江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』とは、1969年公開の石井輝男監督のミステリ―映画である。主演は吉田輝雄。作家江戸川乱歩の作品の中から、断片的なイメージを集めて映像化した作品である。
理由もわからぬまま、精神病院に監禁されている医者の卵である主人公が、命を狙われたり殺人の濡れ衣を着せられたことによって、自らの出生の秘密を暴いていく。謎を解く鍵は、無人島で奇形人間を製造している実の父がにぎっているのだった。

奇形人間の島で暮らす丈五郎

菰田家の当主であったが、本家を執事の蛭川に任せて妊娠中の妻ときを連れて島に引っ越す男。手に水かきの様なものが付いている奇形人間である。美しい妻を心から愛したが愛される事は無く、浮気をされてしまう。妻を監禁したり、奇形人間を自ら作ったりしている。息子を外科医にしたいのもその為であり、三十年来の夢であった馬頭観音像を広介に作らせようとしていた。

菰田とき (こもだとき/演:葵三津子)

洞窟に閉じ込められているとき

菰田源三郎、人見広介、初代秀子の母で丈五郎の妻。丈五郎と結婚したが、丈五郎を嫌いいとこの林田と浮気をしていた。それを丈五郎に見つかり、島に連れて行かれて長い間、洞窟で監禁されていた。一時は丈五郎を憎んだが、最後は許し合う。

菰田千代子 (こもだちよこ/演:小畑通子)

毒を飲まされ苦しむ千代子(右)

源三郎の妻である。源三郎を愛しており、広介が成り代わった後も気づくことなく、甲斐甲斐しく広介の世話をするのだった。一度何者かに毒蛇を浴室に放たれて、命を狙われた。その後、毒を飲まされて死ぬ。

静子(しずこ/演: 賀川雪絵)

広介(左)に話しかける静子(右)

菰田家の遠縁の娘で、菰田家の本家で暮らしている。執事の蛭川と男女の関係で、それをうまく利用し菰田家を狙っている。生前の源三郎の愛人でもあった。
広介の命を狙ったり、妻の千代子を殺害している。明智小五郎によって、罪を暴かれ蛭川と逃げる際中海に転落する。

蛭川 (ひるかわ/演:小池朝雄)

女装をしている蛭川(左)

菰田家の執事である。菰田丈五郎が妻のときを連れ島に渡ってから、菰田家を任されていた男。丈五郎の言いつけで大勢の女性をさらい、島に輸送していた。
女装が趣味で、気に入った女をナイフで切り刻んで楽しむなどの異常性格者である。静子とは男女の関係であり、菰田家が静子のものになるように広介を殺そうとしたり、島について広介に話そうとした初代を殺害した。明智小五郎に罪を暴かれ、逃げる最中に静子と共に海に転落した。

きん (演:田仲美智)

真夜中写真を見ているきん

菰田源三郎の乳母である。島で産まれ、三歳の時に本家に戻された源三郎を育てている。
源三郎と毎日の様に子守唄を一緒に歌っていた。

明智小五郎 (あけちこごろう/演:大木実)

広介と秀子の心中を目にした明智小五郎

名探偵である。
とある怪しげな空き部屋広告と、大勢の女の失踪から犯罪の匂いを嗅ぎとる。謎を解明するべく菰田家に下男として侵入していた。
得意まれなる推理力で謎を解き、危機を回避していく。自暴自棄になった丈五郎を説得するなど、紳士的で優しい男である。

猛(たけし/演:近藤正臣)

広介(左)と丈五郎(右)の会話を聞いている猛(中央)

産まれつき醜い顔をしていた猛は、丈五郎に赤子のときに買われて島に来る。
丈五郎の手により、秀子と尻をくっつけられ人工シャム双子にされる。
その後広介によって切り離される。

美枝 (みき/演:英美枝)

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