ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(ホラー映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とは、1968年アメリカで公開されたホラー映画。死者が蘇り人を襲い始める事件に直面した主人公たちが一軒家に籠城して内輪で争いながらも、死者からの襲撃をから一夜を生き抜くという内容である。11万ドルの予算で製作され1800万ドルの収入を上げた。
原作はジョン・A・ルッソ、監督はジョージ・A・ロメロ。「ゾンビ」というモンスターは本作品で創作され登場した。人種、社会問題をも作品に反映しており、単なる恐怖映画を超えた名作としてロングランを続けた。
本作品のヒロイン、親の墓参りをするため長いドライブも厭わない生真面目な性格だが、予想不能の事態が起きると呆然とするだけで行動力は欠ける。農家に籠城してから殆ど役に立たず「死者」が蘇って人間を襲い食べる、という事態にショックを受け徐々に神経が衰弱する。「死者」達がバリケードを破って侵入し、その中にジョニーの姿を見ると精神は完全に破綻した。
ジョニー・ウィルソン(演:ラッセル・ストライナー)
バーバラの兄、墓参りを面倒だと文句ばかり言う。遠くに現れた「死者」を「変な男がいるぞ」とからかうなど、やや非常識なところがある。しかし妹のバーバラが「死者」に襲われると勇敢に助けようとする。冒頭で「死者」に襲われ死亡して、クライマックスに「死者」となって蘇りバーバラを襲う。
ハリー・クーパー(演:カール・ハードマン)
白人の中年男性。「死者」から身を守る為地下室に籠城することに拘りベンと意見が衝突する。家族を守ることだけを優先して他の避難者達の都合を考えようとしない身勝手な面がある。トラックを取ってくるベンの作戦には火炎瓶を作って2階から投げつける、と協力的な態度をとったが作戦が失敗するや狼狽のあまり窮地に陥るベンを見捨てようとした。怒ったベンに射殺され、さらに「死者」となって蘇った娘に肉体を食われてしまう。
映画制作会社の社長でありロメロ監督の持ち込んだ本作品企画の製作を決定した。
ヘレン・クーパー(演:マリリン・イーストマン)
ハリーの妻。協調性があり落ち着いた性格。ベン達と協力するべきでは、とハリーを窘めるが、言い争いまではしないように冷静さを保ちつつハリーの指示に従っている。娘のカレンがハリーの内臓を食べている様子を見てショックを受けへたり込んでしまい、そのままカレンに殺される。本作品のメイクも担当した。
カレン・クーパー(演:カイラ・ショーン)
ハリー夫婦の一人娘、「死者」に噛まれた後徐々に意識が薄れていく。地下室の台の上で寝ていたが1階でベン達が「死者」と戦っている間に死亡して、「死者」となって蘇った。父親の内臓を食べて、母親を殺す。ベンに襲い掛かかり投げ飛ばされる。ベンはカレンに止めを刺さずに地下へ逃げたためカレンのその後の消息は不明。
トム・レノックス(演:キース・ウェイン)
バーバラやベンよりも先に農家に避難していた白人青年。ベンの作戦に同調してハリーに協力を求めるが、それに反発するハリーを責めたり、強要したりはしない、温和な性格である。トラックの爆発に巻き込まれて死亡する。
ジュディ・ジャクソン(演:ジュディス・リドリー)
トムの恋人、「死者」に対抗するために積極的な行動はとっていない。トムと共に死亡して「死者」に食われてしまい無残な最期を遂げる。
ニュースキャスター(演:チャールズ・グレッグ)
ベン達と同時に映画観客にも「何が起きているのか」の情報を伝え、クライマックスには「死者」がよみがえり生きている人間を捕食しようとしている衝撃的な事実を放送する。
共同墓地のゾンビ(演:ビル・ハインツマン)
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目次 - Contents
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の概要
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のあらすじ・ストーリー
- 謎の男の出現
- 農家での籠城
- 他にもいた生存者
- 脱出作戦
- 脱出の失敗
- 破られたバリケード
- 夜明け
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の登場人物・キャラクター
- ベン(演:デュアン・ジョーンズ)
- バーバラ(演:ジュディス・オーディア)
- ジョニー・ウィルソン(演:ラッセル・ストライナー)
- ハリー・クーパー(演:カール・ハードマン)
- ヘレン・クーパー(演:マリリン・イーストマン)
- カレン・クーパー(演:カイラ・ショーン)
- トム・レノックス(演:キース・ウェイン)
- ジュディ・ジャクソン(演:ジュディス・リドリー)
- ニュースキャスター(演:チャールズ・グレッグ)
- 共同墓地のゾンビ(演:ビル・ハインツマン)
- ウォルト・マクレラン(演:ジョージ・コサナ)
- リポーター(演:ビル・カーディル)
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「地下室へ行けよ!」
- 「死者」となったジョニー
- 食人シーン
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の 裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「リビング・デッド」という名称
- 人工衛星と放射能
- 保安官
- バリケード
- 著作権・フィルム保存・評価
- 「ゾンビ」という単語は使われていない
- 監督のロメロがカメオ出演している
- 設定の矛盾点
- 複数のバージョンと亜流作品
- 元ネタ
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の音楽