黒執事(枢やな)のネタバレ解説・考察まとめ

『黒執事』とは、月刊Gファンタジーにて連載中の著・枢やなによる漫画作品。
19世紀末期のイギリス、名門貴族ファントムハイヴ伯爵家の幼い領主シエル・ファントムハイヴと、シエルと契約した悪魔、執事セバスチャン・ミカエリスが、シエルの過去やイギリス女王からの依頼など事件に巻き込まれつつ真相を探ろうとするダークファンタジー。
2017年に「豪華客船編」のアニメ映画上映が決定している。

葬儀屋

CV・諏訪部順一
黒い装束と長い金髪で身を隠し、常に不気味に笑う長身の男。
顔と首、左手の小指に傷があり一人称は「小生」。
裏社会では死体に詳しいためシエルがしばし情報と死体の鑑定をお願いしていたが、報酬は「小生を笑わせること」であり、たびたびシエルが振り回される。
先代のファントムハイヴ当主とは何かしらあったような意味深台詞が多い。
「豪華客船編」では実は死神であったと発覚したが、半世紀前に死神派遣協会を脱退している。
その際、返却しなければならない大鎌の形をしたデスサイズを所持しており、死神からも驚かれていた。

『黒執事』のあらすじ・ストーリー

シエルの過去やファントムハイヴ家が代々行っている裏の顔、「女王の番犬」としての事件が主だが、間に日常パートやギャグパートが入るような話の構成になっている。

切り裂きジャック事件編

単行本2~3巻収録。
ロンドンで娼婦の連続殺人事件が発生し、女王の番犬として協力者のマダム・レッドや劉と捜査を始める。
その残虐な手口から犯人は「切り裂きジャック」と呼ばれており、同じく協力者の葬儀屋(アンダーテイカー)から「被害者からは子宮が取り除かれている」と知らされる。
調査の結果、ドルイット子爵が容疑者と思われ、シエルは女装してパーティに忍び込むが、伯爵は犯人ではなかった。
再調査を行ったシエルたちは次の犠牲者となるであろう娼婦の家を突き止めるが、既に被害者は「切り裂きジャック」に切り刻まれており、そこに居た犯人は通称「マダム・レッド」と呼ばれるシエルの叔母であった。
通称「マダム・レッド」アンジェリーナ・ダレスは不慮の事故で夫を亡くし、自分自身も子宮を切除しなければならなかったが、怪我が治った後は女医として働いていた。だが、気軽に子供を堕胎する娼婦たちへの嫉妬と怒りから殺人を犯し、その姿を死神であるグレルに見られ、そそのかされるように娼婦相手に次々と犯行を犯していた。

逆さ吊り事件編

単行本4~5巻収録。
インドから帰国した貴族や軍人が身ぐるみを剥がされた状態で街中に逆さ釣りにされる事件が発生する。さらに犯人は英国への挑戦的な文句を記した張り紙も必ず残していた。
状況から犯人はインド人が疑われるため、シエルとセバスチャンは調査に乗り出し、インド移民が集まる貧民街を訪れる。そこでシエルらはインドの王子ソーマとその執事アグニと出会う。
ソーマはインドから英国へ攫われたという、ソーマの乳母役をしていたミーナを探しにやってきていた。
ソーマとアグニはファントムファイブの別邸へ半ば強引に住むことになり、シエルたちとも一緒に行動することとなる。
その後、ソーマに絶対服従を誓っていたアグニがイギリスの貿易商ハロルドと繋がっており、一連の犯行もアグニの仕業であったことが判明する。
ミーナはソーマにはハロルドに無理やり連れ去られたと思われていたが、実はカーストのせいで一生変わらぬ身分階級と我侭なソーマの世話に嫌気が差し、自ら望んで英国に来てハロルドと結婚していた。
アグニはそんなミーナの本性をソーマに知らせたくないがためにハロルド側に付き、彼の計画に従っていたのである。
また、女王主催のカリー大会ではハロルドの会社を1位にしろと脅されていた。
シエルはこの大会で全てを明らかにするため、セバスチャンをアグニと対決させる。

ノアの方舟サーカス編

単行本6~8巻収録。
イギリスで子供達が行方不明となる事件が発生、女王の命を受けシエルは「ノアの箱舟」サーカスが怪しいと調査する。
そしてセバスチャンと共にサーカス団員として潜り込むが、そこで同じ事件の調査に来ていた死神、ウィリアムと出くわす。
サーカス団員の下っ端として共同生活を送るシエルだったが、やがてジョーカー率いるサーカス一軍メンバー、ビースト、タガー、ドール、ピーターとウェンディ、ジャンボ(これらは孤児院でサーカスの担当演目にちなんで付けた名前であり本名は不明)と、サーカス団の専属医で義肢職人の先生と呼ばれる人物が事件に関わっていると見当をつけ、彼らがお父様と呼んでいる事件の首謀者の居場所を突き止めた。
そこではお父様であるケルヴィン男爵の狂った余興が行われており、ジョーカー達は孤児から拾ってもらった恩、また孤児院に残してきた兄弟達の為に逆らえず子供達を誘拐していた。
しかもケルヴィン男爵はシエルが誘拐されていた時に黒魔術のミサに参加していた一人であった。
ちなみに、作者は巻末でケルヴィン男爵の可愛いもの(シエル)に対する狂気的な感情を一生懸命描写したが、一瞬だけしか出番の無かったシエルの父ヴィンセントの旧友であるヴィンセントへの反響が大きかったことに落胆していた。

ファントムハイヴ邸連続殺人事件編

単行本9~11巻収録。
シエルは女王からの依頼で晩餐会を開くことになる。
ドイツの銀行員ジーメンスを主賓にダイヤモンド研磨業社長ウッドリー、造船、海運企業の御曹司フェルペス、有名な舞台演出家キーン、美貌を誇るオペラ歌手アイリーンといった著名人たちも招待されていた。
また、女王の付き人であるチャールズ・グレイとチャールズ・フィップスも晩餐会に参加する。
しかし、晩餐会終了後、ジーメンスが何者かに殺害され、さらに屋敷を調べていたセバスチャンも死体で発見された。
次々と犯行が行われる一方、屋敷にセバスチャンの伝書梟で呼ばれたというジェレミー・ラスボーン神父が訪問してくる。
ラスボーン神父は鋭い観察力で犯人を推理し、見事犯人が捕まえられるが、それはスケープゴートに過ぎなかった。
実はこの晩餐会自体が罠であり、女王陛下の命によりドイツの銀行員ジーメンスを殺害し、ダイヤモンド研磨業を営むウッドリーを犯人に仕立て上げるため最初から仕組まれたものであった。

豪華客船編

単行本11~14巻収録。
死者の蘇生に成功した暁学会を調査するため、シエルはセバスチャン、スネークと共に豪華客船カンパニア号に乗り込む。
そこにはシエルの婚約者であるエリザベスとその家族ミッドフォード家も乗船していた。
暁学会に潜入したシエルとセバスチャンは、その場に葬儀屋やドルイット子爵を発見する。
そして死者が復活するデモンストレーションが行われるが、復活した死者は人間を襲い、船内は大パニックとなる。
さらに保管されていた死体たちも人間を襲い始め、船も沈没する中、剣を携えシエルのピンチを救ったのは、戦いとは無縁と思われていたエリザベスだった。

寄宿学校編

単行本14~18巻収録。
名門寄宿学校ウェストン校の生徒が何名か行方不明になっているという、その中の一人、デリック・アーデンが女王の縁故であったことから調査を依頼され、シエルとセバスチャンは寄宿学校に入学する。
ウェストン校は寮が「深紅の狐寮」「紺碧の梟寮」「翡翠の獅子寮」「紫黒の狼寮」の4つに分かれており、各寮の最高位の生徒である監督生は「P4」と呼ばれ、全生徒の憧れであり学校の秩序を守る存在でもあった。
「P4」が開催する「真夜中のお茶会」に事件の真相があると確信し、「紺碧の梟寮」に入寮したシエルと教師に扮したセバスチャンは「P4」に取り入るべく行動を起こす。
ちなみに「翡翠の獅子寮」にはエリザベスの兄、エドワードが監督生であるグリーンヒルの寮弟になっている。

魔女の呪い編

単行本18~22巻収録。
シエルは人狼の目撃証言と、目撃したものによる不可解な死を調査するため、女王の命でドイツへ赴く。
使用人一同と人狼目撃情報のある「狼の谷」にやってきたが、そこは若き領主であり「緑の魔女」と呼ばれる少女が治める村だった。
「緑の魔女」であるジークリンデ・サリヴァンはシエルたちが気に入り、客人として迎える。
秘密裏に村を調査していたシエルが人狼の呪いを受け、サリヴァンの施術によって一命を取り留めるが、一時的に記憶が後退しファニ以外を拒絶してしまう。
セバスチャンのお陰で記憶を取り戻したシエルは、呪いの正体とその村に関わる軍事機密を知ることとなる。

アニメ作品・漫画とアニメ版の相違

テレビアニメ版ではセバスチャンのつく悪態やモノローグ演出がカットされており、よりクール、ミステリアスな展開になっている。
また、二期は完全オリジナルストーリーとして、セバスチャン以外の悪魔クロード・フォースタス(CV・櫻井孝宏)や契約者アロイス・トランシー(CV・水樹奈々)が出てくる。
また使用人たちの過去やシエルの両親を殺した犯人も判明しており、漫画版より細かく描写されている。
アニメ版の最後ではシエルは悪魔となり、セバスチャンは契約であるシエルの人間としての魂は食べられなくなるが、「お前は永遠に僕の執事だ」と言う命令に「イエス」と答え、永遠に仕える事を約束する。
そしてセバスチャンはシエルと共にファントムハイヴ家を去る。
決め台詞も、「あくま(悪魔)で執事ですから」から「あくま(悪魔)で悪魔の執事ですから」に変化している。
その後、三期は「ノアの方舟サーカス編」を元として作られており、その後、三期と同時にOVAも発売されている。

アニメ動画

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