ポリス・ストーリー2/九龍の眼(ジャッキー・チェン)のネタバレ解説・考察まとめ
『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』とは、1988年に公開された、ジャッキー・チェン主演のポリスアクション作品である。犯罪組織のボスであるチュウ一味を逮捕したチェン刑事だが、彼等逮捕する際に器物破壊等の行為で多大な損害を出してしまう。これにより制服警官への降格、交通係への勤務を命じられる。地道に働くチェンだったが、その背後で爆弾事件が発生する。人気シリーズ第2弾であり、派手な格闘、爆破シーンが話題となった。
『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
チェン「法を守るべき身ですが、脅しに屈する方が警官として恥ずべき事です」
チュウの側近ジョンによる嫌がらせは、チェンの恋人メイや彼女の叔母にまで及んだ。チェンは、ジョンや彼等の手下達がいるレストランへ出向き、メイに手を出すなと言うが全く聞く耳を持たなかった。チェンは怒り、彼等とその場で格闘戦を繰り広げる。レストランの椅子やテーブルを破壊してしまう。
警察署にてチェンは署長から、やっている事はチンピラと変わらない、警官ならば忍耐力が必要だと𠮟責を受ける。それに対しチェンは、「法を守るべき身ですが、脅しに屈する方が警官として恥ずべき事です」と反抗する様に答えた。チュウや組織が絡んでいるから感情が出てしまうとチェンは指摘され、これでは上部に示しがつかないと署長は話す。するとチェンは、だったら辞めると言い、その場で警察バッジを外した。チェンの率直な正義感が伝わってきた言葉である。
メイ「私が欲しいのは優しさ、強さじゃないの」
チェンの反発にも懲りずにジョンの嫌がらせは続く。ある夜、チェンとメイが歩いていたところをジョンが現れ、拳銃を構える。発砲したと思いきや、それは水鉄砲だった。飛び出した水をチェンはとっさに避けるが、彼の後にいたメイに命中する。またもチェンは怒り、近くの公園内、路上で格闘を繰り広げた後、ジョンや手下達を追い払う。メイのもとへ向かうが、もしジョンが放った水だったら大怪我だった、私が一人だったらどうするかと、チェンに聞く。チェンが口を積むなか、「チェン、私が欲しいのは優しさ、強さじゃないの」と告げる。チェンが持つ強さで守ってくれる事も嬉しいが、それよりもただそばにいて欲しいという、彼女の切なる思いが伝わった一言ではないか。
チェンとライの格闘戦
アクションシーンが豊富な本作品の中でも、特に派手な演出がなされているシーンである。ライが見せた華麗な足技は後の作品にも影響を与えたほど見事なもので、『酔拳2』(1994年)に登場するロー・ワイコン等に受け継がれた。
『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ジャッキー・チェンの意向により大幅な設定変更
出典: pbs.twimg.com
本作品は撮影がほぼ済んだ際、ラッシュ(撮影状態確認)を見たジャッキー・チェンがストーリーの弱さを危惧したのか、脚本を全面的に改定した。当初は女優のエミリー・チュウ(映画『ファースト・ミッション』(1985年)や『男たちの挽歌』(1986年)等に出演)が、「事件に首を突っ込み過ぎ、命の危機にさらさる記者」という主役級の役を与えられ、日本の映画誌にも紹介されていた。ところが、本作品の全面改定により、彼女の出演場面は全てカットされてしまう形となった。
体を張った出演陣
主演のジャッキー・チェンのみならず、共演の俳優も自ら体を張っている。チェンの恋人メイを演じたマギー・チャンは、クライマックスの犯行グループのアジトでのアクション撮影中で頭部を負傷した。彼女が周りのスタッフにより処置をされている様子は、本作品のエンディングにてNGシーンとして流されている。
ジャッキー・チェンが多忙を極めた1980年代
本作品の製作の開始時期は1987年秋頃である。また同時期には『奇蹟/ミラクル』(1989年)が脚本の練り直しで撮影を中断、『サイクロンZ』(1988年)の撮影も入っていた。『サイクロンZ』撮影中にジャッキー・チェンは雑誌のインタビューに答え、次回作は『ポリス・ストーリー2』で、できるだけ早くクランクインしたいと告げた。1980年代における、アクション俳優ジャッキー・チェンの多忙だった様子がみてとれる。
『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の主題歌・挿入歌
日本公開版主題曲:ジャッキー・チェン『英雄故事』
香港公開版:ジャッキー・チェン『我要沖霄』
本作品の主題歌として録音された曲だが、日本公開版には使用されていない。
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目次 - Contents
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の概要
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』のあらすじ・ストーリー
- 交通係への降格へ
- 次なる事件の幕開け
- 波乱の中での任務遂行
- 強さや守る事の意味
- 爆破事件の捜査介入
- 証明されてきた犯人像
- 犯行グループの度重なる悪行
- 犯行に従うチェン刑事
- 犯行グループとの対決
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- チェン・カクー(演:ジャッキー・チェン)
- メイ(演:マギー・チャン)
- 香港警察
- キム(演:マース)
- チョウ(演:トン・ピョウ)
- 署長 (ラム・コーホン)
- CID刑事(演:ラウ・チウワン)
- 犯罪組織
- チュウ・タオ(演:チュウ・ヤン)
- ジョン・コー(演:チャーリー・チョウ)
- 爆弾テロリスト
- ラム(ラム・コクバン)
- ライ(演:ベニー・ライ)
- ショッピングモール会社関係
- フォン社長(演:クワン・シャン)
- 秘書(演:イザベラ・ウォン)
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の用語
- 眼鏡
- 逆探知
- バス
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- チェン「法を守るべき身ですが、脅しに屈する方が警官として恥ずべき事です」
- メイ「私が欲しいのは優しさ、強さじゃないの」
- チェンとライの格闘戦
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ジャッキー・チェンの意向により大幅な設定変更
- 体を張った出演陣
- ジャッキー・チェンが多忙を極めた1980年代
- 『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の主題歌・挿入歌
- 日本公開版主題曲:ジャッキー・チェン『英雄故事』
- 香港公開版:ジャッキー・チェン『我要沖霄』