The Hanged Man(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『The Hanged Man』とは2017年5月11日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第四作目。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。
内にこもりがちな主人公ウィルが親友を探すために廃墟を探索する。その中で起こる事件を通して、親友との別れや新たな人々との出会いを経験し、成長していくストーリー。これまでの主人公達が登場するなど、作品のファンに大きく期待された。

ロバート・ヘイズ(Robert Hayes)

廃墟で出会った男性で、エドワードの兄。彼も昔シェルターであった精神病院にいたことがある。
冷静で賢そうに振る舞うが、弟の話になると逆上し高圧的になる。
弟の殺人を隠蔽し、彼を逃がそうと準備を進める。弟に食料を差し入れるほか、もしもの時のために拳銃を廃墟に隠すなどしていた。

『The Hanged Man』のアイテム

ジョージ・シュミッドの手帳

手帳は鍵のかかったキャリーケースに保管されていた。

エドが探していた手帳。殺人犯であるジョージ・シュミッドが彼なりの哲学や、殺害方法を記していた。エドはこれを幸せになれる方法が書いてあると思い込み、手帳の中身を実行するためにウィル達を狙うようになっていった。

首のない人形

首のない、古びた人形。髪の毛がグルグルと巻きつけられており、かなり不気味な見た目をしている。
探索で行く先々に移動しており、気味の悪い人形が勝手に動いているという恐怖演出。

『The Hanged Man』の用語

「幸福の殺人」事件

吊るされた男達の死体を思わせる影

精神病院であった今作の舞台、「Deep Woods Hospital」は廃業した後資産家に買い取られ、ホームレスのためのシェルターとして運用されていた。
資産家の呼んだ神父の話を聞くうちに、ホームレスたちは独自の哲学を持つようになる。彼らは皆、何らかの自業自得によってホームレスという境遇になり、苦しんでいた。彼らは自分たちは罪を犯したから今不幸なのだと考え、また「自己の犠牲によって他者を幸福にできる」とも考えていた。
そして、「自分が幸福になるためには罪を持つ他者の犠牲が必要だ」という考えに至り、やがてシェルターで5人の男が吊るされるという殺人事件が起こる。
事件当時の様子がはっきりしないこと、実行犯たちが口々に「自分は今幸福だ」と発現発言したことなどから「幸福の殺人事件」はオカルト視されるようになり、閉鎖されたシェルターは心霊スポットとなった。

『The Hanged Man』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

エドの思想は殺人犯から影響を受けたもの

儀式用の縄を持つエド

エドは終盤「幸せになりたいんだ」とウィルに襲い掛かるが、彼がこのような思考に至った詳しい経緯は作者の制作メモに記載されている。
エドはシェルターにいた頃、「幸福の殺人」事件の犯人の1人から「自己の犠牲によって他者を幸福にできる」という思想を教えられていた。エドは自分がいま苦しんでいるのは父親のためだと思うようになり、いつかは自分が幸せになれると信じていた。
エドに思想を植え付けた事件の犯人であるジョージ・シュミッドは彼なりの哲学や殺害の方法を記した手帳をエドに見せており、ゲームで彼が探していたのは幸せになるための方法が書かれているはずのこの手帳である。

ロバートの行動は家族のため

エド(左)を抱きしめるロバート(右)

ロバートは作中でエドのために攻撃的な振る舞いを見せるが、その行動は家族のためであったと製作者は語っている。
ロバートは結婚しており、妻がいる。その妻が身ごもったことで父親への仕送りをやめようと考えるが、父親はすでにエドによって殺害されていた。
廃墟でエドと再会したロバートは彼の行動は自分のせいだと悔やみ、弟を逃がすために行動していた。

『The Hanged Man』の公式HP

制作者HPでは作品の説明だけでなく裏話、イラストなども公開されている。

urigames.web.fc2.com

9xutchey
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@9xutchey

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