スーパーロボット大戦30(スパロボ30)のネタバレ解説・考察まとめ

『スーパーロボット大戦30』とは、2021年にバンダイナムコエンターテインメントより発売されたNintendo Switch、PlayStation 4、Steam用のシミュレーションRPG。古今東西の様々なロボットアニメが一堂に会するクロスオーバー作品『スーパーロボット大戦シリーズ』の30周年記念して制作されたタイトルで、原作を再現した戦闘演出が魅力となっている。

『スーパーロボット大戦30』の概要

『スーパーロボット大戦30』 とは、B.B.スタジオ開発、バンダイナムコエンターテインメント発売によるPlayStation 4、Nintendo Switch、Steam用ソフトである。2021年10月28日にパッケージ版が発売され、同時にPlayStation Store、ニンテンドーeショップ、Steamにてダウンロード版(通常版、デジタルデラックスエディション、デジタルアルティメットエディション)も発売されている。DLC(ダウンロードコンテンツ)やシーズンパスを同梱したエディション、参戦作品の主題歌などの原曲をダウンロード可能なエディション、30周年記念アイテムを同梱したエディションなど多数のバリエーションで発売されている。シリーズ初のコンシューマとPCとのマルチプラットフォームである。ゲームジャンルはシミュレーションRPGとなっている。

本作の特徴は、シリーズ30周年記念作品として選ばれた全22作品にも上る参戦作品と新たな試みを取り入れたゲームシステムである。旧来のユーザーには馴染み深い『超電磁ロボ コン・バトラーV』『機動戦士ガンダム』『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』に加え、再度参戦の声が多かった『機動戦士Vガンダム』『重戦機エルガイム』が参戦。『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』『魔法騎士レイアース』『ガン×ソード』など直近作からの連続登板作品も見られる中、『勇者王ガオガイガーFINAL』その続編となる『覇界王〜ガオガイガー対ベターマン〜』、『コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道』その続編となる『コードギアス 復活のルルーシュ』がシリーズで初の起用となった。据置ハード作品における完全新規参戦作品として『勇者警察ジェイデッカー』『機動戦士ガンダムNT』『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』『ナイツ&マジック』『SSSS.GRIDMAN』など海外人気の高い作品から2010年代を代表するアニメ作品群の参戦もあり、記念作として幅広い年代からの取り入れが意識されている。さらに『Ζ-MSV』『M-MSV』『マジンカイザー INFINITISM』など、主に映像作品から派生し玩具展開が行われたタイトルも取り込んで新たな顔ぶれを作るために意欲的な取り組みがなされているのも特徴と言える。
さらに本作はDLC(ダウンロードコンテンツ)によるアップデート要素としてシリーズ初の追加参戦作品を配信。第1弾として『超電磁マシーン ボルテスV』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』『サクラ大戦シリーズ』『スーパーロボット大戦OG』から複数のユニットとキャラクターが登場。第2弾として『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』『ULTRAMAN』『スーパーロボット大戦OG』よりの追加参戦が行われるなど、記念作の名に恥じない追加要素の豪華さとなっている。

システム面においてもシリーズ初のシナリオ形式である「タクティカル・エリア・セレクト」システムを採用し、これまで基本的に1本道であったストーリー部分に大幅な手を加え、プレイヤーが任意のエリアに発生しているシナリオを選択する事でストーリー展開や入手する機体などの順番が変化するといったゲームシステムとなった。プレイヤーにはメインストーリーだけを進める方法やサブシナリオまで網羅する方法といった選択権が与えられた事で、ゲームを進める上でのシナリオのボリュームを任意に調整する事が可能となった。また、戦闘をオートで進行させる事が可能な「AUTOバトル」システムもシリーズの据置作品としては初搭載されており、現代のユーザーのニーズに応える形での新機軸の試みとなっている。

『スーパーロボット大戦30』のあらすじ・ストーリー

新宇宙正暦と呼ばれる時代。幾多の争いの歴史を重ねながら人類は生活圏を宇宙へと広げていた。新宇宙正暦90年代において大きな争乱を立て続けに体験した人類はそこで後の歴史に大きく影響を及ぼす機動兵器を多数誕生させるに至った。その兵器を用いた戦争は宇宙移民者と地球居住者の間に発生した人類同士の戦争だけでなく、悪の天才科学者による世界侵略、古代より蘇った一族の侵攻、地球外より飛来した侵略者達との戦いにおいて大きな力を発揮する。数年おきに発生する大きな争乱の歴史は地球を長きに渡る内戦状態に陥れていたが、一部の人々による英雄的活躍や行動、人々の想いが集う事で終結へと向かい、人類はこの世界において有史以来初の争乱が発生しない平和な時間「奇跡の一年」と呼ばれる時代に至った。

しかし、人々が平和を享受する中でも新たな争いの火種が尽きる事はなかった。連邦政府内に発生した政治的不安定さは新たな対抗勢力の台頭を呼び、時代は「奇跡の一年」を過去のものとするように再び争乱の渦へと巻き込まれていく。

だが、そんな世界の中で手を拱いている者だけではなかった。再び遠ざからんとする自由と平和の時代を取り戻すための力が建造されていた。万能戦闘母艦ドライストレーガー。まだ若き戦士達の手に渡されたその大きな力を持って、少年少女達は明日へと出港する。

地上ルート

『勇者警察ジェイデッカー』に登場するデッカード。

ゲーム開始直後の選択肢で、「極東エリア 大湊」を選択した場合は地上ルートになる。
地上ルートでは『超電磁ロボ コン・バトラーV』や『勇者警察ジェイデッカー』といった作品のストーリーを体験していくことになり、これらの作品に登場する機体を仲間にすることができる。

宇宙ルート

ゲーム開始直後の選択肢で、「L3 コロニー・エライオン」を選択した場合は宇宙ルートに入る。
宇宙ルートでは『機動戦士Vガンダム』や『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』のストーリーを攻略していくことになる。

『スーパーロボット大戦30』のゲームシステム

タクティカル・エリア・セレクト

今作より導入されたシリーズ初の新システム。今作最大の特徴とも言えるこのシステムは、複数のエリアから任意のミッションを選択する形式で進める事で、従来は決められた1本道を進む事になるシナリオをプレイヤーの選択によって自在に変化させる事が可能となった。これによって機体・パイロットの加入するタイミング、シナリオやステージ中での台詞の細やかな変化などが発生する。
表示されたミッションを全てクリアせずとも、キーミッションとして設定されているステージを選んでクリアしていく事で最短でストーリーを進行させていく事も可能となっており、自身の選択次第でクリアまでの全体的ボリュームを調整する事が出来るようになった。キーミッション以外の所謂サブミッションをクリアする事で入手可能な機体やパイロット、強化パーツなども存在するため、サブミッションをクリアするメリットも大きい。

AOSアップデート

ミッションをクリアする毎に入手可能な「MxP」を消費し、自軍の戦艦内に存在する施設をアップデートしていく事で自軍全体にパッシブ効果を適応出来るシステム。効果は様々で、自身のプレイスタイルに合わせて強化する項目を選ぶ事が可能。全18項目、各8段階の強化が可能であり、8段階強化後は大量のMxPと引き換えにここでしか手に入らない強力な強化パーツが入手可能となる。なお、その強化パーツの名称は歴代スーパーロボット大戦シリーズより引用されており、ファンならばニヤリとする要素となっている。

サポーター

非戦闘員キャラクターなどに固有のパッシブ効果が設定されており、サポーター枠に入れる事でその効果を自軍全体に付加する事が出来るシステム。サポーター枠は初期で6枠存在し、AOSアップデートシステムで強化する事で最大8枠まで拡張可能となる。サポーター枠に設定しているだけで発揮されるパッシブ効果と、戦闘時にコマンドから発動させるパッシブ効果の2種類が存在し、各ステージ毎に入れ替えて使用していく事が出来る。

AUTOバトル

家庭用据置ハードでのスーパーロボット大戦で初導入された自動操作システムである。MAP上での戦闘を自動で進める事が可能になっており、個々のユニットにはAUTOバトル時の基本的な行動方針が設定可能となっている。しかし、全て最適の行動が選択されるという訳ではないため、従来のプレイヤーによる操作との使い分けが必要となっている。

『スーパーロボット大戦30』の登場人物・キャラクター

バンプレストオリジナル

エッジ・セインクラウス

CV:杉田智和
男性主人公。21歳。O型。誕生日4月20日。
物語の最初の舞台となる第30士官学校に流れ着いてきた風来坊。敵の襲撃に巻き込まれて倉庫にあった人型機動兵器ヒュッケバイン30に乗り込む事になる。ヒュッケバイン30と同じく軍の機密である万能戦闘母艦ドライストレーガーを守って戦うも、機密に触れた為の処置としてドライストレーガーのミツバ艦長に身元を預かって貰う形で乗船し、パイロットを務める事になる。

人当たりは良いが大雑把な性格で、お金への執着が強い。当初、過去の経歴を語らず居たがパイロットとしての腕は優秀であり、特殊な訓練を受けた経験が在ると思われていた。その過去は、ドライストレーガー開発計画の総責任者であるファイクス・ブラックウッドが創設した「A機関」の被検体「認識番号1542、コード:EDGE」。過酷な訓練と実験を受け続けて育てられたが、己の才能を意図的に隠し続けて実験対象としての興味が失われかけた際に妹として共に育ったアズ・セインクラウスと脱走、世界を放浪していた。

エッジという名は機関でのコード名から取ったものであり、本名は不明のままである。

アズ・セインクラウス

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