スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

古今東西のロボットアニメ作品がクロスオーバーする『スーパーロボット大戦』のシリーズの一つ。ウィンキーソフト開発、バンプレスト発売。ジャンルはシミュレーションRPG(SRPG)。
本シリーズは『スーパーロボット大戦』シリーズの基礎を完成させ、同シリーズを日本を代表するクロスオーバーシリーズへと導いた。

基本的に一対一の戦いとなり、お互いに攻撃を行い、相手のHPを削る。命中率が存在し、攻撃するパイロットの命中と使用武器の命中補正、攻撃するユニットの運動性で決まり、攻撃されるパイロットの回避と攻撃されるユニットの運動性で算出される回避率による減算が加わって最終命中率が算出される。攻撃力は攻撃するユニットの武器の威力とパイロットの攻撃で決まり、攻撃されるユニットの装甲値によって減算される。計算式や参照されるステータスの種類は作品ごとに異なる(システムを流用した『F/完結編』と『コンプリートボックス』のみ共通)。

精神コマンド

パイロットが持つ強力なコマンド。RPGにおける「魔法」が概念としては近い。命中率を強制的に100%にしたり、ダメージを2倍、3倍に引き上げたりと強力なものが多く、アニメ作品で見られる窮地からの大逆転を演出する。本シリーズ特有のシステムとして知られている。精神コマンドはレベルの上昇に応じて段々と開放されていき、使用には精神ポイントというパイロット毎のリソースを使用する。
精神ポイントはレベルアップに伴い上昇するため、序盤ではここぞという時に一度しか使えなかった精神コマンドが、終盤では何度も使用できるようになったりする。
強力な精神コマンドほど消費する精神ポイントが多い傾向があり、精神ポイントのやりくりが重要な戦術となる。

特殊能力・特殊技能

ユニット及びパイロットに設定された特性。これにより、敵の攻撃を切り払って退けたり、原作で見せた超人的な活躍が再現されたり、特殊な技能を持つ者のみ使用できる武器が設定できたりする。『第3次』でユニットの特殊能力が登場し、『第4次』でパイロットの特殊技能が登場した。『F』からは一部特殊技能にレベル制が採用され、レベルアップとともに技能の発動確率や効果が上昇するようになった。

マップ兵器

一部の武器に設定された属性。この属性を持つ武器は一定範囲を一度に攻撃することが出来る。多くの敵のHPを削ることができ、精神コマンドと合わせることで大量の経験値や資金を手に入れられる。また、マップ兵器は相手の反撃を受けないという特徴もあるため、反撃されると厄介な相手にマップ兵器で攻撃し、HPを削っていくという使用法もある。また、変わり種としてはHPが減少した際に発動する特殊技能を解放するために味方のHPを削る手段としても用いられる。基本的に範囲内のユニットは敵味方関係無くダメージを受けてしまうが、一部のマップ兵器は敵味方を識別し、敵のみを攻撃するようになっている。
強力な攻撃手段であるため、シリーズが進む毎に攻撃範囲の縮小や弾数制限等が施されていった。

2回行動

1ターンに2回行動する。特定のステータス(作品ごとに異なる)が一定の値を超えると可能になる。本シリーズのステータスおよびレベルアップによるステータス上昇値は固定であるため、2回行動できるようになるレベルも固定されており、攻略本等ではステータスに併記して2回行動可能レベルが明示されている場合もある。
2回行動により、「1度目の行動で移動→2度目の行動で移動後に使用できない武器を使用」というような行動を1ターン中に行うことが出来る。これは特にマップ兵器で猛威を振るい、敵がマップ兵器を使うようになり、マップ兵器を持つ敵が多数登場した『F完結編』ではプレイヤーを恐怖に陥れた。また、移動後に使用可能な必殺技を持つ近距離戦ユニットは、1ターンで2度の必殺技を放つことも可能。
「遥か彼方にいたはずの相手から攻撃が飛んでくる」「想定以上に多くのダメージを相手に叩き込める」といった強力かつそれまでとは大きく違う戦術が次々飛び出すため、作品を経る毎に2回行動が可能になるレベルは引き上げられていった。
特に『F』ではレベルごとに上昇していた2回行動の可否を判定するステータスが、『F完結編』では30レベル前後から上昇量が非常に緩やかになる調整を加えられて物議を醸した。この調整により、『F』では2回行動出来るパイロットが『F完結編』に移行すると2回行動不能となったり、単純にキャラクターステータスの伸びが悪くなるなど様々な問題を抱えることとなった。

『第2次スーパーロボット大戦』のシステム

後のシリーズと大きく違うシステムを採用している。パイロットとユニットが一体となっており、後の作品で採用された乗り換えは出来ない。代わりにゲーム中のパワーアップイベントとして一部パイロットがユニットの乗り換えを行う。
マップ上に隠し要素としてショップが存在し、ユニットの武器とパワーアップアイテム『強化パーツ』が購入できる。ユニットごとの武器は最大2種となっており、ショップで購入できる武器は既存武器との入れ替わりになる。
味方になっているキャラクターは全員マップに出撃する。その他、数マップのみ登場、出撃するゲスト参戦キャラクターがいる。
攻撃は隣接した相手を攻撃する近接攻撃と、離れた相手を攻撃する遠距離攻撃の2種類。戦闘中のユニット間の素早さステータスが大きく離れていると、素早さステータスが大きい側が再攻撃を行い、戦闘ダメージが増える。
なお、『第2次G』では『第4次』に合わせて、『コンプリートボックス』に収録されたリメイク版では『F完結編』に合わせてシステムが刷新されている。

『スーパーロボット大戦(DC戦争シリーズ)』の主要登場人物・キャラクター/ユニット紹介

兜甲児

CV:石丸博也
人間がパイロットとして乗り込み、巨大ロボットを操縦する。世界に冠たるロボットアニメの第一作『マジンガーZ』の主人公。『グレートマジンガー』では剣鉄也に主役を譲ったが、終盤でカムバックを果たし、『UFOロボグレンダイザー』までマジンガーシリーズ全3作に登場した。本シリーズにもスーパーロボットアニメ界を代表する主人公として参戦し、シリーズ全作に登場。
鉄の城ことマジンガーZを自在に乗りこなし、敵ロボットをなぎ倒していく。
個性豊かな機械獣を相手に知恵を絞って戦い抜いた原作に比べ、日常シーンで描かれたお調子者の面や熱血漢な面が強調されており、シナリオ上の会話で設定を説明する作品の必要上から、プレイヤーの代わりに疑問を呈する役回りを担うことが多かった。
他方、作品開始前からマジンガーZで戦っていたと設定されており、歴戦の勇士として新人パイロットを相手に時に厳しく、時にやさしくサポートする場面も描かれている。
『第2次』では劇場映画『グレンダイザー対グレートマジンガー』に則りマジンガーZからグレートマジンガーに乗り換え、後の「乗り換え」システムの礎となった。
しかし、『グレートマジンガー』の主人公、剣鉄也を差し置いてグレートマジンガーに登場したことに非難が殺到し、『第3次』のシナリオ中では「自分もグレートマジンガーに乗ったことがあるのにクレームが来た」と楽屋ネタが披露された。
『F完結編』ではマジンガーZの後継機・マジンカイザーが登場し、マジンガーZとの絆も深く描かれた。プレイヤーはマジンカイザーとマジンガーZの強化形態、どちらか一方しか自軍に残せないため、選択に悩むプレイヤーは多かった。
パイロット能力は前線に出るのに適した物となっており、精神コマンドもマジンガーZとの相性が抜群となっている。

マジンガーZ

『マジンガーZ』の主役ロボット。そのモチーフはなんと自家用車。高速道路の渋滞の中で、原作者の永井豪が「自動車がロボットに変形して歩ければいいのに」と思ったことから着想を得た。『マジンガーZ』の作中では強化が繰り返され、様々な兵装が追加された。
本シリーズでは他作品との差別化のため、鈍重だが硬いユニットと設定されている。主題歌に謳われる「鉄の城」を再現した形といえる。
多くのシリーズ作品で、飛行用ユニット「ジェットスクランダー」を装備する強化イベントが序盤に挿入される。戦争と戦争の合間にオーバーホールを行っているという設定。原作でも酷使の影響で性能が低下したためオーバーホールを行うストーリーがあったことに由来する。
序盤から自軍に加入しているため、最初の貴重な戦力として重宝される。他方、後半になる毎に強力なユニットが追加される本シリーズでは、終盤は力不足になりがちである。適度に改造を施し、鉄壁の防御で自軍の中核を目指そう。
マジンガーZの代名詞「ロケットパンチ」は3マス先まで届く攻撃となっており、相手との位置取りが調整しやすい他、一気に近づいてくる大量の敵への反撃にも重宝する。兜甲児の「必中」をお供に、押し寄せる敵を殴り倒そう。
必殺技「ブレストファイヤー」は総エネルギーの1/4程を消費する大火力兵器。射程が1であるため相手に接近する必要があるが、高い攻撃力を誇る武器の中では珍しい、気力の制限がない武器となっているため、様々な局面で相手のHPを大きく削ることが出来る。
終盤の力不足を補うため、『F完結編』の終盤ではマジンカイザーとの択一で大幅強化を施し、強化型マジンガーZにすることが出来る。基本スペックではマジンカイザーに一歩遅れを取るが、新規ユニットとして無改造状態で手に入るマジンカイザーと比べ、それまでの改造が強化型マジンガーZには引き継がれる。また、ロケットパンチを10段階改造することで破格のスペックを持つ遠距離兵器「大車輪ロケットパンチ」が追加できる。

マジンカイザー

『スーパーロボット大戦』のために制作・デザインされたロボット。
マジンガーシリーズとは別作品の『ゲッターロボ』に登場する特殊線・ゲッター線を浴びたマジンガーZが進化した姿である。本シリーズの特徴であるクロスオーバーを大胆に取り入れた設定もこのロボットの魅力の一つ。
このロボットをメインに据えたOVA作品が複数制作されるほどの人気を誇る。
マジンガーZは序盤から登場する都合上、ジェットスクランダーを追加してもなお後に味方に参入する強力ユニットよりもスペックが低いことが常であった。『F』製作時に声優起用の都合から『第4次』に登場したマジンガーシリーズ第3作『UFOロボ グレンダイザー』の参戦が叶わなくなり、マジンガーシリーズの力不足が如実となる事が予想された。
『第4次』でダイナミックプロの協力を受けて真・ゲッターロボが追加されたこともあり、「新たなるマジンガーを」との機運もまた高まった。これらの事情から、真・ゲッターの対として『F完結編』に新型マジンガーを登場させることが決定した。その新型マジンガーがこのマジンカイザーである。
ユニットとして登場する他、CGによる発進シーンのムービーが作成、ゲームに収録された。
ロケットパンチの強化版・ターボスマッシャーパンチやブレストファイヤーの強化版・ファイヤーブラスターは強力無比の一言。マジンガーZと同じ感覚で使えるのも良い点と言える。
『F完結編』に合わせマジンカイザーのテーマ曲も制作された。『マジンガーZ』の主題歌を担当した作曲渡辺宙明・歌唱水木一郎コンビがタッグを組み、70年代のロボットアニメソングの形式をしっかりなぞった名曲となっている。『F完結編』ゲーム中では使用されないが、「マジンカイザーといえばこの曲」とユーザーに認知され、後のスーパーロボット大戦シリーズで戦闘BGMに採用されるようになった。

流竜馬

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@asatama2

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