マッドマックス/サンダードーム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『マッドマックス/サンダードーム』とは、1985年公開のオーストラリア映画。ジョージ・ミラー監督、メル・ギブソン主演『マッドマックス』シリーズ第3弾。核戦争により荒廃した砂漠を彷徨うマックスが辿り着いたバータータウン。その街でティナ・ターナー演じる野蛮な女支配者により、球状の檻に囲まれた“サンダードーム”での戦いを強いられた。だが結果、一人砂漠へと追放され行き倒れになったマックスだったが、彼を救ったのは少年少女だけが住む村だった。

バータータウンを脱出したマックス一行とマスターを乗せた機関車は、ビッグキラーの運転で砂漠の中を延々と続くレールの上を猛スピードで走っていた。
マスターを取り返しマックスを抹殺すべき、アウンティーは自ら陣頭指揮を執りバギー軍団を繰り出した。
追手はすぐに追いつき、機関車に乗り込んできてはマスターを奪おうとする。必死に応戦するマックスと子供たち。猛スピードの中、双方が機関車とバギーに乗ったり乗られたり、壮絶なカーチェイスの中でマスターの争奪戦が展開される。アウンティーらバギー軍団は、すばしっこい子供たちに翻弄されまくり大苦戦を強いられるのだった。

これまでの『マッドマックス』シリーズのメインであった車両を使ったカーチェイス・バトルシーンが、本作では後半のこのシーンだけとなっている。
前作までの緊張感のあるシーンに比べ、本作では子供たちが活躍するためコミカルな雰囲気が多く見られるシーンとなった。

大活躍のマックスの”相棒”

マックスの新しい相棒の猿。
冒頭、マックスが乗るキャメルワゴンがジェデダイアに盗まれた時、荷台に乗っていた猿も一緒に連れてかれたが、その際マックスの為なのか、笛やブーツなど地面に落として行った。
バータータウンに運ばれた後は囚人のピッグキラーが世話をし、マックスがバータータウンから荒地に追放された後、ピッグキラーから水の入った水筒を持たされて砂漠を歩き、無事にマックスに届けた。
その後はマックスと一緒に「最後の部族」に匿われ、スクルールースと過ごしていたが、再びバータータウンに向かうこととなった。マックス一行がタウンを脱出する際にはぐれてしまい、マックス達と合流することなく行方不明となってしまった。

前作の犬のように悲惨な最期を遂げることはなかったが、随所に登場しマックスを助ける活躍を見せるという点では犬と共通した扱いとなっている。

『マッドマックス/サンダードーム』に登場する主な車輛

キャメルワゴン

マックスがジュデダイア親子に強奪され、バータータウンに持ち去られたトラック車両。
冒頭では燃料が底を尽きていたのか、マックスは数頭のラクダで牽引させて運転しており、燃料強奪防止用のダイナマイトによる自爆装置を車体の下に搭載している。
クライマックスのカーチェイスシーンではアウンティの部下が運転してマックス達を追跡したが、バトル中に機関車から飛び移ってきたスクルールースによって奪還される。最後はマックスがジュデダイアの飛行機の離陸を援護する為、アイアンバーが乗るバギーと正面衝突させた為、大破してしまう。

ジェデダイアの飛行機

ジェデダイア親子が乗る小型飛行機。
冒頭では息子のジェデダイアJrが操縦していた。
クライマックスでマックスに見つかり、マックスたち一行を乗せる羽目になる。
オーストラリア製の農業機PL-12 エアトラックを改造して使用している。

機関車

バータータウンの地下施設で豚の糞からメタンガスを精製し、街全体にエネルギーを供給していたトラックの車体の列車車両。
機関車の機関部分を改造してメタンガスの精製と供給を行っている為にパイプで街と直結・固定されており、ピッグキラーの運転でマックス達が脱出した際には地下施設が大爆発を起こし、街も壊滅することとなった。

アンダムーカバギー(別名ビッグフット)

アウンティの部下アイアンバーが乗る四輪駆動のバギー車両。
クライマックスでは、飛行機を援護するマックスが乗るキャメルワゴンに対し、率先して飛び出して行くが正面衝突して大破した。

『マッドマックス/サンダードーム』の用語

バータータウン(BARTER TOWN)&サンダードーム(Thunderdome)

バータータウンは、アウンティ・エンティティが建造・支配し、物々交換などの取引で栄える街。
電気などのエネルギー資源は豚の糞から発生するメタンガスによって供給されており、地下施設アンダーワールドでマスター・ブラスターの運営の下、囚人達の労働によって生産されている。
街にはサンダードームと呼ばれる闘技場がある。
喧嘩事の物事の解決に決着をつけるという決まりがあり、金属の金網状の塀で造られた巨大なドーム状の中で一対一で死闘の闘いをする。「2人が入って1人が出れる」の掟の下、喧嘩事を起こした人物2名がバンジーロープを括りつけられた状態でドーム内で戦い、どちらか一方が死ぬまで続けられる。戦い方も自由でドーム内に投入されているチェンソーやハンマーなどの武器を使用するができる。また観客はドームの塀に攀じ登って試合を見学するが金網状の為、武器攻撃が外れると観客も巻き添えを食らって死ぬ事もある。

最後の部族(The Lost Tribe)

砂漠の荒地の中にある地殻の断裂で出来た渓谷地帯のオアシスに住む、少年少女だけの部族。
スレイクと言う名の少年とサバンナと言う少女の2人をリーダーにする。
核戦争時に、難民を乗せてシドニーから脱出したボーイング機が核の爆風の影響で荒地の地殻の断裂地帯の場所に墜落した。その乗客たちの子供がやがて部族となってボーイング機のパイロットであるキャプテン・ウォーカー機長を神話の人物として伝え、伝説の地トゥモローランド(シドニー)に戻る事を望んでいる。
近くの砂漠には墜落したボーイング機の残骸がある。

トゥモローランド(Tomorrow-Morrow Land)

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