【黒執事】シエル双子説の伏線まとめ!【原作ファン向け】

原作1巻~最新話までの双子説の伏線と思われる台詞、シーンをまとめました。重大ネタバレ有るので気を付けてください。原作ファン向け。原作とアニメ(1期、2期)はストーリーも設定も異なるので注意です。ぜひ最後までご覧ください!

シエルが坊ちゃんの場合、坊ちゃんの本当の名前は何なのでしょうか。
「シエル」はフランス語で「空」という意味らしいので、対となる「メール(海)」か「テール(地)」、空繋がりで「アストル(星)」「エトワール(星)」とか?

もっとも幽鬼城編終盤で「嘘が真実に変わるその日まで―」というモノローグがあるので最後まで坊ちゃんの本当の名前は明かされないまま終わる、なんてこともありえるかもしれません。

他にも
「セバス召喚のあの日、シエルと坊ちゃんに何が起こったのか」
「なぜ坊ちゃんはシエルを名乗ることにしたのか」
「タナカの他に誰が入れ替わりに気づいているのか」
「なぜ誰一人、弟(本来の坊ちゃん)について語らないのか」
「61~63話の回想と本編開始時の空白の2年間に何があったのか」
「本当に坊ちゃんが次男なのか?」
など、謎がいっぱい残っています。

矛盾?それとも新たな伏線?

2巻5話7ページ 「我が屋敷の主人 シエル・ファントムハイヴ伯爵は12歳にして広大な領地を治める当主である」
作中一度だけセバスチャンが坊ちゃんを「シエル」と呼んでいるシーン。(*ナレーション調だが、前後のページを読むとセバスチャンのモノローグだと分かる。)セバスチャンは坊ちゃんとの契約で嘘が吐けない。口に出してないからセーフなのか、連載初期のミスなのか。

1巻2話57ページ
婚約者のエリザベスについて、坊ちゃんは「別になりたくて(婚約者に)なった訳じゃない。されたんだ」と語っている。坊ちゃんは自らの意思で「シエル」として生きているので、「勝手に婚約者にされたんだ」という言い方は少し違和を感じる?

6巻24話、8巻35話のアンダーテイカ―の「魂は一人ひとつ 大事におしよ」という意味深な台詞
双子説に関する伏線なのか、それともただの忠告なのか

18巻87話
「己の願いの為に魂を差し出す それ程の覚悟がなくては悪魔〈わたしたち〉は喚べませんよ」「…お前は」→セバスと坊ちゃんの意味深なやり取り。坊ちゃんは何を言いかけた?
※枢先生ご本人の2017年8月20日のツイートで特に深い意味はなかったと判明。

アニメ(1期、2期、"Book of ~"シリーズ)について

まず黒執事のメディアミックス(アニメ化)は原作者の枢先生、担当編集者の熊さんご自身が仰るように非常に変則的で、アニメオンリー派にはとても分かりづらい複雑な構成となっています。1期、2期は原作とは違うパラレルワールドでの出来事であるとして切り離して考えた方が良いと思います。双子説に興味がある方にはまずは原作を読み、その上で原作に忠実なBook of ~シリーズを視聴されることをお勧めします。

1期 (08年): 1~5巻までの原作エピソードをなぞりつつ、その他はアニメオリジナルエピソード。原作には登場しないアニオリキャラ多数。双子説に関する伏線はありません。

2期 (10年): 完全アニメオリジナル。原作とは全く別物の完全パラレルワールドと捉えた方がいいかもしれません。当然双子説に関する伏線はありません。

Book of Circus (14年): 原作のエピソード(通称サーカス編)を忠実にアニメ化したもの(※1期、2期とは繋がっていないので注意)。双子説に関する伏線もちゃんと再現されています。アニメのケルヴィンの回想で双子説に気づいた人も多いのでは。

OVA Book of Muder (14年): 原作のエピソード(通称ホームズ編)を忠実にアニメ化したもの。双子説に関する伏線はほぼありません。

劇場版 Book of the Atlantic (17年): 原作のエピソード(豪華客船編)をほぼ忠実にアニメ化したもの。双子説に関する伏線は複数カットされていましたが、リジーとセバスチャンの回想の中でファントムハイヴ家の4つのお墓(ヴィンセント・レイチェル・双子の分で4つ)がしっかりと描写されていました。

ちなみに海外ファンの見解は…?

(※以下は双子説確定前の話です)
黒執事は欧米でアニメが放映されたり、各言語で漫画が発売されていたり、ドイツやフランスでアニメ賞を受賞していたりと、海外でも大人気です。では、海外のファンはこの双子説について知っているのでしょうか?

結論から言えば、知っています。Two Ciel Theroy, Twin Theory とか様々な名称がありますが、個人的な印象としては否定派の方が多い感じです。二重人格説の方が人気あります。というのも伏線の一部である単複のぼかしという手法が、英語等の主な海外の言語だと不可能なのです。例えば「子供の死体」「うちの子供」など日本語では違和感なく単複をぼかすことができますが、英語だと"the bodies of the children" "my children"(全部複数形)か "the body of the child" "my child"(全部単数形)のどっちかしかなく、単複をぼかしたりすることはできません。特に初期の頃は翻訳者が双子説のことを知っている筈もなく、坊ちゃんは一人っ子という前提で翻訳されていたので、基本的に海外の翻訳版では伏線と思われるセリフはほぼ単数形です。これによって「シエルは絶対一人っ子」「今更双子だったなんてそんなの後出し展開だ」のような意見が海外(欧米)ファンの間では多いのです。
枢先生の巧妙な言葉のマジック。日本人の我々は「おぉ!」と納得できますが、一方で海外ファンは翻訳という壁に阻まれてなかなか理解し辛いようです。少し残念ですね。

実は結構昔からあった「シエル黒幕説」とは!?

シエル双子説が浮上した頃から実は一部の間で度々話題になった「シエル黒幕説」。
19話のファントムハイヴ家が襲撃された日の坊ちゃん視点の回想で

・タナカさんを後ろから刺した人物の影がやや小さめであること
・そもそも剣術の達人で老齢とはいえ戦闘力の高いタナカさんがほぼ無抵抗で刺されたこと
・「貴方様(坊ちゃん)には酷すぎる…!」という意味深な言葉を残したこと
・犯人と対峙し、顔を見た筈なのに62話の回想で「犯人を見てない」と証言したこと
・後ろから刺されたのに一命を取りとめたこと(力が足りなくて深く刺せなかった?)

これらのことからもしかして襲撃事件の犯人はシエルなのでは?となった訳です。数年前なら「さすがにそれは無いんじゃない?」と笑い飛ばせた説ですが、特典漫画「その執事、看病」で見せたシエルの怖い一面や125話以降の出来事をみるにあながち「絶対あり得ない」とは言い切れないかもしれません。

出典: pbs.twimg.com

この表情+台詞の意味は…?

当時7歳にしてこの絶対零度の表情と意味深な発言。あの百戦錬磨のヴィンセントでさえ愛息子の豹変に一瞬威圧され、思わずシエルを撫でようとした手を引っ込めます。

遂に暴かれてしまった坊ちゃんの「嘘」…これからどうなる!?

以上、第一話から双子説が確定した26巻までの伏線と思われる個所を全て挙げてみました。
皆様、どうでしたでしょうか。

これほど巧妙で複雑な伏線を初期から継続して張られてきた作者の枢やな先生の構想力には本当に脱帽ですね!

参考文献

ameblo.jp

shiann666.blog.fc2.com

tokinokanata2288.blog.fc2.com

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