物語のラストの解釈が分かれる映画まとめ!ハッピーかバッドかあなたはどっち?

ここでは結末がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、観た人の解釈が分かれる名作映画をまとめた。「映画史上最も切ないハッピーエンド」と呼ばれる結末が多くの人を涙させた『バタフライ・エフェクト』、ファシズムが席巻するスペインを舞台に少女の過酷な運命を描くファンタジー映画『パンズ・ラビリンス』などを紹介している。

▼『バタフライ・エフェクト』

出典: www.amazon.co.jp

”ご存じ「映画史上最も切ないハッピーエンド」。全てのパターンが切ない。”

エリック・ブレス監督、アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート主演による2004年の作品。はじめの小さな誤差が、未来的に大きな違いとなるという「カオス理論」を取り入れた異色のサスペンス作品。“バタフライ・エフェクト”とは、カオス理論を喩えで表した言葉。愛する者を救うため、過去を書き換えようとした男が体験する、想像を超えた出来事をスリリングに描く。

「映画史上最も切ないハッピーエンド」と言われるビターなエンディングが賛否両論ある作品ですが、ほぼハッピーなエンディングと解釈される模様。何パターンかのエンディングが用意されているが、いずれにせよ切ないのだ!

『バタフライ・エフェクト』予告編

正直ハッピーエンドという言葉が辛くなるほど、かなりヘヴィーな展開。辛くてちょっと涙がぴりぴりくる感じ。好きな映画なんだけど、見終わった後なんともいえない気分に堕ちていく、そんな作品。

出典: kougyoku.exblog.jp

ジグソーパズルのように綿密に組み立てられた脚本は、見終わった後、観客の頭の中のすべての謎が氷解し、心震わす感動を与える良質なものだ。

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映画化された脚本は、商売として成り立つように各部に手を加えた上でラストを変更したものだそうです。

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▼『アンダーグラウンド』

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”悲劇をなぞらえたラストだが、ジプシー・ブラス音楽が鳴りやまない!”

旧ユーゴスラビアのサラエヴォ出身の名匠エミール・クストリッツァ監督による1995年の作品。旧ユーゴスラヴィアの戦いと動乱の歴史を、ふたりの架空の男の激動の人生をなぞらえてブラックにファンタジックに描く。ナチス・ドイツに侵略されたユーゴ王国で、マルコは祖父の地下室に弟や妻などをかくまう。やがて重傷を負ったクロも地下室に運び込まれる。それから50年もの間、戦争が終わった事は知る由もない地下で過ごしてきた彼らだが、それを知る時が来た...。

その部分だけ見れば大団円のラストと言えるものではありますが、何てったって...ねえ。悲劇的な見方もありますが、あのジプシー・ブラス音楽に救われませんか!

『アンダーグラウンド』予告編

映画史に刻まれた作品といっても過言ではないだろう。“映像と物語と音楽のトリプル・ミックス”という、映画にしか成し得ない映画だからこそ成し得る表現で見どころありありだ

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体力を要するのもまた事実。この圧倒的なパワーについていくには、それなりに疲れます。171分ひたすらそのエネルギーに引っ張られていきます。そして、この映画にはすべてがあります。

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打ちのめされた。本当に打ちのめされた。苦痛に満ちた歴史性を夢幻の如き圧倒的な映像美で描ききったその手腕に。これぞ映画だ。

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▼『パンズ・ラビリンス』

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”最高のビターエンドは複雑な気持ちにさせるが、観方によってはハッピー!”

『デビルズ・バックボーン』『ヘルボーイ』等で独自の世界観を持った映像美を追求するギレルモ・デル・トロ監督による2006年の作品。ファシズムの脅威に晒された内戦後のスペインを舞台に、少女が厳しい現実から逃れるかのように、幻想の世界の住人パンの誘う迷宮での試練を乗り越え、永遠の幸せを探していく。ダークでイマジネイティヴな不思議な世界観を持った映像と、殺伐とした現実の世界とを両極端に並べ、残酷で優しくて美しい、独特の世界を作り出した。大人のファンタジックなメルヘン。

やはりあのエンディングは、彼女にとって幸せな...いやしかし現実には...といった意見が飛び交っている。個人的には前者かな...。

『パンズ・ラビリンス』予告編

ラスト、オフェリアの顛末は2種類提示される。現実を信じるのか、物語を信じるのか どちらも真実だと思うのか。解釈はまさに観客ひとりひとりに委ねられている。

出典: moviepad.jugem.jp

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