The Sand Man(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『The Sand Man』とは2014年2月28日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第2作目。不眠症の少女ソフィーが、すべての人々が眠ってしまった世界を救うためサンドマンに立ち向かう物語。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。サスペンス要素が強く、主人公の行動によってENDが6種類に分岐する。

『The Sand Man』の概要

『The Sand Man』とは2014年2月28日公開、Uri Games・うり制作のホラーホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第二作目。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。
世界は不眠症の少女ソフィーたった一人を残して眠りについてしまう。十二時で時間が止まってしまった街で、自分に関わる人々を探すソフィー。彼女は世界を永遠に眠らせようとする妖精サンドマンの計画に気づき、彼を止めるために妖精たちの世界に飛び込んでいく。
ゲームの配信サイトSteamではレビュー全体で「非常に好評」と評価されており、熱心なファンのために『The Hanged Man』を含む『The Strange Man』シリーズ4作のバンドルが作成され、度々セールの対象となっている。

マルチエンディングを採用しており、エンディングは全部で6つ。ハッピーエンドは2種類、残りの4つはすべてバッドエンドである。
対応言語は日本語・英語・中国語・韓国語。

『The Sand Man』のあらすじ・ストーリー

“しーっ
しずかにして……
お口をとじるの
……何も心配しなくていいのよ
あれはただのモンスターのうなり声だから……
クローゼットの中のね
ふふっ
冗談よ
……そう
それじゃ、あなたはまだおねむじゃないのね
それなら、こわい話をしてあげるわ
こわくてこわくてたまらない、
サンドマンのお話―――“
主人公の少女ソフィーは、家庭でのすれ違いや学校でのいじめなど様々な要因から不眠症を患っていた。そんなソフィーはある日、すべてが眠った街に迷い込んでしまう。
街の人々を目覚めさせるため、ソフィーは人々を眠らせる力を持ったサンドマンという妖精を追っていく。

学校での探索

赤い影に連れ去られるアン(画像中央)

主人公の少女ソフィーは学校でいじめられていた。自分をからかういじめっ子を無視する、心配するが助けてくれない学友アンに「いっつも私のこと、見ててくれるんだもんね」と嫌味を言うなど強気な面を見せる。成績が優秀だとシスターに褒められるが、そこでソフィーが不眠症を患っていることが発覚する。
その日の夜もソフィーは眠りにつけずベッドの中で横たわっていたが、不意に時計の音がしないことに気付く。家中の時計が止まっていることを不審に思ったソフィーは自宅の外に出るが、街の中ではソフィー以外の人物が皆眠ってしまっていた。
一人公園で途方に暮れるソフィーだったが、そこで知り合いの青年デヴィッドと遭遇する。一緒に行動しようと誘うデヴィッドと別れ、ソフィーは学友のアンを探しに学校の寮へと向かう。
学校についたソフィーは、鍵のかかった扉を破壊して校内に侵入する。寮のアンの部屋にたどり着くが、そこにアンはおらずルームメイトが眠っているだけだった。深夜に自室にいないことを訝しんだソフィーはアンを探して二十四時間開放されている礼拝堂へと向かう。
すすり泣きの響く礼拝堂ではアンが十字架の裏に隠れ、怯えていた。何者かに襲われたと怯えるアンを連れてデヴィッドと合流しようとするソフィーだったが、礼拝堂から出る前に謎の赤い影に襲われてしまう。黒い影はアンを”嘘つき”と呼び、彼女を連れ去ってしまう。
連れ去られたアンを探すソフィー。影たちに話を聞くが、彼女達の話す言葉は嘘ばかりだった。彼女たちが嘘しか言わないことを逆手にとってソフィーは調理室奥の小部屋でアンを発見する。しかし影たちに囲まれて嘘つきと責められたアンは恐怖でパニックを起こし、ソフィーを突き飛ばして逃げてしまう。突き飛ばされたソフィーは怒り、今度はアンを探すことなく学校から立ち去ってしまう。

ショッピングモールからの脱出

へたり込んで泣き出すリーガン(画像右金髪の人物)

学校から出た後、ソフィーは公園のベンチでアンのことを思い出していた。そこへデヴィッドが合流し、異常事態を共有する。デヴィッドは再び一緒に行こうとソフィーを誘うが、ソフィーはそれを断り一人でブラムバーグショッピングモールへ向かう。
居眠りをしていたガードマンからセキュリティーカードを入手したソフィーはショッピングモールに潜入し、銃声を聞く。銃声の元を探ってたどり着いたシアターの観客席は軍人で埋め尽くされ、壇上ではいじめっ子のリーガンが磔にされていた。リーガンを磔にした軍人たちは彼女に罰を与えると盛り上がり、三十分後に銃殺すると決めてしまう。ソフィーは自分をいじめていたリーガンを心配し、危険を冒して彼女を助け出す。
ママが助けに来てくれるまでここにいると泣き喚くリーガンに、ソフィーは昔のことを思い出す。両親が喧嘩していて家に帰れないと泣くリーガンに、母を亡くしたことを語り弱虫ではいけないと諭す幼いソフィー。今は険悪な二人だったが、幼い頃は仲良く遊ぶ関係だったのだ。現実に戻ったソフィーは泣いて座り込むリーガンに、弱虫と言い放ち言い争いになる。ソフィーとリーガンはお互いに家庭環境がうまくいっていないストレスを抱えており、そのせいで二人の仲は険悪なものになっていた。
言い争いを終えた二人はショッピングモールから脱出することにする。段ボールに隠れながら見回りの軍人をやり過ごし、一階にたどり着くが、最後に見つかってしまう。なんとか外へと逃げ出すが、ショッピングモールの窓には大量の軍人が張り付いており、怯えた二人はもっと遠くへと走り去る。

父親の捜索

壁を壊して現れるドラゴン(画像上部)

なんとか軍人たちから逃げ切ったソフィーだったが、リーガンとはぐれてしまう。困った彼女はデヴィッドと合流してリーガンを捜索しようとするが、疲れからか座り込んでしまう。
デヴィッドに優しく励まされたソフィーは、彼と初めて出会った時のことを思い出す。学校でいじめられ追いつめられていたソフィーはデヴィッドに優しくされ泣き出してしまう。ソフィーは優しく接してくれるデヴィッドに恋をしていたのだった。
またデヴィッドと二手に分かれたソフィーは、父親を捜しに父が泊まり込みで仕事をしているはずの会社へと潜入する。
激務をこなす父親は幼いソフィーを充分にかまってやることが出来ず、過労で吐血し倒れてしまった。その際ソフィーは叔母夫妻が働きながらの子育てに難色を示していることや、自分を施設に預けるよう相談しているのを聞いてしまう。叔母から「いい子にして、パパを困らせないようにするのよ……」と言い聞かされたソフィー。その経験から彼女は無邪気な明るい子から背伸びをしたいい子、大人びた性格へと変化してしまった。
父親を見つけたソフィーだったが、その直後壁を破ってドラゴンが登場する。突然のことに困惑するソフィーだったが、父親に促され炎に包まれたビルから二人で脱出しようとする。燃える廊下を走り玄関まで辿りつくが、あと一歩のところで父親が転んでしまい、爆風でソフィーだけが会社の外へと放り出されてしまう。

デヴィッドの正体とサンドマンの目的

恋人の家で眠るデヴィッド(画像中央・茶髪の人物)

会社の外へと放り出されたソフィーは慌てて会社の中へと駆け戻るが、炎に包まれ崩壊していた会社は何事もなかったかのように元通りになっていた。異常な事態に頭を抱えて泣き出してしまうソフィー。
混乱したままデヴィッドと合流しようと公園へ向かったソフィーは黒い大きな馬の影を目撃する。その後を追ってとあるアパートにたどり着いたソフィーは、大きなベッドで一人眠る金髪の女性を見つける。そしてその隣の部屋のソファで眠る人物を発見し、激しく動揺する。
公園に戻ってきたソフィーを迎えるデヴィッドだったが、甲斐甲斐しく心配する彼をソフィーは拒絶する。アパートで眠っていた人物はデヴィッドだった。本来なら恋人の心配をするはずの彼が自分だけを心配している、その違和感からデヴィッドを偽物だと見破るソフィー。
ソフィーに正体を見破られた偽デヴィッドは子守唄と名乗る。彼は街のみんなが眠っている原因がサンドマンにあることを明かし、今までソフィーが出会った異常を自分が起こしていたことを明かす。今までソフィーが体験していたことは、ソフィーの抱えるストレスを取り除くための、彼女のための憂さ晴らしだったと明かす子守唄。しかしソフィーは怖い目に合う人々を見ていい気味だと思えず、ストレスを解消して眠りにつくことが出来なかった。
ソフィーは子守唄にサンドマンを止めるため、彼のところへ連れて行ってくれるように頼む。

妖精の世界

クローゼットに隠れたソフィー(赤髪の人物)と謎の手

子守唄に妖精の世界に連れてこられたソフィーは、サンドマンに会うために妖精の世界を探検する。ソフィーはサンドマンを止める方法を教えてもらうため、サンドマンと対立しているユニコーンを頼る。ユニコーンはソフィーにピンクの宝石を持ってくるように求めるが、サンドマンの家にあったピンクの宝石は偽物だった。困ったソフィーは機械を使って自分の中から宝石を吸いだしてしまう。宝石を見せられたユニコーンは喜ぶが、それがソフィーのものだと気付くと「悪いことしちゃったかな……」と呟く。
ユニコーンから貰った報酬をドワーフに加工してもらい、サンドマンに対抗するステッキを作ってもらうソフィー。デヴィッドに対する失恋や、子守唄の行為を相談するソフィーを優しく諭すドワーフ。「お前さんはちと大人びてはおるが、まだまだ子どもじゃわい」とソフィーを子ども扱いし、いい子だと優しく受け止める。
妖精たちと交流する中で、大人びてひねくれたソフィーを妖精たちは大らかに受け止めていく。ソフィーは妖精たちによって久々に子供あつかいをうけ、純粋な心を取り戻していく。
サンドマンの目的は世界中の時を止め、人間を永遠に眠らせることだった。地球が丸い事が発見されたためどこかが夜でもどこかは昼になり、夜でも寝ない人間が増えたことでサンドマンは眠ることが出来なくなってしまった。人間たちの寝顔を愛していたサンドマンだったが、仕事に追いつめられ眠れなくなってしまったことで疲れ果て、世界中の人々を眠らせて自分も眠ろうとしていた。
サンドマンの苦しみを知ったソフィーは悲しみながら、永遠に眠り続けることは出来ないと家の屋上でサンドマンと対峙する。ピンクの宝石の有無、サンドマンを倒すか否かでエンディングが分岐する。グッドエンドでは元の世界に戻ることができるが、バッドエンドでは人々は眠ったままになる。

『The Sand Man』のゲームシステム

公式サイトにすべての攻略が掲載されている。

urigames.web.fc2.com

探索

サンドマン宅のトラップ

rion5115
rion5115
@rion5115

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