BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『BLACK LAGOON』(ブラック・ラグーン)は、広江礼威による日本の漫画作品。略称は「ブラクラ」。
タイの架空都市「ロアナプラ」を舞台に、悪党たちが繰り広げる騒動を描くクライムアクション。
洋画の掛け合いを見ているような軽妙なセリフの数々に魅了されるファンが多い。

「行こうか同志諸君、撃鉄を起こせ!」

ロシアンマフィア『ホテルモスクワ』のタイ支部には、他のマフィアと違う点があった。構成員の多くが、ソヴィエト軍崩れであるということだ。軍隊時代より大尉として部下の上に立っていたバラライカは、仲間意識が強い。そのため、彼女は、ヘンゼルとグレーテルに仲間を殺されたことに、ひどく憤り、復讐することを誓った。双子の殺し屋を追い詰める準備を整えたホテルモスクワは、その当主たるバラライカの号令の下、士気を高めるのだった。

バラライカというキャラクターの仲間想いな性格やホテルモスクワの特徴を端的に表現したセリフといえる。これにより、ホテルモスクワが他のマフィアと違うという作中での言及が裏付けられた。

「こんなにも人を殺してきたんだ。いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい殺してきてる。僕らはそれだけ生きることができるのよ。命を、命を増やせるの。私たちは永遠(ネバー・ダイ)さ。そう永遠なのよ(ネバー・ダイ)」

ヘンゼルとグレーテルを殺す作戦に出るホテルモスクワ。彼らの作戦は、あえて不利を装い、双子をおびき出して狙撃するというものだ。作戦は順調に進んだものの、おびき出されたのは『兄様』の方のみ。だが、バラライカは片方だけでも殺すことにした。バラライカと対面する兄様。彼が今まさにバラライカに襲い掛かろうとしたとき、スナイパーライフルによって膝を撃ち抜かれ、兄様は地面に突っ伏した。バラライカにここで死ぬんだと言われたとき、兄様は歪み切った本性を露呈させる。

双子の殺し屋の壊れた精神状態が端的に分かるセリフである。彼らは孤児であり、虐待を受け、スナッフビデオ(娯楽用途に殺人の様子を撮影したビデオ)への出演を経て殺し屋になった。その過去を知ると、このセリフからは物悲しさも溢れてくる。

「…………あ………きれいだわ、そら。――どうし…」

双子とホテルモスクワの激戦から一夜明けた午後。紆余曲折を経て、ラグーン商会は『姉さま』から依頼を受け、逃亡を手伝うことになる。道中、ロックは姉さまと交流し、彼女の悲惨な過去に同情する。そんなロックに対して姉さまは、今までロックのように優しい人間には出会ってこなかったと口にする。こうして彼らの間には絆が生まれた。目的地に着いたとき、姉さまはロックに再会の約束を交わす。しかし、その直後、ラグーン商会が逃亡の協力者として選んだ逃がし屋に、姉さまは撃ち殺されてしまう。逃がし屋は、事前にホテルモスクワから報酬を受け取り、姉さまを殺す仕事を引き受けていたのだ。突然の出来事に理解が追い付かない姉さまは、青い空を眺め、ぽつりと言葉を零すのだった。

双子編の幕切れと呼べるシーン。明らかになった双子の過去やロックとの交流を通じて描写される子供らしさによって、このシーンの切なさが助長されていると言える。最期の言葉が、「空がきれい」であることもまた、切なさを増している要素といえるだろう。

「自分でね、自分を投げるんです。自分が決めた方向に。それができるから、人は自由なんですって」

ホテルモスクワの通訳のため、再び故郷の日本を訪れたロック。彼はそこで、的屋の娘、鷲峰雪緒と知り合う。それからしばらく経ったある日、ロックは再び雪緒と出会い、喫茶店に入った。会話を弾ませる二人。その中で、雪緒はとあるフランスの哲学者の言葉を述べるのだった。

日本編における雪緒の立場を表現した一言。この後、雪緒は悲惨な運命に巻き込まれていくことになるが、その運命を選んだのは、他ならぬ雪緒自身だということを明示したセリフであるといえる。

「………やりやがったな。そんなに俺の刀が見てぇか………! 全員仲良く、十万億土を踏みやがれ」

雪緒の実家である鷲峰組とホテルモスクワの協力関係がこじれた結果、ホテルモスクワの魔の手が鷲峰組に及び、組は壊滅寸前まで追い込まれる。雪緒は女子高生ながら、唯一の直系であり、鷲峰組の悲惨な状態を目の当たりにし、組を継ぐことを決意。しかし、そんな矢先、鷲峰組の構成員であるチャカに拉致されてしまう。彼は、壊滅寸前の鷲峰組を裏切り、勝ち馬に乗ろうとした。そのために雪緒を拉致し、追ってくるであろう松崎銀二を殺そうと考えたのだ。現場に駆け付けた銀二は、現状を知り、激しい怒りを見せながら、刀を抜く。

どんなときも慇懃な態度を崩さない銀二が、怒りを爆発させるシーン。普段とは違う彼の姿を印象付けたという意味で、このセリフは名言といえるだろう。

「お前、生きようとしたな。遅いぜ、遅い」

ホテルモスクワとの抗争の影響で壊滅寸前まで追い込まれた鷲峰組。そんなとき、ホテルモスクワは一方的に停戦を宣言した。しかし、雪緒は受け入れようとせず、ホテルモスクワを倒すための人質として、ロックを捕らえた。レヴィはロックを助けるため、銃弾を斬り落とすほどの腕前を持つ剣豪、松崎銀二と対峙する。二人の戦いが激しさを増す中、銀二はとうとうレヴィを追い詰める。成すすべなしと思われたそのとき、雪緒への想いから、銀二はわずかながら生への執着を示した。それによって剣が鈍り、レヴィはその隙をついて、銀二の眉間を撃ち抜く。

血に染まった道を歩く者でありながら、雪緒という家族のような存在がいる銀二。雪緒の存在故に生きようとしたことが直接勝敗を分けたことを明示するセリフ。レヴィの表情の禍々しさも相まって、セリフに説得力がある。

「私の会社を舐めるなよ?チンピラ」

暴力協会のシスター、エダはレヴィの喧嘩仲間であると同時に、CIAの工作員でもある。彼女の目的は、ロアナプラの情勢を不安定にすることで、アメリカに利益をもたらすこと。そのため、ロアナプラで問題を起こしたくない三合会の張維新とは利益が相反する。ベネズエラの名家の一つ、ラブレス家の跡取り、ガルシアが両親を殺され、その犯人がロアナプラにいると睨んだメイドのロベルタがロアナプラに来たとき、張は情報交換をエダに持ち掛けた。しかし彼女はこれを拒む。それでもなお食い下がる張をエダは嘲笑うように切って捨てた。

これより以前に、エダがCIAの工作員だと分かる。そのときの彼女は、普段の軽薄な性格とは似ても似つかない冷酷さを見せた。ロアナプラで巨大な勢力を築いている張を小ばかにするようなこのセリフにより、彼女の底知れなさが露わになり、エダというキャラが一層謎めいたセリフといえるだろう。

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