黒炭オロチ（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】

黒炭オロチのプロフィール・人物像

黒炭オロチ（くろずみおろち）
年齢：54歳
身長：350センチメートル
悪魔の実：動物系幻獣種「ヘビヘビの実 モデル・八岐大蛇（やまたのおろち）」
出身地：ワノ国

CV：岩崎ひろし
黒炭オロチ（くろずみおろち）とは、百獣のカイドウと手を組んでワノ国を牛耳る将軍である。ずんぐりした体型にヘビを思わせる二本の前歯という特徴的な外見をしており、冠を被っている。幼少期の世を忍ぶ極貧体験の反動ゆえか派手好きで、酒や女にこだわりを持っている。ワノ国一の花魁と謳われる小紫に惚れ込んでいるが、小紫の正体がおでんの娘の日和であることには気づいていない。

代々将軍に仕えていた大名家の一つ・黒炭家の出身であるが、オロチの祖父が次期大名の座を狙って暗殺を繰り返していたことが露見し、黒炭家は断絶された。幼少の頃より祖父の因果によって迫害され貧乏生活を送ってきたが、黒炭家の生き残りたちの支援を受けて悪魔の実を入手し、大名家の一つ・康イエの小間遣いになる。ひそかに資金集めと武器製造を繰り返してカイドウの後ろ盾を獲得し、「おでんの弟分」として将軍・光月家に取り入った。その後協力者の一人である黒炭ひぐらしの能力によって将軍スキヤキを謀り、行方知れずになったおでんが戻るまでの代理として将軍になる。
カイドウの威光を利用して長年圧政を敷いていたが、真実を知ったおでんとその家臣たちに命を狙われる。何とかおでんを退けておでんを処刑するが、おでんの妻であるトキの能力によって家臣の一部を20年後に飛ばされ、家臣の復讐に怯えていた。
予言通り20年の時を超えてやって来た家臣たちと、麦わらの一味を始めとした海賊たちの抵抗によって劣勢に陥るが、家臣の中に紛れ込ませていたスパイによっておでんの息子・モモの助を攫う。しかしワノ国を乗っ取ろうとしていたカイドウによって裏切られ、首を撥ねられた。その後何らかの手段で復活しおでんの家臣たちに襲い掛かるが、一瞬で返り討ちにされる。今度こそ果てたかと思われたが生存しており、宝物殿にて死んだはずの小紫と再会した。

黒炭オロチの能力

悪魔の実：ヘビヘビの実 モデル・八岐大蛇（やまたのおろち）

動物系幻獣種ヘビヘビの実 モデル・八岐大蛇の能力者であるオロチは、八つの頭を持つ巨大なヘビに変化することができる。首を切り落とされても生存していることからヘビヘビの実の能力だと思われるが、詳細は判明していない。ヘビはそれぞれ表情が異なっており、変化前にオロチが被っていた冠をつけたヘビが中央に存在している。

狙撃能力

えびす町の住人で、その正体はおでんの協力者だった元大名の霜月康イエを自らの手で処刑している。康イエは高所に磔にされていたが、オロチは走っている馬の上から発砲して仕留めており、狙撃の腕はかなりのものだと思われる。

黒炭オロチの来歴・活躍

ワノ国の将軍

四皇の一人であるカイドウと同盟を結びワノ国を牛耳っている将軍・黒炭オロチは、女性をはべらせて美食を食らい、酒を飲みながら祭りごとに興じる男だった。派手な暮らしを楽しむ一方、かつてワノ国を開国しようとした光月家の人々を弾圧し、光月の名を口にしたものは問答無用で捕まえて圧政を敷いていたのである。栄えているのは将軍が住まう花の都だけであり、その他の人々は厳しい生活環境や武器工場での労働などで疲弊していた。

花魁・小紫

オロチはワノ国一の花魁と謳われる小紫に惚れ込んでいたが一方で非常に小心者であり、かつて自らの地位を脅かした光月おでんの家臣「赤鞘九人男」達が復讐に現れるのではないかと常に怯えていた。それはワノ国に伝わる「20年後の未来自分を倒すものが現れる」という伝説に起因しており、おでんが死んでちょうど20年が経とうとしていたからである。
オロチはワノ国で催される巨大な祭典「火祭り」の開催を控えて小紫を始めとした美女たちを呼び寄せ宴を楽しんでいたが、自身が「伝説の侍」達の影におびえていることを小紫の禿（花魁の世話役の少女）であるトコに笑われてしまう。激高したオロチはトコを切り捨てようとしたが、小紫はトコを守ってオロチの前に立ちはだかり、強烈な平手打ちを食らわせた。

小紫を失いたくないオロチは「謝れば許してやる」とチャンスを与えたが、小紫は「わっちは誰にもへりくだらぬ」と取り合わず、オロチは小紫を怒りのままに殺そうとする。そこへ花の都の大侠客「居眠り狂死郎」が小紫を一刀に切り伏せ、小紫を失ったオロチは嘆き悲しむのだった。

康イエの処刑

小紫の死に嘆くオロチの元に、世間を騒がせていた「丑三つ小僧」が捕らえられたという知らせが届く。「丑三つ小僧」は悪人から金を巻き上げて、貧乏人が住むおこぼれ町にばら撒く義賊だったが、「そんなものに構っている暇はない」とオロチは取り合わない。しかしその正体がかつて将軍家に仕えていた大名の生き残り「霜月康イエ」だったと知ると、オロチは「小紫の供として殺してやる」と息巻いて、康イエが捕われている博羅町へ急いだ。
康イエはかつてオロチ・カイドウと戦った末に瀕死の重傷を負い、「トの康」と名を変えておこぼれ町の住民に施しを続けていた。光月の侍が生きており反乱を企てていることを知った康イエは、磔にされながらも毅然とオロチに向かって「器の小さき男には一生食えぬおでんに候」と言い放つ。すでに亡き者であるはずのおでんにコケにされたと感じたオロチは、走る馬の上から康イエに向けて発砲し彼を処刑した。

オロチの過去

オロチはかつて将軍に仕えていた大名「黒炭家」の出身だったが、祖父が将軍に仕えていた頃は将軍家に世継ぎがなかなか誕生せず、跡取り問題で混迷を極めていた。そこでオロチの祖父は将軍に仕える他の4つの大名家の者を次々と暗殺し、将軍の座を狙う。オロチの祖父はあと一歩のところまで迫っていたが、悲願達成の目前で将軍家の世継ぎ「光月スキヤキ」が誕生し、オロチの祖父の所業が明らかとなった。祖父は表向き切腹を言い渡されたが、実際は処刑された上で、黒炭家は断絶され土地や名誉などもすべて失ったのである。
幼少の頃のオロチはただ祖父が切腹させられたと聞いており、理由もよく知らぬまま極貧生活を送っていたが、ある日突然オロチの前に現れた「黒炭ひぐらし」と「黒炭せみ丸」によって真実を伝えられる。そして「正義感」にかられた民衆によって「黒炭」と名のつく者たちが迫害されてきたことを知ると、ひぐらしから渡された「ヘビヘビの実」を口にしてワノ国への復讐を誓った。

ひぐらしから「金を集めて巨大な後ろ盾を得ろ」と忠言されたオロチは、大名家の一つである「霜月康イエ」の元に小間使いとして入り込み、スキヤキの息子であるおでんに接触する。そしておでんから度々金を借り、準備を整えていった。

おでんの処刑

ひぐらしがマネマネの実の能力によって変身したスキヤキの遺言によってついに将軍の地位に登りつめたオロチはカイドウを後ろ盾につけ、花の都で派手な暮らしをする反面、国に武器工場を建てて環境を破壊し国民に圧制を敷いていた。一方ロジャーに付き従って世界の真実を知ったおでんは、帰還した瞬間ワノ国のあまりの変わりように戸惑う。そして家臣からおでん不在の折にオロチが行った所業を聞かされ、妻であるトキの命が狙われたことを知ったおでんは、愛刀を掴むと怒りのままにおでん城を飛び出していった。

あっという間にオロチの眼前に辿りつき切り伏せようとしたおでんだが、オロチに付き従っていたせみ丸のバリアに阻まれてしまう。そしてオロチから「復讐のために将軍になった」と聞かされ、国民を護る為に週一回裸踊りを5年間続けることを約束した。
大半の国民から見捨てられ、蔑まれながらも5年間裸踊りをつづけたおでんだが、オロチは約束を反故にする。オロチは「今製造している船が完成する5年後、カイドウと共にワノ国を出ていく」とおでんを騙していたのである。怒りが頂点に達したおでんは家臣と共にカイドウを討つため攻め込むが、カイドウとの戦いの最中息子のモモの助に化けたひぐらしによって集中力を失い家臣共々捕えられてしまった。

煮えたぎる油によって釜茹での刑に処されることになったおでんと家臣たちだが、おでんは「まだやらなければならないことがある。全員で釜の中に入るから所定の時間生き残った者がいれば解放してほしい」と交渉する。おでんは家臣全員を橋板の上に乗せたまま一時間を耐えきったが、何としてもおでんを殺したかったオロチは「一分前に全員銃殺刑にすることにした」と翻しおでんを狙撃する。おでんは「ワノ国を開国せよ」と家臣たちに言い遺して全員を放り投げると、自身は煮えたぎる油の中に姿を消した。

オロチ・カイドウはおでんの血を根絶やしにするためにおでん城に火を放ち、追手を差し向けたが、トキの能力によって20年後の未来に飛ばされた者を含めて一体の死体も見つからなかった。オロチはその事実に熱湯の風呂に浸かってさえ寒気を感じるほどに怯え、徹底的に光月を悪に仕立て上げた。

赤鞘のスパイ

20年前姿を消したはずの光月家の侍たちが決起して常影港からの討ち入りを企てているとの情報を掴んだオロチは、常影港につながる主要な設備を次々と破壊し船を沈めていく。あまりのオロチの執心ぶりに「担がれているのではないか？」と疑問を呈するカイドウだったが、オロチは「忠実なスパイを潜り込ませており、確かな情報だ」と内通者の事を評価していた。
内通者は黒炭の分家のもので大衆演劇の一座に生まれたが、「正義感」に憑りつかれた民衆によって舞台上で両親を殺され、心を失っていた。オロチは悪魔の実と共に復讐の機会を与え、「光月のものとして生き、光月として死ね」と命じる。
そして忠実に仕事を果たした「”夕立”カン十郎」こと「黒炭カン十郎」にモモの助の拉致を指示し、カン十郎を鬼ヶ島へと帰還させた。

カイドウの裏切り