The Boogie Man(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『The Boogie Man』とは2015年9月5日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第三作目。古城ツアーに参加した刑事キースは、攫われた妻や他の参加者を救出するために殺人鬼ブギーマンを追いかける。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。サスペンス要素が強く、主人公の行動によってENDが5種類に分岐する。

『The Boogie Man』の概要

『The Boogie Man』とは2015年9月5日公開、Uri Games・うり制作のホラーホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第三作目。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。
雑誌にゲーム紹介の記事が掲載されるなど非常に期待されていた。
ゲームの配信サイトSteamではレビュー全体で「非常に好評」と評価されており、熱心なファンのために『The Hanged Man』を含む『The Strange Man』シリーズ4作のバンドルが作成され、度々セールの対象となっている。

プレイヤーは主人公キースを操作し、攫われた妻や他の参加者を救出するために古城を探索し、ブギーマンへ挑むことになる。
マルチエンディングを採用しており、エンディングは全部で5つ。ハッピーエンドは1種類のみで、残りの4つはすべてバッドエンドである。
対応言語は日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語。キャラクターのセリフにボイスがついているが、英語のみとなっている。

『The Boogie Man』のあらすじ・ストーリー

休暇を言い渡された刑事キースは妻のヘレナと共に古城への観光ツアーへと参加するが、そこで凄惨な殺人事件が起こってしまう。
“あなたはプレイヤーとなってブギーマンを追いかけます。ブギーマンを捕まえればあなたの勝ち!ハッピーエンドです。
捕まえられなかったらあなたの負け。最低なバッドエンドが待っているでしょう!”
キースはブギーマンを名乗る殺人鬼に攫われた妻や他の参加者を救出するために古城を探索することになる。

物語開始から事件発生直前

別れ話を切り出した後、キース(左)にお休みのキスをするヘレナ(右)

刑事である主人公キース・ベアリングは強引な捜査手法が原因で上司から一か月の休暇を言い渡される。それはマスコミ対応の悪いキースを現場から引き離すための自宅謹慎のようなものだった。その際上司から古城ツアーをプレゼントされ、妻ヘレナと行ってくるように勧められる。
古城ツアーに参加したベアリング夫妻は移動中の船で前作までの登場人物だったデヴィッドやソフィー等と出会う。妻を含む周囲の人物に終始素っ気ない対応をとるキースと、それを受けて沈んだ表情になるヘレナ。
古城に到着し、城主であるブランドンから歓待を受けるツアー参加者たち。キースは古城の中を見学しているうちに書斎で監禁、拷問などと書かれた資料を見つけてしまい、今いる建物に物騒な歴史があることを知る。
城主のブランドンはその歴史についても明るく語り、自分には価値がわからず管理が大変なため観光資源にしたと述べる。その過程で彼が両親を事故で亡くして若くして城を相続したこと、ハリウッドの学校へ通っていたことや彼が華やかで注目される立場に憧れていることなどが明かされる。
ディナーの後部屋に戻ったキースはヘレナが泣いている姿を目撃してしまう。慌てて涙を隠そうとするヘレナだったが、キースに泣いていた理由を問われ彼との話し合いを望む。キースと向かい合ったヘレナは、今日は自分たちにとって大事な分岐点であり別れ(Divorce)か決断(Decision)を選ぶDデイだと語る。自分を嫌いになったから離婚したいのかと問うキースにヘレナは嫌いになったのではなく、ヘレナ自身の問題なのだと否定する。
困惑するキースだったが、ヘレナは話を打ち切り、キースの頬にキスをして「愛してるわ」と告げると先に寝室に引きあげてく。

事件発生からグランドラー父子救出

趣味の悪い装飾が施された舞台に立つブギーマン

ヘレナに別れを切り出されたキースは寝室に入ることが出来ず、一人で煙草をふかしていた。鳴り続ける携帯を探して寝室に入ると妻はいなくなっており、動揺する。そんな彼の元にドア下の隙間から「お知らせ!楽しいショーが始まります 大広間までお越しください」と書かれた手紙が届けられる。
キースが大広間に入るとそこは不気味なスポットライトと真っ赤な文字で飾り付けられた悪趣味な空間となっていた。キースの背後から覆面をした謎の男が現れ、自らをブギーマンと名乗る。彼はコメディアンや演者のような仕草でこれから楽しいゲームをはじめるとキースへ告げた。
ゲームのルールはキースがプレイヤーとなってブギーマンを追いかけること。キースがブギーマンを捕まえればハッピーエンド、捕まえられなければ最低なバッドエンドが待っているというものだった。
しかしブギーマンは刑事であるキースにはすぐに負けてしまいそうだと語り、「俺がアンタ以外の奴を殺していく……アンタがそれを止めるってのは?」とルールの変更を告げた。ブギーマンは城主であるブランドンを舞台の上に吊り下げ、首を切り落として殺害し、一方的にキースとのゲームを開始する。
キースは古城を見て回るが、建物の中は添乗員や使用人たちの惨殺死体が転がり、赤い文字で落書きが施されるなど悲惨な状態となっていた。凄惨な死体と、悪趣味な謎解きがちりばめられた古城を探索していくうちに、キースは地下牢のような場所で妻のヘレナを見つける。牢越しに束の間の再会を喜ぶベアリング夫妻だったが、ヘレナは助けようとするキースを振り切って立ち去ってしまう。
更に探索を進めたキースは、ブギーマンに捕らわれ巨大な回転ノコギリにかけられたカメラマン、ランスを発見。ノコギリの歯を鉄板で押さえ、その間に拘束具を解除してランスを救出する。殺されかけたランスの姿に、キースは自分も新人の頃死にかけたことを語り彼を慰める。同時に警官が震えていては市民が不安になると先輩に叱咤されたことが語られ、彼が冷静な警官として振る舞う理由の一端が明かされる。
更なる犠牲者を出さないため、妻だけでなく他の参加者も探すキース。次にブギーマンを発見した部屋では、赤い髪の少女ソフィー・グランドラーとその父親が拘束され、針山の上に吊り下げられていた。ブギーマンはキースに「どっちかを引き上げれば、もう一方が落ちるようになってる」と二人のどちらを助けるのかと選択を迫る。互いに相手を助けてくれと訴えるグランドラー父子。キースはソフィーの下にテーブルを設置し、自分を信じて絶対に動かないよう告げ、父親のロープを引き上げた。父親のロープが引き上げられるとともに落下するソフィーだったが、キースはソフィーの下に入り身を挺して彼女を庇う。幸いにも、テーブルを針山が突き破ることはなく、ソフィーとキースは両方とも無傷で生存。キースはグランドラー父子を救出することに成功する。

グランドラー父子救出後からデヴィッド救出

母親をネタに揺さぶりを受けるデヴィッド

ランス、グランドラー父子を助けたキースは三人を古城の一室に待機させ、一人で探索を再開した。途中、ブギーマンが妻ヘレナを襲う映像を見せられるなど不安を煽られる。その後古城の外で倒れていた青年デヴィッド・フーヴァーを発見し、合流する。キースはデヴィッドにランス達のいる部屋で待機するよう勧めるが、デヴィッドは連れ去られた妻のシャーリーを心配しついてくると主張。キースはデヴィッドと同行することになる。
卵やナイフが飛んでくる仕掛けやブギーマンが置き去りにした血まみれの箱など悪趣味な嫌がらせに遭いつつ、キースとデヴィッドは礼拝堂でシャーリーを発見する。シャーリーを十字架に縛り付けたブギーマンは更に礼拝堂に火を放つ。躊躇いなく水を被って炎に飛び込んだデヴィッドは、シャーリーの拘束を外し、彼女を十字架から下ろすことに成功する。更に強くなる炎に窮地に立たされるフーヴァー夫妻だったが、今度は外から回り込んだキースが水道管を破壊することによって礼拝堂の火が消え、二人そろって生還する。
意識を取り戻したシャーリーを救助者たちの部屋に残し、デヴィッドと共に更に探索を進めるキース。そんなキースの元に慌てた様子でソフィーの父親が現れ、娘がいなくなったと訴える。現場の状況からソフィーはブギーマンに連れ去られたわけではなく、自分で出ていたと推理したキースは、ブギーマンより先にソフィーを見つけようとする。自分に優しくしてくれたヘレナを心配したソフィーは、彼女を探そうと部屋から抜け出していた。しかし、その先でブギーマンに見つかり飢えた犬と共に密室に閉じ込められてしまう。ソフィーを助け出したキースは子を心配する父親として彼女を叱りつける。キースは一人息子のトッドを失っており、ソフィーを心配する父親の姿に過去の自分を思い出していた。
ソフィーを救助した後、キースは隠し通路を調べるためにデヴィッドと別行動をとる。一人で探索をするキースはブギーマンの不意を突いて彼を拘束するが、反撃され逆に気絶させられてしまう。その後ヘレナが現れるが、気絶するキースに語り掛けるだけで、再度姿を消してしまう。起き上がったキースはヘレナとブギーマンの会話が録音されたICレコーダーを拾い、ブギーマンがキースを人質としてヘレナを脅していたことを知る。ヘレナがキースの前から姿を消すのは、夫をブギーマンから守るためだった。
再び合流したデヴィッドとキースだったが、ブギーマンはデヴィッドに狙いを定め、毒ガスの充満する部屋に閉じ込めてしまう。デヴィッドはカーテンを体に巻く、窓を割るなどして毒ガスから身を守る。その間にキースは右腕を負傷しながらもデヴィッドが閉じ込められた部屋の鍵を探し出し、彼を救出する。

デヴィッド救出からブギーマンとの対決

息子を失い、傷心でキースを引き留めるヘレナ

負傷したキースを休ませる間、デヴィッドはキースと会話を重ねる。キースはデヴィッドの経歴から、彼のことを知っていたことを打ち明ける。そして息子を失った時のことを語りはじめる。キースは息子を失った際も、刑事としての仕事を優先し悲しむヘレナを置いて仕事に向かってしまった。キースは息子が死んだときも、死んだ後も他人を救うために駆け回っていたことで、自分の感情を見失ってしまっていた。そんなキースにデヴィッドは「あなたのせいじゃない」という言葉をかける。デヴィッドは義務やプライドで自分を騙していると語り、キースが自分の大切なものだけを守っても誰も責めないと告げる。
デヴィッドの言葉と、ヘレナが自分を守るためにブギーマンに立ち向かい、逃げ続けていることを知ったキースは目を背けていた現実に向き合うことを決める。キースは後手に回って参加者を救助して回るのではなく、諸悪の根源であるブギーマンを倒しに向かう。

古城の最上階でブギーマンと対峙したキース。ブギーマンは追いつめられた状態でも意味ありげにキースに語り掛けるが、覚悟を決めたキースはブギーマンのその行動を笑い飛ばす。キースはブギーマンについて、ただ逃げているだけで自分の敵ではないと語り、「良くも俺の女のケツを追いかけやがったな」とキースは戦いを挑む。ブギーマンに翻弄されていた今までと違い、人質を気にする必要のなくなったキースはブギーマンをからかうように挑発しながら圧勝した。

『The Boogie Man』のゲームシステム

公式サイトにすべての攻略が掲載されている。

urigames.web.fc2.com

探索

古城を探索するキース(右)とランス(左)

ステージを歩き回り、謎解きのヒントやブギーマンに対抗するための道具などを集める。ホテルの中は暗く、不気味な飾り付けがされておりプレイヤーの恐怖を煽る。

アクション

犬から逃れるために棚に登ったソフィー(右上)

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