね!私も怪木の正体をつきとめて、呪いを解く方法を調べてみるから。」と言った。カレンは「ジャンヌ!」と呼びかける。ジャンヌは「なに?」と聞く。カレンは「ごめんなさい。村のこと、なんて謝ったらいいか、わからない。」と言うとジャンヌは「うん。カレンも新しい生き方を探しているのね?きっと、見つかると思うよ。信じられる道が。」と助言する。するとジャンヌは光の中に消えた。ウルとカレンはひとつの扉の前に。開かれた扉へ進もうとするとウルが苦しむ。カレンは「しっかり!?」と心配する。苦しみが治まったら2人は先へ進んだ。城の中でいきなりオゴロジャと戦闘になる。倒してウルはまた「あたた。」と苦しむ。カレンは「大丈夫?ひどく痛む?」と聞いた。ウルは「いや、痛いっつうか、えっと、おまえ、カレン、だよな?」と聞くとカレンは「やだ!なに言ってるのよ?どうかしちゃったの?」と聞き返す。ウルは「わかんねえ。急に名前が出てこなくなっちまって。思い出そうとすると、頭が痛むんだ。おまけに、記憶がどんどんあいまいになっていく感じでさ、はぁ、気持ち悪ぃ。」と言う。カレンは「ウル、大丈夫よ。私のこと忘れたら、ひっぱたいて思い出さしてあげるから!」と言うとウルは「へへ!そっちのほうがかんべんだぜ!」と言った。

一方、ほかの仲間たちはというとルチアが「あれぇ、この匂い。」と何かに気づく。ゼペットじいさんは「どうかしたのか?」と聞いた。ルチアは「え?ううん、なんでもなぁい。私、ちょっとおトイレ行ってくるぅ。大丈夫だからぁ、ブランカもここで待っててねえ。」と答えた。岩陰のほうへ向かっていくとルチアは「やっぱりいたぁ!」と言う。ベロニカがいたのだ。ベロニカは「ふふふ、この香水の匂いに気づくなんて、相変わらずいい鼻してるわね。」と言った。ルチアは「なによぉ、人を犬みたいにぃ!そんなことよりぃ、絶対この先には行かせないわよぉ!今ウル達は、ラスプーチンを倒すためのすっごい力を取りに行ってるんだから!」と言う。ベロニカは「あら?あなた一人で、私を止める気?」と聞くとルチアは「あなたぐらい、私一人で十分よぉ~だ!」と言った。ベロニカは「ふうん、まあいいわ。安心なさい。今日は戦うために来たわけじゃないから。時間がないから手短に言うわ。ねえルチア、あなたこっち側に着く気はない?」とベロニカが交渉に来たのだ。ルチアは「えぇ!?それってウル達を裏切れってことぉ?」と驚いた。ベロニカは「そうよ。あなたの占星術は戦力になるとグレゴリー様は判断されたの。ゆくゆくは大陸の覇者となるお抱えの占星術師、悪い話じゃないと思うけど?」と聞くとルチアは「大陸の覇者の、お抱え占星術師、えへ、えへへへへへぇ、はっ!だめだめぇ!そんなお誘いのらないんだからぁ!」と拒否する。ベロニカは「ルチア、よく考えなさい。次に会う時は、お互い命のやり取りになるのよ。あなたに、私を殺す覚悟があって?」と聞いた。ルチアは「私、おばあちゃんに言われたの。ベロニカのこと頼むって。だから、もしそうなっても絶対ベロニカのこと止めてみせる!」と決意した。ベロニカは「っ!そう、わかったわ。今日のところは見逃してあげるけれど、次に会ったときは容赦しないわよ!さようなら、ルチア。」と言ってベロニカは去って行った。ルチアは「ベロニカ、おばあちゃん。」と言って悲しそうだった。

カレンは「この鏡、何かおかしくない?」と疑う。ウルは「へっ、俺の心ん中だぜ?まともな鏡ばっかり、ってわけはねえよな。ほら、来るぜ。」と言うと鏡の中のウルとカレンと戦闘。無事に倒すと鏡がゆがむ。するとヨウィスから「用心するがよい。鏡に映るは己の心の闇、影のうつし身。生身のそなたが憎かろうぞ。」と鏡越しにヨウィスが映っている。ヨウィスは続けて「そして鏡の道はひとすじの光、振り返ること、かなわぬ。」と言う。ウルが「え?どうゆうこと?」と尋ねた。カレンは「鏡を調べると、今みたいに分身と戦わなくちゃならないし、それでできた鏡の道も一方通行ってこと、ですよね?」と補足した。ヨウィス主教は答える。「うむ、そなたを行かせて正解だったな。私にできる助力はこのくらいだ。この世界はそなたの心の結界だ。アモンの封印を解かねば、現世には戻れぬ。傷ついた時はここへ戻ってくるがよい。」と答えた。ウルは「ありがとよ、主教さま。」と言った。鏡の世界で鍵のかかった部屋の鍵を見つけいよいよ破壊神アモンのもとへたどり着く。ウルは「こいつってこんなに怖かったけか?」と聞くがカレンは「ちょっと、マジメにやってよね!」と言った。戦闘へ。見事勝利をおさめる。

鏡ごしにカレンは「この中?」と聞いた。ウルは近づく。カレンは「ウル!?」と心配する。ウルは「大丈夫、そんな気がするんだ。」と答えた。青い空にベンチ、そこに佇むタキシードの人。ウルが「アルバート」と口にする。アルバートとウルはベンチに座る。タキシードの男は「また会えるとは思わなかった。」と言った。ウルも「ああ。」と答える。アルバートは「いいところだろう?さわやかで、のんびりとしていて、けがれを知らぬ場所だ。君の心の中の故郷だ。はかなげで、実に美しい。」と言う。ウルは「ふるさと。」と聞く。アルバートは「そう。私は、君の忘れかけていた記憶の断片の中にいる。君は、まだ戦い続けているのだね?」と聞くとウルが「まあね。」と答えた。アルバートは「ラスプーチンは私の倒すべく真の敵であった。その相手と、かつての敵である君が闘っているとは。」と言うとウルは「おかしな話さ、俺があんたの意思を継ぐことになるなんて。でも、今の俺じゃ、奴には勝てないんだ。」と言った。アルバートは「アスモデウスは、憎しみと懐疑心をまき散らし、人々が、自ら殺し合いを始めることを最大の喜びとする。秩序をかかげた上で、くりひろげられる狂気。ラスプーチンのもたらそうとしている未来だ。」と答えた。ウルは「そいつが、あんたの避けようとした未来で、俺が摘み取った未来でもあるってこと?」と聞くとアルバートが「そうだ。だが、悲観することは無い。私を倒し、超神をも退けた君だ。アモンの力を使いこなせば、また違った未来を切り開くことも出来よう。」と答える。ウルは「正直わかんなくてさ。俺が切り開く未来ってのは、良い未来なのかな?」と聞いた。アルバートが「自分の戦いに、疑問を持っているのかね?」と聞くウルは「その、なんつうか。きっとさ、あんたなら倒せたと思うよ。」と言うと、アルバートは「違うな。君だから倒せるんだ。私はそう思う。立場と力を持つ者は、その責任も負わねばならない。目の前で起こる惨劇が見えているのなら、戦ってくい止めるべきだ。そう信じることは、間違っていない。」と言った。ウルは「アルバート。」と言うとアルバートは「さあ、もう行きたまえ。」と言った。ウルは「え、ああ。あんたに会えて、よかったよ。」と言う。そしてアルバートに背を向けると、アルバートは「ウル。一つ聞いてもいいかね?」と聞く。ウルは「なに?」と言った。アルバートは「ここはどこだ?日本、なのだろうが。」と聞くとウルは「風の森、葛城(かつらぎ)の風の森さ!」と答えた。アルバートは「そうか、ありがとう。」と言い、2人は手を振って別れた。こうしてアモンの魂を手にする。

一方ラスプーチンはニコルと一緒にいた。ラスプーチンは「なるほど。日本はこちらの条件をのんだのだな。」と聞くとニコルは「はい、マスター。」と言う。ラスプーチンは「大任ご苦労。やはりお前に外交を任せたのは正解だった。」と言った。ニコルが「ありがたき幸せ。」と言う。ラスプーチンは「ロシアがこの戦争に苦戦しているのも、武器の数と食料の少なさが、前線の兵たちの士気を下げるからだ。金があっても物がないとは皮肉な話よ。」と言うとニコルは「御意。間もなく日本も、大陸のドイツ領に対し、進軍を開始するとのことです。」と返す。ラスプーチンは「ふん、昨日の敵は今日の友、か。石村も馬鹿ではないな。その特使はもうペトログラードを発ったのか?」と聞くと、ニコルは「いいえ。祝賀会にご列席いただきますよう、お願いしてあります。」と言う。ラスプーチンは「ふむ、それでよい。あとはアメリカだ。」と言った。ニコルは「いまだに中立の立場を守り、静観を決め込んでいますが、参戦するのは時間の問題かと。」と断定する。ラスプーチンは「どうして言い切れる?」と聞く。ニコルは「イギリス、フランス、共に疲れが見えております。アメリカが参戦をとどまっているのは、今や、きっかけが見つからぬにすぎません。」と説明した。ラスプーチンは「フフ、何かきっかけがあるとでも言うのか?」とさらに聞くとニコルは「来週ニューヨークからリバプールへと船が出港します。そのルシタニア号には、大量の武器弾薬が積まれているという噂。」と言う。ラスプーチンは「ドイツの戦艦が放ってはおかんということか。」と考えた。ニコルは「イギリスの用意したいけにえの羊です。」と答えるとラスプーチンは「ほほう!?」と言う。続けて「ときに、ニコル。」と聞く。ニコルが「は!」と言う。ラスプーチンは「マルグリットでレニが死んだそうだな?」と言う。ニコルは「はい、マスター。」と言った。ラスプーチンは「なぜお前は、残って戦わなかった?」聞くとニコルは「レニ一人で十分だと判断しました。」と答えた。ラスプーチンは「そうか。」と言い、「私も手を合わせたが、神殺しは手強いぞ?」と言う。ニコルは「はい。」と言った。ラスプーチンは「我がツァーリを迎えての凱旋祝賀会、あの男は、必ずまた現れる。その時はくれぐれも、わかっていような?」と聞くとニコルは「心得ております。」と答えた。ラスプーチンは少し呼吸を置いて「よろしい、下がって休め。」と言った。

ウルは一人ギョレメの谷の夕陽を座りながら見ていた。カレンが「ここにいたのね。」とやって来た。ウルは「主教は?」と聞いた。カレンは「まだ、眠り続けたまま。」と答えた。ウルは「もう起きねえつもりかな?」と聞くとカレンは「縁起でもない事言わないの!」と言う。少し間をおいてカレンが「きれいな夕陽ね。」と言うとウルは「ああ。」と言った。カレンは「責任を感じているの?」と聞いた。ウルは「みろよ、あれ。ここにいる奴ら、ひたすらに、主教の無事だけを祈っていやがる。」と言う。カレンは「大切な人だものね。」と返す。ウルは「俺さえ来なければ、今までとかわらず、谷は平穏でいられたんだ。」と言った。カレンは「でもロシアを救うことはできないわ。アナスタシアの家族も、あなたのお母さんの祖国も。」と言うと、ウルは強くも悲しげに「ロシアとここの平和に、差なんかねえよ。」と言う。カレンは「そうね。どっちに暮らす人だって、今よりほんの少しでいいから、幸せになりたいだけなのよね。多くを望まず、暖かい毛布とパンがあって、笑ったり怒ったりしながら、毎日を過ごしていきたい。それで十分だと思ってるのに。」と言うとウルが「幸せってなんだろうな?」と疑問に思う。するとアナスタシアが「ウルーっ!カレーンっ!主教が、ヨウィス主教が。」と呼んでくる。カレンが「主教がどうかしたの?」とたずねた。アナスタシアは「目を覚ましたの!だから、早く!」と呼んでいる。ウルは「わかった!」と言ってヨウィスの寝室へ向かった。カレンが「ヨウィス主教!」と呼んだ。ヨウィス主教は「二人とも無事であったか?」と聞く。ウルは「アモンの魂はちゃんと見つけたよ。あんたの親友にも会えた。」と答える。ヨウィスは「元気そうだったかね?」と言う。ウルは「ああ。すっかり楽隠居さ。」と答えた。ヨウィスは「フフ、そうか。」と言う。カレンは「もう心配はありません。ゆっくり休んで、元気になって下さい。」と言うが、ヨウィスは「いいや、私はここまでだ。」と言った。カレンは「何を言うのです!?」と驚いた。ウルも「全くだぜ、あんたがいなくなっちまったら、谷のみんなはどうなるんだよ?」と聞くと。ヨウィスは「それは後の者たちが考えればよい。私の教えるべきことは、全て伝えてある。」と落ち着いて話す。カレンは「そんな!」と嘆く。ヨウィスは「それよりも、堕天使アスタロトのことだ。」と言った。ウルは「アスタロト?」と言う。ヨウィスは「アスモデウス、アモンとならぶ、残されたもう一つの凶神。それと魂の契約を交わした者がいる。誰なのかは見えなんだが、かの者に挑む時は、決して油断するでないぞ!?」と聞くとウルは「大丈夫だよ、そんなへなちょこ。生ゴミの日にポイさ!」と豪語する。ヨウィスは「フフ。」と微笑む。しばらくしてウルが「ヨウィス主教。許してくれ。俺は、俺はロシアのために、この谷の平和が失われていいなんて、これっぽっちもおもっちゃいない!」とウルは続けて「悪を倒すために、善をぎせいにしてしまうことが耐えられない。」と迷う。ヨウィスは「よいか。私の存在とともに消えるような世界なれば、いずれは滅び去るのだ。意思を継ぐ者が現れ、皆が希望を失わなければ、この谷は滅びない。そうなった時に初めて、私はみんなと共に生き続けることができるのだよ。そうは、思わんか?」と答えた。ウルは「主教。」と言った。ヨウィスは「若者よ、意志を持つ者には、世界を変える力がある。それが善に傾くか、悪に傾くかは、その者の心しだい。人の子だ。畏れも迷いもあって、何も恥ずかしくは無いではないか。」とさらに言った。ウルは「アルバートは、後の世を、あんたに託していたんだな。」と聞くとヨウィスは「今は、そなたに、だ。ロシアに行け。おさなき皇女の未来を救えるのは、そなただけなのだぞ。」と言う。ウルも「約束するよ。俺は必ずラスプーチンをぶっ倒す!ぶっ倒して戻ってくるから、それまで待っててくれ!」と言った。ヨウィスは「うむ。」と答えた。ウルはその場を去る。ヨウィスは「不思議な縁(えにし)だ、私と友の業を、あの若者は一人で背負ってくれた。これで、生きた目的を果たせた。友にも胸を張って会える。」と言う。カレンは「主教。」と言った。ヨウィス主教はがむしゃらに走るウルに「ありがとうと、伝えてくれ。」とカレンに言い残し、旅立っていった。

ペトログラードでは盛大な祝典が開かれていた。ロシア皇帝の凱旋祝賀会だ。十年前の血の日曜日事件で支持率は低下していたものの、民衆はツァーリへ悲しい栄光とも知らずに熱い声援を送っていた。ツァーリは「まったく、アナスタシアの安否もわからぬといった状況で、祝賀会などに出られるか!」と皇后に言った。皇后アレクサンドラは「何をおっしゃいます、今宵はツァーリにとって、いやロシアにとって、とても大切な夜。」と言った。ツァーリは「余には、子供たち以上に大切なものなど無い!」と言う。皇后は「落ち着きください。」と声かけた続けて「グレゴリーもエドガーを責め、一味の手がかりを調べています。」と言うもツァーリ陛下は「お前は平気なのか!?自分の可愛い娘が誘拐されたんだぞ!?それに納得がいかん。エドガーは孫のようにアナスタシアを可愛がっていた男だ。誘拐の片棒を担ぐとは、到底思えん!」と聞くと皇后は「でも、私はこの目で見たのです!エドガーの連れてきた無頼の輩に操られ、アナスタシアは、もう少しでアレクセイにナイフを!」と言うがツァーリは「もう何度も聴いた!ふむ、祝賀会が終わったあと、余が直々にエドガーを尋問してくれるわ。」と言う。ラスプーチンは「その必要はございません、ツァーリ。」と言い寄る。ツァーリは「おお、ラスプーチンか!何か分かったのか?」と聞くとラスプーチンは「はい。」と答えた。皇后は「申してみよ、グレゴリー。」とたずねる。ラスプーチンは「口が堅い老人でしたので、催眠術をかけ、仲間のことを聞きだしました。賊の一団は、こともあろうに、陛下とご家族の命を狙っております!」と答えた。ツァーリ陛下は驚いた。「なんと!?それは真か?」と聞くとラスプーチンは「はい。一味にはドイツ女も加わっているらしく、もしかしたら背後には、国家規模の計略が隠されているかもしれません!」と言われ、誤解なのだが、ツァーリは「おのれ、ウィルヘルムめ!」と信じ込む。するとラスプーチンは「御案じめさるな。ツァーリが動揺しては、ますます敵の思うツボ。」と言う。ツァーリは「しかし。」と聞く。ラスプーチンは「ここは平常を装って祝賀会をこなし、諸国の賓客方にも、ロシアの偉大さと余裕をご提示なさるべきかと。」と提案した。皇后も「グレゴリーの言う通りですわ!」と言った。ラスプーチンは「両陛下ならびに、皇太子様、姫君方の警備には万全をきしますゆえ。」と説明するとツァーリ陛下は「わかった。」と承認した。皇后アレクサンドラも「御立派ですわ、ツァーリ。」と言う。

第十九章 死者の回廊

ラスプーチンとアモンにフュージョンしたウルとの決戦。

ペトログラードについたウル一行は警備で宮殿の表からは入れそうになかった。小姓のイワンが「アナスタシアさま、ご無事でしたか!」と言うと、アナスタシアは「イワン!」と言った。今は祝賀会によって厳重な警戒体制のためこちらからは入ることはできない。すると、ユスポフに何か策があるとイワンが言うのだった。町外れの橋のたもとで待っているとのこと。アナスタシアは「ありがとうイワン。恩に着るわ!」と礼を言うしかし、その途中でウルはジャンヌにグレイヴヤードに呼ばれるのだった。ジャンヌは「あ、ウル!待ってたんだよ!」と呼びかけた。ウルはソウルを象徴するものでさらにパワーアップできることが分かった。ジャンヌはそれを告げたらすぐに消えてしまった。ユスポフ侯爵は冬宮への抜け道を案内してくれるという。そこはラスプーチンも知らない死者の回廊だった。魔物がたくさん出てくる。道の出口にはデミトリ大公が「おお!来られましたな!お怪我はございませぬか?さあ、こちらです。」と迎えてくれた。陛下と皇后の登場で喝采がわく。ツァーリ陛下は「皆の者、大儀。」と述べる。挨拶にロシアの士気をあげる言葉を述べた。拍手がわく。舞踏会が始まった。ツァーリは「余は道化だな。」と皇后にボソッと言う。そしてラスプーチンが一人の男に合図を出すと、暗殺者ビクトルがツァーリ陛下を襲う。その瞬間ウルが登場し難を逃れる。ツァーリは「アナスタシア。」と驚いた。アナスタシアは「心配をおかけしましたわ、ラスプーチン司教。私はこの通り、とっても元気よ!アナスタシア、ただ今戻りました。そして、お帰りなさい、お父様!」と言うと、ツァーリは「お、おう。」と少し動揺した様子。アナスタシアは「私、この方たちと異国を旅して来たの!珍しいものを沢山見てきて、いろんな経験をしてきたのよ。」と続けた。ツァーリは「そ、そうであったのか。」と安堵した。アナスタシア皇女はお父さんである陛下に「最後のなんて命がけだったんだから!」と写真をプレゼントした。するとツァーリは「なるほど、本当に良く撮れているな!」と言い、そしてなんと捕らえよとツァーリが示したのは、グレゴリー・ラスプーチンの方だった。ラスプーチン「な、何をお言いに!?」焦る。ツァーリはさらに「観念するがよい。この愛娘が命をかけて撮った写真、これに真実が写っておる。」と言った。そのアルバムにはラスプーチンと暗殺者ビクトルが以前やり取りした時の写真だ。ラスプーチンは「お、おのれ」と皇后を人質に刃を向ける。ウルが「放せよ。後は俺たちでけりをつけようぜ。」ベロニカが閃光を発して「グレゴリー様!今のうちです!」と逃げて行った。ツァーリは「おお、アナスタシア!安心おし、もう大丈夫だ!」と言う。皇后アレクサンドラが「あ、あなた。」と何かを言おうとしたが、ツァーリ陛下は「何も言うな。悪魔はいつも心の隙間に忍び込むものだ。礼を言うぞ。」と答えただけだった。ウルは早く安全なところに行くようツァーリの家族に言おうとしたら宮殿が大きく揺れる。ウルは「もう来やがった。」と言った。アナスタシアは「お父様とお母様は安全な所に!行くわよ、ウル!」と止めに行く。ウルは「姫は俺が守るから心配しないでくれ。」と言って向かった。ツァーリは「頼んだぞっ!」と言った。皇后は「まさか、あの子が首領じゃ。」と言うと、ツァーリは「そ、そうかもしれん。」と動揺した。ラスプーチン達は中庭へ。

カレンが「ウル!あれを見て!」と言った。飛空艇が空に飛んでいる。ゼペットじいさんは「どこに隠しておったんじゃ!」と驚く。アナスタシアは「街が!」と慌てる。飛空艇からは大量の爆弾がペトログラードの街に落とされているのだ。ヨアヒムもなすすべなく「くっそー」と口にした。ウルは「奴は?」と探す。ルチアが「あそこよ!」と指を指す。螺旋階段を上るラスプーチン司教。雑魚キャラのペリュトンたちが行く手を阻んでくる。そして追い詰められたラスプーチンとベロニカ。ラスプーチンは「ベロニカ、こやつらを食い止めろ。私はペトロパヴロフスク要塞に聖域をつくる。」ベロニカは「はい、グレゴリー様!」と答えた。ウルが「どけ、ベロニカ!」と言うも、ベロニカはどかず、「フッ、ラスプーチン様から授けていただいたこの力で、お前たちを地獄へ送ってあげるっ!」と言ってペリュトン2体とベロニカの変身体ナイトクイーンとの決戦。そしてベロニカも「ラスプーチン、様。」とついに倒れる。いよいよ残るはラスプーチン司教のみ。ラスプーチンは飛空艇に乗る。ウルはアモンにフュージョンし、飛空艇を攻撃!!ラスプーチンは「アモンか!?なぜだ!?ヤドリギの呪いは?」と慌てる。ラスプーチンは「化け物めっ!」と動揺する。ウルにラスプーチンの攻撃がまったく効かない。ラスプーチンとウルの一騎打ちが始まった。ついに司教のバリヤーを打ち破り、飛空艇は沈んでいくのだった。カレンは「ウル!」と叫んだ。ラスプーチンは「バリヤーを、なんという力だ。ここを生き延びねば、先は無いか!?アモンよ!見せてやるぞ!私の中に宿る真の恐怖を!」とアスモデウスと魂の契約を果たそうとする。アモンの目の前に要塞が誕生した。ウルたちは驚くもその要塞に潜入することに決める。一方、ニコルはラスプーチンといた。ニコルは「ベロニカが死にました。」というと、ラスプーチンは「どうでもよい下がれ。」と何もかもどうでもよくなってこれからは人を支配するのではなく、人を滅亡させることにすると言う。ニコルは「アスモデウスに食われたか。」と嘲笑する。ラスプーチンは「んん!?」と言った。ニコルは「私が来たのは一つのことを見極めるため。あなたはウルに勝てない。」と断言する。ラスプーチンは「では、お前なら勝てるのか?」と聞くとニコルは「はい。」と答える。ラスプーチンは「!?そうか、そういうことか!」と理解する。ニコルは「やっと、お気づきになられましたか。」と言った。ラスプーチンは「いずれ世界が二つに分かれたとき、雌雄を決しようではないか。その前に、まずは神殺しを血祭りにあげてやるわ!」と言い放つ。神殿イーダルフラームへ。

第二十章 イーダルフラーム

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