江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』とは、1969年公開の石井輝男監督のミステリ―映画である。主演は吉田輝雄。作家江戸川乱歩の作品の中から、断片的なイメージを集めて映像化した作品である。
理由もわからぬまま、精神病院に監禁されている医者の卵である主人公が、命を狙われたり殺人の濡れ衣を着せられたことによって、自らの出生の秘密を暴いていく。謎を解く鍵は、無人島で奇形人間を製造している実の父がにぎっているのだった。

按摩(あんま/演:加藤欣子)

広介が逃亡中、立ち寄った旅館でであった盲目の女性按摩師である。
菰田家の事情に詳しく、広介に様々な情報を教える。

坊主A(演:由利徹)

元彼女といちゃつく坊主(左)

倒れていた広介を見つけた坊主である。
ユーモアがある男である。

坊主B(演:大泉滉)

何も知らずに広介をおぶらされる若い坊主(左)

お寺の坊主である。
間抜けな一面があり、騙されて広介を運ぶ事になる。

医者(演:上田吉二郎)

お寺から源三郎が蘇生したと連絡を受けて、やって来る医者である。
源三郎の死亡を確認した医者である。

看護婦(演:桜京美)

お寺から源三郎が蘇生したと連絡を受けて、医者と共にやって来た看護婦である。
医者の妻であり、お寺の坊主の元彼女でもある。

傴僂男A(せむしおとこ/演:沢彰謙)

女中たちの前に現れる奇妙な男

丈五郎から命を受け、本家に潜入し家族を見張っている男である。

傴僂男B(せむしおとこ/演:河崎操)

丈五郎から命を受け、本家に潜入し家族を見張っている男である。

事務員(じむいん/演:岡田千代)

貸しビルの事務をやっている女である。
貸し部屋の広告に、事件の匂いを感じた明智小五郎が、話を聞きにビルを訪れた時に対応した。

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の用語

江戸川乱歩

島を案内する丈五郎

タイトルにもなっている江戸川乱歩(本名平井 太郎)は日本の小説家、推理作家である。日本推理作家協会初代理事長でもある。有名な話であるが、江戸川乱歩というペンネームはアメリカの小説家、エドガー・アラン・ポーからもじったものである。大正から昭和初期にかけて活躍した。欧米の探偵小説に強い影響を受けつつ、フェティシズムや怪奇、エログロなどを初期の段階から執筆し大衆から歓迎された。一方で少年向けの作品である、明智小五郎と小林少年や少年探偵団が活躍する『怪人二十面相』は、少年層から圧倒的な人気があり、シリーズ化される。その後も少年向けの作品も発表している。
多くの世代から愛された作家ではあるが、戦争体制が強まるにつれ、芸術に対する検閲が強まり乱歩作品も例に漏れることなく、表現の自由を制限されることになった。1939年(昭和14年)以降は検閲が激化し、『芋虫』が発禁(発行禁止処分)になっている。1941年(昭和16年)に入ってからは旧著がほぼ絶版になり、原稿依頼も来なくなっていた。
しかし戦後再開した、少年探偵団シリーズは子どもたちから絶大な支持を受け、昭和30年代ごろから映像化された。
1965年(昭和40年)7月28日、蜘蛛膜下出血のため自宅にて70歳で死去するまでに、様々な作品を残した。死後56年が経った今でも、多くのファンを持つ日本を代表する作家の一人である。

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