スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ
古今東西のロボットアニメ作品がクロスオーバーする『スーパーロボット大戦』のシリーズの一つ。ウィンキーソフト開発、バンプレスト発売。ジャンルはシミュレーションRPG(SRPG)。
本シリーズは『スーパーロボット大戦』シリーズの基礎を完成させ、同シリーズを日本を代表するクロスオーバーシリーズへと導いた。
CV:神谷明
元祖合体変形ロボットアニメ『ゲッターロボ』及び翌年放送開始の続編『ゲッターロボG』の主人公。ゲッター1及びゲッタードラゴンのメインパイロット。他の形態ではサブパイロットを勤める。
原作アニメでは非常に常識人で正義感が強く、リーダーとしてゲッターチームをまとめ上げていたため、本シリーズでもロンド・ベルの一因として模範的な振る舞いを見せる。『F』で碇シンジに戦う理由を問われた際に「正義のため」と答え、正義とは自分の心の中にある良心であると諭した一幕は、ファンからも好評だった。
非常に攻撃力が高く、自軍を代表するアタッカーとなる。宇宙開発用に設計されたゲッターロボの設定に合わせて宇宙適応も高いため、シナリオ後半で宇宙に出ることの多い本シリーズでは最後まで大活躍が期待できる。搭乗するユニットもシナリオ進行に合わせ強化されていくため、ステータスが足りなくなることもない。代わりに機体が打たれ弱いため、敵の攻撃を如何にいなすかが肝となる。他のユニットに狙われる役を担ってもらうのが定石とされる。
他方、ゲッター1が空中戦用形態であることを反映し、地上戦が苦手な能力となっている。このため、空中に上がれない一部の建物内マップではゲッター2やゲッター3にメインを譲ることが多い。
『第3次』ではサブパイロットに関する幾つかの仕様がプラスに働き、自軍随一の最強パイロットとして君臨した。他の作品でも非常に強力なため、彼を含めたゲッターロボを自軍の中心に据えるのがシリーズの基本戦略となっている。
ゲッタードラゴン
『ゲッターロボG』にて登場したゲッターロボの後継機・ゲッターロボGの第一形態。進化を促す宇宙線、ゲッター線を用いるロボット。シリーズ全作に登場。
初代ゲッターロボが宇宙開発用のロボットだったのに対し、ゲッターロボGは最初から戦闘用に開発された。ゲッターロボの第一形態・ゲッター1の主要な武装を強化して引き継いでおり、ゲッタートマホークがダブルトマホークに変化。また、番組後半ではゲッター1の必殺技、ゲッタービームを超える新必殺技としてシャインスパークが登場。
本シリーズではシャインスパークが最初から使用可能となっている。『第3次』『EX』では自軍で一番の攻撃力を誇る武装であり、『EX』では改造せずともダメージ上限に届く高威力となっている。
『第3次』序盤では調整のために研究所に預けられており、以降のシリーズでは序盤に出さない方便として使用されるようになった。『EX』は舞台が地上と隔絶された異世界であるため最初からゲッターロボGが登場し、初代ゲッターロボの出番がない。
高火力のシャインスパークを用いたボスキラーが主な仕事となる。
真・ゲッター1
1991年から連載開始された漫画『ゲッターロボ號』(同名のアニメとは同一企画に根ざすパラレル作品となっている)に一瞬だけ登場したゲッターロボGの後継機。『第4次』『F/F完結編』に登場。
本シリーズ開始当初から協力体制を敷いていたダイナミックプロによりコミック中では確認できない真・ゲッター2と真・ゲッター3のデザインが行われた上で『第4次』から登場。
ゲッター線の力を最大まで引き出す目的で開発された。名称は「真のゲッターロボ」という意味から取られたもの。
本シリーズの時点では『真ゲッターロボ』が執筆されていなかったため、存在しない原作から参戦するという特殊な形態となった。後にスーパーロボット大戦関連書籍で『真ゲッターロボ』を始めとする原作漫画が執筆されることとなった。
ゲッターロボGを遥かに凌駕する能力と、シャインスパークに変わる新たなる必殺技、ストナーサンシャインを引っさげてゲーム終盤に登場する。
ゲッターロボ及びゲッターロボGの改造を引き継ぐため、登場してすぐに主戦力として投入できる。宇宙での戦いが得意なのも見逃せない強みである。
アムロ・レイ
CV:古谷徹
『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公。『機動戦士Ζガンダム』にも登場し、『機動戦士ガンダムΖΖ』のノベライズ版にも登場する。シリーズ全作に登場。
宇宙コロニー、サイド7に暮らしている機械いじりが好きな少年だったが、地球連邦軍とジオン公国の戦争に巻き込まれ、流されるままに連邦軍のモビルスーツ、ガンダムのパイロットとなる。生き残るために戦い続ける中で新人類「ニュータイプ」へと覚醒し、ジオン公国のシャアらと死闘を繰り広げながら最後まで戦いきる。著しい戦果を上げアムロは英雄視されながらも連邦軍から危険視され、数年の間幽閉同然の生活を送ることとなってしまう。
やがて反政府組織「カラバ」の一員として戦線に戻り、『逆襲のシャア』時点では地球連邦軍に復帰。新たな愛機、νガンダムを引っさげて、因縁の相手、シャアとの最終決戦に挑む。
本シリーズにおけるアムロは基本的には『第2次』から登場しているキャラクター同様に歴戦の勇士ではあるが、少年のように扱われたり、青年のように扱われたりと描写が安定しない。これは原作が作中時間で10年以上経っており、時代に応じてアムロの立場や描かれ方が変わるためである。グラフィックは『EX』までは『機動戦士ガンダム』を元にした少年の姿、『第4次』『F/F完結編』では逆襲のシャアを元にした青年の姿となっている。制作サイドもこの不安定さを認識しており、『第4次』や『F』では自身の見た目の変化を「慣れないデスクワークに携わったせいで老け込んだ」と説明している他、『コンプリートボックス』では『第2次』には『機動戦士ガンダム』準拠の少年姿、『第3次』には『機動戦士Ζガンダム』準拠の若者姿、『EX』には『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』準拠の青年姿で登場し、戦闘ボイスも変更されるというこだわりぶりが見られる。
命中・回避の能力値が高く、精神コマンドも攻撃・防御に有用なものがきっちりラインナップされている。攻撃力の概念が復活した『第4次』以降は射撃攻撃力も高く、『F』で一部技能がレベル制となった際にもニュータイプ技能が高レベルまで上昇するように設定される等、隙がないため、シリーズ通して主力となる強力なキャラクター。
ガンダム
『機動戦士ガンダム』の主役ロボット。『EX』を除く作品に登場。
ジオン公国におされる地球連邦軍の開発した初のモビルスーツ。高度な学習コンピューターを搭載しており、パイロットの操縦をサポートする他、最終的には自律行動も可能となった。
あくまでも「最初のモビルスーツ」であり、後に連邦軍が量産型モビルスーツ「GM」を投入するなど、軍用兵器としての描写が目立つ。敵も味方もモビルスーツを多数展開する中、一騎当千の活躍を見せるのも魅力である。
メインウェポンは戦艦クラスの火力を実現するビームライフルと、ビームの刃でモビルスーツの装甲をたやすく切断するビームサーベル。他、実弾兵器としてハイパーバズーカや頭部バルカンを装備している。
『ガンダム』シリーズを代表する主役メカにして看板的存在だが、本作では後のシリーズ作品が参戦しているため、旧型として扱われ、能力も低い。
自軍の戦力低下や予算の削減、多数のパイロットが行方をくらました(『EX』は異世界を舞台としており、主要メンバーはその異世界へ転移、すなわち現実では行方不明となっている)懲罰といったように多種多様な理由付けがなされ、自軍の初期戦力として登場することが多い。
基本スペックは低いとはいえ量産機を凌駕する数字となっているため、序盤は重要な戦力となるが、ある程度ゲームが進むと更に協力なモビルスーツが手に入り、乗り換えが可能となっていることから、改造がためらわれるきユニットとなってしまっている。
乗り換えが存在しない『第2次』では問題なくゲームについていけるユニットとなっているが、中盤、アムロがνガンダムに乗り換えるため一切使えなくなるという憂き目にあっている。
νガンダム
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主役ロボット。全作品に登場。
シャアを総帥とするネオジオンとの戦争に備え、アムロが自ら基礎設計を行ったアムロ専用のモビルスーツ。戦争に合わせ急造した影響で一部に問題を抱えているものの、汎用性や信頼性に重きをおいた設計がなされており、最新鋭モビルスーツとしての実力をいかんなく発揮した。製造過程でシャアが横流しした技術「サイコフレーム」が投入されており、反応速度が非常に高くなっている。代わりに想定以上にビビッドな反応を示すことになり、不慮の事故を招く原因ともなった。
主力兵器として他のモビルスーツと同様のビームライフルやビームサーベルが搭載されている他、本機独自の兵器として大型の遠隔攻撃兵器「フィンファンネル」が搭載されている。「フィンファンネル」は展開する事でビームを防ぐ特殊な力場「Iフィールド」を展開することが出来、攻防一体の兵装として活躍する。
モビルスーツとしては最高峰の性能とフィンファンネルによる攻撃力、Iフィールドによる高い防御力を誇る、ゲーム最強クラスのモビルスーツとなっている。パイロットとしては『ガンダム』シリーズの主人公が軒並み適性が高くなっている。
自軍に加入するのはゲーム中盤から後半になることが多いが、その分劇的な性能を誇る強力ユットである。
クワトロ・バジーナ
CV:池田秀一
『機動戦士Ζガンダム』の主要キャラクター。『第3次』以降に登場。
反地球連邦組織エゥーゴの指導者、ブレックス・フォーラの相談役を担っている。モビルスーツの操縦にも長け、主力戦艦アーガマのモビルスーツ隊を率いている。その正体は『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したシャア・アズナブルである。
人相を隠すために着用しているサングラスがトレードマークとなっている。偽名を用いているが、周囲の人間は彼がシャア・アズナブルであることに内心気付いている描写が多い。『機動戦士Ζガンダム』エンディングのクレジットで、主人公のカミーユ・ビダンを差し置いて一番最初にテロップされており、役名が「シャア」であったことが放映当時から話題を呼んでいた(『劇場版 機動戦士Ζガンダム』三部作の途中からカミーユが最初になる形で順番が入れ替わる)。『機動戦士Ζガンダム』ラストで行方不明となり、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではシャアとしてネオ・ジオンの総帥となる。
本シリーズでも正体は知られており、一部の人物が指摘する。作品によっては隠しキャラ扱いとなっており、ルートによっては加入しない場合もある。『F完結編』では自軍から離れるイベントもあるため、注意が必要。
正体がシリーズを代表するライバルキャラクター、シャア・アズナブルなだけあり、高い能力を誇るエースパイロット。自軍にとって頼れるキャラクターとなる。
なお、本シリーズでは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の再現がなされないため、敵として戦うことはない。『F完結編』のデータからは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にならい敵対するルートが検討されていたことが伺えるが、実装されていたらクワトロに対するイメージも大きく変わっていたかもしれない。
サザビー
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する、シャア・アズナブルの愛機。『第3次』以降に登場。
高性能なニュータイプ専用機として開発され、機材を内部に収納するために通常のモビルスーツよりも一回り大きなサイズとなっている。νガンダムに横流しされた(シャアがアムロと対等な勝負を望み自ら流した)サイコフレームを搭載しており、ニュータイプ専用の遠隔攻撃兵器「ファンネル」を装備している。また、腹部に高威力なメガ粒子砲を内蔵している。
νガンダムと同等のスペックを誇る隠しユニット。最大攻撃力は劣るが、メガ粒子砲の取り回しがいいため、別の強みを持つ。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のストーリーが描かれないため、本作でのパイロットはクワトロ・バジーナが勤める。原作では敵対したνガンダムと並び立ち、シャアが『機動戦士Ζガンダム』で名乗ったクワトロ・バジーナとしてサザビーを駆り自軍で戦う図式は、本シリーズの魅力である「様々な作品、立場のキャラクターが共演・共闘する」を象徴するシチュエーションとしてユーザーを興奮させた。
条件は厳しかったり、ややこしかったりするが、戦力としても、本シリーズ独自の面白さを体験するためにも、ぜひとも手に入れたい機体と言える。
マサキ=アンドー
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目次 - Contents
- 『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』の概要
- 『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』の作品紹介
- 第2次スーパーロボット大戦
- 『第2次スーパーロボット大戦』の参戦作品
- 第2次スーパーロボット大戦G
- 『第2次スーパーロボット大戦G』の参戦作品
- 第3次スーパーロボット大戦
- 『第3次スーパーロボット大戦』の参戦作品
- スーパーロボット大戦EX
- 『スーパーロボット大戦EX』の参戦作品
- 第4次スーパーロボット大戦
- 『第4次スーパーロボット大戦』の参戦作品
- 『第4次スーパーロボット大戦S』
- 『スーパーロボット大戦F』/『スーパーロボット大戦F完結編』
- 『スーパーロボット大戦F』/『スーパーロボット大戦F完結編』の参戦作品
- スーパーロボット大戦コンプリートボックス
- 『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』のゲームシステム
- 基本システム
- ユニット
- パイロット
- インターミッション
- 改造
- 強化パーツ
- 戦闘システム
- 精神コマンド
- 特殊能力・特殊技能
- マップ兵器
- 2回行動
- 『第2次スーパーロボット大戦』のシステム
- 『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』の主要登場人物・キャラクター/ユニット紹介
- 兜甲児
- マジンガーZ
- マジンカイザー
- 流竜馬
- ゲッタードラゴン
- 真・ゲッター1
- アムロ・レイ
- ガンダム
- νガンダム
- クワトロ・バジーナ
- サザビー
- マサキ=アンドー
- サイバスター
- 『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』の名シーン・名場面
- 脅威の兵器 サイフラッシュ
- ビアン総帥の思惑
- ラグナロク
- 落日の栄光
- 恋の告白
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