鑑定士と顔のない依頼人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『鑑定士と顔のない依頼人』とは、ジェフリー・ラッシュが演じる、すご腕の美術品鑑定士だが、人嫌いで女性と縁のないヴァージルが姿を見せない謎めいた依頼人クレアに心惹かれていくミステリードラマ。
ヴァージルとクレアの恋の裏では、ヴァージルの長年のパートナーが用意周到に計画した復讐劇が進められていた。
「ニュー・シネマ・パラダイス」などを手がけたジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本による作品である。

ヴァージルの顔なじみの機械修理屋。ヴァージルがクレアの屋敷で見つけたオートマタの部品の修理依頼を承っている。
ロバートは人当たりが良く女性にも人気で経験も豊富であるため、ヴァージルはクレアとの関係を彼に相談している。
クレアが行方不明になった際には、仕事中のヴァージルに変わってクレア捜索も手伝った。

ビリー・ホイッスラー(演:ドナルド・サザーランド、吹替:稲垣隆史)

ヴァージルのオークション不正取引の仲間の元画家。ヴァージルが木槌を振るうオークションで、彼の指示で肖像画を競り落としていた人物。
昔、ヴァージルに「絵の才能がない」と言われ、画家の道を諦めた過去がある。ヴァージルの引退のお祝いとして1枚の絵を彼に送っている。この物語の黒幕と噂される人物だが、劇中で黒幕の正体は明かされていないため不明である。

フレッド(演:フィリップ・ジャクソン、吹替:桂一雅)

クレアの両親に雇われ10年以上、クレアの屋敷で働く使用人。屋敷の遺品鑑定の際、姿を現さないクレアについてヴァージルから質問を受けた人物。10年以上屋敷に勤めているフレッドでさえ、「クレアと話をしたことはあっても姿を見たことは無い。病気を患っている。」とヴァージルに告げた。

サラ(演:リヤ・ケベデ)

ロバートの恋人。女の出入りが激しいロバートの女性関係を心配している。
ヴァージルがロバートにクレアの姿を見せた後日、彼の元を訪れ「ロバートがクレアのことを気に入っている」と忠告した人物である。その後もサラはロバートの元に出向いていることから、ロバートとクレアの間にはなにもなく、サラの気にしすぎだったことが分かる。

ランバート(演:ダーモット・クロウリー)

ヴァージルの秘書である。
ヴァージルに日々のスケジュールの確認などを行っている。また、クレアが行方不明になりパニックになったヴァージルにオークションの仕事があると連絡してきた人物であり、施設で生活しているヴァージルを訪ねてきた人物でもある。
物語の核心に触れる人物ではないため、登場シーンは少ない。

『鑑定士と顔のない依頼人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

贋作の中にも真実がある。

美術品鑑定を依頼した女性にヴァージルが言ったセリフ。
「優れた贋作師も必ず自分の証明をその作品の中にわずかながら入れてしまうのだ」と語り、一見本物に見える作品でも贋作者が分からないように自分自身の印を残しており、女性が本物だと思っていた絵画が偽者であることを示した。

クレアとオートマタのどっちか一つを選らべと言われたら、どっちを取るんだ?

クレアの屋敷でオートマタの部品を集め終わったヴァージルが、ロバートの元へ部品を運んだ際、ロバートがヴァージルに言ったセリフ。
年代物で相当価値の高いであろうオートマタを取るのか、愛した女性を取るのかヴァージルにとっては究極の選択肢である。この台詞に対しヴァージルは返答していないが、後の彼の行動で美術品よりも愛を取ったことが見て取れる。

愛も贋作のように偽れるのだろうか?

クレアと結ばれた翌日、ヴァージルがロバートに言ったセリフ。
人を愛することを知り、自分は美術品の贋作は見抜けるが、人の感情は見抜けないと感じている様子のヴァージルがふとロバートに吐露した言葉。ロバートは「愛もオークションに出せたらいいね。競り落とした人が追体験できるとか。」と答えた。

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