かくしごと(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『かくしごと』とは久米田康治による漫画作品で『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載された。本作は、姫10歳編のコミカルな日常、姫18歳編のシリアスな未来の話、大きく分けて二部構成が取られている複雑なストーリーとなっている。
『さよなら絶望先生』といった非日常作品が多い久米田の作品には珍しく、日常色強めの作品になっている。
地元熊本県にある美術館で「久米田康治のかくしごと展」が開催され、2020年にはアニメ化された。
『かくしごと』の概要
『かくしごと』とは、作者「久米田康治」による漫画作品で『月刊少年マガジン』2016年1月号から2020年8月号まで連載され、その後2020年4月から6月の間アニメ化された。
本作は久米田自身のアイデアではなく、当時の編集が提案したことで生まれた日常系作品で当初久米田自身はこの作品を描くのは乗り気ではなかった。
『かくしごと』というタイトルには「隠し事」と「描く仕事」という二つの意味を重ね合わせたものになっており、そのタイトル通り娘に悪影響を与えないようにするため漫画家であることを隠し通そうとする父「後藤可久士」と、その娘「姫」の日常を中心に描いたものになっている。
一見するとただの日常系コメディ作品に見える本作品は、原則姫が10歳の時(姫10歳編)の可久士の仕事がばれそうでばれないコメディな日常を描いている。しかし各回の冒頭や末尾では18歳に成長した姫(姫18歳編)の様子と、登場人物たちの様子が描かれる。姫が可久士の仕事が漫画家であることを知り「どうして父は漫画家であるのを隠していたのだろう」と考えている。一方可久士は不慮の事故で記憶が姫が10歳の時で止まってしまっていた。このようにコメディタッチな姫10歳編とシリアスなストーリーの姫18歳編を並行して描く二部構成となっており、それが本作において一番の特徴であるといえる。
尚本作のアニメ版で起用されている声優は『Re:ゼロから始める異世界生活』『ラブライブ!サンシャイン!!』、『BanG Dream!(バンドリ!)』、『ご注文はうさぎですか?』、といった人気作品に出る若手声優だけでなく、『ONEPIECE』の「マーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)」役を務める大塚明夫氏や、『名探偵コナン』で二代目「毛利小五郎」役を務める小山力也といったベテラン声優が起用されるなど、キャスト面に関しては申し分ない豪華なメンバーが揃っている。
『かくしごと』のあらすじ・ストーリー
ある夏の日のこと。18歳の誕生日を迎えた「後藤 姫」はメジャーな観光地駅の裏手にある家の鍵を手に入れそこへ訪れていた。南京錠をかけられ固く閉ざされた扉を開けると、吹き抜ける風に煽られて古い漫画の原稿が飛び込んでくる。この瞬間、姫は父「後藤 可久士」の仕事が「描く仕事」であったことを理解する。
姫が生まれた瞬間、可久士は仕事を隠すことを決めた
待望の娘、姫が生まれて歓喜する可久士。しかしその直後出産に立ち会っていた医師と看護師が後藤可久士という名前を見て、可久士が『KTMCMC(きんたましまし)』というエッチな作品を描いている漫画家であることがばれてしまう。喜びから一転強い羞恥に見舞われた可久士は、姫に悪影響を及ぼさないよう一生職業を隠して生活することを決めた。「描く仕事」を「隠す」と決断した瞬間だった。
姫が10歳の時の物語
それから10年後、可久士の仕事場にいるチーフアシスタントの「志治 仰」が『KTMCMC(きんたましまし)』を読んでいると可久士が「俺の単行本は一切仕事場に置くなと言ったよな?」と一喝する。
可久士は、姫に自分がエッチな作品を描く漫画家であることを隠すため、中目黒にある自宅をスーツで出て、目黒区と渋谷区の区境付近に位置する古着&セレクトショップ「マリオットランチマーケット」で仕事着に着替え仕事場に赴き、また万が一姫が仕事場に来てもいいよう原稿は遠く離れた鎌倉の倉庫にしまいに行ったり、仕事場は漫画の仕事場っぽくならないようしたりととにかくありとあらゆる策を講じていた。
その為姫自身も可久士の仕事を理解しておらず、姫の通う小学校で彼女の友人に仕事を聞かれても、「んー、分かんない」と答えていた。
ある日、可久士の担当編集者が変わり「十丸院 五月」という若い編集者になった。電話で読者プレゼントのTシャツを届けに来ると言っていたがいつまで経っても十丸院は来ない。新人アシスタントの「芥子 駆」が「間違えて自宅の方行っちゃったとか?」と言うと、可久士は慌てて叫びながら仕事場を飛び出す。
「家に編集が行ったら、姫に漫画家だとばれてしまうじゃないかー!」
とにかく姫に自分が漫画家であることを絶対にばれたくない可久士は、途中でスーツに着換えつつ大急ぎで自宅へ帰った。
「まぁでも、間違って自宅に届けにくるマヌケな編集なんて…」
そう思って可久士は自宅の部屋の戸を開けると、芥子の推測通りそこには読者プレゼント用のTシャツを着た十丸院が姫と共にいた。姫がお茶を入れてくると部屋を出て行くと可久士は「てめぇ、なに着てんだぁ!?」と怒鳴り散らし、姫にばれないようなるべく自然にTシャツの絵を隠すようにと言った。しかし十丸院は自然にTシャツの絵を隠すことができない。
しかし姫も天然なのか、解釈が可久士ですら理解できないぐらい独特だったので十丸院が担当編集者であることは何とかばれずにいた。
それでもこのままだとばれるのが時間の問題だと判断した可久士は、「俺の仕事は描く、仕事だ!」と言ってTシャツの絵が元のキャラであるのが分からないよう姫でも知っている『ポリキュア』に描き直した。こうして可久士が漫画家であることを姫にばれる危機はとりあえず避けることができたのだった。
七夕の近いある日、姫は友人の「東御 ひな」に「家で飾るのにはどんな願い事書いたらお父さん喜ぶかな?」と聞いていた。するとひなは「男なんて出世が全て」と答える。それを聞いた姫は家の短冊に「おとうさんがえらくなりますように」と書いた。
「偉いとはなんだ?」娘の願いに悩む可久士。すると芥子がすかさず「そら漫画家で偉いと言ったら売れてる人でしょう」と答える。現にあまり売れていない可久士は「だよなぁ。売れるにはどうしたらいいのかなぁ」と落ち込みつつも芥子が出した売れている漫画がダークファンタジーであると考え、ダークファンタジーを描くことを宣言する。すると暗い影に包まれている「筧 亜美」が「売れてるのが偉いなんて、腐った資本主義の豚の発想」と反論する。芥子が売れている以外での偉いとは何かと聞き返すと、筧は「漫豪(文豪の漫画バージョン)」と答えた。
売れてなくても大物感ある人、心当たりのある可久士は、知り合いでダークファンタジーの巨匠「不二多 勝日郎」に会いに行きダークファンタジーの描き方を教えてもらおうとする。しかし不二多は擬音だけで伝えようとしたため、可久士は「こいつに聞いた俺が馬鹿だった。漫豪が聞いて呆れる」と言い、不二多の元を離れようとする。漫豪呼ばわりされた不二多は「漫豪とか変な言い方はやめろ!定着したらどうする」と返すが、構わず可久士は去っていった。
仕事場に作業をしていると十丸院がやって来る。ダークファンタジーをいやいや描かされているのを知った十丸院は、「作家の描きたいものを描かせないのが編集の仕事です」と意気込み可久士を止めようとするが、可久士自身売れるために描いていたのか「別に描きたくて描いているわけではねぇよ」と十丸院に言った。
すると「墨田 羅砂」が同窓会から帰ってきた。彼女いわく同窓会では週刊漫画のアシスタントという理由で、チヤホヤされたらしくご満悦だった。「なんでそのような根拠で自分を偉いと思えるんだ」と可久士がつぶやくと、志治が「まぁ、世間の評価なんて有名=偉いですし」と答えた。可久士は「姫の願いを叶えるためには、有名になればいいのか!」と閃くが直後筧に「有名になったら姫ちゃんにばれませんか?売れても多分ばれます」と言われ、結局落ち込む可久士であった。
小学校では、姫の友人で猫が大好きな「古武 シルビア」が「川におぼれていた猫を救ったヒーローを探してお礼を言いたい」と話していた。それを聞いた「橘地 莉子」は「探偵団を作るしかない」と言い、この瞬間シルビア、ひな、莉子、姫の4人で構成された「めぐろ川たんていじむしょ」が結成された。しかしこの猫を救ったヒーロー、実はスーツを着て仕事場に向かっていた可久士だった。再び可久士は知らない間に仕事がばれる危機に陥ってしまう。
莉子は「目撃情報としてターゲットは坂の上に立ち去った」と発言、すると姫が「お父さんが坂の上には「おしゃP”おしゃれピープルの略、恐らく可久士が姫に近づかないようにするための方便だと思われる。”」って魔物が出るから行っちゃいけないって」と言う。驚き疑う莉子、丁度やって来た担任「六條 一子」におしゃPのことを聞くと、「先生にとっては敵」と答える。そして「おしゃPは漫画の置いてない本屋にいて、呪文みたいな飲み物飲んで、先生何度かあいつらにひどい目に遭わされた」と話し、4人は怖がった。
一方可久士は、いつもスーツを預けている「マリオットランチマーケット」の前に行くと、店内にいた筧にたまたま出会う。「こんな街に仕事場を構える洒落者なんですね」と嫌味を吐きながらついて来る筧に「おしゃP」について話す。
可久士の言うことを破って坂を登ってくる姫たち、さっきまで可久士がいた「マリオットランチマーケット」の裏にたどり着く。ひながそこで漫画を拾っていると従業員用の扉が開いて中からマリオが出てくる。「出たー!魔物おしゃP!」と叫び逃げる友人たち、それを聞いたマリオは「魔物?おしゃP!?褒めてるの?けなしているの?どっちなの、キッズー!」と言い追いかけてくる。それを見た可久士はリングの座布団を投げつけてマリオを倒す。「これは、猫を救った伝説のリング!ヒーローが魔物退治に来たんだ!」「ダークファンタジーみたいに!」と言い、可久士を見る友人たち。彼は「こんな姿、姫に見られたら100万回死ねる!」と言い、逃げ出した。
可久士を追いかける4人は彼が本屋らしき場所へ入るところを目撃する。続けて店内に入った姫と友人。本屋なのに漫画が無く、謎の呪文を唱える人々がいて(実際は注文しているだけ)、さらに怪しいマークがあることから、ここが一子の言っていたおしゃPが出る巣であると友人3人は推測していた。(実際はスター○ックスのようなコーヒーチェーン店だと思われる)
やがて彼女たちが勇者と思い込んでいる可久士を見つけ、「(自分たちを)助けに来てくれた」と思っていたが、小汚い姿、魔女汁(恐らくコーヒーだと思われる)を飲んでいるのを見て、「猫を救ってくれた勇者様がこんなに小汚いわけない、魔女汁飲んでるし、魔物の一味よ!」と可久士を敵とみなしていた。そして莉子はここには漫画が置いてないことから「魔物の弱点は漫画」と推理し、それを聞いたひなは「マリオットランチマーケット」で拾った漫画を可久士めがけて投げつけた。そして4人は店から大慌てで逃げ出す。
投げつけられた漫画が自分の描いた『風のタイツ』であるのを見た可久士は、その場でひざまずき「やっぱり売れないとダメだなぁ」と嘆いた。
その日の夜、姫から「ダークファンタジーごっこをしたよ。おしゃPから逃げ回ったの」と聞いた可久士は「危ない遊びはしちゃダメだぞ」と言って寝床に入る。そして可久士は姫に「なんで「おとうさんがえらくなりますように」って書いたの?」と聞くと、姫は「お父さんが喜ぶと思って」と答える。可久士は「もちろん嬉しいけど、一番嬉しいのは姫が元気に大きく育つことかな」と返す。それを聞いた姫は「ヤクルト取っていいかな?」言い、可久士は「そしたらお父さんの分のジョアも頼む」と返した。
そして姫が18歳になった時。
という感じで基本的には姫が10歳の時の日常パートが続くわけだが、アニメ最終話である第12号では全てシリアスな姫18歳編で構成される。可久士は漫画家として活動している傍ら、海難事故に遭い行方不明になった妻の捜索を行っていたが、そのことが週刊誌の美談として出され、ネットでそれに関する悪口が言われ炎上する。それに傷ついた可久士は筆を折り、以降は肉体労働で生活費を稼ぐが、ある日倉庫で作業をしていた時事故に巻き込まれて、昏睡状態に陥ってしまう。
18歳になった姫は鎌倉の家の鍵を手に入れて、家の中に入り可久士が漫画家であることを隠していた理由に疑問を抱いていたら、「姉さん」と呼ぶ青年(姫は名前が思い出せず「なんとかェ門」と呼んでいるが、本名は不明)と出会い、彼から父、可久士は「隠し子」つまり、可久士と青年の母親は異母妹であることを聞く。ちょっと衝撃を受けつつも可久士が本当の父親であることに安心した姫。するとかつての担任一子から可久士の意識が戻ったという連絡を受ける。
一子からの連絡を受けて、可久士のいる病院へ急ぐ姫と友人たち。病室へ入って父可久士を心配する姫だったが、可久士は姫を見ると「誰?」と言ってしまう。その後医者から可久士の記憶は姫が10歳の頃で止まってしまっているという説明を聞き、呆然とする姫。そしてかつてのアシスタントたちは可久士の記憶がどうして7年前で止まってしまったのかを考えていた。
一方可久士は、「姫が心配だ。姫に会わせろ!」と叫び脱走しようとしていた。羅砂が「姫ちゃんが今のその姿見たら心配するんじゃない?」と発言したこによってとりあえず落ち着くが、芥子が「指先くらいしか自由に動かせないわけですし」と発言したことから、7年前に円満終了もとい打ち切りとなった「『風のタイツ』を描かなくては」と言い出す。
「本当の事言えばいいのに」と十丸院は言うが、羅砂は「いきなりショック大きすぎるでしょ?」と『風のタイツ』が連載終了したのを理解させるのは難しいと反論する。
どうすればいいのかアシスタントたちは考え、その結果とりあえず7年前の時のように漫画を描くことにした。「これが…お父さんの仕事」と父の仕事を初めて目の当たりにしていると、可久士は姫のことを新しく入ったアシスタントだと勘違いし、姫に向かって「娘の姫が心配だ。家事手伝いのナディラさんがうちに来るまでのあいだ…姫がひとりぼっちでも大丈夫か、見張っておいてくれないか?」と頼んだ。姫は「私が姫なのにどうして分かってくれないの」と思いつつ姫は、「時間まで…他にもお手伝いする事はありますか?先生」と父に向かって言った。
可久士に頼まれて屋上で洗濯物を干す姫。すると一子と友人たちが手伝いにやって来た。作業をしていると一子は姫に「姫ちゃんはお父さんの隠し事、本当に気づいてなかったの?」と聞く。姫は「私…本当に知らなかったんです。知らないまま…ずっと父の優しさに甘えて。だけど…きっと父は、漫画を描く事が大好きなんだと思う」と答えた。そして「記憶が戻って、父からまた漫画を取り上げる事になるくらいなら。いっそこのままのほうが」と自分の想いを伝える。
「でも!それでお父さんは…姫ちゃんをずっと忘れたままで!」と一子は問いかけ、莉子も「姫ちゃんはそれでいいの?」と聞くが、姫は頷いた。
失われた記憶を取り戻すために、引き続き7年前のふりをするアシスタントたちと暗い顔して花を植える姫。姫の様子を見かねた十丸院は二人きりにしたほうがよいと判断したのか「打ち合わせ」と称してアシスタントたちを外に出す。
二人きりになったところで姫は、可久士に向かって「漫画を描いている時の先生は…とても幸せそうです」と声をかける。最初は気丈に振る舞っていたのだが話しているうちにこらえきれなくなったのか涙がポロポロ零れ落ちていく。
「漫画を描いていられるなら…先生にとってそれが、一番幸せな事だよね」そういう姫に「違う。一番の幸せは…俺が、一番嬉しいのは姫が元気に大きく育つ事かな」と反論する可久士。それを聞いて「やっぱり父と一緒にいたい、父の記憶を取り戻したい」と思った姫は病室を勢いよく飛び出した。
友人たちに「お願いがあるの。手伝って!お父さんに、私…どうしても見せたいものがあるの!」と電話で頼む姫。友人たちは姫の頼みを聞き、姫と一緒に電車を乗り継ぎ鎌倉の倉庫へ向かった。
夕暮れ時、アシスタントたちが病室を出る準備をしていると姫たちが鎌倉の倉庫に置いてあったかつての『風のタイツ』の原稿を抱えて病室に入ってきた。「これ、読んでください」といい可久士に見せる姫。姫が10歳の頃までの記憶しか無い可久士は、その時よりも後に描いた原稿を見て「描いた覚えないぞ!」と言いつつ原稿を読み進める。
読んでいるうちにかつての記憶が蘇ってくる可久士、そして完全に記憶が戻って姫を見つめると姫は「お父さん。私、18歳になりました」と声をかけた。
「わーっ!見るなー!」と叫ぶ可久士。それを見てアシスタントたちと十丸院、そして姫は心の底から安堵したのだった。
実は姫も美術部で活動中に、父と同じように漫画を描き始めていた。部員に「ちょっと姫ー。そういうの家で描きなよー」と言われるが姫は「ダメダメ。何言ってんの?お父さんにバレたらどうすんの」と恥ずかしそうな顔をして答える。姫も父と同じように父に漫画を描くのを隠していたのだった。
一方可久士は羅砂の仕事場を勝手に間借りし、そこに来た十丸院に自分の治療費を支払ってくれた義理の父である「戒潟 魁吏(いましがた かいり)」に返済するため、再び漫画を描いて一発当てようと考えていることを、伝え原稿を渡した。原稿を見た十丸院から「また下ネタ?いいんですか姫ちゃんに知られても」と聞かれるが、可久士は「まあ…姫ももう大人だ。気にしないだろう」と答えた。
十丸院は可久士に「いっそ、漫画家ものってどうです?下ネタ漫画家が娘に仕事隠すって話」と提案したが、可久士は「誰が読むんだよ。そんなの」と答える。
そのやり取りを見ていた羅砂は、彼女の仕事場が勝手に間借りされたことも二人が話をしていたのもいいとは思わなかったようで、「ここ私の仕事場なんだけどー?」と呆れていた。
そしてラストシーン。仕事着の可久士と18歳になった姫が、前に向かって歩く。姫が「隠し事は…なんですか?」と問いかけてこの物語は終わる。
『かくしごと』の登場人物・キャラクター
後藤家
後藤可久士(ごとう かくし)
CV: 神谷浩史
思い込みが激しく強気と弱気だけ、中間のない極端な性格の主人公。
「KTMCMC(きんたましまし)」と言ったエッチ系な作品を描いている、ヒットまでは至らないが打ち切られない程度の人気はある漫画家。
娘の姫が生まれた直後、医師たちから可久士の著書(下ネタ漫画)を読んでいると言われ、猛烈に恥ずかしい想いをする。そしてそんなものを描いていることを成長した娘に知られたら引きこもってぐれてしまうと恐れ、自分の職業が漫画家であることを徹底的に隠し、普通のサラリーマンであると噓をついて隠している。
仕事では熱を入れた部分と世間の評価がしばしば食い違うことに不満気味で、自身がキャラクターデザインを担当したアニメや原作を担当した作品が自分の描いている作品よりも人気が出るなど不本意な結果になることが多々ある。
アシスタントの描いた作品に対して的確なアドバイスを与えるベテラン作家らしい姿を見せるが、思い込みの激しい性格故に「二本に一本打ち切られている」などと自虐的な発言が多く、サイン会に来てくれたファンをサクラと疑うなど何度も自信を失いかけている。
かつて鎌倉に平屋建ての家を構えそこに住んでいたが、妻が海難事故で行方不明になったことをきっかけに東京に引っ越し、姫10歳編では目黒区中目黒に平屋建ての家を構え、そこに姫と一緒に暮らしている。仕事場として渋谷区のマンションを借りている。
本名で漫画家デビューした(10年以上も本名で描いているから今更ペンネームを使えない)ため、何かと不便を感じており、プライベートでは偽名として後藤 和士(ごとう かずし)を名乗っている。
先述の通り姫には、自分が漫画家であることを隠しているため姫のクラスメイトからは貧乏と思われている。それを気にした姫に対して「オレはそこいらのサラリーマンより稼いでるわ!」と発言しているが、姫への投資と生活費以外は海難事故で行方不明になった妻の捜索費用に使っているため実際苦しい生活を強いられていた。
姫18歳編では漫画家をやめ倉庫作業員として働いていたが、姫が17歳の時事故に遭い昏睡状態になってしまう。その後姫が鎌倉を訪れたあとに意識が回復するが記憶は姫が10歳のままで止まってしまっている。
後藤姫(ごとう ひめ)
CV: 高橋李依
何を考えているのかよくわからない天然な面もあるが、基本的には父親思いのしっかり者で人を疑うことを知らない無邪気な少女。しかし自分が傷つきそうになると考えるのをやめて「見なかったふり」をすることで自己防衛を図る傾向がある。祖父、父、母と代々画業を生業にしている家系ということもあってか絵画の才能に長けており、小学校では似顔絵コンクールの金賞を受賞、高校では絵画のコンクールに入賞している。
姫10歳編では、東御ひな、古武シルビア、橘地莉子の三人と一緒に子ども探偵団「めぐろ川たんていじむしょ」を結成し、楽しく小学校生活を送っている。度々父の仕事がばれそうな時があったが、先述した「見なかったふり」をすることによって10歳の時点で姫が可久士の仕事が漫画家であるというのがばれることはなかった。
姫18歳編では、可久士との生活が壊れることを恐れて仕事を知ろうとは思ってもいなかったが、鎌倉の倉庫に来た時に初めて父の仕事が漫画家であることを知る(つまりその時まで可久士が漫画家であることを知らずにいた)。
後藤 ロク(ごとう ロク)
CV: 花江夏樹
犬を飼いたがっている姫の想いをどこから聞いたのか、姫の祖父である戒潟 魁吏が送ってきたゴールデンリトリバー犬。戒潟家で飼っていた時は代々飼っている犬の四代目にあたることから「四代目」と呼ばれており、きちんとした名前が無かったのだが、姫が犬を役所に登録する際、職員が「ご登録でよろしいですか」と聞いたのを「後藤ロクでよろしいですか」とそれを元からついていた犬の名前だと勘違いし気に入ったため「ロク」と名付けられた。
後藤夫人(本名不明)
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目次 - Contents
- 『かくしごと』の概要
- 『かくしごと』のあらすじ・ストーリー
- 姫が生まれた瞬間、可久士は仕事を隠すことを決めた
- 姫が10歳の時の物語
- そして姫が18歳になった時。
- 『かくしごと』の登場人物・キャラクター
- 後藤家
- 後藤可久士(ごとう かくし)
- 後藤姫(ごとう ひめ)
- 後藤 ロク(ごとう ロク)
- 後藤夫人(本名不明)
- 戒潟 魁吏(いましがた かいり)
- 石川なんとかェ門
- G-PROメンバー (可久士のアシスタント)
- 志治 仰(しじ あおぐ)
- 芥子 駆(けし かける)
- 筧 亜美(かけい あみ)
- 墨田 羅砂(すみた らすな)
- 『週刊少年マンガジン』編集部
- 十丸院 五月(とまるいん さつき)
- 大和 力郎(だいわ りきろう)
- 内木 理佐(うちき りさ)
- 後藤家の近所の人々
- 六條 一子(ろくじょう いちこ)
- 千田 奈留(せんだ なる)
- 汐越 羊(しおこし よう)
- 城路 久美(じょうろ くみ)
- マリオ
- 姫の友人
- 古武 シルビア(こぶ シルビア)
- 東御 ひな(とうみ ひな)
- 橘地 莉子(きつち りこ)
- 相賀 加代(あいが かよ)
- アユ
- その他の人物
- ナディラ
- 不二多 勝日郎(ふじた かつひろ)
- 阿藤 勇馬(あとう ゆうま)
- もりどくん
- 『かくしごと』の用語
- 担当替え
- 作家が描きたいものを描かせないのが編集の仕事
- IT革命デジタル化
- 校了
- 『かくしごと』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「隠し事は何ですか?」
- 「お父さんの隠し事は…お父さんの隠し事は…描く仕事でした」
- 「私にとってお父さんは金メダルってことだよ」
- 「お父さん。私…18歳になりました」
- 『かくしごと』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作のアイデアは編集者から提案されたものだった
- 実は久米田自身も警察に職質を受けた事がある
- かつての作品に似たキャラクターも存在
- 『かくしごと』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):flumpool『ちいさな日々』
- ED(エンディング):大滝詠一『君は天然色』