おおかみこどもの雨と雪（アニメ映画）のネタバレ解説・考察まとめ

『おおかみこどもの雨と雪』の概要

この映画は2012年7月21日に公開されたアニメーション作品である。
今作は細田守監督にとって第2作目となる長編オリジナル作品であり、監督自ら脚本を手がけた初の作品だ。
テーマは「親子」であり、主人公である花がおおかみおとこと出会い2人の間に生まれたおおかみこどもの成長と母親である花の奮闘を描いた物語になっている。

『おおかみこどもの雨と雪』のあらすじ・ストーリー

女子大生の花はおおかみおとこと恋に落ち、雪と雨という2人の「おおかみこども」をもうける。しかし、おおかみおとこである夫は雨の出産直後に原因不明の事故で亡くなってしまう。
シングルマザーとして育児に励む花であったが、都会での生活に限界を感じ山里離れた古民家での生活を決意する。
やがて2人の「おおかみこども」は成長し、長女で姉の雪はより人間らしく振る舞うようになる。一方、長男で弟の雨は学校を休み、代わりに狼の姿となって森に入り浸るようになる。
学校生活にも馴染んでいたある日、雪は転校してきたクラスメイトの草平から「獣臭い」と言われてしまう。パニックのあまり草平を傷つけてしまった雪は、その後仲直りをするも家で「もう狼にはならない」と発言する。その発言から口論に発展し雪と雨が狼の姿で喧嘩をはじめてしまう。花は喧嘩を止めようとするが、狼となった2人を止めることは出来ず雪が風呂場に逃げ込むまで見ているほかなかった。
ある大雨の日、雨は花に対し「先生」と呼んでいる狐の寿命が長くないことを告げる。先生が亡くなった後の森を守るため森の中へと入っていった雨を追いかける花であったが、途中の崖で足元を崩してしまい意識を失ってしまう。
一方、雪は学校に残り草平とともに教室へと足を運んでいた。その後草平に対しおおかみこどもであることを打ち明ける。草平は驚くこともなく、誰にも言わないと約束をする。
明け方、雨に助けられ駐車場で目を覚ました花は、森へ戻ろうとする雨を「家に戻ってきて欲しい」と泣いて呼び止める。雨はそのまま森の中へと去ってしまうが森のなかで大きく力強い雄叫びを上げる。花はその声に心をうたれ、不安を払拭し、「しっかり生きて」と励ましの言葉を雨のいる森に向かって叫んだ。

おもな登場人物・キャラクター

花（はな）

女優の宮崎あおいが担当声優を務める、本作の主人公。大学生のときに出会った「おおかみおとこ」に一目惚れをし、彼がおおかみおとこであることを知らされてもなお彼を愛し続けた。時が経ち、2人の「おおかみこども」を授かる。
シングルマザーとなってからは田舎へ引っ越し、育児に仕事と奮闘しながら2人を育てていく。

雪（ゆき）

少女の頃の声を黒木華、幼年期の頃の声を大野百花が担当している。雨の姉で、雪の日に生まれたことから名付けられた。
幼少の頃は活発な性格だったが、成長し人間社会に溶け込むにつれてより人間らしく、より女性らしく成長していく。
今作では語り部も担当している。

雨（あめ）

少年の頃を西井幸人、幼年期の頃を加部亜門が担当している。雪の弟で、雨の日に生まれたことからこの名前が名付けられた。
雪とは対象的に温厚で内向的な性格だったが、森で「先生」と呼ばれる狐と出会うことで狼としての本能が目覚める。

おおかみおとこ

声は俳優の大沢たかおが担当している。作中では「彼」としか呼ばれておらず、本名は不明。
運送ドライバーで働きながら、大学で勉強していたところを花と出会う。ニホンオオカミの末裔で、花との間に雪と雨を授かるが雨が生まれた日に亡くなってしまう。

藤井 草平（ふじい そうへい）

転校生の少年。声は平岡拓真が担当している。雪に対し「獣臭い」と言ったことから避けられるようになり、そのことで動揺した雪によって耳を負傷する。
後に雪からおおかみこどもであることを打ち明けられるも、驚くことなく「最初から気づいていた」と答えている。
母子家庭だが、母親の結婚によって疎外感を感じている。

韮崎（にらさき）