新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION(第2期)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』とはテレビ東京系列で全41話放送されたアニメ作品である。『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』の続編であり、前作同様、子供だけでなく大人の鉄道ファンにも人気の高い作品となっている。オカルトが大好きな主人公・新多シンは姉のアユと共に碓氷峠鉄道文化むらを訪れ、そこで偶然「シンカリオンZ」の運転士適合者に選ばれる。シンは仲間と共に世界の平和と安全を守る為、謎の巨大怪物体と戦っていく物語である。

『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』の概要

『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』とは、テレビ東京系列で2021年4月9日から2022年3月18日まで全41話が放送されたテレビアニメである。
本作はタカラトミーから発売されている、新幹線からロボットに変形するプラレールの玩具シリーズ『新幹線変形ロボ シンカリオン』を基に制作された。玩具シリーズ『新幹線変形ロボ シンカリオン』はジェイアール東日本企画・小学館集英社プロダクション・タカラトミーの3社によってプロジェクトが立ち上がり開発がスタートした。その為、実際に運行されている新幹線がモデルとなっており、幼児向けの玩具であるが鉄道好きの大人にも人気が高い商品となっている。
本作は『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』から数年後が舞台となっており、前作同様実際にある日本の鉄道や駅、地方の名産品や特徴を忠実に再現されている為、子供だけでなく一緒に視聴する大人も楽しめる作品に仕上がっている。また、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』やサンリオのキャラクター『ハローキティ』とのコラボ回が放送される等、他作品とのコラボやパロディが所々に散りばめられていることも面白さの1つである。

「キトラルザス」という高度な文明を持った地底人との戦いから数年後、世界は「シンカリオン」と呼ばれる巨大ロボットの活躍により平和を取り戻していた。しかし、そんな世界に新たな敵「テオティ」が迫っていた。
突如として現れる巨大怪物体。その日、オカルト大好きな小学生・新多シン(あらた しん)は、ジャーナリストを目指す姉のアユと共に「碓氷峠鉄道文化むら」を訪れていた。このテーマパークの地下には「超進化研究所・横川支部」と呼ばれる研究施設が極秘に造られており、中では新たな敵に備えて、シンカリオンを強化改良した「シンカリオンZ」と「ザイライナー」というロボットを開発していた。偶然にもその事実を知ってしまったシンは、適合率が高いことでシンカリオンZ「E5はやぶさ」の運転士に任命される。
人類を滅ぼそうと暗躍するテオティに対して、シンは同じくシンカリオンZの運転士として選ばれた仲間達と共に世界の平和と安全を守る戦いへと身を投じることになった。その戦いは、2つの種族の存亡をかけた大きな戦いへと発展していくのだった。

『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』のあらすじ・ストーリー

シンカリオンZとの出会い

本作の主人公・新多シン(あらた しん)は、オカルト大好きな小学5年生。シンは姉のアユと共に群馬県横川にある「碓氷峠鉄道文化むら」を訪れていた。2人が昼食を取っていると、シンはひょんなことから不良達に絡まれてしまう。しかし、その場にいたカメラマン・明星アケノ(みょうじょう あけの)とシンと同い年の少年・碓氷アブト(うすい あぶと)に助けられる。
その直後、アブトは敵の出現の知らせを受けてその場を去ってしまう。シンはアブトを追って鉄道文化むらの中までやって来ると、その地下でシンカリオンZ「E5はやぶさ」を発見して驚く。鉄道文化むらの地下には「超進化研究所・横川支部」というものが極秘に造られていた。横川支部は数年前に「キトラルザス」という種族と人類が戦った事件以来、新たな敵の出現に備えて「シンカリオンZ」と呼ばれる巨大な新幹線型の変形ロボットを開発していたのだった。
シンはアブトが持っていた小型ロボット・スマットに触れるとE5の適合率が92.5%であることが判明する。シンはシンカリオンZのことも巨大怪物体のことも何も知らない一般人であったが、出撃することを決意し、敵を撃破することに成功する。
その日の夜、シンは横川支部の指令長・十河サイジョウ(そごう さいじょう)と指令員・大石ミサキ(おおいし みさき)、そして整備長・島ゴイチ(しま ごいち)に自宅まで送ってもらう。そして、十河自らシンの母親・トキを説得してシンを正式なE5の運転士にするのだった。

翌日、シンは指導員・吾孫子カスミ(あびこ かすみ)と面会してシミュレーター訓練を開始するが、その途中で再び敵が出現する。シンはE5に乗って出撃するが、敵は昨日より強くなっており苦戦してしまう。その時、指令室にいるアブトから「ザイライナー」を使ったZ合体の指示を受ける。ぶっつけ本番のZ合体に不安を感じるシンだったが、なんとかZ合体を成功させると、敵を撃破することができた。

アブトは「Zコード」と呼ばれるQRコードによく似たものを探していた。Zコードは日本全国に複数あり、スマットで読み込むことで新たなザイライナーを起動させることができるものだった。
シン達はZコードを探しながら、秋田県や長野県を訪れて「E6こまち」の運転士・大曲ハナビ(おおまがり はなび)、「E7かがやき」の運転士・戸隠タイジュ(とがくれ たいじゅ)を仲間にする。
数々の戦いを通じて、敵の狙いが巨大な地下空間に設置されている謎の結晶体の破壊であることをシン達は知る。アブトは「テオティ」という種族の1人「ワダツミ」と接触してその目的を問う。ワダツミは「この地上をあるべき姿に還すこと」だと告げて去っていく。アブトは結晶体の破壊が人間の世界に危害を加える行為だと推測するのだった。

数日後、シン達は超進化研究所・大宮支部に異動することになる。しかし、異動の前に横川支部にワダツミが侵入する事件が発生する。ワダツミは「シンカリオンと戦う為に横川支部にやってきた」と告げると、自らの体を巨大怪物体へと変えた。出撃したE5は苦戦しながらもなんとかワダツミにダメージを与えることに成功する。ワダツミはシンカリオンZの実力を知ると、「我々テオティの邪魔をする者は必ず排除する」とだけ言い残してその場から姿を消したのだった。
大宮支部に異動して再スタートを切ったシン達の下に、「800つばめ」の運転士・中州ヤマカサ(なかす やまかさ)や「N700Sのぞみ」の運転士・安城ナガラ(あんじょう ながら)が仲間として加わると戦いは激しさを増していく。そんな中、アブトは突然「父さんの手がかりを掴んだ。父さんに会えたらすぐ戻ってくる」とシンに言い残しそのまま失踪してしまう。

ダークシンカリオン登場

「父親に会いに行く」と言って別れたアブトと、その後連絡が取れなくなり心配するシンだったが、そんな時にキトラルザスのゲンブと出会う。ゲンブは以前はシンカリオンと戦う敵だったが、今は大宮支部に所属する仲間であった。シンの胸の内を知ったゲンブは「シンとアブトの絆が繋がっていればどんな困難も乗り越えられる」と励ます。さらにゲンブはシン達に「強さは対話のための手段だ」と教え、誰にも負けないという強い意志が大切であることを教えた。
その時、「ダークシンカリオン」という敵が出現する。テオティ側にもシンカリオンがいたことに驚くシン達だったが、ダークシンカリオンに乗っていたのがアブトだと知りさらに驚く。アブトが敵として現れたのには何か理由があると考えたシンは、仲間に支えられながらアブトが必ず戻ってくると信じて戦う決意をする。
そんな時、研究員の三島ヒビキ(みしま ひびき)から謎の結晶体の分析で判ったことがあると報告が入る。ヒビキ達はこの結晶体に「ブラックストーン」という名前をつけ、分析を進めていた。テオティが結晶体を破壊した後、周辺の地盤が変化して川の水が干上がったりする等の被害が出ていることが判明する。ヒビキはブラックストーンの破壊が自然環境になんらかの変化をもたらすもので、破壊が続けば地球に悪影響が出ると推測していた。ブラックストーンの在処は、Zコードがあって敵が出現した場所だと睨んでいたが、どう対処するかという課題が残った。

同じ頃、テオティ達が集まるアジトにいたアブトは、そこでテオティの王位継承者であるカンナギやワダツミ、その仲間のヴァルトムと話しをしていた。そこにはテオティと協力関係を結んだキトラルザスのソウギョクの姿もあった。
カンナギ達の目的は、日本の各地にある「クサビ石」と呼ばれる結晶体を全て破壊し、封印されている「アラバキ」という名の破壊神を蘇らせることだった。カンナギ達はアラバキを復活させて、地上にいる人類を滅ぼして大地をリセットしようとしていた。
その後も人類とテオティのクサビ石をめぐる戦いが何度も発生し、その中で「500こだま」の運転士・嵐山ギンガ(あらしやま ぎんが)という新たな仲間が加わる。
ある日、大宮支部内にシンカリオンZと決着を付けようとワダツミが潜入してきた。苦戦しながらもシン達はワダツミに勝利する。シン達との戦いに力のほとんどを使い切ったワダツミは、カンナギ達の下へ戻ると体を結晶化させて機能を停止してしまった。

アブトはカンナギ達と共にダークシンカリオンで「ユゴスピア」という場所に向かう。この場所は宇宙に漂うテオティ達が住む巨大な宇宙船だった。
ユゴスピアに到着すると、カンナギとその双子の姉・アストレアは「ザガン」という男性と会話しているのをアブトは目撃する。その人物は行方不明だった父親・トコナミだった。
ザガンはダークシンカリオンの制作に大きく関わった人物で、カンナギはダークシンカリオンの覚醒についてザガンに尋ねていた。ザガンは覚醒には「トレランティア」と呼ばれる負の感情を運転士が増幅させる必要があることを示唆する。カンナギとアストレアはザガンにダークシンカリオンの覚醒を急ぐ様に指示するが、ザガンは頭を下げながら顔を歪ませるのだった。その様子を陰から見守っていたアブトは、父親に何か事情があるのではないかと疑念を抱いた。
カンナギとアストレアが去った後、アブトはザガンの前に姿を現し、数年ぶりの親子再会を果たす。そこでアブトはトコナミの正体がテオティで、「ザガン」というのが本名だと知る。アブトは人類とテオティのハーフであった。
ザガンはアブトにダークシンカリオンには「デビルモード」というモードチェンジが存在することを説明する。デビルモードは運転士の精神を侵食してしまう危険なものであった。アブトはザガンの話を聞いて、ダークシンカリオンでカンナギ達の野望を阻止して地球を守ろうと考えた。ザガンもアブトにならダークシンカリオンを安心して預けられると信頼を寄せる。
しかし、2人が親密に話すところを発見したアストレアは、ザガンの声を奪ってそれ以上アブトと会話ができない様にしてしまう。そしてアストレアは、ザガンを人質にしてアブトをカンナギに従わせる様仕向けたのだった。

超進化研究所では、クサビ石捜索の為に新たなシンカリオンZ「ドクターイエロー」が実動しようとしていた。ドクターイエローの運転士にはナガラの兄・シマカゼが任命され、日本各地の新幹線の線路を走行してクサビ石の在処を探っていた。
群馬県の横川と東京都の上野にクサビ石があることが判明した為、E5が横川、ドクターイエローが上野の調査に向かうことになる。しかし、上野にあったクサビ石は既に破壊されていた。その直後、シマカゼの前にカンナギとソウギョクが現れて「ダークシンカリオンがある限り、人類はテオティを止められない」と言い残して姿を消してしまう。
一方上野に向かったシンはアブトが乗るダークシンカリオンと対峙していた。シンとスマットはアブトに呼びかけるが、アブトはアストレアに声を奪われていた為何も応えずにいた。シンの呼びかけに応えることができないアブトは、これ以上シンと戦わなくても済む様に力で抑え込もうとするのだった。
しかし、そんなアブトの耳にカンナギから「シンカリオンZを倒してクサビ石を破壊せよ」と指示する声が届く。カンナギの指示に、アブトは徐々に負の感情を高めていく。そしてE5を蹴散らすとクサビ石を破壊して撤退していった。シンはアブトとの戦いを振り返って「対話する為にはもっと強くなる必要がある」と痛感するのだった。

アブトは再びユゴスピアを訪れ、そこでテオティの少年セツラと出会う。居住区に案内されたアブトは、そこで多くのテオティ達が人間と同じ様に街を作って生活している光景を目撃する。カンナギの案内でテオティの王に面会したアブトは、そこで地球が元々はテオティ達が住む星であったことを知らされる。
人類が誕生するよりはるか昔、地球には高度な文明を持ったテオティが暮らしていた。しかし、突如として現れたアラバキによって地上は破壊されてしまう。テオティ達はアラバキをクサビ石で封印することに成功するが、アラバキが暴れたことで地球の気候は大きく変わってしまい住めない環境になってしまった。そこで、残った同胞達と共に宇宙に避難して地球が元の姿に戻る時を待っていた。しかし、長い時を経てテオティが地球に戻ってみると、そこには無数に増えた人類によって地上が支配され、テオティは戻るべき故郷を失ってしまった。
カンナギ達の目的は、ダークシンカリオンを使ってアラバキの封印を解き、地球から人類を絶滅させて自分達の故郷を取り戻すことだと知ったアブトは激しく動揺するのだった。

一方、シン達は「超Z合体(ちょうぜつがったい)」に向けて訓練を開始する。接近戦の戦闘力に優れたE5と支援攻撃に特化しているドクターイエローの2機が合体することで最高機体性能を誇るシンカリオンが誕生するとされていた。しかし、超Z合体には両機の呼吸を合わせる必要があり、シンとシマカゼは訓練を受けるが上手くいかなかった。
そんな時、ヴァルトムが巨大怪物体化した姿で出現した。シマカゼは実戦訓練も兼ねてE5とドクターイエローの2機で出撃することを提案し実行する。この戦いで超Z合体は成功しなかったが、ヴァルトムの右腕を切り落とし撃破することに成功する。シンカリオンZとの戦闘で右腕を失ったヴァルトムは、カンナギから戦力外通告を言い渡されて苦悶の表情を浮かべるのだった。
この戦いの後、超進化研究所の総司令長・出水シンペイ(いずみ しんぺい)と秘密裏にソウギョクと接触を試みていた「H5はやぶさ」の運転士・月野メーテル(つきの めーてる)もシン達と合流する。

ダークシンカリオン デビルモード

ユゴスピアでは、片腕となり戦力外通告を受けたヴァルトムが王を殺害して王の力を手に入れる。カンナギ達のやり方に納得していなかったヴァルトムは、密にテオティの王の座を狙っていて強行に出たのだった。その現場をセツラは偶然目撃してしまい地球まで誘拐されてしまう。セツラの誘拐を知ったアブトはダークシンカリオンで追いかける。
福岡県にある宝満山の地下空間では王の力を手に入れてパワーアップしたヴァルトムが、セツラを捕らえたままクサビ石を破壊する準備を進めていた。アラバキを復活させて人類を絶滅させようと企むヴァルトムに対して、セツラは「地球には住みたいが人類を滅ぼすなんてダメだ」と反論する。セツラの言葉を聞いたヴァルトムはセツラを殺そうするが、そこへダークシンカリオンに乗ったアブトが助けにやって来た。
しかし、アブトがセツラを助け出す前に爆発が起こり、周囲には瓦礫の山ができていた。セツラを助けることができなかったと思い込んだアブトは絶望してしまう。

一方セツラはソウギョクによって助け出されていた。ヴァルトムとセツラのやり取りを陰で見ていたソウギョクがセツラを助けたのだった。
ソウギョクはセツラを大宮支部まで送り届けてシン達に引き合わせる。シンはアブトのスマホに、セツラが超進化研究所に来たことを知らせるメッセージを写真付きで送信する。そのメッセージを見たアブトはシン達がセツラを攫ったと勘違いしてしまい、怒りを露わにする。
アブトが負の感情を増幅させたことで、ダークシンカリオンは今まで以上のパワーを発揮して大宮支部に向けて猛スピードでダークシンカリオンを発進させるのだった。
その様子を捕らえた十河は、出水の指示で東京駅中央迎撃システムを発動する。東京駅には捕縛フィールドで捉えきれない敵が現れた時に備えた特殊な迎撃システムが準備されていた。ダークシンカリオンを東京駅に誘導させると、全てのシンカリオンZを東京駅に集結させた。
シン達がアブトの誤解を解こうと必死に説得するが、怒りで我を忘れているアブトは全く聞き入れようとしない。それどころか、負の感情を増幅させたことでトレランティアを生み出してしまったアブトは、ザガンが危険視していたデビルモードにモードチェンジさせてしまう。
デビルモードになったダークシンカリオンは今まで以上のパワーを発揮してシン達に襲い掛かる。苦戦しながらも、戦いの中でシンとシマカゼは遂にE5とドクターイエローの超Z合体が成功する。シンの想いが通じたのかシンとアブトは戦いながらお互いの目標について会話することができた。アブトを地球に連れ戻そうとするシンに対して、アブトはテオティ達の為に戦うことを宣言してシンに別れを告げる。しかしシンは、人類とテオティの共存の道があると考えて「可能性をゼロにするな」と一喝する。
お互いに全力をぶつけあっていると、そこにセツラを抱いたアケノが現れた。アケノは自分がテオティのアストレアであることを明かすと、セツラとアブトを連れて姿を消したのだった。
戦いの後、シンはアブトの戦う理由を知って、人類とテオティが共存できる道を模索することを決意する。

数日後、北海道のニヤマ高原に、かつてキトラルザスが生み出した機械兵器「ヴァルドル」が宇宙から飛来する。ヴァルドルは数年前の戦いでシンカリオンが退けたものだが、どういう経緯か地球へとやって来ていた。
ヴァルドルの車体は酷く劣化していたが、ヴァルトムの持つ王の力で暴走させられ、巨大怪物体となってシン達に襲い掛かる。そんな時、ザガンの遣いとして送られてきたセツラが大宮支部に到着し、竜飛岬の石碑にZコードがあることを知らせる。そのZコードを使って、H5は「261ホクト」とZ合体を果たし、暴走するヴァルドルを鎮静化することに成功した。
鎮静化したヴァルドルは鹿児島県の桜島地下にある超進化研究所の実験所へと運ばれ、「超進化銀河鉄道ヴァルドル」へと改修作業が進められることになった。

アブトの救出

セツラからユゴスピアの情報を得た超進化研究所は、宇宙にあるユゴスピアの位置を特定することに成功する。アブトを救う為、ユゴスピアに行くことを決意するシン達は、鹿児島県桜島にある「超進化研究所・実験線」へと向かった。この場所は、かつてキトラルザスの本拠地であったが、現在は超進化研究所の実験施設として使われていた。
実験線では超進化速度を越える「第2超進化速度」の研究が行われており、この技術とヴァルドルがあれば宇宙に行けるとされていた。技術支援を担当する元800の運転士・大空レイ(おおぞら れい)がヴァルドルの改修に携わり、ユゴスピアへ向かう準備が進められる。
シン達はヴァルドルにE5を牽引させてヴァルドルに乗り込む。メーテルがヴァルドルを運転し、宇宙へと旅立ったシン達は無事にユゴスピアへと到着する。メーテルはE5を切り離すと、E235ヤマノテを牽引してくる為に一時的に地球へと帰還した。
シンはE5をシンカリオンモードに変形させると、ユゴスピアで待ち受けていたダークシンカリオンと一騎打ちを行う。シンはアブトに「人類とテオティの共存を実現させよう」と呼びかけるが、アブトはそれを否定する。激しくぶつかり合うE5とダークシンカリオンの戦いを近くで見ていたヴァルトムは、王の力でダークシンカリオンが強化されると、アブトの意に反してE5をユゴスピアの外へと吹き飛ばしてしまった。

E5が宇宙空間を漂っていると、そこにザガンを慕うテオティ達が救出にやってくる。シンが目を覚ますと、そこはテオティ達の居住区であった。シン達はそこでザガンとザガンに信頼を寄せるテオティの戦士・バフラムとカマルスに出会う。
ザガンはシンに、自分が15年前に地球調査の為に地球に降り立ったことや地球でシラユキやゴイチと出会ったことで人の優しさと鉄道技術の素晴らしさに触れたことを教える。ザガンは数年前のシンカリオンとキトラルザスの戦いの結末を見て、違う種族同士の共存は実現することを実感していた。その為の力を創り出す為、新たにシンカリオンZとザイライナーの開発に携わっていた。
しかし、完成を見届ける前にアストレアに見つかってしまいユゴスピアへの強制送還を求められる。ザガンは後のことを息子であるアブトに託す為、シンカリオンZの設計図やザイライナーのZコードをクサビ石のある所に隠して回ったのだった。
ザガンの過去を知ったシンは、アブトを救う方法を模索する為に再度E5に乗ってアブトと接触を試みる。シンの動きを察知してアブトもダークシンカリオンを発進させる。2機の戦いが始まった頃、地球に戻っていたヴァルドルがヤマノテを牽引してきたユゴスピアに到着した。ハナビ達の協力でZ合体を成功させたシンは、思いの丈をアブトにぶつけてダークシンカリオンを撃破する。アブトは敗北したものの、シンによって助け出されて正気を取り戻す。
宮殿で戦いを見守っていたカンナギはダークシンカリオンの敗北を目にして怒りを露わにすると、自らのトレランティアを増幅させる。そんなカンナギを危険視していたザガンは、ユゴスピアから宮殿を切り離すとカンナギ、アストレアと共に宇宙の彼方へと去って行くのであった。

最終決戦

アブトを正気に戻すことに成功したシン達は地球に戻る。ダークシンカリオンは大宮支部で解析が進められ、その処遇をアブトは迫られる。精神を乗っ取られた経験からアブトは恐怖心を持っていたが、カンナギと共にユゴスピアを離れたザガンを助ける為に再びダークシンカリオンに乗る決意を固めるのだった。
一方ユゴスピアでは、指導者であるカンナギを失いつつも、テオティの民達が団結して生きていくことを決意していた。しかし、その陰でヴァルトムは結晶化していたワダツミを王の力で復活させて暴走させてしまう。暴走したワダツミを倒す為、アブトはダークシンカリオンで出撃する。
戦いの中で再びダークシンカリオンに精神を侵されそうになるアブトだったが、シンの呼びかけに正気を取り戻す。仲間と共に戦っていることを意識した時、ダークシンカリオン内に組み込まれていた特殊な回路が反応し、「ダークシンカリオンアブソリュート」へと姿を変えた。E5と協力して戦ったことで、ワダツミの暴走を阻止して撃破することに成功する。
そこへヴァルトムが現れ、「この星の王になる男の顔をよく覚えておけ」と宣言する。その言葉に、アブトはヴァルトムが全てのクサビ石を破壊してアラバキを復活させようとしていることに気付く。
アラバキの存在を知らないシン達に、アブトはクサビ石とアラバキの関係について説明する。アブトの話を聞いて、超進化研究所はクサビ石を守ることを最優先事項として動こうとしていた。

一方、ユゴスピアから切り離された宮殿の中では、カンナギが新たな力を得ようと禁断のコードを起動する。裏切り者となったアブトとダークシンカリオンを倒す為、地球に戻ってきたカンナギ。それを迎え撃つシンカリオンZ全機だったが、戦いの途中で大地の大きな揺れを確認する。シンカリオンZとカンナギが戦っている間に、ヴァルトムが各地に残っていたクサビ石を同時に全て破壊してしまったのだった。
その直後、地響きと共に巨大な腕が出現してカンナギを飲み込んでしまう。その腕の正体こそ、かつて地球の大地を破壊しテオティ達に封印されたアラバキであった。

クサビ石があった周辺では、謎の流動体が発見されていた。シンカリオンZ各機はクサビ石のあった地へ派遣され、調査を行うことになる。しかし、各地に出現した流動体は突如地下へ潜ってしまう。
超進化研究所では、シンカリオンZを派遣した各地の地下で微細な振動を観測しており、その振動は全て富士山に向かって動いていることが判明する。アラバキの力は複数に分けてクサビ石で封印されていて、本体は富士山の地下に封印されているとアブトは推測する。
一方、富士山の地下ではカンナギがアラバキの力に取り込まれようとしていた。そんなカンナギの前にヴァルトムが現れると、王の力を使ってカンナギにトレランティアの力を注ぎ込んで操ろうとした。しかし、カンナギはヴァルトムが発した王の力を逆に吸収してヴァルトムから奪ってしまう。大量のトレランティアを吸収したことでカンナギは暴走する。弟であるカンナギの暴走を目撃したアストレアはアブトに助けを求める。アブトはアストレアの願いを聞き入れると、シンと協力してカンナギの暴走を止めた。
カンナギは正気を取り戻すと、地球奪還の失敗とユゴスピアを混乱させたことを嘆き自害しようとする。しかし、ユゴスピアからシン達の救援に駆けつけたバフラムとカマルスから「これからの未来を切り開いていく為にはカンナギ様が必要だ」と説得されカンナギの自害を止めるのだった。
カンナギを救うことには成功したが、アラバキはヴァルトムを飲み込んで完全に復活を果たす。再びシンカリオンZが集結して一斉攻撃を試みるも、アラバキは全くダメージを受けておらず、富士山の火口に鎮座すると一旦動きを止めた。

アラバキの弱点を探る為、アブトは宇宙にザガンを探しに飛び立ち、シン達はアラバキを封印していたクサビ石について調べ始める。大宮支部の研究チームと協力し、シン達はクサビ石にはアラバキの体を固める効果があることが判明し、クサビ石の成分は塩であることを突き止めた。
一方アブトは宇宙空間に漂っていた宮殿を見つけ出しザガンを救出していた。ザガンはアブトにシンカリオンZに「ダブルZ合体」と呼ばれるシステムがあることを教え、アラバキ討伐の作戦を立案する。
シンカリオンZ全機はダブルZ合体で巨大な2機の「シンカリオンダブルZ」を創り出すと、テオティの戦士達と協力してアラバキを地面から切り離して宇宙空間まで引き上げた。そして、2機のシンカリオンダブルZによるグランクロスによりアラバキを消滅させて地球を守ることに成功するのだった。

『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』の登場人物・キャラクター

シンカリオンZ運転士

新多 シン(あらた しん)

CV:津田美波
学年:小学5年生 / 誕生日:10月1日 / 所属:横川支部→大宮支部
本作の主人公。
東京都北区田端出身。
シンカリオンZ E5はやぶさ・E5ヤマノテの運転士。
妖怪や心霊現象、宇宙人やUMA(ユーマ)と言った不思議なものが大好きなオカルトマニア。自称「世界の謎と不可能に挑戦する男」。
常に明るく前向きな性格で、口癖は「可能性はゼロじゃない」。
アブトと出会い、偶然シンカリオンZの存在を知ったことでE5の運転士になる。
夢は宇宙人と友達になること。
わかめや昆布等の海藻類が苦手。

大曲 ハナビ(おおまがり はなび)

CV:寺崎裕香
学年:小学5年生 / 誕生日:12月21日 / 所属:横川支部→大宮支部
秋田県大曲市出身。
シンカリオンZ E6こまち・E6ネックスの運転士。
実家は大曲で古くから続く花火工場で、花火師の父親に憧れている。派手好きで熱くなりやすい性格。「大曲の歴史にその名を刻む男」を自称して、将来は自分の作った花火を打ち上げて自ら演奏するギターで盛り上げたいと思っている。
寝る時はアイマスクを着用している。

戸隠 タイジュ(とがくし たいじゅ)

CV:鷄冠井美智子
学年:小学6年生 / 誕生日:8月10日 / 所属:横川支部→大宮支部
長野県木曽出身。
シンカリオンZ E7かがやき・E7アズサの運転士。
元々は東京に住んでいたが、今は親元を離れて林業を営む祖父と共に山奥で生活している。山や森が好きで知識も豊富だが、虫が苦手の為、常に虫よけスプレーを携帯している。読書好きで控えめな性格だが、イノシシを投げ飛ばす程の怪力を持っている。
東京の学校で友達を助けようとして逆に友達に怪我をさせてしまったことがトラウマとなり、シン達とも距離を取ろうとしていた。
誰に対しても敬語で喋る癖がある。

Muichan
Muichan
@Muichan

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