モンキー・D・ガープ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

覇王色の覇気と思われる強烈な覇気を纏い、敵を掴んで地面に叩きつける技。海賊島ハチノスで黒ひげ海賊団に所属していることが判明したクザン／青雉に対して使用した。

拳骨唐竹割（ギャラクシーディバイド）

拳に強力な覇気を纏わせ（覇王色の覇気と思われる）、パンチで相手を真っ二つにする技。「ディバイド」は英語で「divide」と書き、分割する、隔てるといった意味を持つ。「唐竹割（からたけわり）」は、竹を割るように、物を縦に勢いよく切り裂くという意味。その名前を体現するかのように、ガープは黒ひげ海賊団のアバロ・ピサロに真っ二つになるような縦一閃の傷を負わせた。

モンキー・D・ガープの来歴・活躍

ゴッド・バレー事件

38年前、西の海（ウエストブルー）にある世界政府非加盟国ゴッドバレーで、天竜人（世界貴族）による先住民一掃大会という名の殺人ゲームが行われた。大会の商品は、悪魔の実「リュウリュウの実 モデル”青龍”」と「ニキュニキュの実」。その情報を得たからなのか伝説の海賊団・ロックス海賊団など、名だたる海賊達がゴッド・バレーに集まっていた。当時元帥だったコングからそのことを聞かされたガープは、天竜人が自身で引き起こした、いわば自業自得だとしてゴッド・バレーに援軍として向かうことを拒否していた。しかし自身がずっと追っているロジャーも来ていることを知り、飛び起きる。海兵を率いてゴッド・バレーへ急行した。この時ガープはロックスを倒すためにロジャーと手を組んでいる。ロックスはガープとロジャーに倒され、ロックス海賊団は壊滅。ガープは不本意だったが大嫌いな天竜人やその奴隷を守ったことを評価され、「英雄」と呼ばれるようになった。

この事件は後に「ゴッド・バレー事件」と呼ばれるようになるが、ロックスが世界の禁忌に多数触れていたこともあって、世界政府はロックスに関する情報を隠蔽した。そのため「ゴッド・バレー事件」について知るものは当時を知るものの記憶の中に留まるに収まるのだった。

ドン・チンジャオとの闘い

30年前、ガープとドン・チンジャオはライバル関係にあった。ガープは今日こそチンジャオを倒そうと、サンドバック代わりに山を8つ程破壊してチンジャオのもとに向かう。武装色の覇気をまとわせたガープの拳骨と、同じく武装色をまとわせたチンジャオの頭突きをぶつけたとき、ガープの覇気がチンジャオを上回り彼の錐頭を凹ましてしまった。そのため、チンジャオは氷の大陸の下にあった今まで集めた財宝を、氷を割り取り出すことが出来なくなった。「孫子の代まで許すまじ」とその恨みは深く、ドレスローザ編で出会ったルフィに怒りをぶつけている。

託された海賊王の息子・エース

海賊王ゴール・D・ロジャーが自分の死期を悟り海軍に自首し捕まっている時、ロジャーは幾度となく死闘を繰り返したガープにあることを頼む。ロジャーは自分の子供が産まれてくること、子に罪はないこと、敵だが何度も闘ったガープなら信頼できることを牢屋の中から伝える。ガープは戸惑いながらもその想いを汲み、エースの母・ポートガス・D・ルージュのもとへ向かう。ルージュはエースを守る一心で20か月もの間お腹の中に宿し、海軍からエースの存在を隠した。しかしエースを産んだ瞬間、ルージュは命を落としてしまう。ガープはロジャーから頼まれていたエースを自分の孫として引き取る。だが実際は海軍として忙しい身なので、ガープ自身の故郷ゴア王国にいる山賊・ダダンにエースを託した。

エースとルフィの教育

ガープは孫であるエースとルフィを二人とも、故郷ゴア王国にいる山賊・ダダンに預けている。時おり二人を訪ねては、最強の海兵にするためにジャングルに放り込んだりして鍛えていた。その教育は普通では考えられないが、最終的にふたりが強い海賊に成長したので、あながち間違っていなかったともいえる。

扉絵連載「コビメッポ奮闘日記」

本編に先駆けて、コビーとヘルメッポを主人公とした扉絵連載「コビメッポ奮闘日記」に登場している。本編最初にルフィが海軍支部司令官・斧手のモーガンを倒したことがきっかけで、問題行動が明らかになったモーガンは囚人として捕らえられる。ガープの部隊が彼を引き取るために東の海に向かい、現地支部の協力の元、海上で引き渡しが行われることとなった。

しかし、ガープが立ち眠りをしてしまった隙に、モーガンが斧手でガープを切りつけ、自分の息子・ヘルメッポを人質に取り小舟で逃げてしまう。副官のボガードは部下たちに、小舟を人質諸共撃沈させるよう指示を出す。が、ヘルメッポを友達と慕うコビーが、その大砲の前に立ちふさがりふたりへの攻撃を阻止しようとすると、ガープもそれに同調し大砲を拳骨で壊してしまう。

結局モーガンを取り逃がすことになり、海兵とコビー、父・モーガンと決別し戻ってきたヘルメッポは、ガープに対し謝罪した。しかしガープは彼らに制裁を与えるどころか、コビーやヘルメッポに関心を持ったようで、当時雑用だったふたりを引き抜き本部へ連れ帰った。その後は自らふたりを鍛え上げ、ウォーターセブン編で再登場する際には、曹長と軍曹に昇格させていた。

コビメッポ奮闘日記（ONE PIECE扉絵連載）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

「コビメッポ奮闘日記」とは、少年漫画『ONE PIECE』（ワンピース）の各話の扉絵を利用して描かれる、短期集中の連載「扉絵連載」の第二弾。主人公モンキー・D・ルフィが旅に出て最初に出会った人物コビーと、シェルズタウンで当時大佐だった父・モーガンの権力を笠に着てやりたい放題やっていたヘルメッポが活躍する物語だ。後にルフィの祖父として登場するモンキー・D・ガープ海軍本部中将の名前も、本編に先行して登場している。

ウォーターセブン編

ウォーターセブン編でモンキー・D・ガープは初登場する。ルフィ達麦わら海賊団が司法の島（エニエス・ロビー）を襲撃し、CP9（シーピーナイン／サイファーポールと呼ばれる世界政府直属の諜報部隊。9番目は公には存在しないはずの部隊で、唯一殺しを許可されている。）との闘いを終えロビンを取り戻した後、ガープはコビー（海軍曹長）とヘルメッポ（海軍軍曹）を連れてルフィの前に現れる。闘いの疲れから寝ていたルフィーに対し、「起きんかァ～！」と殴り飛ばす。ルフィがゴム人間で通常の打撃は効かないのに痛がるのは、ガープ曰く「愛ある拳は防ぐ術なし！」とのことらしい。

ガープは身内に甘いところがあるので、海軍本部にはうまく言い訳しておくから、ゆっくり過ごせとルフィ達を一度は見逃す。しかし、センゴクに怒られたためルフィ達が出発する直前に軍艦でやってくる。「やっぱり海のモクズとなれ。」と、本気でルフィ達を止めようとするが、ルフィには逃げられてしまう。

マリンフォード頂上戦争編

ポートガス・D・エースの処刑をきっかけに勃発した、白ひげ海賊団と海軍本部のマリンフォード頂上戦争にガープも参戦。海兵としての立場と、家族であるエースへの想いがせめぎあうガープ。処刑台のエースの隣に腰を下ろし、「エース貴様……！」「なぜわしの言う通りに生きなんだ！」と涙を流し、海兵にするために育てたのに海賊として生き捕らえられてしまったエースへやりきれない気持ちを露わにした。

そして、とうとうエースを助けにきたルフィが処刑台目前までやってくると、ガープがその前に立ちはだかり、「ここを通りたくばわしを殺してでも通れ！”麦わらのルフィ”！」と海軍本部中将としての立場を優先させた。「麦わらのルフィ」と呼んだことが、ルフィを孫ではなく自身の敵である海賊だと見ていることを表している。しかし、拳を振り上げた時に孫たちの子供の時の姿や、家族への愛情が溢れ躊躇する。その一瞬にルフィに殴られてしまう。海軍の同期であるセンゴクは、その一瞬の躊躇が孫たちへの愛情であると理解しており、「貴様も人の親だガープ……！」とその家族への甘さに目を瞑った。

その後ルフィはエースを助けるが、途中海軍大将サカズキに追いつかれエースを殺されてしまう。それを目の当たりにしたガープは、海軍という立場を忘れ怒りを爆発させる。センゴクが押さえつけて止めるが、ガープは「そうやってわしを押さえておけセンゴク！」「でなければ…わしゃァ サカズキを…殺してしまう！」と目の前で孫を殺された怒りを抑えられない。ルフィはハートの海賊団トラファルガー・ローに助けられ、頂上戦争は海兵コビーの訴えと赤髪のシャンクスにより終結する。

世界会議（レヴェリー）編

4年に一度聖地マリージョアで行われる「世界会議（レヴェリー）」開催時に再登場する。この会議に2回目の参加である魚人の国・リュウグウ王国の護衛をガープは務めた。ルフィの祖父ということでネプチューン王やしらほし姫からの信頼もあり、マリージョアの真下で別れるときは笑顔で手を振っている。この時ガープの出身国、ゴア王国のステリー王と遭遇するが、開口一番「誰じゃクソガキ そこをどけ！」と言い放つ。欲深いステリーは天竜人になりたいからコネを寄越せとガープに近づくが、天竜人を良く思っていないガープは「…あんなゴミクズにか」と言い驚かせた。