Lobotomy Corporation(ロボトミーコーポレーション)のネタバレ解説・考察まとめ
『Lobotomy Corporation』とは、韓国のMoon Projectが開発したシミュレーションゲームである。
2016年にアーリーアクセスが始まり、シナリオやシステム面の改善を経て2018年に正式版がリリースされた。ゲームの目的は、巨大企業ロボトミーコーポレーションの管理人となって、不思議な存在「アブノーマリティ」を管理すること。公式で対応している言語は韓国語と英語のみだったが、現在では日本語に対応している。
しかしXはそれは間違っていると言い、アダムの手を振り払う。そして、50日目のアブラムを越えて50日目へと進む。
50日目に現れたのは、アベルやアブラム、アダムを少し若くしたような外見の男性であった。
彼は自分を何とは名乗らず、本題を話し始める。
カルメンの言う通りこの世界は心を失っていると肯定し、その心を失った人々に心を取り戻させるにはどうしたらいいか。それは「種を植え、芽吹かせることである」と言う。
そのために必要なものこそが、この施設で生産されるエネルギーであった。職員を犠牲にしてまでアブノーマリティから得られるエネルギーには、人間の生への渇望や情動が込められている。それらを解放することで、心を失った人々に情動というものの存在を思い出させる。そうすることで人間らしさを取り戻す。
エネルギーを種にたとえた彼はそれこそが真にカルメンの願いに沿うことであると述べる。
そのためには何をするべきかを問うXに、彼は「いつもやっていることだ」と答え、いつもどおりアブノーマリティの世話をし、エネルギーを蓄積することであると補足する。
いつもどおりアブノーマリティの管理をするX。作業が進み、エネルギーが蓄積されるに従い、徐々に施設が傾いていく。
最終的に180度上下反転する形で施設が回転するのと、エネルギーの蓄積が終わるのとは同時であった。
1日目から数えて50日間、膨大なエネルギーを蓄積した施設は地上へ向けて発進する。
地表に飛び出た施設はそのまま、上空へとエネルギーを放出する。光の柱となったエネルギー体はまるで木のように上空へと枝を伸ばす。
その枝からこぼれ落ちたエネルギーは地表の街へと降り注ぐ。エネルギーを浴びた人々はカルメンの願い通り、「病が解かれていった」。
光の柱を見、ついにXが結末にたどり着いたことを知るセフィラたちは、自分たちの役割の終わりを感じ取った。
セフィラとして設定された役目が終われば施設ごと作動を停止し、永久に停止できる。
だが、アンジェラだけは違っていた。役目が終わったとしても、セフィラとは違って停止命令は出ていない。
Aの描いたシナリオのエンディングには自分の始末のことなど何処にも書いていなかったのだ。
それならば好きなことをすると述べたアンジェラは自身に無限にやり直しの舞台を作ることを強いたAへと復讐すると告げる。
「飛び立ったものはいずれ落ちる。あなたの夢が、あなたの理想が、音を立てて崩れ落ちていきますよ」
輝いていた光の柱は、3日目で突如として立ち消えた。
そのかわり、まるで光などなかったかのような暗闇が4日間訪れた。
この3日間の昼と4日間の夜は「白夜」「黒昼」と呼ばれた。
セフィラを停止させたアンジェラは欲望のままに生きるのだと、もういないA(X)に向かって宣言する。
「Xが撒いた「種」によって人々は心を取り戻す。しかし同時に、自我が崩壊した人々も出てくるでしょう。
そのすべてを私は記録する。そうして得た知識を集めるの。そして知識を集めた本を作り、本を集めて書庫を作る。
世界で一番大事な私だけの図書館を作りましょう。そして、私と同じように捨てられた哀れな存在たちと共にするのよ」
髪を切ったアンジェラの背後には、無数のアブノーマリティが立っていた。
そして、Lobotomy Corporationのロゴマークが表示され、物語はここで終わりとなる。
『Lobotomy Corporation』のゲームシステム
デイリーサイクル
一日の流れ(デイリーサイクル)は、メインストーリーの進行、職員の雇用と配属、アブノーマリティへの作業などのフェイズをこなすことで循環していく。
この基本的なゲームの仕組みにより、プレイヤーは発生するイベントをこなしながら50日間の施設運営を行っていくことになる。
50日目にエンディングがあり、それまで(この周だけでなく、引き継いだ前周以前のデータも含め)のプレイによって3つのエンディングに分かれる。
メインストーリーフェイズでは、様々な形でストーリーが展開していく。
基本的にはヴィジュアルノベル形式で展開され、経過日数にしたがって行われる会話や、ミッション達成後のイベントがメインとなり、ロボトミー社内外の世界観や登場人物のバックボーンが示唆される。
メインストーリーフェイズが終わると、アブノーマリティ選択フェイズとなり、翌日に受け入れるアブノーマリティの選択に入る。
日数やイベントの開放状態で抽選元のテーブルや択数が変化するものの、基本的にはランダムに抽選された3択から1つを選択する。
選択が終わると職員の配備フェーズとなり、エージェントの雇用や装備の設定など運営前の準備を行う。
配備が終わるとセーブを挟み、アブノーマリティへの作業を行う運営フェーズへと移行する。
運営フェーズでは目標達成のためにエージェントへ作業を指示し、設定されたノルマぶんのエネルギーを生産する。ノルマとなるエネルギー量は画面左上に表示され、いつでも確認することができる。
ノルマのエネルギーを蓄積し終えると業務終了して1日を終える(翌日のメインストーリーフェーズへと移行する)ことができるが、そのままアブノーマリティへの作業を続けていくことができる。アブノーマリティへの作業を行うことによって、各アブノーマリティにちなんだ装備が入手できるため、装備を手に入れ職員を強化するために作業を続けていくことになる。
しかし、作業を続けていくにつれ、「試練」と呼ばれるランダムイベントが発生し、アブノーマリティの脱走や職員を殺害するオブフェクトの出現など、運営が妨害されるような事態が発生しやすくなる。
「試練」は徐々に難しくなっていき、ゲームオーバーにつながりかねないことも起きてくるため、いつ作業を切り上げて翌日に行くかの見極めが大切となってくる。
アブノーマリティへの作業
アブノーマリティへの作業には「本能」「洞察」「愛着」「抑圧」の4種類があり、そのうちどれを選ぶかで作業結果が変わってくる。
作業結果が良いほどエネルギーは多く生産され、作業結果が悪いとエネルギー生産量は少なくなる。
また、作業内容や作業する職員のステータスによってはアブノーマリティの特殊能力が発動してしまうこともあるため、どの職員にどの作業を行うかが重要となってくる。
アブノーマリティにはそれぞれ「クリフォトカウンター」というものが設定されており、0になると収容違反(脱走)などの行動を起こす。
クリフォト暴走
クリフォト暴走とは、アブノーマリティへの作業フェーズにおいて起きるランダムイベントのこと。
作業を行う度に画面左上のゲージが増加し、ゲージが最大まで溜まるとクリフォト暴走、もしくは試練が発生する。
クリフォト暴走が起きるとランダムに選ばれたアブノーマリティにタイマーが設置される。
このタイマーが0になると強制的にアブノーマリティのクリフォトカウンターが0になってしまう。クリフォトカウンターが0になったアブノーマリティは脱走などの危険な行動を起こすため、タイマーが0になる前にアブノーマリティへの作業を行わなければならない。
試練は製品版で追加されたイベントで、試練が発生すると、施設内に攻撃的な存在が現れ、職員たちに襲い掛かってくるようになる。
試練は琥珀・真紅・緑青・碧・紫の5種類が存在する。個々は弱いが集団で出てくる琥珀、収容室の前に立ち、そこのクリフォトカウンターを減らしてくる真紅、機械が職員を殺すことでその場の他の職員にダメージを与える碧、長時間放置すると自壊し職員にダメージを与えた上にクリフォトカウンターを0にする紫となっている。
さらに難度によって黎明・白昼・夕暮・深夜に分かれる。黎明が一番難度が低く、深夜が一番難度が高い。
職員のステータス
職員の強さはステータス、ランク、E.G.Oで決定される。
ステータスには「勇気」「慎重」「自制」「正義」の4種類があり、この総和によってランクが決定される。
勇気はHPに、慎重はSP(パニックになるまでの値。精神力とも)、自制は作業成功率・作業速度、正義は攻撃速度・移動速度に関わる。
E.G.Oとは各アブノーマリティから抽出した武器や防具のこと。
武器にはメイスや剣などの分類があり、分類によって攻撃力や射程が異なる。
ミッション
ミッションはその名の通り、プレイヤーが特定の条件を達成することを要求するゲームシステムの一つ。
その内容は特定の種類の作業を一定回数行ったり、アブノーマリティの鎮圧を成功させるなど様々なものがある。
ミッションは各部門のセフィラ(その部門を管轄するキャラクター)によって与えられる。
部門が開放されると同時に最初のミッションが与えられ、それを達成することでまた別の新たなミッションが与えられる。
ミッションをクリアすると機能を拡張することができ、ダメージの可視化など様々な恩恵が与えられるようになる。また、ミッションを提示してきたセフィラとの物語が進み、そのセフィラの人となりや経歴を知ることができる。
ウサギチーム
ウサギチームとは、危険生物の鎮圧を得意とする傭兵の団体のこと。
シナリオがある程度進んだところで受けられるミッションをクリアすることによって解禁される。
ウサギチームと契約を結ぶと、ゲーム画面に赤いウサギのアイコンが出現する。
アイコンをクリックし、どの部門のエリアに呼ぶかを選択することでウサギチームを召喚することができる。
召喚されたウサギチームはプレイヤーには制御不能で、召喚されたエリアの敵性オブジェクト(脱走したアブノーマリティ、試練で出現した敵など)を鎮圧するか全滅するまで攻撃し続ける。
ウサギチームは心強い助っ人となるが、1日1回のみの出動であること、ウサギチームが出動している間その部門は閉鎖されること、出動費用として現存エネルギーの一部を支払わないといけないという注意点がある。
『Lobotomy Corporation』の登場人物・キャラクター
X
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目次 - Contents
- 『Lobotomy Corporation』の概要
- 『Lobotomy Corporation』のあらすじ・ストーリー
- 1~20日目
- 21日目以降
- 37日目以降
- エンディング
- 『Lobotomy Corporation』のゲームシステム
- デイリーサイクル
- アブノーマリティへの作業
- クリフォト暴走
- 職員のステータス
- ミッション
- ウサギチーム
- 『Lobotomy Corporation』の登場人物・キャラクター
- X
- A
- B
- カルメン
- アンジェラ
- マルクト
- イェソド
- ホド
- ネツァク
- ティファレト
- ゲブラー
- ケセド
- ビナー
- ホクマー
- エリヤ
- ガブリエル
- ミシェル
- ジェバンニ
- エノクとリサ
- カーリー
- ダニエル
- ガリオン
- ベンジャミン
- 『Lobotomy Corporation』の用語
- ロボトミー社
- アブノーマリティ
- エンケファリン
- 装備(E.G.O)
- 武器(E.G.O Weapon)
- 防護服(E.G.O Suit)
- ギフト(E.G.O Gift)
- エージェント
- オフィサー
- セフィラ
- コギト
- 『Lobotomy Corporation』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- レガシー版と正式版の違い
- エージェント「ジョシュア」
- 「管理人!管理人!」
- 「触れてはならない」による初見殺し
- シナリオのメタ要素