鑑定士と顔のない依頼人(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『鑑定士と顔のない依頼人』とは、ジェフリー・ラッシュが演じる、すご腕の美術品鑑定士だが、人嫌いで女性と縁のないヴァージルが姿を見せない謎めいた依頼人クレアに心惹かれていくミステリードラマ。
ヴァージルとクレアの恋の裏では、ヴァージルの長年のパートナーが用意周到に計画した復讐劇が進められていた。
「ニュー・シネマ・パラダイス」などを手がけたジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本による作品である。

クレアを自宅の隠し部屋へと招いたヴァージルが、彼のコレクションに驚くクレアに向かって言ったセリフ。
「生涯をかけて集めた女達。」と言うヴァージルにクレアは「私だけではないのね。大勢彼女がいた。」と驚きを隠せなかった。そしてヴァージルはクレアに共に暮らすことを提案し、2人は一緒に暮らすこととなった。

君がケチをつけなかったら、私は偉大な画家になっていたかもしれない。記念に私の絵を1枚送っておいたよ。

引退を決めたヴァージルの最後のオークション会場に出向いたビリーが言ったセリフ。
最後の仕事を終えたヴァージルの自宅にはビリーから送られた絵があった。引退の記念にと送ったその絵の裏にはビリーからの伝言が書かれていた。「バージルへ 親愛と感謝をこめて ビリー」これを見たヴァージルは自分が騙されていたことを悟るのだった。

『鑑定士と顔のない依頼人』の主題歌・挿入歌

トルナトーレとモリコーネのタッグ

鑑定士と顔のない依頼人の音楽を担当しているのはエンニオ・モリコーネである。
トルナトーレ監督の過去作品、ニュー・シネマ・パラダイスの音楽も担当している。世界中から称賛を浴び続た2人が再びタッグを組んで本作の音楽は完成した。
モリコーネが作曲、編曲、指揮全てを行ってい、イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で音楽賞他、6部門に輝いている。

La migliore offerta

Volti e fantasmi

『鑑定士と顔のない依頼人』の予告映像

予告映像

『鑑定士と顔のない依頼人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

劇中の美術品は7割が本物

鑑定士と顔のない依頼人で使われた美術品は、その7割が本物だった。
ヴァージルの隠し部屋、四方の壁にはコレクションの女性の肖像画が隙間なく飾られている。これらの肖像画は約1割が本物で、この部屋を除き他のシーンに登場する美術品は本物が7割を占めているという。どれが本物でどれが贋作なのかといった詳細は不明だが、個人のコレクターや、アンティークショップから借りた美術品をそのまま使用しているのだとか。その中には美術館などに所蔵されている希少な美術品もあり、美術館から借りてきた胸像などを作品の中で観られる。

本作の出発点は広場恐怖症の女性の実話

実話の詳細は明かされていないが、このストーリーの出発点になったのは、トルナトーレ監督がかつて聞いた広場恐怖症の女性の実話にあったという。
その後、20年にわたり構想を練り上げ、からくり人形の物語を組み込むことで複雑なストーリーを完成させたとトルナトーレ監督は語っている。「ある日、ヴァージルという役が完成し『映画館で見たい』という気持ちになり、脚本を執筆した。」とも語った。また「最初からジェフリー・ラッシュを念頭に置いて脚本を書いた。」と明かした。

リピーター割サービス実施

hanetani0
hanetani0
@hanetani0

Related Articles関連記事

海の上のピアニスト(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

海の上のピアニスト(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『海の上のピアニスト』とは1998年に製作された、あるピアニストの生涯を描いたイタリア映画である。船の中で生まれ育った、「1900」と名付けられた主人公のピアニストとして活躍、ともに演奏するトランペット吹きの男との友情、とある少女への恋などを巨匠エンニオ・モリコーネの作る音楽に乗せて描く。監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレで、主人公のピアニストをティム・ロスが演じ、プルイット・テイラー・ヴィンスらが共演した。

Read Article

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』とは、ウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ制作の実写映画作品で、全5作あるシリーズの最終章。主演のジョニー・デップは、シリーズ全作品通じて海賊ジャック・スパロウを演じ、作品の代名詞的存在となっている。ジャックの策略で、「魔の三角海域」に幽閉されていたアルマンド・サラザールが解き放たれた。復讐を誓うサラザールから逃れるため、ジャックたちはどんな呪いも解くことができる「ポセイドンの槍」を手に入れようと奮闘する。

Read Article

観た後に不思議な余韻を残す映画まとめ!『鑑定士と顔のない依頼人』など

観た後に不思議な余韻を残す映画まとめ!『鑑定士と顔のない依頼人』など

ここでは観た後に不思議な余韻を残したり、何かモヤモヤするものが残る映画をまとめた。美術品の鑑定士と決して姿を現さない依頼人の交流を描く『鑑定士と顔のない依頼人』、自伝を出版してスターとなった殺人犯と彼を憎み続ける遺族の攻防を描いた『殺人の告白』などを紹介している。

Read Article

【ショーシャンクの空に】一度は必ず観たい!ヒューマン系の名作映画まとめ【海の上のピアニスト】

【ショーシャンクの空に】一度は必ず観たい!ヒューマン系の名作映画まとめ【海の上のピアニスト】

映画には様々なジャンルがありますが、中でも人間ドラマを描いた作品は心の琴線に触れるものが多く、映画史上に残る名作がたくさんあります。この記事では、そんなヒューマン系映画の中から絶対に一度は観たいものをピックアップしてまとめました。誰でも知ってる有名なものばかりを厳選しています。映画にあまり馴染みがないという方にこそ観ていただきたいラインナップ!

Read Article

目次 - Contents