ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島（ワンピース）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』の概要

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』（ワンピース ザ ムービー オマツリだんしゃくとひみつのしま）とは、海賊を題材にした少年漫画『ONE PIECE』を原作とした劇場版アニメ。『ONE PIECE』の劇場版アニメ第6作品目。2005年3月5日に公開された。興行収入は12億円。

後に『時をかける少女』や『サマーウォーズ』で名を馳せる細田守が監督を務めた。本作は細田守にとって、長編アニメーション映画初監督作品である。キャッチコピー「史上最大の笑劇！！」と銘打たれて宣伝されていたが、蓋を開けてみると慣れ親しんだ『ONE PIECE』のTVアニメらしい作画や演出は一切なく、細田守特有の作画や演出が満載だった。これに違和感を覚えた視聴者は多く、世間で波紋を呼ぶ。宣伝ポスターは底抜けに明るい雰囲気を出していた本作だが、物語中盤から終盤にかけて笑いが一切ない。それどころか、ホラー映画と見紛うストーリーや演出が盛りだくさんだ。その怖さがトラウマになったと語る視聴者までいる。何から何まで、シリーズ屈指の異色さを放っており、視聴者の中で賛否が激しく分かれる作品だ。

主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味は、オマツリ島への招待状を手に入れる。ルフィ達はそれを見てオマツリ島に向かった。そこはオマツリ男爵という男が支配する島で、招待状にある通り、パラダイスのような島だった。しかしその島で楽しく過ごすには、「地獄の試練」を受ける必要があった。ルフィ達は「地獄の試練」に挑戦することになったが、それが悲劇の始まりだった。

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』のあらすじ・ストーリー

オマツリ島への招待状

主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味は、航海の途中で不思議な手紙を見つけた。それはオマツリ島というリゾート地から流れてきた招待状だった。内容は、「もし君が 海賊の中の 海賊の中の 海賊の中の 海賊ならば 信頼する仲間をつれてこの島に来るがいい」というもの。島にはスパ＆エステや南国の美女、満漢全席など、魅力的なサービス提供もあるらしい。ルフィ達はオマツリ島へ向かうことにした。

オマツリ島は人気のない無人島だった。島を間違えたかとも思われたが、島の奥から何やら賑やかな音がする。ルフィ達は音のほうへと歩いていった。するとそこには豪華絢爛な建物がずらり。たくさんの島民と思われる人々がルフィ達を歓迎した。そして島の主と思しき人物が現れた。肩に可愛らしい喋る花を乗せた、オマツリ男爵と呼ばれるその男性はルフィ達を歓迎。手紙に書いてあったようにリゾートを楽しむように言う。しかしそのためには「地獄の試練」を受ける必要があった。ルフィは「地獄の試練」という楽しげな雰囲気にワクワクしている。しかしいくらリゾートを楽しみたいと言っても、島からも男爵からも怪しい臭いがプンプンする。航海士のナミ達はオマツリ島への滞在に反対した。しかしルフィは満面の笑みで、「罠でもなんでも、おめーらなら平気だろう」 、「それにおれは、おめーらを信じてるし！」と口にする。それは仲間のことを心底信頼しているからこそ出る言葉だった。

ルフィの言葉に奮い立たされた麦わらの一味は、「地獄の試練」に挑むことにした。

地獄の試練 パート1「金魚すくい」

「地獄の試練」の内容は「金魚すくい」。対戦相手は、オマツリ男爵の部下のムチゴロウだった。普通の金魚すくいかと思いきや、すくう金魚は超巨大なものであり、勇んでいた狙撃手のウソップは早々に退散。手渡された金魚すくいのポイという道具の紙の部分はすぐに破れてしまった。しかしオマツリ男爵はポイを出した時、「水に溶けやすい」と言っただけで、「そのポイを使う」ようには言っていない。何でもありの金魚すくいだとわかって、力を発揮したのは船医のトニートニー・チョッパーと考古学者のニコ・ロビンだった。2人の連携で無事に麦わらの一味は金魚をすくうことに成功。「地獄の試練」を突破することができた。

麦わらの一味が試練の突破を喜んでいると、オマツリ男爵が突然ものすごい剣幕で怒り出した。試練は1つだけでなく、次の試練を受けろというのだ。ナミはそんな話は聞いていないと抵抗。ルフィは続けて試練を受けようとしたが、ナミはそれを聞かずにルフィ達を引っ張ってその場を後にした。

地獄の試練 パート2「輪投げ」

試練を受けるのが嫌でその場を後にした麦わらの一味は、森の中で迷子になってしまい、船を停泊していた場所がわからなくなってしまった。当てもなく森をさまよい、開けた場所に出る。するとそこは「地獄の試練」パート2「輪投げ」の会場だった。対戦相手として登場したのは、カエルのような帽子をかぶった小さな老人達。ケロじい、ケロショット、ケロデーク、ケロコ。ナミはこの4人に挑発されて、「輪投げ」に挑戦することを決める。そしてウソップ、剣士のロロノア・ゾロ、コックのヴィンスモーク・サンジも参加することになった。「輪投げ」のルールは簡単。輪投げの”輪”に見立てた浮き輪で相手チーム全員を捕まえるというものだ。

ナミ達が「輪投げ」に挑戦している間、ルフィは建物の中で変な男に絡まれる。チョビヒゲ海賊団の船長と名乗るその人物の名はブリーフ。チョビヒゲ海賊団は、仲間同士の挨拶を欠かさない仲の良い海賊団だ。ちなみに挨拶は、鼻の下に人差し指を横に当て「チョビヒゲ！」というというもの。それを見たルフィは呆れた様子で自分に何か用かと尋ねる。ブリーフは、ルフィ達に自分の仲間にならないか勧誘に来たと言った。当然ルフィはそれを断る。そしてブリーフは、ルフィに対して「オマツリ男爵に気をつけろ。男爵は仲間をバラバラにする」と警告した。

その一方で、ロビンはムチゴロウと酒を酌み交わして情報収集を、チョッパーは探検に出かけた。チョッパーはそこでお茶の間パパが船長を務めるお茶の間海賊団に出会い、オマツリ島の秘密を教えてもらった。オマツリ男爵はその昔、海賊をしていたのだ。男爵の手配書を見たチョッパーは、手配書の写真のオマツリ男爵だけが異様に若いことに気がつく。その瞬間、チョッパーは背後からオマツリ男爵の弓に射抜かれ、捕らえられてしまった。

「輪投げ」は、結果的に麦わらの一味の勝利で終わった。しかしオマツリ男爵側の術中にハマり、ナミはウソップと仲違いをし、ゾロとサンジはいつも以上に険悪な雰囲気になっていた。

鉄板レストラン

夕方になり、麦わらの一味はオマツリ男爵から晩餐「野外 鉄板レストラン」をプレゼントされた。オマツリ男爵の部下・コテツが巨大な鉄板の上でパフォーマンスをしながら焼きそばを作っていく。その光景を見てルフィは「うまそー！」と声を上げる。「射的」でゾロと仲違いをしたサンジは、ルフィの言葉にイライラが爆発。自身も鉄板の上に上がり、コテツと材料を奪い合いながら料理を進めていく。

料理が出来上がっていく傍ら、ウソップはナミと仲直りしようとするが、ナミはそっぽを向いたまま。ウソップはムカムカしたまま、草むらへ入る。そこでオマツリ男爵の部下、DJガッパと出くわし姿を消した。ロビンのほうはムチゴロウから得た情報を頼りにリリー・カーネーションという花を探しに出かける。しかし、その散策中にチョッパー同様、オマツリ男爵に捕らえられてしまうのだった。

サンジはコテツが作っていた焼きそばを奪い、自身が作った生地と合わせてモダン焼きを作り上げる。ルフィはそれに満足してモダン焼きに飛びついた。

地獄の試練 パート3「射的」

ウソップ、チョッパー、ロビンが消えたことにようやく気がついた麦わらの一味。一味の雰囲気は最悪だった。そんな中、「地獄の試練」パート3「射的」がまたしても唐突に始まる。DJガッパを始めとする島民が、麦わらの一味を追いかけ回し、追い詰めたところからDJガッパが頭の上に乗せている皿型の爆弾で一味を捕らえていく。

状況をやっと理解したルフィは、オマツリ男爵に仲間を返せと戦いを挑んだ。しかしオマツリ男爵は弓の名手。弓の軌道を操り、確実にルフィに当ててくる。ルフィは追い詰められて気を失ってしまった。そこを助けてくれたのは、昼間に建物の中で会ったチョビヒゲ海賊団の船長・ブリーフだった。

一方で麦わらの一味は全員、オマツリ男爵に捕まってしまうのだった。

オマツリ男爵との決着

麦わらの一味は、ルフィ以外全員オマツリ男爵に捕まってしまった。オマツリ男爵は捕まえた人間をリリー・カーネーションに捧げるつもりなのだ。男爵の肩に乗るかわいらしい花は、リリー・カーネーションというオマツリ島の固有種で、人間を生贄に捧げることで死者を蘇らせることができる。男爵は昔、レッドアローズ海賊団という海賊団をしており、激しい嵐で失った仲間をリリー・カーネーションに蘇らせてもらっていたのだ。ルフィは仲間を取り返すために単身オマツリ男爵の元へ向かい戦う。しかしその甲斐虚しく、仲間はどんどんリリー・カーネーションに食べられてしまった。

仲間を失った絶望に打ちひしがれるルフィに、お茶の間海賊団の次女・デイジーが、ルフィを呼ぶ声が聞こえるという。デイジーは聴覚が異常に発達しており、遠くの小さな声も聞くことができるのだ。仲間がまだ生きていることがわかったルフィは、再び立ち上がりオマツリ男爵に立ち向かっていく。ブリーフもルフィを手助けしてくれた。ルフィはそんなブリーフにチョビヒゲ海賊団の挨拶「チョビヒゲ！」を返す。心強い仲間を得て、パワーがみなぎってきたルフィはリリー・カーネーションに攻撃を続けた。そしてお茶の間パパの活躍もあり、リリー・カーネーションを倒すことに成功。ルフィは大好きで大切な仲間を取り戻すことができたのだった。

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』の登場人物・キャラクター

主要人物

モンキー・D・ルフィ

CV：田中真弓

『ONE PIECE』の主人公の少年。東の海（イーストブルー）ゴア王国フーシャ村出身。「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるという夢を叶えるために、17歳で村を出て海賊となった。悪魔の実「ゴムゴムの実／ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」の能力者で、全身をゴムのように伸縮させることができる。覚醒段階である「ギア5」を発動させると、かつて実在したという太陽の神ニカのような、神や服が真っ白な神秘的な姿になる。

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』が公開された時期は、原作漫画はウォーターセブン編、TVアニメは悪魔の実「ノロノロの実」の能力者・フォクシー率いるフォクシー海賊団とデービーバックファイトを繰り広げいているとこどだった。そこから考えるに、本作の時間軸は空島編が終わった後あたりだと思われる。この頃のルフィは17歳で、懸賞金は1億ベリー。

楽しそうだからという理由でやってきたオマツリ島であわや仲間を全員失いかけたが、本作オリジナルキャラクターであるブリーフやお茶の間海賊団の面々と協力して、仲間を救い出すことに成功した。

モンキー・D・ルフィ（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

モンキー・D・ルフィとは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE』の登場人物であり、主人公。左目の下にある傷と麦わら帽子がトレードマーク。「麦わらのルフィ」という異名を持つ。悪魔の実「ゴムゴムの実」の能力者で、全身が伸び縮みするゴム人間である。
海賊王ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの財宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるという夢を叶えるために17歳で海に出た。そして愉快な仲間達と共に大海原を冒険するのだった。

オマツリ男爵