パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth

『パンズ・ラビリンス』とは、「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督による、内戦後もゲリラ戦が続くスペインを舞台にしたダークファンタジー。母の再婚相手である軍人が暮らす山奥の砦にやって来た少女が、つらい現実から逃れるため童話の世界に浸っていく物語で、現実世界と少女が見る幻想世界が巧みに絡み合うストーリー展開。06年スペイン・メキシコ・アメリカ製作ながら第79回アカデミー賞で撮影賞・美術賞他を受賞。07年・日本公開。

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シェイプ・オブ・ウォーター(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

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『シェイプ・オブ・ウォーター』とは、2017年にアメリカで制作・公開された、声を発することのできない中年女性と半魚人が愛を育むラブ・ロマンスを描いた映画である。2018年に日本でも公開され話題になった。1962年冷戦下アメリカの機密機関で働く声を失った女性清掃員イライザと、アマゾン奥地からそこに運び込まれた正体不明の半魚人との心の交流を中心に描いている。前代未聞のラブストーリーということで、ギルレモ・デル・トロ監督作品の中でも傑作と呼ばれた。

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パシフィック・リム(Pacific Rim)のネタバレ解説・考察まとめ

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日本のマンガやアニメ、特撮作品への造詣も深いギレルモ・デル・トロ監督による2013年公開のアメリカ映画。巨大怪獣と人型巨大ロボットとの戦いを圧倒的スケールで描き出したSFアクション超大作。太平洋の海底から巨大怪獣が現れ、全世界の大都市を襲撃する。人類滅亡の危機を救うため、名パイロットのローリーと日本人研究者の森マコがペアとなって操縦する人型巨大ロボット"イェーガー"で、怪獣に立ち向かう姿を描く。

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ヘルボーイ(Hellboy)のネタバレ解説・考察まとめ

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「ヘルボーイ」とはアメリカの人気コミックを映像化した2004年制作のアメリカ映画。異界から産み落とされた悪魔の子ヘルボーイが、人間によって育てられ、正義のヒーローとして、半魚人や念動発火能力を持つ女性と共に、邪悪な者たちと戦うアクション・アドベンチャー。監督は、「ミミック」「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ。個性的な風貌のロン・パールマンがヘルボーイを快演し、彼の代表作のひとつとなった。

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『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』とは、ギレルモ・デル・トロがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた、Netflixのホラーアンソロジーシリーズ。ギレルモ・デル・トロを始めとするプロデューサーが監督を指名した、1話完結型で全8話の短編ホラードラマ集だ。原作はH・P・ラヴクラフトなどの、ゴシックやグラン・ギニョールの流れを汲む作品が中心。 レビュー収集サイト「Rotten Tomatoes」では、調査対象の批評家47人のうち94%が本作に好意的な評価を与え、平均評価は7.6/10となっている。

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『スケアリーストーリーズ 怖い本』とは、2019年に公開されたアンドレ・ウーヴレダル監督のホラー映画。アルヴィン・シュワルツの『誰かが墓地からやってくる』と『死んだ男の手首』のシリーズを原作としている。映画監督として名高いギレルモ・デル・トロが脚本や制作に携わっていることで注目された。 1968年、ペンシルベニア州の田舎町を舞台に、少女が恐ろしい出来事と過去の悲劇に直面する物語だ。 映画批評集積サイトの批評家支持率は81%、平均点は10点満点で6.51点を獲得した。

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『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』とは、ギレルモ・デル・トロが監督を務め、Netflixで公開したミュージカル・ファンタジー・ストップモーションアニメ映画。タイトルの通り『ピノッキオの冒険』を原作としている。デル・トロならではのキャラクター造形と具体的な時代背景を追加したユニークなストーリーが評価され、第80回ゴールデングローブ賞ではストリーミング作品として初めてアニメ映画賞を受賞、第95回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞している。

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ここでは結末がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、観た人の解釈が分かれる名作映画をまとめた。「映画史上最も切ないハッピーエンド」と呼ばれる結末が多くの人を涙させた『バタフライ・エフェクト』、ファシズムが席巻するスペインを舞台に少女の過酷な運命を描くファンタジー映画『パンズ・ラビリンス』などを紹介している。

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パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinthのレビュー・評価・感想

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
8

だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。

この映画は、内戦後のスペインを舞台にしたダークファンタジー作品です。
主人公は、オフェリアという一人の少女。彼女は父を亡くしたあと、母と一緒に母を見染めた軍人の幹部のもとへ行くことに。母親のお腹にはその男の赤ん坊もいます。父を亡くした悲しみを抱えながらも、環境の悪い森の奥の砦で母親と一緒に移り住みます。新しい父親、ビダル大尉は冷酷残忍な男。母親の具合が悪くても、お腹の中の赤ん坊の命を優先しろと医者に命じるほどです。そんなビダル大尉がオフェリアに優しく接してくれるはずはなく、とても冷たい態度で接します。彼女には居場所がなくなっていくのです。オフェリアの救いは、使用人のメルセデスという女性だけでした。そんな中出会うのが、パンという迷宮の番人や、妖精たちです。パンは、彼女を地底の王国の姫君だと言います。地底の王国へ戻るためには試練を乗り越えないといけないとも。そして数々の試練を彼女に与えます。パンは完全に彼女の見方、というわけではありません。彼女が試練に失敗すれば、その見た目の通りの恐ろしい様子も見せます。オフェリアのストーリーと同時に、現実面では、ビダル大尉がレジスタンスとなっている民衆へ与える惨い拷問のシーンもあり、子どもには刺激が強い場面も。激化する、軍とレジスタンスの戦い、その中で懸命に生きようとするオフェリア。一見、王女として最後は幸せになるのだろうと思わせられますが、話が進むにつれて暗い影に覆われていきます。
ビダル大尉の赤ちゃんを産んだ母親は死に、パンから最後の試練が。赤ちゃんを犠牲にして、地下王国の扉を開くといったもの。しかし、最後に死を迎えたのは、オフェリアでした。彼女は赤ちゃんを守り死んだのです。そこへ駆けつけたレジスタンスや、使用人のメルセデスは悲しみに包まれます。悲劇のラストのように思われますが、その後のシーンでは
純粋無垢なオフェリアの魂が地下王国の扉を開き、最後には地下王国の王女として幸福の光に包まれるのです。
それが彼女の空想なのか、どうなのかは、あなたの判断にお任せします。
「ありのままの現実は、生きるにはつらすぎた。しかし、絶望はやがて金色の光にかわるー。」(DVDパッケージ参照)

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
6

ファンタジー要素がもっとあれば素晴らしかった。

ファンタジーでもあり、ミステリーでもある、ちょっと残酷で切なくて怖ろしい映画でした。
少女が妖精だという生物はどう見ても得体の知れない生物であり、虫にしか見えないけれど、どうしてあれを妖精だと最初に思えたのかの謎が後からわかりました。
大人として考えたら凄く面白い映画ではあるけれど、ちょっとやりすぎというのか、いきすぎのようなエグさやグロさがあり、子供にはオススメはできない映画です。
戦争を思わせるようなシーンもあるし、人としての思いやりもない残酷すぎるシーンも沢山あり、大人の私ですら目を背けたくなるような、ちょっと心を傷めてしまう内容でもありました。
こういうシーンがもう少し緩ければ、これは素晴らしく面白い映画だと言えるのですが、ちょっと残酷すぎて18禁レベルな気がします。
あとは、この少女の弟がどうなったのかとか、少女のその後のこととか、最後は中途半端な感じで続きが知りたいという終わり方が残念です。
これのパート2があるのなら話は変わってきますが…。
あとは母親に飲ませていた薬のような物は、結局は何の薬だったのかも気になるところで、いくつか中途半端な感じの終わり方がモヤモヤします。
個人的には、もう少しファンタジー的な部分があれば良かったかな。と思う映画でした。

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
7

注意!悲しい話です。

アカデミー賞で、メイクアップ賞などをとった作品です。内容は少女に様々な試練がくだる暗黒ファンタジーという感じの話です。私は信じてました。たしかに暗い系だといわれているけど、まあ、最後は少女は成長して現実の世界で生きていくんだろうなと。でも、それを裏切る鬱エンディング。なんとなく、ファンタジーで、主人公が死ぬわけないと思っていたのでショックでした。義父の軍人とともに引っ越して、母とも義父ともうまくいかず、本当のことなのか、彼女の妄想なのか、変な生物に出会っていろいろがんばって、最終的にこれですかという感じです。なんか、少女はあまり笑ってなかったし、すごく生きにくいというか楽しくない生活だったと思います。かわいそうです。まだ、若いのに、、と見終わったあと、もんもんとしてしまいました。出てくるファンタジー世界は、ゴスロリっぽくもあり、なんか不気味なかわいらしさがあって、すてきです。さすがアカデミー賞をとっただけのことはあります。手に目のついた化け物とか、なかなか個性的でおもしろいし、世界観も統一されています。ファンタジー映画と思ってみると、ちょっとキツイとおもいますが、鬱映画としては最高です。

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
3

オフェリアは美しい

1944年フランコ政権は、反政府組織を弾圧していた。オフェリアは母とともに、母の再婚相手で政権側の冷酷な大尉のもとにやってくる。その砦の近くで、オフェリアは迷宮の守護神パンと出会う。パンは、オフェリアを地下王国の姫だと言い、そこに帰るための三つの試練を与える。
「シェイプ・オブ・ウォーター」とレトロ、グロ、不美人のダークファンタジーという共通する部分が多いです。ラストは「未来世紀ブラジル」を思い出しました。ファンタジーと理解しなければ、辛すぎて悲しすぎます。「シェイプ・オブ・ウォーター」の方が救いがありました。
思った以上に綺麗な映像でした
ストーリーは『ミツバチのささやき』に凄く影響を受けてるのを感じ取れますが、ファンタジー性はこちらの方がかなり強めでしたね

絶望的で行き場の無い少女の一縷の希望は嘘や苦痛の無い王国に帰ること。

あまりにも切な過ぎます
だって彼女の居場所はこの世界にはもうないんですから。
物語の中にしか希望が無いなんて

でも、無垢な少女だからこそ少しは報われた気持ちにはなります。
だって少女にはその王国か確かにあるのですからね

十年以上前に観た時には、ただ気持ち悪く絶望的な映画だと思い、
観たことさえ後悔した。今回、シェイプ・オブ・ウォーターの二本立てがあり、パンズ・ラビリンスは再び観るか、避けるか、とても迷った挙句、ここのレビューを見て、ある人のハッピーエンドだったと気付いたと言う感想で、もう一度リベンジして観た。
一言で言えば「血」、たくさんの血が流れる映画。
なんのために血を流すのか?男達はプライドと利権とを奪い守る争いで血を流し、母は子を産み落とすために血を流し、主人公のオフェリアは、子供ながらも、母と弟のために自分の血を流した。
この物語が少女の幻想なら、母のベッド下の不思議な植物マンドラゴの根は存在しないはず、パンズの世界は実在だと思った。
マンドラゴには、母のためにオフェリアはリアルな自分の血を与えた。
そして、生まれて間もない一番無垢な弟の血を流させることを拒否した。
この世では弱い存在の少女が、更に弱い弟を守ろうとした。オフェリアの魂の気高さが証明されたことで、彼女は本当の自分の王国で幸せに暮らす。
この戦争で悲惨な世界だけがリアル?パンの生きる世界も実在すると思えば、やっと、オフェリアの幸せを受け入れられた。
それにしても、オフェリアが試練に挑む時の、地下の蟲がうごめく汚泥を進む様、晩餐の料理の番人の狂気や、生理的に耐え難い映像が散りばめられています。でも、本当に生理的に耐えがたく恐ろしいのは人間が人間にする所業。自分はまともで立派だと考え、まだ赤ん坊の息子すら、自分の存在を後世に語り継ぐ道具だと思ったまま、戦争に明け暮れ死んだ男。
映像からは嫌悪感のジェットコースターに乗せられました。
それと同時に、怖いもの見たさの魅力に引きずられてもいきます。
そして、あんなに賢いオフェリアが、なぜパンの約束を破り葡萄を食べたのか?彼女も完璧ではなく欲望に流されたのか?疑問はありました。
それでも、泥の中に咲く華のように、オフェリアは美しいと思いました。

パンズ・ラビリンス / Pan's Labyrinth
8

暗く悲しみに満ちた世界の美しい妖精の物語

10段階評価で8としたが、万人受けしないであろうと思ったためであり、本来の個人的な評価としては10段階中10である。
監督のギレルモ・デル・トロさんは映画の監督、脚本、小説の執筆などをして活躍されている方で他作品に
映画
『ミミック』
『ヘルボーイ』シリーズ
『パシフィックリム]シリー』
小説
『ザ・ストレイン』
『暗黒のメルトダウン』等がある

映画『パシフィックリム』では子役で出演した芦田愛菜ちゃんにその容姿と呼びにくい名前のためトトロさんと呼ばれていたらしい。
最近ではゲーム開発者の小島監督との交流があり新作ゲームのPVにも出演した。

舞台は内戦下のスペインで、主人公の少女・オフェリアは、母の再婚相手の独裁政権軍の義父の住む屋敷へ引っ越す。
義父は反乱軍を掃討する軍を指揮しており、非常に冷酷な男である。戦争で夫をなくした母は、生きていくため、オフェリアを養うため、義父と結婚し子供を身ごもる。
義父はオフェリアのことはおろか、母さえも自分の子供を産ませる道具のようにして扱う。まだ12歳の少女にとっては、耐え難い環境であった。
そして少女は空想の世界へと逃避する。飛んでいたカマキリが妖精になり、ただの木であったものが幸せを勝ち取るための試練を与える精霊になる
結末はメリーバットエンドです。受け取り方によって幸か不幸かがわかれる結末です。

この作品の良いところは雰囲気です。内戦中のダークな悲しい雰囲気と、少女オフェリアの見る世界との対比、といっても、オフェリアの見る空想は明るい世界ではありません。グロテスクで現実よりも死と隣り合わせ。だけれどその先にある、試練を超えた先にある未来は希望で明るさに満ち溢れています。
もうすぐ幸せになれるという子供ならではの純真無垢な希望と、残酷で直視しがたい現実との対比、さらにそれを見る物の目に耳に焼き付ける映像美と音楽、それらすべてが秀逸に合わさって一つの映画という芸術として作り上げられている。

全ての方に勧められる作品ではありません、衝撃的な場面がいくつもあります。結末は後味が良いものではありません。けどそれゆえに私の心に深く突き刺さった。
本当に映画が好きなら一度は見ておくべき作品だと思います。私はこの作品を見て映画に対する価値観ががらりと変わりました。忘れようにも忘れられない。時々作中に出てきた鼻歌を無意識に歌っているほどです。
素晴らしい映画だと思います。ぜひおすすめ
なお今回の感想ではネタバレを極力避けましたが、ネットで検索するとたくさん出てきてしまうと思います。なるべくそれらを見ないようにして、映画で初めて結末を知った方が何倍も楽しめるかと思います。

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