さよなら絶望先生(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『さよなら絶望先生』とは2005年から2012年まで『週刊少年マガジン』で連載された久米田康治によるコメディ漫画及びアニメ作品である。教師・糸色望は期待あふれる始業式の日に首つり自殺を図る。そこへ通りがかったポジティブ少女、風浦可符香に出会い助けられる。その後、新しく担任となったクラスに行くと自分の命を助けた少女はそのクラスの生徒だった。ネガティブ思考の教師と問題児ばかりの集まった教室で繰り広げられる痛烈な風刺コメディ。

『さよなら絶望先生』の概要

『さよなら絶望先生』とは2005年から2012年まで『週刊少年マガジン』で連載された久米田康治によるコメディ漫画及びアニメ作品である。コミックスは全30巻。
アニメーション制作はシャフトが担当し、2007年にテレビシリーズ第1作がアニメ化されてからテレビシリーズが3作、OVAが2作製作されている。
世界観は現代社会と近代文学風のレトロ調とが混在しており、「昭和」の元号が続く現代日本という設定だ。背景描写や文化描写はもちろんのこと、主人公の設定に太宰治の影響が見られたり、サブタイトルが概ね近現代文学作品の題名や一節のパロディだったりするなどの特徴がある。タイトルなどでは昭和モダン体が多用されたりするほか、主な舞台も「東京府の小石川区」となっている(講談社所在地が旧小石川区に当たるためだと思われる)。

その名前から絶望先生と呼ばれる糸色望(いとしきのぞむ)は超ネガティブ体質の教師。そんな彼が赴任した先のクラスは問題児ばかり集まる教室だった。恋愛ストーカー体質少女、二重人格の帰国子女、メール毒舌少女、それに不法入国少女などである。キャラクターの濃い生徒たちが問題を起こす。時には事件に巻きこまれたり、時には自身で引き起こしたりしながら、ドタバタ劇を繰り広げる風刺たっぷりのコメディだ。

『さよなら絶望先生』のあらすじ・ストーリー

基本的には一話完結の形式を取っている。オチで重大な事件に発展しても、次回では何事もなかったようになっているのだ。例外もあり、前話でキャラクターたち(主に絶望先生)の身に降りかかったことが、次回に反映されていることもあった。

ストーリーは世事や出来事に対して、ネガティブ思考の絶望先生が妄想を膨らませて暴走することで始まる。例えば生徒に進路希望を書かせるときに「大抵は希望なんて叶うわけない、どうせなら進路に絶望的なことを書け」と、生徒に絶望的な未来図を書かせたりしている。

巻きこまれて暴走するパターンもある。文部科学省の天下りがクラスの生徒としてやってきた時のことだ。「人生には天下って目下の人間に威張り散らしている人間がいる」と、自分も高校生に天下り、中学生、小学生と暴走するように天下っていったこともあった。

主人公の絶望先生だけでなく、女子生徒たちも暴走してしまうのが面白い。基本的に勘違いにより暴走してしまうのだが、大抵が血みどろな事態に発展している。

『さよなら絶望先生』の登場人物・キャラクター

糸色 望(いとしき のぞむ)

CV:神谷浩史
クラスの担任。名前の通り、世の中の様々なことに絶望している超ネガティブ体質。初期の頃はことあるごとに自殺しようとし、心中リストで一緒に死ぬ相手を探したり、めぼしい自殺場所候補をメモしていた。由緒正しい家柄の出。彼のネガティブ思考が暴走することで、物語が展開する。

風浦 可符香(ふうら かふか)

CV:野中藍
どんなことでもポジティブに考える超ポジティブ体質。首つりをしている人を身長を伸ばそうとしていると言ったり、ひきこもりを座敷童と言ったり、何でもポジティブな言い方に捉えてしまう。来世で自分は神と言ったり、宇宙人と交信したり、オカルトな方面で暴走することもある。暴走して他人の精神を崩壊まで追い込むこもしばしば。実は名前がペンネーム。

木津 千里(きつ ちり)

CV:井上麻里奈
真ん中分けの髪型が表す通り、なんでも白黒はっきりつけないと気がすまない少女。服装の乱れはもちろん、あやふやなことは全部きっちり調べ上げないと精神が不安定になってしまう厄介な性格。時には猟奇的な事件を起こしてしまうこともある。

小森 霧(こもり きり)

CV:谷井あすか
引きこもりの不登校少女だったが、説得に来た糸色望に心を開く。以降は学校に引きこもり、不下校少女になってしまった。

常月 まとい(つねつき まとい)

CV:真田アサミ
好きになった男を四六時中監視し、常に背後をついてまわるストーカー体質少女。そのストーカー行為を止めようとした先生を勘違いで好きになってしまう。以降、先生をターゲットにストーカー行為を続けている。その時、急に音沙汰なくなったことが気になり、ストーカー行為を受けていた元カレが絶望先生を追うまといをストーカーするという逆転の現象が起きてしまった。さらにその元カレの今の彼女、その彼女が働くキャバクラ店の客、その客の奥さん、その奥さんが通うクリーニング店の店主、とストーカー数珠つなぎという騒動に発展している。

木村 カエレ(きむら かえれ)

CV:小林ゆう
帰国子女のバイリンガル少女。しかし帰国した際に日本の生活に慣れずに人格が崩壊してしまう。初期の設定では帰国子女としての人格の木村カエレと日本人としての性格の木村楓の2つしかなかった。後半のエピソードでは多数の人格が登場するようになった。

小節 あびる(こぶし あびる)

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