バケモノの子（アニメ映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『バケモノの子』とは、2015年に公開され、400万人を動員した大ヒット作といえるアニメーション映画である。監督は『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』を手がけた細田守。ひとりぼっちの人間の子供と、天涯孤独のバケモノが、奇妙な師弟関係からともに成長し、親子の絆を築く新冒険活劇。
九太が親戚から逃げ出し、さまよっている夜の渋谷で、道を行く親子を目で追うシーンがある。その中に、楓と思われる少女が親に手を引かれ歩いている様子が描かれている。九太と楓は17歳になるまで関わることはないが、冒頭で既に出会っていたのだ。
「白クジラ」の本
物語中、何度か見かける「白鯨」の本。
9歳の九太が親戚に引き取られる引っ越し作業の中で見かけたり、17歳になった九太が再び人間界に戻った時に図書館で手に取り、勉強をするきっかけとなった本だ。
この作品は実際に存在しており、著者は1819年アメリカのニューヨークに生まれたハーマン・メイヴィルだ。この本は、物語の語り手である主人公が、乗り込んだ捕鯨船で片足をクジラに奪われた船長に出会う。その船長はクジラへの復讐にとらわれ、その狂気がほかの乗組員へも伝播していく。そしてついにはクジラとの死闘の末、乗組員も、船も海底に引きずり込まれてしまうといった内容だ。
『バケモノの子』の作中で、楓は「クジラは自分を映す鏡」だと語っている。復讐心にとらわれてばかりでは、身を亡ぼすと暗に語っているのだ。実際、物語終盤で闇に取り込まれた一郎彦が九太の落とした本を見て、クジラの姿となり襲ってくるという演出がある。この物語の肉付けに使われた本である。
『バケモノの子』の主題歌
Mr.Children『Starting Over』
『バケモノの子』の主題歌となった、Mr.Children の『Starting Over』は歌詞・楽曲共に『バケモノの子』の世界観を表現していると細田守監督が絶賛している。映画『バケモノの子』は、ひとりぼっちの少年の成長譚であり、主題歌「Starting Over」は少年が思春期の戸惑いを打ち破る戦いの唄だと、監督は当時のインタビューで語っている。
予告
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目次 - Contents
- 『バケモノの子』の概要
- 『バケモノの子』のあらすじ・ストーリー
- 両親との決別とバケモノとの出会い
- バケモノの世界
- 父との再会
- 一郎彦との決闘
- 『バケモノの子』の登場人物・キャラクター
- 九太（きゅうた）※本名：蓮（れん）
- 熊徹（くまてつ）
- 楓（かえで）
- 多々良（たたら）
- 百秋坊（ひゃくしゅうぼう）
- 宗師（そうし）
- 猪王山（いおうぜん）
- 一郎彦（いちろうひこ）
- 二郎丸（じろうまる）
- チコ
- 蓮（九太）の父親
- 蓮（九太）の母親
- 『バケモノの子』の用語
- 胸の中の剣
- 人間の心の闇（胸の穴）
- バケモノと渋天街
- 渋天街のルール
- 『バケモノの子』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 「決着をつけなきゃならない相手がいる。勝てるかどうかはわからない。」
- 「忘れないで。私たち、いつだってたった一人で戦っているわけじゃないんだよ。」
- 「俺は半端者のバカ野郎だが、それでもあいつの役に立ってやるんだ！」
- 『バケモノの子』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 冒頭の渋谷ですれ違う楓と蓮
- 「白クジラ」の本
- 『バケモノの子』の主題歌
- Mr.Children『Starting Over』